本記事では、南砺市職員採用試験の面接対策で必要な、南砺市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

南砺市役所の面接試験では、「なぜ南砺市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。南砺市は面接が2回ある試験ですから、市について語れる材料の量が、そのまま最後まで効いてきます。

本記事にまとめた事実を土台に、自分の強みや関心と南砺市政の接点を組み立て、面接での回答づくりに役立ててください。

第1部|自治体研究編

南砺市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは南砺市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 富山県の南西部に位置する市。石川県の金沢市・白山市、岐阜県の飛騨市・白川村と接する県境の市で、県内では小矢部市・砺波市・富山市と隣り合う。
  • 市域は668.64km²で、富山県内10市のうち2番目に広い。人口は45,168人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は67.6人/km²。
  • 65歳以上の割合は40.4%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)。富山県全体の32.9%を大きく上回り、県内10市では2番目に高い。
  • 市域には世界遺産の五箇山があり、県の観光統計では令和6年に407千人が訪れている。
  • 職員採用試験は第1次から第3次までの3段階。一般行政は面接が2回あり、途中に集団討論も課される。
  • 一般行政にはデジタル枠が設けられ、ICTを活用した市政課題の解決に実務経験や知識を活かせる人を求めている。
  • 採用ページには「南砺に根ざし、ともに歩む。あなたの力を、地域の力に。」という採用メッセージが掲げられている。

南砺市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「南砺市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

南砺市を数字で捉えるときの軸は、県内2位の市域の広さと、県平均を大きく超える高齢化の2つです。県全体の値と並べて、差の大きさを確かめてください。

項目内容
総人口45,168人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積668.64km²(富山県内10市のうち2番目の広さ)
人口密度67.6人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合40.4%(富山県全体は32.9%。県内10市で2番目に高い)
75歳以上の割合25.1%(富山県全体は20.1%)
隣接自治体小矢部市・砺波市・富山市/石川県の金沢市・白山市/岐阜県の飛騨市・白川村
市役所所在地南砺市荒木1550番地
(参考)富山県の総人口985,675人(令和7年国勢調査速報。前回から4.7%の減少)
(参考)富山県の面積4,247.58km²

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値で、この統計における南砺市の総人口は45,168人です。割合の分母にもこの数値を用いています。並記した富山県全体の割合と県内10市での順位も同じ統計にもとづくもので、国勢調査をもとにした県の人口とは調査の基準が異なるため、直接は比較できません。総面積・隣接自治体・市役所所在地は公表値をもとに整理したもので、総人口は上記の住民基本台帳人口45,168人、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出した値です。面積の県内順位も同じデータベースで比較しました。

数字から考えられる市政課題

南砺市の668.64km²という市域は、富山県全体(4,247.58km²)のおよそ6分の1にあたります。

県内10市では2番目の広さで、そこに4万5千人あまりが暮らしています(参考:富山県のプロフィール(位置と面積))。平野部の集落から山あいの集落まで距離があり、同じ市の中で暮らしの条件がかなり違うのが南砺市の構造です。

もう一つの軸が高齢化です。令和8年1月1日現在の住民基本台帳では、65歳以上の割合が40.4%、75歳以上が25.1%。

富山県全体の32.9%・20.1%を大きく上回り、県内10市で2番目に高い水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。市民の4人に1人が75歳以上ですから、移動手段の確保や見守りの仕組みは、どの部署の仕事にも顔を出します。

たとえば面接では、市の状況を次のように数字と結び付けて語れます。

「南砺市は市民の4割が65歳以上で、県内でも高い方だと知りました。市域も広いので、山あいの集落にお住まいの方ほど、買い物や通院で不便を感じていらっしゃると思います。そこに手を届かせる仕事に関わりたいです」

南砺市の経済・産業

ものづくりの県という背景

富山県は、ものづくりで地域経済を支えてきた県です。品目でみると、医薬品生産金額7,325億円は全国1位。人口1人あたりの医薬品生産金額も、人口1万人あたりの医薬品製造従業者数も全国1位で、「くすりの富山」として知られます。

