本記事では、輪島市職員採用試験の面接対策で必要な、輪島市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

輪島市役所の面接試験では、「なぜ輪島市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。輪島市の選考は筆記と面接の2段階しかないため、面接での話し方と中身が、そのまま結果に響きます。

この記事で整理した事実をもとに、自分の経験と輪島市政の重なりを見つけ、面接での説明づくりに使ってください。

第1部|自治体研究編

輪島市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは輪島市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 能登半島の北側に位置し、日本海に面する市。隣接するのは珠洲市、羽咋郡志賀町、鳳珠郡穴水町、能登町。
  • 人口は19,615人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積は429.13km²、人口密度は46人/km²。
  • 65歳以上の割合は50.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。石川県内11市では珠洲市に次いで2番目に高い水準で、県全体の30.7%を大きく上回る。
  • 石川県が全国に発信する伝統工芸の一つ輪島塗の産地。県は令和7年度予算に輪島塗の創造的復興プロジェクトを盛り込んでいる。
  • 令和6年元日の能登半島地震と同年秋の奥能登豪雨で被災した地域にあたり、石川県は令和7年度を「復興元年」と位置づけている。
  • 奥能登の広域的な拠点である奥能登行政センターと、能登空港のターミナルビルは市内の三井町にある。
  • 職員採用は第1次がSPI3、第2次が個人面接という2段階で、いずれも輪島市役所で実施されている。
  • 市の花は雪割草、市の木は档(あて)。市役所は二ツ屋町に置かれている。

輪島市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「輪島市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

輪島市の数字を読むときは、市域の広さに対して人口が少ないという点と、高齢化の水準の2つに注目してください。石川県全体の値と並べると、その差が見えてきます。

項目内容
総人口19,615人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積429.13km²
人口密度46人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合50.8%(石川県全体は30.7%。県内11市では2番目に高い)
75歳以上の割合32.1%(石川県全体は18.4%)
隣接自治体珠洲市/羽咋郡志賀町/鳳珠郡穴水町/鳳珠郡能登町
市役所所在地輪島市二ツ屋町2字29番地
(参考)石川県の人口1,098,531人(令和6年10月1日現在の推計人口)
(参考)石川県の面積4,186.20km²(11市8町の計19市町で構成)

総面積・隣接自治体・市役所所在地は公表値をもとに整理しました。人口密度の算出には住民基本台帳・令和8年1月1日現在の人口を用いています。一方、65歳以上と75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値にもとづくもので、この統計での輪島市の人口は19,615人、これを割合の分母としています。石川県全体の割合および県内11市での順位も、同じ住民基本台帳の統計から求めた値です。参考欄に置いた石川県の人口は国勢調査を基礎とする県の推計人口ですので、住民基本台帳の数値とは基準が異なり、直接の比較には向きません。

数字から考えられる市政課題

石川県全体の人口は、令和5年10月から令和6年10月までの1年間で11,043人(1.00%)減りました。県の推計人口は令和6年10月1日現在で1,098,531人、そのうち65歳以上が332,990人です(出典:石川県の推計人口|令和6年10月1日現在)。

人口が減りながら高齢者の比率が上がっていくという県全体の流れの、先頭にいるのが輪島市です。住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で見た50.8%という値は、同じ統計による石川県全体の30.7%を20ポイント上回っています。

一方で、429.13km²という市域はそのまま残ります。人が減っても、道路も水道も海岸線も短くはならないのが、この規模の市の難しさです。

施設をどう維持するか、集落にどう手を届かせるかという判断が、日常業務の中に絶えず現れます。たとえば面接では、次のように数字と自分の考えを結び付けて話せます。

「輪島市は市民の半数が65歳以上で、県全体より20ポイントほど高いと知りました。人が減っても道路や水道の長さは変わりませんから、限られた人手でどう維持していくかを一緒に考えたいと思っています」

