内灘町消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

内灘町消防本部の採用試験では、「なぜ警察官・自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ内灘町消防本部なのか」「消防吏員として何に取り組みたいのか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。内灘町のみを管轄する単独設置の消防本部であり、消防吏員の採用は町職員採用候補者試験の試験区分の一つ(区分E消防士)として行われます。令和7年度(令和8年4月1日採用)の試験案内では面接の配点が全区分中で最大に置かれており、この設計を知っておくと、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、内灘町消防本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と内灘町消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

内灘町消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは内灘町消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 内灘町消防本部は、内灘町のみを管轄する単独設置の消防本部である。
  • 消防吏員は39人(うち女性3人)で、令和7年4月1日現在、内灘町の暮らしを支えている。
  • 令和6年中の出動件数は、火災3件に対し救急978件、救助7件である。
  • 消防吏員の採用は、内灘町職員採用候補者試験の試験区分E(消防士2名程度)として行われ、5つの試験区分の中で唯一、受験資格に日本国籍を有することが求められる。
  • 令和7年度(令和8年4月1日採用)の第2次試験は面接400点・体力測定60点で構成され、面接の配点は5区分中最大である。
  • 令和7年度の試験案内は「今年度は「一般教養試験」を廃止し、全職種において「職務能力試験」を実施します。」と告知しており、筆記の中身が切り替わった年度にあたる。
  • 令和6年能登半島地震では、内灘町で死者6人(いずれも災害関連死)、住家被害は全壊124棟・半壊565棟・一部破損2,337棟が生じた。

内灘町消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「内灘町消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

内灘町は試験区分ごとの配点を公表しています。まずは消防士(区分E)としての採用枠と、令和7年度(令和8年4月1日採用)の案内で示された配点の重心を確認しておきましょう。

項目内容
設置形態単独(管轄:内灘町)
管内人口の目安25,342人(令和8年1月1日現在、住民基本台帳)
消防吏員数39人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数3件(令和6年中)
救急出動件数978件(令和6年中)
救助出動件数7件(令和6年中)
採用の枠組み内灘町職員採用候補者試験の試験区分E「消防士」(令和7年度2名程度)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する本部別データ(令和7年4月1日現在・令和6年中)によります。

数字にみる内灘町消防の実務

まず押さえておきたいのは、火災3件と救急978件という出動件数の差です。火災の300倍を超える救急の件数は、現場の時間の大半が救急に費やされていることを示しています。(出典:全国消防本部データ|総務省消防庁)

令和6年中の救助出動は7件でした。39人という体制の内灘町消防本部は、限られた人員で火災・救急・救助のすべてに対応しています。

「内灘町消防本部は40人足らずの体制で、救急の出動が年間1,000件近くにのぼると知りました。限られた人数でこれだけの件数を支えていると知り、消防吏員という仕事の大変さを実感しています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 内灘町は石川県河北郡に属する町であり、内灘町消防本部の管轄区域は町域と一致している。
  • 管内人口は25,342人、高齢化率は29.8%、75歳以上人口の割合は17.4%(いずれも令和8年1月1日現在、住民基本台帳による)。
  • 石川県全体の高齢化率30.9%(令和6年10月1日現在)と比べると、内灘町の高齢化率はほぼ同水準にある。

つまり内灘町消防本部は、県平均に近い水準まで高齢化が進む町を、39人という体制で支える本部だと整理できます。(出典:石川県の人口(推計人口)|令和6年10月1日現在)

令和6年能登半島地震の被害(実績)

石川県では令和6年(2024年)元日に令和6年能登半島地震が発生しました。石川県災害対策本部が公表する被害状況即報によると、内灘町では死者6人(いずれも災害関連死)、軽傷者6人、住家被害は全壊124棟・半壊565棟・一部破損2,337棟でした(第232報・令和8年8月31日14時00分現在)。

内灘町では地震に伴う液状化によって住家に被害が生じましたが、石川県の被害報には液状化被害を切り分けた区分がありません。

「液状化被害◯棟」という形の公式値は公表されておらず、液状化に伴う被害も上記の住家被害(全壊・半壊・一部破損)の中に含めて計上されています。

数字を引用するときは、この扱いを取り違えないよう注意してください。(出典:石川県災害対策本部 被害状況即報|第232報)

石川県が想定する地震被害(想定)