住宅用アルミニウム製サッシの全国シェアは36.5%でこれも全国1位、チューリップ球根の出荷量16,713千球も全国1位です(出典:富山県のプロフィール(産業の特色))。

南砺市の企業や働き手も、この県の産業構造の中にあります。面接で「富山県の強み」を語る場面が来たら、観光や自然の話に流れず、ものづくりで食べてきた県だという土台に一度触れておくと、話の重心が定まります。

世界遺産の五箇山と観光

令和6年の富山県の観光客入込総数(延べ数)は38,423千人で前年比1.3%の減少、観光庁の共通基準による実数推計は13,476千人で4.4%の減少でした。

一方で、外国人の延べ宿泊者数は250千人と前年比6.2%の増加です。主要観光地別では、立山黒部アルペンルートが824千人、世界遺産の五箇山が407千人(前年比1.5%増)となっています(出典:富山県観光客入込数|令和6年)。

県全体の入込が前年を下回るなかで五箇山が微増しているという事実は、面接で使える材料です。

来訪者を増やすことと、集落に暮らす人の生活を守ることを同時に成り立たせるのが、世界遺産を抱える自治体の難しさです。観光を志望動機にするなら、賑わいの話と保全の話をセットで語れるように準備しておきましょう。

3つの県にまたがる位置

南砺市が接するのは、県内の小矢部市・砺波市・富山市に加え、石川県の金沢市・白山市、岐阜県の飛騨市・白川村です。富山県自体が、東は新潟県・長野県、南は岐阜県、西は石川県と接し、三方を山に囲まれて富山湾へ開ける地形をしています。

南砺市はその南西の縁にあたり、隣県との距離が県庁所在地との距離と大きくは変わらない位置にあります。生活圏や観光の動線が県境をまたぐ前提で、広域の連携を考える視点を持っておきましょう。

南砺市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、南砺市が抱えている論点が見えてきます。面接で市の課題を問われたときの引き出しとして、次の4つを用意しておきましょう。

県全体を上回る速さの人口減少

富山県の人口は1998年の1,126千人をピークに減少が続いています。直近(2023年)の純増減は10,412人の減で、自然動態も社会動態もマイナスが続いている状態です。

県の試算では、将来人口は2060年に60万人台まで減る見込みで、2030年に若年世代の社会移動が均衡した場合でも約69.6万人とされています(出典:富山県人口未来構想|令和7年2月)。

令和7年国勢調査の速報では、県の総人口は985,675人で前回から4.7%の減少でした(出典:令和7年国勢調査 人口速報|富山県)。高齢化率40.4%の南砺市は、この県全体の変化を先取りする位置にあります。

山あいの集落をどう保つか

市域が668.64km²と広く、そこに4万人規模の人口が分散していることは、行政サービスの単価が上がるということを意味します。道路の維持も、公共交通も、ごみ収集も、距離が長くなるほど費用がかかります。

医療や介護の事業者が採算をとりにくい地域が生まれることもあります。集落を維持するのか、機能を集約するのか。

この判断は、住民の合意なしには進みません。説明して回り、納得を得ながら形にしていく仕事の比重が大きいのが、この規模の市役所の実態です。

呉羽山断層帯の地震への備え

富山県で最も大きな被害が想定されているのは、呉羽山断層帯の地震(マグニチュード7.4)です。平成23年度の被害想定調査では、減災対策を講じない場合に死者4,274人・負傷者20,958人、建物の全壊90,424棟・半壊273,752棟が見込まれています。

この想定は前回(平成10年)の調査に比べて建物全壊で約2.6倍、死者で約2.9倍に拡大した数字です。一方で、耐震化率85%を達成した場合には予測死者数が半減するとも示されています(出典:呉羽山断層帯被害想定調査|平成23年度)。

備えの有無で結果が変わることが数字で示されている点は、防災を語るときに引きやすい材料です。

職員をどう確保し、どう使いこなすか

令和8年度(令和9年度入庁)の採用予定人員は、一般行政が若干人、一般行政(デジタル枠)が若干人、保育士7人程度、保育士(社会人枠)3人程度、社会福祉士1人程度です。事務職の採用が絞られる一方で、保育士の採用枠が最も大きい年もあるという構成です。