輪島市の経済・産業

輪島塗という看板

石川県は、輪島塗・九谷焼・加賀友禅・金沢箔といった伝統工芸を全国に発信してきた県です(出典:石川県の現状と課題(成長戦略会議資料))。その筆頭に置かれる輪島塗は、輪島市の名前そのものを冠した産業であり、県が令和7年度の予算に輪島塗の創造的復興プロジェクトを掲げているように、工芸の再建が地域の再建と同義になっている点が輪島市の特殊なところです。

面接で産業を語るなら、工芸品の魅力を紹介するだけでは足りません。つくり手の工房、道具、材料、販路、後継者。

産業として立て直すには、その一つひとつに手当てが要ります。行政がどこまで関わるべきかという問いまで含めて考えておくと、話に厚みが出ます。

県のものづくりと一次産業

石川県全体で見ると、令和元年の製造品出荷額等は30,059億円で、そのうち機械が20,766億円と約7割を占めます。農業産出額は令和2年で535億円、米が281億円と最も大きく、次いで野菜101億円が続きます。

能登地域は里山と里海が一体となった営みが世界農業遺産に認定されており、農林水産業と工芸が並び立つ地域構造になっています。県の経済を問われたときは、機械産業が県全体の柱であることと、能登の暮らしを支えてきた一次産業の両方に触れられるようにしておきましょう。

交流人口をどう取り戻すか

石川県の令和6年の観光入り込み客数は18,862千人で、前年の21,538千人から減少しました。県外からの来訪は12,101千人で、内訳は首都圏2,990千人、関西圏1,896千人、中京圏1,316千人などとなっています(出典:石川県観光入込客統計|令和6年)。

北陸新幹線は平成27年に金沢まで、令和6年春には金沢と敦賀の間が開業しており、県は開業効果を県内全域へ波及させることを課題に掲げています。

能登への人の流れをどう戻すかは、輪島市にとって観光の話であると同時に、産業と雇用の話でもあります。志望動機で観光に触れるなら、来訪者の数を増やす施策と、迎える側の生活が整うことの順序を、自分なりに整理しておいてください。

輪島市の主な行政課題

輪島市の場合、市が抱える課題と、市役所が人を採るときの課題が同じ根を持っています。面接で市の課題を問われたときに使えるよう、次の4つに整理しました。

人口減少と高齢化の速度

石川県の人口は平成12年(2000年)の1,180,977人をピークに減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計では令和22年(2040年)に979千人と100万人を割り込む見通しです(出典:石川県の将来推計人口|令和5年推計)。輪島市の65歳以上50.8%、75歳以上32.1%という構成は、その変化の先端にあたります。

介護、医療、交通、そして地域の担い手。どの分野の仕事も、この年齢構成の上に成り立っていると考えてください。

復興と生業の立て直し

石川県は令和6年能登半島地震と令和6年奥能登豪雨への対応として、令和7年度までの累計で1兆3,105億4,309万円を計上し、令和7年度を「復興元年」と位置づけました(出典:石川県当初予算の概要|令和7年度)。生活の再建と生業の再建は、同時に進めなければ片方が止まります。

住まいの再建が進まなければ人が戻らず、人が戻らなければ工房も店も再開できません。市役所の窓口には、この連鎖のどこかで詰まった相談が持ち込まれます。

職員をどう確保するか

輪島市は、職員候補者試験の実施状況を採用年度別にPDFで公表しています。令和9年度採用予定分では、募集人数が事務職(大卒)5人、保健師(大学卒)2人、土木技師(大学卒)2人、建築技師(大学卒)2人の計11人だったのに対し、申込は7人、最終的な内定も7人で、そのすべてが事務職(大卒)区分でした(出典:輪島市職員候補者試験実施状況(令和9年度採用予定)|令和8年7月14日現在)。

令和8年度採用予定分では、事務職や保健師に加えて薬剤師、診療放射線技師、作業療法士、臨床工学技士、臨床検査技師、看護師まで含む計24人の募集に対し、申込は4人、内定は3人でした(出典:輪島市職員候補者試験実施状況(令和8年度採用予定)|令和8年7月14日現在)。募集した人数に採用が届かない状態が続いているということです。

