本記事では、小松市職員採用試験の面接対策で必要な、小松市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

小松市役所の面接試験では、「なぜ小松市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。

小松市の試験は口述試験が二度置かれる設計ですから、一度きりの受け答えでは足りません。

ここに集めた事実を出発点に、自分の関心と小松市政のどこが重なるのかを、面接で口に出せる言葉にしておきましょう。

第1部|自治体研究編

小松市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは小松市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 石川県の南部に位置する市。県内では白山市・能美市・加賀市と隣り合い、南で福井県勝山市と県境を接している。
  • 市域は371.05km²で、石川県全体(4,186.20km²)のおよそ9%にあたる。人口は104,772人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は282人/km²。
  • 金沢市・白山市に次ぐ県内3番目の人口規模で、石川県内11市のなかで中位よりも上に位置する。
  • 同じ統計での65歳以上の割合は29.1%、75歳以上は17.9%。石川県全体の30.7%・18.4%をいずれも下回っている。
  • 石川県には空港が2つあり、そのうち市の名を冠した小松空港について、県は「空の玄関口」となるターミナルビルの改築に向けた基本構想の策定に着手している。
  • 職員採用候補者試験は年2回(6月実施・9月実施)。6月実施の行政職(大学卒)は3段階で、第2次試験と最終試験がどちらも口述試験にあてられている。
  • 市の花はウメ、市の木はマツ。市役所は小馬出町に置かれている。
  • 小松市は市直営の消防本部を持ち、消防士の採用は行政職とは別の要項で行われている。

小松市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「小松市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

小松市を数字で捉えるときの軸は3つあります。県内3番目という人口の位置、県平均より緩やかな高齢化、そして371km²という市域の広さです。県全体の値と並べて、差の向きを確かめてください。

項目内容
総人口104,772人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積371.05km²(石川県の約9%)
人口密度282人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合29.1%(石川県全体は30.7%。県内11市では白山市と並ぶ中位の水準)
75歳以上の割合17.9%(石川県全体は18.4%)
隣接自治体白山市・能美市・加賀市/福井県勝山市
市の花・市の木ウメ・マツ
市役所所在地小松市小馬出町91番地
(参考)石川県の総人口1,089,861人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)
(参考)石川県の面積4,186.20km²

65歳以上・75歳以上の割合と、参考として並べた石川県の総人口・割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計での小松市の総人口は104,772人で、割合の分母にもこの数値を用いています。県内11市での順位も同じ統計にもとづきます。石川県が別に公表している推計人口や国勢調査の結果は調査の基準が異なるため、これらの割合と直接は比較できません。総面積・隣接自治体・市役所所在地・市の花木は公表値をもとに当研究会が整理したもので、人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。

数字から考えられる市政課題

小松市の371.05km²という市域は、石川県全体の4,186.20km²のおよそ9%にあたります(参考:石川県の概要(県の位置・面積))。

南北に細長い石川県のうち、南端寄りの一角を占める広さです。

市域には市街地も農地も山地も含まれるため、同じ市内でも暮らしの条件がひと通りではありません。

もう一つの軸が高齢化です。令和8年1月1日現在の住民基本台帳では、65歳以上の割合が29.1%、75歳以上が17.9%。

石川県全体の30.7%・18.4%をいずれも下回り、県内11市のなかでは白山市と並ぶ中位の水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

ただし、県平均より緩やかというだけで、75歳以上が市民の2割近くを占めている事実は変わりません。

たとえば面接では、次のように数字と課題を結び付けて語れます。

「小松市は10万人あまりが暮らす市で、県内では3番目の規模だと知りました。高齢化の進み方は県の平均より緩やかですけれども、75歳以上の方が市民の2割近くを占めていますので、これから増えていく世代の暮らしをどう支えるかが大きな仕事になるのではと感じています」