実際に起きた被害とは別に、石川県は将来の地震についても被害想定を示しています。令和7年5月に公表された想定は県内・隣県の9断層帯を対象としたもので、このうち内灘町に隣接する金沢市を含む森本・富樫断層帯(マグニチュード7.2)は県内最大級の被害が見込まれる断層帯で、金沢市で最大震度7、死者は最大2,212人(冬・朝5時のケース)、建物の全壊・全焼は最大46,947棟と想定されています。

液状化を伴う令和6年能登半島地震という実際の経験を踏まえ、地盤の性質への理解も含めて備えを考えることが、内灘町消防本部を志望するうえでも役立ちます。(出典:石川県地震被害想定調査|令和7年5月公表)

内灘町消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、内灘町消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

令和6年中の全国の救急出動は771万8,380件で、前年を1.0%上回り過去最多となりました。搬送された人のうち65歳以上は63.3%を占めます(令和6年中)。

内灘町消防本部の管内でも、令和6年中の救急出動978件に対し火災は3件で、救急がほぼ単独で出動件数を押し上げている状態です。

内灘町の高齢化率は29.8%、75歳以上人口の割合は17.4%(いずれも令和8年1月1日現在)と、石川県全体の高齢化率30.9%(令和6年10月1日現在)に近い水準にあり、全国と同じ方向の圧力がこの町にもかかっていると見ておく必要があります。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

大規模災害への備え

一つの本部では手が足りない災害に備えて、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録しています。令和6年能登半島地震でも、この仕組みに基づく応援が石川県内の被災地に入りました。

内灘町自身も死者6人・全壊124棟という被害を受けた自治体であり、39人という体制の内灘町消防本部にとっては、外からの応援を受け入れる段取りと、他地域へ出向く備えのどちらも他人事ではありません。(出典:令和6年版 消防白書)

予防・住宅防火

内灘町消防本部管内の令和6年中の火災出動は3件と多くはありませんが、全国では住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)の74.5%を65歳以上の高齢者が占めています(令和5年中)。

内灘町の高齢化率は29.8%(令和8年1月1日現在)であり、住宅用火災警報器の設置や高齢者世帯への働きかけといった予防の取り組みは重要です。(参考:住宅火災による死者の状況|令和6年版 消防白書)

人材確保と女性消防吏員の活躍

消防吏員39人のうち女性は3人で、割合は約7.7%。全国平均(約3.8%・168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)を上回る水準です。

国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げており(平成27年度策定)、内灘町消防本部は全国平均を上回る比率で女性消防吏員が活躍している本部だといえます。(参考:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|面接に重心を置いた配点構造で確保する消防吏員

確認した内灘町の公表資料及び消防本部公式サイトの本文には、消防本部単独の運営方針や基本理念に相当する記載はありません(2026年9月時点)。一方で、令和7年度(令和8年4月1日採用)の職員採用候補者試験案内には、面接に重心を置いた配点構造という、内灘町ならではの採用方針が明確に示されています。

面接400点という配点構造

令和7年度(令和8年4月1日採用)の試験案内によると、職務能力試験100点・作文50点(消防士はこれに体力測定60点が加わる)に対し、面接は400点という配点です。5つの試験区分すべての中で、面接の配点が最大に置かれていました。

なお令和8年度実施分(令和9年4月1日採用)の案内は町公式サイトに掲出されておらず、この配点が翌年度もそのまま続くかどうかは確認できていません。(出典:内灘町職員採用候補者試験案内|令和7年度)

5つの区分と併願不可の原則

令和7年度(令和8年4月1日採用)の試験区分は、A一般行政事務(大学卒業程度)5名程度、B一般行政事務(短大・高校卒業程度)2名程度、C一般行政事務(職務経験者)2名程度、D保育士1名程度、E消防士2名程度の5区分でした。

案内には「※試験区分をまたぐ併願はできません。」と明記されており、消防士を受けるなら事務職との併願はできません。

E消防士の受験資格は「平成8年4月2日以降に生まれた方」「高等学校以上の学校を卒業又は令和8年3月31日までに卒業見込みの方」で、受験できない者として「日本国籍を有しない方(試験区分が「消防士」の方のみ)」が挙げられています。

国籍要件が消防士区分にだけ課される点は、他の区分との違いとして押さえておきましょう。

職務能力試験への切り替え

令和7年度の試験案内には「今年度は「一般教養試験」を廃止し、全職種において「職務能力試験」を実施します」「「職務能力試験」は、基礎的な内容が出題されますので、特別な専門知識は不要です」と明記されています。

出題内容は「論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等について択一式による筆記試験」とされ、試験時間は60分です。