専門職の枠が埋まらないぶん、その分野の仕事は限られた人数で回すことになります。受験する側から見れば、入った後に任される範囲が広くなりやすい環境だと読めます。

市が打っている手の一つが、カムバック採用です。過去に輪島市で一定期間の勤務実績があり、結婚、出産、育児、介護、災害による生活環境の変化などにより退職した方を対象に、再び活躍してもらうことを目的とする制度で、令和8年度は保健師を採用予定職種としていました(出典:令和8年度輪島市職員募集案内(カムバック採用)|令和8年度)。

新規の採用だけで人を確保しきれない状況に対し、一度離れた人に戻ってもらう道を市が制度として開いているということです。

次の災害への備え

石川県は令和7年5月に、県内・隣県の陸海域9断層帯を対象とする地震被害想定を公表しました。能登に関係するものとしては、能登半島北岸断層帯のマグニチュード8.1などが対象に含まれています(出典:石川県地震被害想定調査(概要)|令和7年5月公表)。

被害の想定は、避難所の配置や備蓄、要支援者の名簿づくりといった実務に直結します。防災を志望分野に挙げるなら、市の地域防災計画や避難所の運営に関する公表資料まで目を通しておくと、面接での説明が具体的になります。

重点政策|輪島塗の創造的復興と石川県の枠組み

輪島市が現在どの計画に沿って市政を進めているかは、市公式サイトに掲載されている最新の総合計画や復興に関する計画で確かめてください。ここでは、その計画を取り巻く県の動きを押さえておきます。

県が掲げる創造的復興

石川県は、2つの災害からの創造的復興を最重点に据えています。令和7年度の実質当初予算は9,341億1,800万円で、被災地の生活と生業の再建に加え、トキの放鳥に向けた取組、能登駅伝の開催準備、そして輪島塗の創造的復興プロジェクトが並びます。

輪島市を志望するなら、この予算資料のうち能登に関わる部分だけでも目を通しておくと、市の事業がどの流れの中に置かれているかが見えてきます。

能登への交通という前提

石川県には小松空港とのと里山空港の2つの空港、金沢港と七尾港の2つの重要港湾があります。南北に長い地形に合わせて、のと里山海道や北陸自動車道などの道路網が整備されてきました。

輪島市はこの道路網の北端に位置し、市内の三井町には能登空港のターミナルビルもあります。人と物がどの経路で能登に入ってくるのかという視点は、観光でも防災でも産業でも共通の土台になります。

あわせて確認したい公式資料

次の4つのうち、2番目には手を伸ばしておいてください。倍率と職種ごとの動きが採用年度別に追える資料で、自分が受ける系統の数字は控えておく価値があります。

残りは志望する分野に近いものを選べば足ります。

  • 輪島市職員候補者試験の受験案内(募集期間中に市公式サイトへ掲載される最新年度分)
  • 輪島市職員候補者試験実施状況(採用年度別のPDF。倍率と職種ごとの動きがわかる)
  • 輪島市の総合計画・復興に関する計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
  • 石川県の当初予算の概要(輪島塗の創造的復興プロジェクトを含む県の施策の全体像)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、輪島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。輪島市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

輪島市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

輪島市役所の面接の概要

ここからは、輪島市の選考がどう組まれ、面接がどんな位置を占めるのかを、市が公表している実施状況と当研究会の分析から見ていきます。

輪島市役所の試験の構成

令和9年度採用予定の輪島市職員候補者試験は、第1次試験がSPI3、第2次試験が個人面接という構成でした。筆記の負担を抑えたぶん、人物を見る場が選考の後半をまるごと占める形になっています。