小松市の経済・産業

機械が7割を占める県の製造業

石川県の製造品出荷額等(従業者4人以上の事業所)は合計30,059億円で、そのうち機械が20,766億円と構成比69.1%を占めます。

次いで食料品2,003億円(6.7%)、繊維1,929億円(6.4%)という順です(出典:石川県の現状と課題(成長戦略会議資料)|令和元年ほか)。

つまり、県の製造業のおよそ7割が機械という、はっきりと偏りのある産業構造です。

小松市で働く人も企業も、この構造の内側にあります。

面接で地域経済の話に触れるなら、観光や自然の話に流れる前に、ものづくりで食べてきた県だという土台を一度押さえておくと、話の重心が定まります。

県の空の玄関口という位置

石川県には小松空港とのと里山空港という2つの空港と、金沢港・七尾港という2つの重要港湾があります。

県は令和7年度の当初予算で、「空の玄関口」となる小松空港ターミナルビルの改築に向けた基本構想の策定に着手しました(出典:石川県の令和7年度当初予算の概要|令和7年2月)。

市の名を冠した施設が、県全体の玄関として動き始めているという事実は、小松市を語るときに外せません。

交通条件そのものも変わりました。北陸新幹線は平成27年3月に金沢まで、令和6年春に金沢・敦賀間が開業しています。

県は、国土の中央に位置し三大都市圏との時間距離が近いこと(鉄道で約2.5時間、東京は飛行機で約1時間)を強みに挙げています。

空の便と新幹線という2本の動線が県内で重なった状態を、市の側からどう使うか。

産業振興や観光を志望動機に選ぶなら、ここが出発点になります。

米を中心とする農業と伝統工芸

石川県の農業産出額は535億円で、うち米が281億円と最大です。次いで野菜101億円、鶏35億円、果実34億円という構成です。

また県は、輪島塗・九谷焼・加賀友禅・金沢箔といった伝統工芸を全国に誇る資産として位置づけています。

機械産業の集積と、米作を軸とする農業、そして工芸。この3つが県の経済を支えている構図を頭に入れておくと、産業に関する質問で答えが一面的になりません。

小松市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、小松市が向き合っている論点が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

県平均を下回っていても避けられない人口減少

石川県の総人口は令和2年国勢調査で1,132,526人でした。

平成12年の1,180,977人をピークに、平成17年の国勢調査で初めて減少に転じて以降、減少が続いています。

国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計によれば、県人口は令和22年(2040年)に979千人と100万人を割り込み、令和32年(2050年)には897千人まで減る見通しです。

65歳以上の割合も、29.8%(2020年)から38.3%(2050年)へ上昇すると見込まれています(出典:石川県の将来推計人口(解説)|令和5年推計)。

県平均を下回る今の数値は、将来の余裕を意味しません。

森本・富樫断層帯の地震への備え

令和7年5月に公表された石川県の地震被害想定は、県内および隣県の陸海域9断層帯を対象にしています。

このうち県内で最大の被害が見込まれるのは森本・富樫断層帯(マグニチュード7.2・今後30年以内の発生確率2〜8%・金沢市で最大震度7)で、死者は最大2,212人(冬・朝5時の想定)、建物の全壊・全焼は最大46,947棟、負傷者は最大9,344人、1週間後の避難者は最大191,898人と見込まれています(出典:石川県地震被害想定調査の概要|令和7年5月)。

想定の条件まで含めて言えるようにしておくと、防災の話に厚みが出ます。

能登半島地震からの復興という県全体の前提

令和6年元日に令和6年能登半島地震が発生し、同じ年の秋には令和6年奥能登豪雨が重なりました。

石川県は令和7年度を「復興元年」と位置づけ、両災害への対応の累計は1兆3,105億4,309万円に達しています。

県は創造的復興を最重点に据え、被災地の生活と生業の再建に加えて、トキの放鳥に向けた取組や能登駅伝の開催準備、輪島塗の創造的復興プロジェクトなどを進めています。

県内のどの市に入っても、この復興は仕事の前提条件になります。

県財政という条件

石川県の財政力指数は0.478、経常収支比率は92.3%(全国18位・全国平均92.9%)、実質公債費比率は12.3%、将来負担比率は192%です。

令和5年度末の県債残高は標準財政規模の3.69倍(全国9位・全国平均3.08倍)にのぼり、県民1人当たりの県債残高は令和6年度で1,123,270円と、平成3年度の4.1倍に膨らんでいます(出典:石川県の財政状況(財政のあらまし)|令和7年6月)。