案内はさらに「公務員試験対策をしていない民間企業併願者の方も受けやすい試験となっています」とも述べており、受験者の裾野を広げる方向へ舵を切ったことがうかがえます。

なお初任給は大学卒 月額224,400円、短期大学卒 月額208,488円、高等学校卒 月額191,760円(いずれも地域手当を含む・令和7年4月1日現在)と示されています。

POINT|面接400点をどう受け止めるか

400点という数字そのものを暗記しても意味はありません。「①消防の仕事とは何か → ②内灘町消防本部はどんな体制で町を守っているか → ③自分の経験・強みをどう生かすか」の順で、面接で問われる中身に耐えられる志望動機を組み立てましょう。

悪い例「消防官はかっこいい仕事だと思うので、内灘町消防本部を志望します」

改善例「内灘町職員採用候補者試験は面接の配点が400点と、他の試験種目よりも大きいと知りました。数字を覚えるだけでなく、自分の経験を消火や救急、救助の現場でどう生かせるか、具体的に話せるように準備しています」

あわせて確認したい公式資料

配点や試験区分は年度で変わる可能性があるため、まずは最新の職員採用候補者試験案内で、区分E(消防士)の受験資格と配点を確かめてください。申込は電子申請のみで、受験票のダウンロード方法も案内に明記されています。

あわせて注意したいのが、募集の回次です。内灘町は令和8年4月1日採用の本募集のほかに、二次募集や、採用時期を分けた職務経験者採用も別途実施しています。

同じ「内灘町職員採用候補者試験」という名前でも、区分の構成や日程は回次ごとに違います。

ネット上で見かけた情報がどの回次のものかを必ず確かめてから、受験計画を立ててください。

  • 内灘町職員採用候補者試験の受験案内(試験区分E消防士の確認)
  • 内灘町の「人事・採用・職員」ページ(本募集・二次募集・職務経験者採用の回次の確認)
  • 内灘町消防本部の組織・所在地に関する公式情報
  • 総務省消防庁の本部別統計(全国の消防吏員数・出動件数)
  • 石川県災害対策本部の被害状況即報(令和6年能登半島地震)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、内灘町消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。内灘町消防本部の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

内灘町消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

内灘町消防本部の面接の概要

ここからは、内灘町消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

内灘町消防本部の面接の流れ

消防吏員の採用は、内灘町職員採用候補者試験の試験区分E(消防士)として行われます。令和7年度(令和8年4月1日採用)の案内によると、第2次試験は面接(400点・個別面接による質疑応答形式)と体力測定(消防士のみ・60点)で構成され、集団討論・集団面接の記載はありません。

項目内容(令和7年度)
試験の実施主体内灘町(職員採用候補者試験の試験区分E「消防士」)
試験の段階第1次(職務能力試験100点+適性検査+作文50点)→第2次(面接400点+体力測定60点)
面接の種類個別面接による質疑応答形式(集団討論・集団面接の記載なし)
体力測定反復横とび・握力・上体起こし・20mシャトルラン・腕立て伏せ・長座体前屈
配点面接400点が全区分中最大。職務能力試験100点・作文50点・体力測定60点
身体要件視力・聴力等の基準は試験案内に記載がなく確認できず。最新の受験案内でご確認ください

申込はインターネットによる電子申請のみで、受験票は8月中旬にメール通知の後、電子申請サービス上からダウンロードして持参します。第1次・第2次とも試験会場は内灘町役場です。

第2次試験の受験時には、6か月以内に発行された最終卒業学校の卒業(見込)証明書を持参することとされています。

上記の試験構成は、内灘町が公表する令和7年度(令和8年4月1日採用)の職員採用候補者試験案内にもとづくものです。試験の構成・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。

内灘町消防本部が求める人材

内灘町消防本部は、採用向けの明文の「求める人物像」を公表していません(2026年9月現在・当研究会調べ)。ここから先は公表事実ではなく、公表された試験設計から読み取れる範囲の話です。

令和7年度の案内で面接に400点という配点が置かれていたことは、筆記の点数だけでは順位が決まらない試験であることを意味します。

作文50点・職務能力試験100点と比べたときの差は大きく、話した内容の中身がそのまま合否に響く構造だと考えて準備するのが妥当でしょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。内灘町消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどうやって来られましたか?緊張をほぐす雑談の中にも、素の受け答えや言葉づかいが表れます
② 動機・志望なぜ内灘町消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と内灘町という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解自分の性格をひとことで表すと、どんな人だと思いますか?自己理解の深さと、答えを自分の言葉で語れるか
④ 経験・行動学生時代や仕事で、壁にぶつかった経験を教えてください実際にとった行動の事実。困難への向き合い方が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴学生時代、一番打ち込んだことは何ですか?取り組みの過程でどんな工夫を重ねたかを具体的に語れるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?体力測定で確かめられる、現場活動を支える体力と生活習慣
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースはありますか?社会の出来事への関心と、自分の意見を筋道立てて話せるか