公務員試験向けの専門科目を長く準備してきた人にとっては、対策の重心が変わる試験だといえます。

項目内容(令和9年度採用予定・令和8年度実施分)
試験の段階第1次試験と第2次試験の2段階
第1次試験試験内容はSPI3。会場は輪島市役所
第2次試験試験内容は個人面接試験。会場は輪島市役所
募集人数事務職(大卒)5人、保健師(大学卒)2人、土木技師(大学卒)2人、建築技師(大学卒)2人の計11人
実施状況申込7人、第1次受験7人、第1次合格7人、第2次受験7人、第2次合格7人、内定7人。すべて事務職(大卒)区分
前年の実施状況令和8年度採用予定分は、計24人の募集に対し申込4人、第2次合格3人、内定3人。土木技師区分で受験した1人が第2次試験の面接時に事務職(社会人)への職種変更を申し出て、意向を確認したうえで事務職として選考された例がある
実施状況の公表採用年度別に「輪島市職員候補者試験実施状況」としてPDFで公表されている
別枠の採用カムバック採用(令和8年度は保健師)。輪島市職員として3年以上の実務経験があり、退職の日の翌日から起算して申込日において10年を経過せず、再採用の日に50歳以下であることが条件。選考方法は口述試験、提出書類は受験申込書と履歴書
問い合わせ先総務部総務課

上記は、輪島市が公表している職員候補者試験実施状況とカムバック採用の募集案内にもとづく内容です。各試験の配点と人物試験の比重は公表されていません。また、通常枠の受験案内のページは募集の終了後に市公式サイトから削除されるため、受験を考えている方は、募集期間に入った時点で市の職員採用のページを確認し、その年度の案内を必ず手元に置いてください。試験の構成・職種・実施時期は年度によって変わる可能性があります。

実施状況の注記には、目を引く一文もあります。令和8年度採用予定分では、土木技師区分で受験した1人が第2次試験の面接時に事務職(社会人)への職種変更を申し出て、本人の意向を確認したうえで事務職として選考されました。

面接の席で職種そのものの話になる場合があるということでもあります。自分がどの仕事をしたいのかを、申し込んだ区分の枠にとどめず説明できるようにしておくと落ち着いて臨めます。

輪島市役所が求める人物像

輪島市の職員採用のページとカムバック採用の募集案内の本文には、求める職員像を項目立てて掲げた記載はありません。そのかわり、市は採用の結果を数字で開示しています。

何人募集し、何人が申し込み、何人が内定したか。この公表の仕方自体が、受験者に判断材料を渡そうとする姿勢の表れだと受け止めることもできます。

実施状況のPDFは数字しか語りません。その数字が何を意味するかは、受験する側で補って考える必要があります。

ここからは当研究会の見立てです。

令和9年度採用予定分では、11人の募集に対する内定が7人にとどまり、しかも全員が事務職(大卒)でした。専門職の枠が埋まらない状態が続けば、その分野の業務は事務職や既存の職員が支えることになります。

つまり、担当として割り当てられた仕事の外側まで手を伸ばす場面が、この規模の市では日常的に起こるということです。前例の少ない業務でも、資料を調べ、関係する部署や機関に確認しながら形にしていける人が、力を発揮しやすいでしょう。

もう一つ、輪島市の場合は復興という要素が加わります。住まい、生業、道路、農地といった相談は、制度の区切りどおりには持ち込まれません。

相手の話を最後まで聞いてから整理する姿勢が、実務の場面で効いてきます。1万9千人規模の市では、一つの相談が別の相談と地続きになっていることも珍しくないはずです。

丁寧さや公私の切り分けが重んじられるのは、そうした距離の近さが背景にあるからでしょう。市外から受験する方も、輪島市を選んだ理由と関心のある課題を、自分の経験に引きつけて話せれば十分に伝わります。

面接で確かめられるのは、あなたの経験が輪島市の現場に置かれたときに何をできるかです。だとすれば準備の中心は、募集の実情と自分の職歴や学びが重なる箇所を探す作業になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。輪島市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどちらからお越しになりましたか構えていない一言に出る、話し方の素地と表情
② 動機・志望数ある自治体の中で、なぜここを選んだのですか志望先を選んだ経緯が、事実に裏づけられているか
③ 自己理解周囲からはどんな人だと言われますか自己評価と他者評価のずれを受け止められているか
④ 経験・行動思うように進まなかった経験を教えてくださいうまくいかない状況で、何を考えどう動き直したか
⑤ 学業・経歴これまでの学びや仕事で身についたことは何ですか身についたことを、市の業務へ翻訳できるか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか配属への構えと、仕事の受け止め方
⑦ 公共性・社会性最近気になっている出来事はありますか社会への関心と、それを短く語る力