県は公債費が財政の大きな圧迫要因になっていると認識しています。

市の予算資料を読むときも、増えた事業だけでなく、何が削られたかに目を向けてみてください。

小松市の重点政策|復興元年の石川県と小松市

小松市が現在どの総合計画に沿って市政を進めているかは、市の公式サイトに掲載されている最新版で直接確かめてください。年度が変われば重点も差し替わります。ここでは、その計画がどんな県の状況の上に置かれているのかを整理します。

復興を最重点に据えた県の予算

石川県の令和7年度実質当初予算(令和7年度当初予算及び令和6年度第1次3月補正予算)の一般会計は9,341億1,800万円で、令和6年度6月現計予算比では24.7%の減となりました。

うち令和7年度当初予算は8,379億8,900万円です。

地震と豪雨からの創造的復興を最重点に置きつつ、小松空港ターミナルビルの改築構想や西部緑地公園の再整備といった大規模プロジェクトも今後の財政需要として見込まれています。

復興という言葉が県全体の予算の中心にある年に採用試験を受ける、ということの意味は考えておいて損がありません。被災地から離れた市であっても、県の予算と人手がどこに集中しているかは、市の事業の進み方に影響します。

県が公式に挙げている課題

石川県は公式文書のなかで、人口減少(2040年に100万人割れの見込み)と少子高齢化への対応、東京一極集中からの脱却、大規模災害やインフラ老朽化への対応、持続可能な財政基盤の確立を課題として挙げています。

加えて、北陸新幹線の県内全線開業効果を最大化し、その効果を持続させて県内全域へ波及させることを課題に据え、文化資源を磨き上げた文化観光の推進や北陸三県連携の強化に取り組むとしています。

この「県内全域への波及」という言い方は、裏返せば、効果が特定の地域にとどまりかねないという認識の表れでもあります。

小松市に引き寄せて考えるなら、県の玄関口として整備が進む空港と、市内で消費が起きる仕組みをどうつなぐかという話になります。

市の計画を読むときは、県が挙げたこれらの項目のどれに市の施策が対応しているかを確かめながら進めると、全体の見取り図が早く頭に入ります。

POINT|計画の名前を覚えるより、つながりを一つ作る

施策の名称を並べられることは、面接ではあまり評価されません。関心のある分野を一つ選び、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指すか → ③今どんな事業があるか → ④市だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験をどう生かすか」の順に調べていきましょう。

悪い例「小松市のまちづくりに携わりたいです」

改善例「県が小松空港のターミナルビルを空の玄関口として整備していく話を読みました。まずは窓口の仕事で市民の方の困りごとを覚えたいですが、いずれは県外や海外から来られた方が市内に滞在しやすくなる仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

並べた資料のうち、最初に開くべきは自分の志望に一番近い一つです。残りは面接の直前に見出しを追う程度でも構いません。

  • 小松市職員採用候補者試験の受験要項(6月実施・9月実施のうち、自分が受ける回のもの)
  • 小松市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の説明資料
  • 石川県の令和7年度当初予算の概要(復興と県全体の重点がひと目でわかります)
  • 石川県地震被害想定調査の概要(防災・危機管理の分野を志望する場合)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、小松市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。小松市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