加えて、市はICTを活用した市政課題の解決を担う人材をデジタル枠として別に募っています。人を増やせないぶん、仕事のやり方そのものを変える必要があるという市の判断が、採用の設計に表れていると読むことができます。

重点政策|富山県の人口未来構想と南砺市

南砺市がどの計画に沿って市政を進めているかは、市公式サイトに掲載されている最新の総合計画で確かめてください。ここでは、その計画の背景として押さえておきたい富山県全体の動きを整理します。

県が立ち上げた人口対策の枠組み

富山県は令和6年4月に「富山県人口未来構想本部」を設置しました。本部長は知事で、計7回の会議を通じて部局を横断した議論が行われています。

取りまとめられた施策は2つに分かれており、人口減少そのものへの対応(子育て支援・少子化対策、産業振興、移住促進、外国人材の活躍など)と、人口減少社会への適応(インフラの維持管理、中山間地域の振興、防災・減災、医療・介護、公共交通など)が、直ちに取り組むべき施策とされました。

南砺市に引き寄せると、後者の「適応」に該当する項目がそのまま市の日常業務です。中山間地域の振興も、公共交通も、インフラの維持管理も、南砺市が現に抱えている論点です。

市の計画を読むときは、県が挙げた項目のどれに市の施策が対応しているかを確かめながら進めると、全体の見取り図が早く頭に入ります。

県の財政という条件

富山県の令和5年度の財政力指数は0.44924、経常収支比率は93.2%、実質公債費比率は13.8%、将来負担比率は217.7%です(出典:全都道府県の主要財政指標|令和5年度)。経常収支比率が9割を超えるということは、毎年決まって入る収入の大半が固定的な支出で埋まっているということです。

県も市も、新しい事業を始めるには既存の事業を組み替えるしかありません。市の予算資料を読むときは、増えた事業だけでなく、何が減ったかにも目を向けてみてください。

あわせて確認したい公式資料

4つとも読み込む必要はありません。志望する分野に近いものから開き、面接で一言添えられる程度に要点をつかんでおけば十分です。

  • 南砺市職員採用試験案内(最新年度)と、市の職員採用のご案内ページ
  • 南砺市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
  • 五箇山の保存活用に関する市の資料(観光・文化分野を志望する場合)
  • 富山県人口未来構想(県全体の人口の見通しと施策の方向を押さえるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、南砺市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。南砺市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

南砺市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

南砺市役所の面接の概要

ここからは、南砺市の選考が3段階でどう進み、それぞれの場で何が見られるのかを、市の試験案内と当研究会の分析をもとに押さえていきます。

南砺市役所の試験の構成

南砺市の一般行政の試験は3段階です。

第2次試験で集団討論と面接、第3次試験でもう一度面接という構成で、人物を見る場面が繰り返し置かれています。筆記で通過して終わりという試験ではありません。

項目内容(令和8年度・令和9年度入庁)
試験の段階第1次・第2次・第3次(最終)の3段階。保育士(社会人枠)のみ第2次が最終試験
第1次試験一般行政・一般行政(デジタル枠)・保育士・社会福祉士は、全国47都道府県・350カ所以上のテストセンター会場から都合のよい場所と日時を選んで受験する
第1次試験の内容基礎能力検査(文書読解能力、人文・社会、自然に関する一般常識および基礎英語。120問・択一式・60分)と、事務能力検査(職務遂行に必要な事務能力。択一式・50分)
保育士(社会人枠)の第1次南砺市役所で実施。小論文、個別面接、実技試験(絵本の読み聞かせ)、適性検査
第2次試験南砺市役所で実施。一般行政・一般行政(デジタル枠)・社会福祉士は適性検査、集団討論、面接。保育士は適性検査、実技試験、面接
第3次(最終)試験南砺市役所で面接を実施
合否の判定第1次試験、第2次・第3次試験等の結果を総合的に判定して最終合格者を決定し、採用候補者名簿に登載されたうちから採用者を内定する
併願募集職種のうち重複して応募することはできない
申込方法職種ごとの職員採用申込サイトからのインターネット申込を推奨。これによれない場合はエクセル様式の受験申込書をメール・郵送・持参で提出できる
結果の開示口頭による開示請求ができ、試験種目別の得点、総合得点、総合順位が示される。第1次は不合格者本人、第2次・第3次は受験者本人が対象