①〜⑦の型は、内灘町消防本部を受ける場合にも当てはまります。ここから先は、内灘町消防本部ならではの固有質問で差がつきます。

合否を分けるのは内灘町消防本部ならではの質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか」
「内灘町のみを管轄する内灘町消防本部を、なぜ志望したのですか」

他の公安職ではなく消防を選んだ筋道に続いて、内灘町だけを受け持つ本部をあえて志望した理由が問われます。令和7年度の案内で面接に最大の配点が置かれていたという試験設計を知らないままでは、他の受験者と変わらない一般論にとどまりがちです。

面接で使いやすい「内灘町消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい内灘町消防本部の事実答え方のヒント
組織の成り立ち内灘町のみを管轄する単独設置の消防本部で、消防吏員の採用は町職員採用候補者試験の試験区分E(消防士)として行われる(詳細は第1部1章)町の試験の一区分であって消防本部の独自試験ではない、という位置づけを正しく言えるようにする
出動の実態令和6年中の出動は火災3件に対し救急978件で、救急が中心(詳細は第1部2章)消火のイメージに寄りかからず、救急を軸に仕事像を語れるようにする
令和6年能登半島地震の経験死者6人(いずれも災害関連死)、住家被害は全壊124棟・半壊565棟・一部破損2,337棟(詳細は第1部3章)被害の大きさだけでなく、そこからの備えへの関心まで語る
配点構造令和7年度の案内では面接400点が5区分中最大で、職務能力試験100点・作文50点・体力測定60点(詳細は第1部5章)面接で問われる中身に耐えられる具体的な経験を用意する
高齢化と救急需要高齢化率29.8%(令和8年1月1日現在)、全国では住宅火災死者の74.5%が65歳以上(詳細は第1部4章)高齢化が救急需要に直結するという理解を語れるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

内灘町消防本部は、消防士の面接で具体的に何が評価されるかという詳細な観点までは公表していません(2026年9月時点)。公務員の採用面接では一般に、これまでの行動の事実を確かめながら、採用後も同様に力を発揮できるかを見極めるコンピテンシー評価という考え方が使われます。

内灘町消防本部の場合、令和7年度の案内で面接に最大の配点が置かれていたことから、この考え方に沿った深い掘り下げが行われると見ておくとよいでしょう。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
体力測定60点に見合う身体反復横とびから20mシャトルランまでの6種目に、当日きちんと臨める状態か種目名を手がかりに、いま出せる数字と練習の経過を自分で把握しておく
被災した町で働く覚悟死者6人・全壊124棟という被害を受けた町で、住民に向き合う仕事を選ぶ理由を語れるか震災の数字を暗記するのではなく、それを知ったうえで何をしたいのかまで言葉にする
400点の面接に耐える具体性ひとつの経験を、状況・自分の判断・結果まで分解して話せるか語る経験を2つに絞り、それぞれ5分話せる状態まで細部を思い出しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 内灘町の職員採用候補者試験案内を確認し、区分E(消防士)の受験資格と配点を把握する
  2. これまでの経験を棚卸しし、面接で掘り下げられても崩れない題材を2つ選ぶ(体力面の話と、人と関わった話を1つずつ)
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 面接400点という配点を意識し、実際に口に出してリハーサルしながら、体力測定に向けた準備も並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で内灘町消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、内灘町消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

内灘町消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。面接に配点が寄った試験である以上、答え方の型を早く固めておくことが結果に直結します。

内灘町消防本部の想定問答集を見る

さいごに

内灘町消防本部は、内灘町のみを管轄する39人体制の消防本部であり、消防吏員の採用は職員採用候補者試験の試験区分Eとして、令和7年度の案内では面接に最大の配点を置く形で行われていました。

令和6年能登半島地震では液状化を含む被害を経験した町であることも踏まえながら、火災を大きく上回る救急需要への対応など、この記事で整理した事実を自分の言葉で説明できるように準備を進めてください。

面接の配点が大きい試験だからこそ、経験の棚卸しに十分な時間をかけていきましょう。区分をまたぐ併願ができない以上、消防士を選ぶという決断そのものを、面接の場で自分の言葉で説明できることが出発点になります。