本記事では、白山市職員採用試験の面接対策で必要な、白山市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
白山市役所の面接試験では、「なぜ白山市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。白山市は求められる職員像を5つ掲げていますから、その言葉に自分の経験をどう重ねるかが準備の軸になります。
下に整理した市の輪郭と選考の作りを行き来しながら、面接で話す中身を固めていってください。
第1部|自治体研究編
白山市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは白山市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 石川県の南部に位置する市。面積は754.92km²で、石川県内11市のうち最も広く、県全体の面積のおよそ18%を占める。
- 接しているのは金沢市、小松市、能美市、野々市市、能美郡川北町に加え、福井県の大野市・勝山市、岐阜県の高山市・大野郡白川村、富山県の南砺市。3つの県と境を接する市。
- 人口は112,125人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、世帯数は47,623世帯(令和8年6月末日現在)。
- 65歳以上の割合は29.1%、75歳以上は16.8%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、いずれも石川県全体(30.7%・18.4%)をやや下回る。
- 石川県の最高峰である白山(御前峰・標高2,702m)と、県内最長の河川である手取川(全長65.7km)を市域に抱える。
- 白山市職員人材育成基本方針で「求められる職員像」を5つ掲げている。
- 職員採用試験は年度内に6月試験と9月試験の2回実施され、区分によって試験科目が異なる。
- 6月試験の第1次試験は、白山市会場(白山市民交流センター)のほか東京会場(全国都市会館)でも受験できる。
- 新規採用職員におおむね月1〜2回の市独自研修を行っており、避難所開設訓練や白山手取川ジオパーク研修、手話講習などが組まれている。
- 市の花はアサガオ、市の木はブナ。市役所は倉光二丁目に置かれている。
白山市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「白山市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
白山市を数字で捉える軸は、県内で最も広い市域と、11万人という人口規模の組み合わせです。県全体の値と並べて確かめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 112,125人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総世帯数 | 47,623世帯(令和8年6月末日現在) |
| 総面積 | 754.92km²(石川県内11市で最も広い) |
| 65歳以上の割合 | 29.1%(石川県全体は30.7%) |
| 75歳以上の割合 | 16.8%(石川県全体は18.4%) |
| 市域の自然 | 石川県の最高峰である白山(御前峰・標高2,702m)と、県内最長の手取川(全長65.7km) |
| 隣接自治体 | 金沢市/小松市/能美市/野々市市/能美郡川北町/福井県大野市・勝山市/岐阜県高山市・大野郡白川村/富山県南砺市 |
| 市役所所在地 | 白山市倉光二丁目1番地 |
| (参考)石川県の面積 | 4,186.20km²(11市8町の計19市町で構成) |
総世帯数は白山市が公表している令和8年6月末日現在の値です。65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、この統計における白山市の人口は112,125人、石川県全体は1,089,861人です。割合の分母にもこれらの数値を用いています。総面積・隣接自治体・市役所所在地・市域の自然は公表値をもとに整理しました。市の公表値、住民基本台帳、国勢調査はいずれも基準が異なる統計ですので、数値を横に並べて差を論じることはできません。
数字から考えられる市政課題
754.92km²という市域は、石川県全体(4,186.20km²)のおよそ18%にあたります。県内11市で最も広く、その中に11万人あまりが暮らしています。
市域には標高2,702mの白山があり、平野部から山岳部まで高低差がそのまま市の中に収まっています(参考:石川県の概要(位置と面積))。同じ市民でありながら、暮らしの条件がまったく違う地域を一つの市役所が受け持っているということです。
年齢構成は、65歳以上29.1%、75歳以上16.8%。石川県全体の30.7%・18.4%をわずかに下回る水準で、県内でみれば平均的な位置にあります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。