受験にあたって必ず確認しておきたい注意点が一つあります。南砺市役所で実施する試験を事前の連絡なく欠席した場合、次年度の採用試験を受験できません(テストセンター会場での試験は対象外)。

都合が悪くなったときに黙って行かないという選択は、翌年の受験機会を失うことを意味します。また、申込フォームは富山県の電子申請システム上に置かれますが、これは県との共同試験という意味ではなく、南砺市の単独実施です(出典:南砺市職員採用試験案内|令和9年度入庁)。

上記は南砺市の令和8年度実施(令和9年度入庁)の職員採用試験案内にもとづく内容です。各試験種目の配点および人物試験の比重は案内に記載がなく、公表されていません。試験の構成・日程・職種は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身が受ける職種の最新の案内をご確認ください。

南砺市役所が求める人物像

南砺市の職員採用情報ページと令和8年度採用試験案内を当研究会で確認した限りでは、「求める職員像」を項目立てて示した記載はありません。人材育成基本方針にあたる文書も、この2つをたどった限りでは見当たりませんでした。

ただし、市が採用にあたって発している言葉は残っています。採用ページに掲げられた「南砺に根ざし、ともに歩む。あなたの力を、地域の力に。」という一文と、「南砺市の未来を共につくる、熱意ある仲間を募集しています」という呼びかけです(出典:南砺市職員採用試験のご案内|令和8年度)。

短い文ですが、読み取れるものはあります。「根ざし」「ともに歩む」という言葉は、外から来て指導する立場ではなく、地域の側に身を置いて働く姿勢を指しています。

デジタル枠についても、市は「ICTを活用した市政課題の解決に向け、実務経験や知識を活かしていただける方」と説明したうえで、職務は行政事務全般だと明記しています。専門性を持つ人にも、幅広い行政の仕事を担ってもらう前提だということです。

ここから先に書くことは、市の資料に載っている話ではありません。集団討論を置いた選考の設計と市の地形から、当研究会が考えたものです。

南砺市の試験に集団討論が置かれていることは、実務の姿と無関係ではないでしょう。668.64km²の市域には平野部の集落も山あいの集落もあり、施設の再編や交通の見直しといった話は、住民の合意なしには一歩も進みません。

立場の違う相手と話を前に運ぶ場面が、日常の業務のなかに数多くあります。相手を説き伏せる力ではなく、意見の食い違いを扱いながら決めていける力が、重く見られやすいと考えられます。

規模の面も押さえておきましょう。一般行政の採用予定人員は若干人で、4万5千人あまりの市民に対する行政サービスを限られた人数で回しています。

一つの事業を任されたら、地域を回って話を聞く段階から予算の管理まで、その事業のことはたいてい自分に返ってきます。デジタル枠で採られる人も、職務は行政事務全般です。

前例のない相談を持ち込まれたときに、まず誰に当たるかを自分で決められる人が求められる環境だといえます。

南砺市の規模なら、担当として会った相手が地域の集まりで隣に座ることもあるはずです。「南砺に根ざし、ともに歩む」という市の言葉は、この距離のなかで働くことを指しているのでしょう。

市外から受験することが不利になるわけではありません。南砺市を選んだ理由と、関心を持っている課題を、生活者の目線で語れるかどうかが見られます。

面接向けの人物像をつくり込むより、地域の人と何かをやり遂げた経験を一つ、きちんと話せるようにしておくほうが効きます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。南砺市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日の体調はいかがですか身構えていない一瞬の受け答えに出る、話し方の素地
② 動機・志望公務員を志望した理由を教えてくださいどこでも言える理由で終わっていないか。経験に根があるか
③ 自己理解ご自身の強みを一つ挙げてください強みの申告ではなく、それを裏づける事実があるか
④ 経験・行動意見が食い違ったとき、どう対応しましたか集団討論とも重なる観点。合意をつくる過程での振る舞い
⑤ 学業・経歴学んできたことを、仕事にどうつなげますか知識の量ではなく、実務への接続の仕方
⑥ 適性・将来入庁後に取り組みたい仕事はありますか市の業務への理解の深さと、配属への構え
⑦ 公共性・社会性関心を持っている社会の課題はありますか世の中への関心と、意見を短くまとめる力