小松市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

小松市役所の面接の概要

ここからは、小松市の試験が何段階でどう進み、どの場面で人物が見られるのかを、市が公表している受験要項と、当研究会の読みを分けながら整理していきます。

小松市役所の試験の構成

小松市は職員採用候補者試験を年2回実施しており、受ける回によって段階の数が変わります。

6月実施の行政職(大学卒)は3段階で、第2次試験と最終試験がどちらも口述試験にあてられています。

筆記で通過したら終わり、という試験ではありません。

項目内容(令和8年度・6月実施・行政職(大学卒))
試験の段階第1次試験・第2次試験・最終試験の3段階
第1次試験SPI3(能力検査(大学卒程度)・性格検査、択一式)。試験時間110分・配点100点
第2次試験・最終試験いずれも口述試験。要項は「主として人物について,個別面接及び集団面接により試験を行います」と明記しています
集団形式集団面接を実施(集団討論の実施は要項に記載がありません)
人物試験の配点要項に記載がなく非公表。配点が示されているのは第1次試験の100点のみです
提出書類「面接カード」という名称の様式は要項にありません。提出物は第1次試験の合格通知書で個別に指示されます
申込方法原則としてインターネットによる申込み(電子申請)のみ。市ホームページから職員採用専用ページにアクセスして申し込みます
初任給行政職(大学卒)232,000円(令和8年4月1日現在)
結果の開示不合格者は人事育成課の窓口または郵送で、総合点数と総合順位の情報提供を求められます(合格発表の日から起算して1か月間)

この構成から読み取れることは2つあります。1つは、第1次試験がSPI3だけで、専門試験が課されないこと。

もう1つは、その分の判断が2回の口述試験に委ねられていることです。

しかも要項は個別面接と集団面接の両方を名指ししています。

1対1で自分の経験を語る力と、他の受験者が同席する場での振る舞いの、どちらも必要になるということです。

なお9月実施の試験は第1次試験と第2次試験の2段階で、6月実施より1段階少ない構成になっています(出典:小松市職員採用候補者試験受験要項(行政職・大学卒)|令和8年度)。

上記は小松市の令和8年度・6月実施の行政職(大学卒)の受験要項にもとづく内容です。9月実施の回や他の職種では、段階の数や試験科目が異なります。試験の構成・科目・配点は年度や職種によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける回と職種の最新の要項をご確認ください。

小松市役所が求める人物像

小松市の職員採用情報のページと、6月実施・9月実施それぞれの受験要項の本文には、「求める人物像」にあたる項目立てた記載はありませんでした。人材育成基本方針など別の文書に示されている可能性は残ります(参考:小松市の職員採用情報|令和8年度)。

代わりに、要項がはっきり書いていることがあります。口述試験の目的を「主として人物について」と述べ、そのうえで個別面接と集団面接という2つの形式を名指ししている点です。市が何を確かめようとしているのかは、この一文からかなり読み取れます。

以下には当研究会の推測が入ります。要項が個別面接と集団面接を並べて置いた理由までは公表されていないため、10万人規模の市役所で日々起きていることから逆算して考えます。

この規模の市には、県が担うような広域の調整と、住民の一人ひとりに直接向き合う仕事が、同じ庁舎の中に同居しています。

部署は政令市ほど細かく分かれておらず、制度の設計をした職員が窓口で説明もするという場面が生まれます。

空港のように県全体の枠組みで動く案件が市域にあることも、同じ方向を指しています。

担当の線の外にいる相手と話をつなげる力は、この規模の市では重く見られる余地があるでしょう。

小松市の場合は、隣接する白山市・能美市・加賀市に加えて、福井県勝山市とも県境を接しています。

買い物も通勤も観光の動線も、市の境界線で切れているわけではありません。

市の中だけで完結しない前提でものを考えられるかどうかは、面接での話の広がりに表れます。

要項に集団面接が置かれていることも、この見立てと矛盾しないところです。

ただし、この見立てを自己PRの台本にしてしまうと逆効果です。二度の口述試験で問われるのは、あなたが実際に置かれた場面での判断だからです。

市の性格に寄せた言い回しを覚える時間があるなら、立場の違う相手を巻き込んで進めた場面を一つ選び、そのとき誰に何を頼んだのかを思い出しておくほうが役に立ちます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。小松市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わず来られましたか用意していない問いへの返し方。声の大きさと表情の素地
② 動機・志望公務員を志望した理由を教えてください民間との比較で語れているか。選択の理由に自分の経験の裏づけがあるか
③ 自己理解ご自身の短所を一つ挙げてください弱みを認めたうえで、どう付き合ってきたかまで語れるか
④ 経験・行動周囲を巻き込んで動いた経験を教えてください役割の大きさではなく、人に動いてもらうために何をしたかという中身
⑤ 学業・経歴学んできたことを、市の仕事にどうつなげますか専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか市の業務への理解の解像度と、希望と違う配属への構え
⑦ 公共性・社会性最近気になっているニュースはありますか社会の動きへの関心と、意見を短くまとめる力