もっとも、この7つの領域は輪島市に特有のものではなく、どこを受けても問われます。受験者全員が準備してくるため、ここで差はつきにくいのです。

差がつくのは、次の「輪島市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「輪島市ならでは」の質問

「なぜ石川県庁ではなく、輪島市役所なのですか」
「輪島市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも輪島市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「輪島市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい輪島市の事実答え方のヒント
輪島塗と産業の再建石川県が全国に発信する伝統工芸の筆頭。県は令和7年度予算に輪島塗の創造的復興プロジェクトを盛り込んでいる工芸品の魅力を語るより、つくり手、道具、材料、販路のどこに手当てが要るかという産業の話として組み立ててください
人口と年齢構成人口19,615人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。65歳以上50.8%、75歳以上32.1%で、県内11市では珠洲市に次ぐ水準数字を述べたら、介護や交通など自分の関心に近い場面を一つ選び、そこで何をしたいかまで一続きで話しましょう
なぜ県庁ではなく市役所か輪島市は事務職のほか保健師、土木技師、建築技師まで自前で募集し、市民の生活に直接届く仕事を自ら担っている県が広域を受け持つのに対し、市は暮らしの現場に責任を持つという整理を、志望分野の具体例に重ねて説明してください
職員の確保という課題令和9年度採用予定は募集11人に対し内定7人。専門職の区分では申込がなく、事務職(大卒)のみで採用が決まった採用が届いていない事実を人ごとにせず、入った後に自分が引き受けることになる範囲の広さとして語れると、覚悟が伝わります
市域の広さと維持面積429.13km²に対し人口密度は46人/km²。県内でも人口密度の低い市の一つ広さを不便さの説明で終えず、人が減っても短くならない道路や水道をどう保つかという行政側の課題として述べましょう

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

個人面接が一度きりである以上、面接官はその場で過去の行動を掘り下げて確かめにきます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
担当の外側まで動ける幅役割が決まっていない場面で、自分から引き受けた経験があるか専門職の枠が埋まらない年が続いています。守備範囲の外に手を伸ばした経験を、そのときの判断ごと話せるようにしておきましょう
相手の話を整理して受け止める力込み入った相談を、順序立てて処理した経験があるか復興の相談は住まいと生業がからみ合って持ち込まれます。話を聞いて論点を分けた場面を1つ用意してください
この地域で働き続ける構え輪島市を志望した経緯に、具体的な事実が含まれているか人口1万9千人規模の市で、市民との距離は近くなります。輪島塗でも防災でも、自分が関心を持った入口を具体的に語りましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。輪島市は第2次試験の個人面接が人物評価の中心ですから、この掘り下げが一度に集中します。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、話す順序まで決めて持っていってください。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 市の職員採用のページを定期的に開き、その年度の受験案内が掲載されたらすぐに保存する。募集終了後は案内が取り下げられる
  2. SPI3の対策に早めに着手する。公務員試験の教養対策とは出題の形が違うので、問題集を1冊決めて回数をこなす
  3. 実施状況のPDFで、自分が受ける職種の申込数と内定数を確認し、競争の実際を把握しておく
  4. 学業や仕事、地域での活動から、面接で話せる場面を3つ選び、それぞれ一言メモにまとめる
  5. 輪島市の事実を2つか3つ、メモを見ずに30秒で説明できるか試す(材料は第1部)
  6. 第2次の個人面接を想定し、同じ話題を3回掘られたときの返し方まで書き足していく

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、輪島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

輪島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

輪島市役所の想定問答集を見る

さいごに

輪島市の選考は、SPI3を受け、個人面接を受ける。この2つだけで構成されています。

準備の重心をどこに置くべきかは、はっきりしているといえるでしょう。募集した人数に採用が届かない年が続き、輪島塗の再建と暮らしの再建が同時に進む市で、自分はどの仕事を引き受けたいのか。

面接の席で問われるのはそこです。1万9千人が暮らす市の輪郭を頭に入れ、自分の経験のどれを差し出すのかを決めてから臨んでください。