ただし、この7カテゴリーは南砺市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「南砺市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「南砺市ならでは」の質問

「なぜ富山県庁ではなく、南砺市役所なのですか」
「南砺市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも南砺市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「南砺市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい南砺市の事実答え方のヒント
市域の広さと集落の分散668.64km²は富山県内10市で2番目の広さ。人口密度は67.6人/km²広さを不便さの説明で終えず、平野部と山あいで条件が違う市であることを述べ、届け方の工夫という話に進めます
なぜ県庁ではなく市役所か南砺市は一般行政のほか保育士・社会福祉士まで自前で採用し、住民の生活に直接触れる職種をそろえている県が広域を担うのに対し、市は暮らしの現場を引き受ける立場だという整理を、自分の関心分野の具体例に結び付けます
世界遺産の五箇山県の観光統計では令和6年の入込が407千人で前年比1.5%増。県全体の入込は前年を下回っている来訪者を増やす話と、集落で暮らす人の生活を守る話の両方に触れると、観光を一面的に語らない姿勢が伝わります
高齢化の水準65歳以上40.4%、75歳以上25.1%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、いずれも県平均を大きく上回る数字の紹介で止めず、移動手段や見守りといった具体の場面を一つ挙げて、自分が関わりたい部分を示します
デジタルの活用市は一般行政にデジタル枠を設け、ICTを活用した市政課題の解決に実務経験や知識を活かせる人を求めている。職務は行政事務全般技術そのものより、それで誰の何が楽になるのかを語ります。デジタル枠以外の受験者も、市の問題意識として触れておくと理解の深さが伝わります

5つを全部抱える必要はありません。志望する分野に近いものを2つに絞り、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接では、ここまで整理してきた資質が、あなたの過去の行動として実在するかどうかが確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
地域の側に立って考える姿勢住民や利用者の立場から、判断を変えた経験があるか市の採用メッセージは「南砺に根ざし、ともに歩む」です。相手の事情を聞いてから自分の案を修正した場面を一つ用意しておきましょう
合意をつくる力意見が割れる場で、どう話を前に進めたか第2次試験には集団討論があります。討論の練習と面接の準備を切り離さず、同じ経験を両方で語れる形にしておくと効率的です
未経験の仕事を仕上げる力前例のない依頼に、どこから着手したか一般行政の採用は若干人で、担当の幅は広くなります。調べ方と相談の相手の選び方まで説明できるようにしておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

南砺市は面接が2回ありますから、同じ経験を別の面接官から角度を変えて問われると考えておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておくことが、2回分の備えになります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の採用試験案内を読み、受ける職種を決める。併願ができないため、ここが最初の分岐点になる
  2. テストセンターの会場と日時を早めに予約する。基礎能力検査は120問60分と分量が多いので、時間配分の練習を先に始める
  3. 学業・課外活動・アルバイトや仕事から、話せる場面を1つずつ選び出して書き留める
  4. 集団討論の練習をする。結論を出すことより、他の人の意見をどう扱うかを意識して振り返る
  5. 南砺市の事実を2つか3つ、メモを見ずに30秒で説明できるか確かめる(材料は第1部)
  6. 第2次と第3次で同じ話題を別の角度から聞かれる前提で、深掘りへの答えを書き足していく

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ3の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、南砺市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

南砺市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

南砺市役所の想定問答集を見る

さいごに

南砺市の選考は3段階あり、そのうち2つの段階で人物が見られます。第2次の集団討論と面接、そして第3次の面接。合計で3回、性格の違う場面で言葉を試されることになります。

「南砺に根ざし、ともに歩む」という市の言葉に、自分のどの経験で応えるのか。

討論の席でも面接の席でも同じ人物だと伝わること。それがこの試験で最も効く備えです。