もっとも、この見取り図に沿った準備は他の受験者もしてきます。ここで大きな差がつくことはあまりありません。差がつくのは、小松市を調べていなければその場では答えようのない質問のほうです。

合否を分けるのは「小松市役所ならでは」の質問

「なぜ石川県庁ではなく、小松市役所なのですか」
「小松市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければ答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「小松市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい小松市の事実答え方のヒント
市の規模と位置住民基本台帳の人口104,772人は石川県内11市で3番目。白山市・能美市・加賀市と隣り合い、南は福井県勝山市と県境を接する「10万人の市です」で止めず、県境を挟んだ往来まで含めて市の位置を説明し、広域で考える必要のある仕事を一つ挙げます
なぜ県庁ではなく市役所か石川県は令和6年能登半島地震と奥能登豪雨からの創造的復興を最重点に据え、県全体の資源をそこへ振り向けている役割分担を一般論で語らず、県全体を動かす仕事と、窓口で一人ひとりに向き合う仕事の距離の違いとして自分の言葉で示します
県の空の玄関口石川県には小松空港とのと里山空港があり、県は小松空港ターミナルビルの改築に向けた基本構想の策定に着手している整備の話を紹介するだけでなく、訪れた人が市内に滞在して消費する形をどう作るかまで踏み込むと、市職員としての視点になります
高齢化の水準65歳以上29.1%・75歳以上17.9%で、石川県全体の30.7%・18.4%をいずれも下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)平均より緩やかという事実を強みとして語ったうえで、県全体が2050年に38.3%と推計されている流れの中での備えへ話を進めます
防災県内で最大の被害が想定される森本・富樫断層帯の地震はマグニチュード7.2で、死者最大2,212人(冬・朝5時の想定)、1週間後の避難者は最大191,898人数字だけを述べず、想定の条件が冬の早朝であることに触れ、自助と共助で自分に何ができるかを一つ添えます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

口述試験が二度置かれているということは、同じ人物を性格の違う場面で二度見るということです。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
人を巻き込んで進める力立場の違う相手に動いてもらった経験があるか小松市の口述試験には集団面接が含まれます。他の受験者が同席する場でも、自分の意見を出しながら相手の話を拾えた場面を一つ用意しておきましょう
相手に合わせて説明を変える力前提を知らない相手に、伝え方をどう工夫したか市の窓口には制度を知らない人が来ます。専門用語を使わずに説明し直した経験を、そのときの相手の反応まで含めて話せる形にします
未経験の仕事を形にする力知らない分野の仕事を、どう調べて形にしたか第1次試験がSPI3だけという設計は、知識の量より地力を見る姿勢の表れとも読めます。調べ方と、誰に相談したかまで説明できるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

小松市は口述試験が2回ありますから、2度目は1度目より深いところを掘られる前提で臨みましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておくことです。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 6月実施と9月実施のどちらを受けるかを決め、その回の受験要項を最後まで読む(段階の数と試験科目が回によって違います)
  2. SPI3の能力検査を時間を計って解き、110分という枠に体を慣らす
  3. 学業・部活動・アルバイトや仕事から、話せる場面を1つずつ選んで書き出す
  4. 集団面接を想定した練習をする。話す量ではなく、他の人の発言を受けて自分の話をどう接続するかを意識する
  5. 小松空港をめぐる県の動きと、高齢化の数字のうち、志望に近いほうを選び、資料を伏せて30秒で説明してみる
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、小松市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

小松市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

小松市役所の想定問答集を見る

さいごに

小松市の6月実施の試験では、第2次と最終の二度にわたって口述試験が置かれ、要項はその目的を「主として人物について」と書いています。

選考の重心がどこにあるかは、この一文が示しているとおりです。

県内3番目の人口を抱え、県平均より緩やかな高齢化のなかにあり、県の空の玄関口を市の名で担う市。

その条件の上で自分は何をしたいのか。

二度の面接で同じ答えにたどり着けるところまで、言葉を練っておいてください。