ただし市全体を均した数字であって、平野部と山あいで同じ構成だとは限りません。たとえば面接では、次のように数字と地域差を結び付けて話せます。
白山市の経済・産業
白山と手取川という資産
石川県は、日本三名山に数えられる霊峰白山を、兼六園や世界農業遺産「能登の里山里海」と並ぶ主要な観光・文化資源として位置づけています(出典:石川県の現状と課題(成長戦略会議資料))。その白山と、県内最長の手取川が市域にあることが白山市の土台です。
市が新規採用職員の研修に白山手取川ジオパーク研修を組み込んでいることからも、この自然を市がどう位置づけているかがうかがえます。観光や環境の分野を志望するなら、景観の紹介ではなく、山と川を市の資源としてどう使い、どう守るかという両面で準備してください。
県の産業構造の中で
令和元年の石川県の製造品出荷額等は30,059億円で、機械が20,766億円と約7割を占めます。農業産出額は令和2年で535億円、米が281億円と最大です。
白山市は平野部に耕地が広がり、山あいには集落が点在するという構成で、この両方の産業に関わりを持ちます。ものづくりの県の一角であると同時に、農業と山の恵みで成り立つ地域でもあるという二重の性格を押さえておくと、経済を問われたときに一面的な答えになりません。
3県に接する立地
白山市は、県内の金沢市、小松市、能美市、野々市市、能美郡川北町のほか、福井県、岐阜県、富山県の市町村と接しています。石川県には小松空港とのと里山空港、金沢港と七尾港があり、北陸新幹線は令和6年春に金沢と敦賀の間が開業しました。
人や物の流れが県境をまたぐ前提で仕事を考える必要があるという点は、県内の他の市とは少し違う条件です。広域連携や観光の動線を語る場面では、この位置関係が材料になります。
白山市の主な行政課題
広い市域と、平均的な人口規模。白山市の課題は、この2つが交わるところに現れます。
市の課題を問われたときに引き出せるよう、論点を4つに束ねました。
平野部と山間部という2つの顔
市域754.92km²の中には、市街地に近い平野部と、標高の高い山あいの集落の両方があります。道路の維持も、除雪も、公共交通も、距離が長くなるほど費用がかかります。
医療や介護の事業者が採算をとりにくい地域が生まれることもあります。同じ市民に同じ水準のサービスを届けようとするほど、地域ごとに違うやり方が必要になるという矛盾を抱えているのが、この規模と広さを併せ持つ市の実情です。
県全体の人口減少という前提
石川県の人口は平成12年(2000年)の1,180,977人をピークに減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計では、令和22年(2040年)に979千人と100万人を割り込む見通しです。老年人口の割合は2020年の29.8%から2050年には38.3%へ上昇すると見込まれています(出典:石川県の将来推計人口|令和5年推計)。
白山市の現在の高齢化率は県平均をやや下回りますが、県全体が縮んでいく流れの外にいるわけではありません。人口が減ることを前提に、施設や仕組みをどう組み替えるかという問いが控えています。
地震への備え
石川県は令和7年5月に、県内・隣県の陸海域9断層帯を対象とする地震被害想定を公表しました。対象には森本・富樫断層帯(マグニチュード7.2)のほか、庄川断層帯(マグニチュード7.9)なども含まれています(出典:石川県地震被害想定調査(概要)|令和7年5月公表)。
白山市が新規採用職員に対して、実際の備品を用いた避難所設営体験を危機管理課の職員が講師となって行っていることは、災害対応が全職員の仕事だという市の考え方の表れだと読めます。防災を志望分野に挙げるなら、市の地域防災計画で市域の想定を確認しておきましょう。
多様な専門職をどう確保するか
白山市の採用試験の区分は幅広く、6月試験では行政(上級)14名程度、土木(上級)2名程度のほか、建築、建築設備(機械)、保育士、精神保健福祉士、事務(心理)、管理栄養士、社会福祉士、手話通訳士(者)、図書館司書が置かれています。9月試験では初級区分と職務経験者区分に加え、行政(障害のある方)の区分も設けられています(出典:白山市職員採用試験のご案内|令和9年度採用)。
これだけ多くの専門分野を自前で採ろうとしている市だということです。市の研修に手話講習が全5回組まれていることとあわせて考えると、専門性を組織の中に持つという方針が見えてきます。
白山市の重点政策|市の計画と人材育成基本方針
白山市がいまどの総合計画に沿って市政を進めているかは、市公式サイトに掲載されている最新版で直接確かめてください。計画は改定のたびに将来像も体系も変わるため、受験する年の版を自分の目で開くことが確実です。
ここでは、その計画と並んで職員の行動を規定している文書を取り上げます。
人材育成基本方針が示す5つの職員像
白山市職員人材育成基本方針(平成31年3月策定)は、求められる職員像として次の5つを掲げています(出典:白山市職員人材育成基本方針|平成31年3月)。
- 挑戦・改革する職員
時代の変化を的確に捉え、既成の概念に捕らわれることなく、柔軟な発想と豊かな感性をもって思考し、施策を創造し、挑戦する職員 - 市民の視点を持つ職員
市民の視点を持ち、市民とともに考え、協働していく職員 - 高い職務倫理と接遇能力を持つ職員
白山市職員倫理条例の趣旨に基づき、全体の奉仕者としての自覚と責任感を持ち、常により良い接遇を心掛ける職員 - 目標・成果を重視する職員
- 専門家を目指す職員
経営感覚を持ち、より高度な専門能力や実務処理能力を駆使しながら行政課題を解決していく職員
この5つは、面接での自己PRを組み立てるときの見出しとして使えます。5つ全部に自分を当てはめようとせず、どれか1つか2つに絞って具体的な経験を用意するほうが、話は深くなります。
研修から見える市の重点
白山市は新規採用職員におおむね月1〜2回の市独自研修を実施しています。令和7年度の実績では、実際の備品を用いた避難所設営体験(危機管理課の職員が講師)、白山手取川ジオパーク研修、全5回の手話講習、普通救命講習、2〜4年目の職員が講師を務める「先輩職員に聞く」などが行われました(出典:白山市の新規採用職員研修|令和7年度実績)。
防災、地域の自然、意思疎通の手段。市が新人のうちから身につけさせたいと考えている領域が、そのまま並んでいます。
県の財政という外枠
石川県の令和5年度の財政力指数は0.478、経常収支比率は92.3%です。県民1人当たりの県債残高は令和6年度で1,123,270円と、平成3年度の4.1倍にまで積み上がっています(出典:石川県の財政状況|令和7年6月)。
県も市も、新しい事業を始めるには既存の事業を組み替えるほかありません。市の予算資料を読むときは、増えた事業だけでなく、何が減ったのかにも目を向けてみてください。
あわせて確認したい公式資料
下に挙げた4点は、関係するところだけ拾えば十分です。受ける区分と志望する分野に引き寄せて読むのが早道です。
- 白山市職員採用試験案内(受験する回と区分の最新年度分)と、市の職員採用のご案内ページ
- 白山市職員人材育成基本方針(求められる職員像の原文)
- 白山市の総合計画の最新版と、その年度の予算に関する市の説明資料
- 過去の職員採用試験実施状況(区分ごとの応募・受験・合格の推移がわかる)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、白山市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。白山市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
白山市役所の面接の概要
ここからは、白山市の選考がどんな順序で進み、面接がどこに置かれているのかを、市の試験案内と当研究会の分析から見ていきます。
白山市役所の試験の構成
白山市の採用試験は、年度内に6月試験と9月試験の2回実施されます。6月試験は行政(上級)などが中心、9月試験は初級と職務経験者が中心という区分けです。
受ける回によって試験科目が変わるため、自分がどちらの回のどの区分を受けるのかを最初に確定させてください。
| 項目 | 内容(令和8年度実施・令和9年度採用) |
|---|---|
| 試験の回次 | 年度内に6月試験と9月試験の2回。区分ごとに実施する回が決まっている |
| 6月試験の第1次試験 | 筆記試験(教養試験・専門試験はいずれも択一式)、作文試験、適性試験 |
| 行政(上級)の科目 | 教養試験(時事、社会・人文に関する一般知識、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する一般知能。大卒程度・120分)と作文試験(60分・600字以内)。専門試験は課されない(土木、建築、建築設備(機械)、保育士等には専門試験がある) |
| 作文試験の扱い | 課題に対する理解度、思考力及び文章による表現力についての作文試験。「教養試験、専門試験の結果が一定の基準に達しない場合は、採点されません」と明記されている |
| 適性検査の扱い | 職務の遂行に必要な素質・適性についての検査(20分)。結果は第2次試験の参考資料とされる |
| 第2次試験 | 種目は面接試験。内容は「面接による試験(詳細は第1次試験合格者に通知します)」とされ、指定された面接日時の変更はできない |
| 第1次試験の会場 | 白山市会場(白山市民交流センター)と東京会場(全国都市会館) |
| 6月試験の区分と人数 | 行政(上級)14名程度、土木(上級)2名程度、建築(上級)若干名、建築設備(機械)若干名、保育士5名程度、精神保健福祉士・事務(心理)・管理栄養士・社会福祉士・手話通訳士(者)・図書館司書は各若干名 |
| 9月試験の区分 | 行政(初級)、土木(初級)、建築(初級)、行政(職務経験者・民間企業等での職務経験5年以上)、土木(職務経験者・3年以上)、建築(職務経験者・3年以上又は1級もしくは2級建築士)、建築設備(機械)(職務経験者)、精神保健福祉士(2次募集)、手話通訳士(者)(2次募集)、行政(障害のある方)。いずれも採用予定人数は若干名 |
| 申込方法 | インターネットによる申込み(電子申請)でのみ受付け。紙の申請は行わない |
上記は白山市の令和8年度実施(令和9年度採用)の職員採用試験案内および市の職員採用のご案内ページにもとづく内容です。第2次試験については、個別面接か集団面接か、面接の回数、集団討論の有無、配点のいずれも公表されていません。また、白山警察署で開催された「警察行政職員×白山市職員×野々市市職員 コラボ採用説明会」は合同の説明会であり、採用試験は白山市が単独で実施しています。試験の構成・区分・日程は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける回と区分の最新の案内をご確認ください。
倍率の動きを押さえる
白山市は過去の実施状況を公表しています。令和7年度実施(令和8年度採用)は全体で応募114人・受験101人・最終合格38人、倍率2.7倍でした。
区分別では、行政(上級)が採用予定10人程度に応募45人・受験40人・最終合格10人で4.0倍、図書館司書は応募18人・受験15人・最終合格1人で15.0倍、保育士は3人程度の枠に応募7人・最終合格4人で1.8倍です。
前年の令和6年度実施(令和7年度採用)は、行政(上級)が採用予定20人程度に応募51人・受験48人・最終合格21人で2.3倍でした(出典:白山市職員採用試験実施状況|令和7年度実施分まで)。採用予定人数が変われば倍率も大きく動きます。
前年の倍率を自分の年の見込みとして受け取らないでください。
白山市役所が求める人物像
白山市は、人材育成基本方針の中で求められる職員像を5つ示しています。第1部で挙げた、挑戦・改革する職員、市民の視点を持つ職員、高い職務倫理と接遇能力を持つ職員、目標・成果を重視する職員、専門家を目指す職員の5つです。
面接での自己PRは、この5つのどれに当たるのかを自分で言えるようにしておくのが基本になります。
ここで確認しておきたいのは、第2次試験の中身が公表されていないという点です。案内に書かれているのは「面接による試験(詳細は第1次試験合格者に通知します)」という一行だけで、形式も回数も配点もわかりません。
手がかりは、案内が明かしている選考の順序のほうにあります。
白山市は、教養試験や専門試験が一定の基準に達しない場合は作文を採点しないと明記し、適性検査の結果は第2次試験の参考資料とすると書いています。筆記で足元を固めた人だけを面接の場に上げ、そこで人物を見るという順序が、案内の文面からはっきり読み取れます。
面接に進んだ時点で、学力の面はすでに確認済みだということです。
市の規模と広さも、見られるものに関わってくるでしょう。11万人規模の市は、地域の中心として企業や団体と組んで動く場面と、住民一人ひとりの相談を受ける場面の両方を抱えます。
市域が県内で最も広く、平野部と山あいで条件が違うとなれば、相手や地域に合わせて説明の仕方を変える力も要ります。手話通訳士や社会福祉士、精神保健福祉士まで自前で採用し、新人研修に手話講習を組む市であることを踏まえれば、伝わりにくい相手にどう伝えるかを考えられる人に重みが置かれると見るのが自然です。
5つの職員像は、自分を当てはめるための枠ではなく、これまでの経験に見出しを付けるための言葉として使ってください。相手に合わせて工夫した場面が一つあれば、そこから届く項目は自然に決まります。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。白山市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどのように会場までいらっしゃいましたか | 力の入っていない一言に出る、話し方の地の部分 |
| ② 動機・志望 | 公務員を志望する理由を教えてください | 民間でも通る動機で止まっていないか。経験に根があるか |
| ③ 自己理解 | ご自身をひとことで表すとどうなりますか | 自分を外から眺める視点と、それを裏づける事実 |
| ④ 経験・行動 | 相手に合わせて伝え方を変えた経験はありますか | 接遇能力に直結する観点。相手の状況をどう読んだか |
| ⑤ 学業・経歴 | 専門で学んだことをどう役立てますか | 専門性を市の業務へ接続する道筋 |
| ⑥ 適性・将来 | 山あいの地域の担当になったらどうしますか | 市域の広さへの理解と、配属に対する構え |
| ⑦ 公共性・社会性 | 気になっている社会の課題はありますか | 社会への関心と、それを短くまとめる力 |
この7つの領域は白山市に固有のものではなく、どこの官公庁でも問われます。誰もが備えてくる場所なので、ここで差はつきません。
差がつくのは、次の「白山市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「白山市ならでは」の質問
どちらも白山市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「白山市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい白山市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 県内で最も広い市域 | 面積754.92km²は石川県内11市で最大で、県全体のおよそ18%。標高2,702mの白山から平野部までが市域に入る | 広さを不便さの話で終えず、平野部と山あいで必要な行政サービスが違うという中身に進めてください |
| 求められる職員像 | 人材育成基本方針が挑戦・改革、市民の視点、高い職務倫理と接遇能力、目標・成果の重視、専門家を目指すの5つを掲げる | 5つを暗唱するのではなく、自分の経験が当たる項目を1つか2つ選び、その場面を具体的に語れる状態にしておきましょう |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 白山市は手話通訳士(者)、社会福祉士、精神保健福祉士、事務(心理)、図書館司書まで自前で採用し、専門職を組織内に持とうとしている | 県が広域を担うのに対し、市は住民に接する場面を専門職ごと抱えているという整理を、志望分野の例に重ねて話しましょう |
| 白山と手取川 | 県は霊峰白山を主要な観光・文化資源に位置づける。市は新規採用職員に白山手取川ジオパーク研修を実施している | 自然の紹介にとどめず、資源として使うことと守ることをどう両立させるかという市の判断に触れると差が出ます |
| 選考の作り | 教養試験・専門試験が一定の基準に達しない場合は作文が採点されない。適性検査の結果は第2次試験の参考資料とされる | 案内の文面を読み込んでいることを示せる材料です。筆記と面接を切り離さずに準備してきた経緯として語れます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、市が掲げる求められる職員像に照らして、これまでの行動を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 接遇と職務倫理 | 相手や状況に合わせて、対応の仕方を変えた経験があるか | 市は職員倫理条例に触れながら接遇を職員像に掲げています。伝わりにくい相手に工夫した場面を1つ用意しましょう |
| 挑戦と改革 | 既存のやり方を見直した経験と、その判断の理由 | 前例に捕らわれないことを市は明記しています。変えた後に何が起きたかまで話せると、思いつきではないと伝わります |
| 専門性を伸ばす姿勢 | 学び続けるための行動を、自分で選んで取っているか | 手話講習を含む市独自研修が月1〜2回あります。学ぶ機会を与えられる前に、自分から動いた経験を思い出してください |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。白山市は面接の形式を公表していないぶん、どの形で来ても崩れない準備が求められます。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを手元に置いておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 6月試験と9月試験のどちらを受けるかを決める。区分によって実施する回が決まっているので、ここが出発点になる
- 自分の区分の試験科目を確認する。行政(上級)は専門試験がなく教養試験と作文、技術系や保育士には専門試験がある
- 作文の練習を筆記対策と並行させる。教養試験等が基準に達しないと作文は採点されないため、両方を落とせない
- これまでの学業や仕事、地域との関わりを振り返り、面接で使える場面を書き出しておく
- 求められる職員像5つのうち、自分に当たるものを1つか2つ選び、対応する経験を割り当てる
- 面接の形式が非公表であることを前提に、個別でも集団でも話せる長さに答えを整えておく
優先順位に注意
ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、白山市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
白山市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
白山市の試験は、筆記で一定の水準を満たした人だけが作文を採点され、その先の面接へ進む作りになっています。面接の形式は公表されていませんから、どんな場でも同じ話ができる状態にしておくのが唯一の備えです。
県内で最も広い市域に11万人が暮らし、平野部と山あいで事情が違う市で、求められる職員像の5つのどれとして働きたいのか。そこを自分の言葉にできていれば、面接の形が個別でも集団でも変わりません。