本記事では、合志市職員採用試験の面接対策で必要な、合志市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

合志市役所の面接では、「なぜ合志市を志望したのか」「入庁後にどんな仕事に取り組みたいか」「自分の経験を市の仕事にどう生かせるか」といった質問が想定されます。合志市の後期試験は第1次から第3次まで3段階の選抜が続く試験であり、一つひとつの関門を着実に越えていく準備が必要です。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と合志市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。市の立地条件まで踏まえて準備することが、他の受験者との差につながります。

第1部|自治体研究編

合志市の特徴

まずは合志市がどんな市なのかを、面接対策に入る前に押さえておきましょう。(急ぐ方は、この節に目を通してもらえれば十分です)

  • 読みは「こうし」である。市の公式資料でもルビが振られるほど、初見では読み方に迷いやすい市名になっている。
  • 熊本市に隣接し、熊本県内14市の中で高齢化率がもっとも低い市である。
  • 総面積53.19km²は県内の市の中でも小さい部類に入り、その分人口密度は高い水準にある。
  • 隣接する菊池郡菊陽町には、半導体受託製造JASMの工場が立地し、県は同地区を核とする「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」を策定している。
  • 市の花はカスミソウ、市の木はクヌギで、いずれも平成18年に制定された。
  • 令和8年度の職員採用試験は前期・後期の2回に分けて実施される。
  • 求める人物像や試験の配点は、公式の受験案内に見当たらない市であり、試験の段階構成そのものから対策を組み立てる必要がある。
  • 後期試験の受験案内の問い合わせ先欄には「こうしし やくしょ」とルビが振られており、市名の読み方そのものが公式に確認できる数少ない箇所になっている。

合志市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「合志市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、年齢構成、隣接自治体など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口65,405人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口15,931人(高齢化率24.4%)
75歳以上人口8,832人(総人口の13.5%)
総面積53.19km²
人口密度約1,230人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体熊本市、菊池市、菊池郡菊陽町・大津町
市の花・木カスミソウ(花)・クヌギ(木)
市役所の所在地合志市竹迫2140番地

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査にもとづいて熊本県や国が公表している人口統計は、これとは別の物差しで数えたものですので、両者の数値を単純に引き算しないでください。総面積・隣接自治体・市の花木・市役所の所在地は、当研究会が整理した基礎データにもとづいています。

数字から考えられる市政課題

この表でもっとも目を引くのが年齢構成です。合志市の高齢化率24.4%は、同じ住民基本台帳の基準でみた熊本県全体の32.5%より8.1ポイント低く、県内14市の中でもっとも低い水準にあります。

75歳以上の比率も13.5%で、県全体の18.5%を5.0ポイント下回ります。

ただし、この数字を「若い市だから安泰」と読むのは早計です。53.19km²という小さな市域に65,405人が暮らす高密度の市であり、保育・教育・道路といった生活基盤への需要は、人口規模以上に集中しやすい条件にあります。

若さは、行政需要の少なさを意味しません。むしろ、子育て世代が多いからこそ求められるサービスの種類は多く、限られた面積の中でそれをどう配置するかという工夫が試されます。

「調べてみると、合志市は県内の市の中で高齢化率がもっとも低い市でした。ただ、面積が小さく人口密度が高いので、若い世代が多いからこそ必要になる保育や教育の基盤づくりに力を入れていく必要があると考えています」

合志市の経済・産業

半導体産業の集積圏に位置する市

合志市が隣接する菊池郡菊陽町には、TSMCとソニーグループが出資する半導体受託製造JASMの工場が立地しています。熊本県はこの一帯を核に「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」(令和7年3月策定)を進めており、県全体でも企業立地件数が3年連続で過去最多を更新するなど、半導体関連産業の集積が加速しています。(出典:くまもとサイエンスパーク推進ビジョン|熊本県・令和7年3月)

合志市自体に半導体工場が立地しているわけではありませんが、隣接する菊陽町・大津町とともに、通勤・通学・住宅需要の受け皿になっていると考えられます。

市域が狭く熊本市へのアクセスもよいという条件は、こうした集積の恩恵を受けやすい立地だといえるでしょう。産業誘致の担当課だけでなく、住宅政策や子育て支援の担当課にとっても、この立地条件は無関係ではありません。

県の農業基盤と合志市

熊本県は農業産出額3,757億円(令和5年)で全国5位に位置し、肉用牛・トマト・米・生乳・豚が上位品目を占めます。合志市は熊本市に隣接して都市化が進む市ですが、全国有数の農業県の一角にあるという背景は、産業の話をするときの前提として押さえておきたいところです。(出典:九州農業の動向|農林水産省九州農政局・令和5年)

市内総生産のように合志市だけを切り出した経済統計は、当研究会が探した範囲では見つかりませんでした。産業の話をするなら、金額の大きさを持ち出すより、半導体産業の集積圏に位置するという立地から入るほうが、合志市らしさが伝わります。

熊本市に近い立地がもたらすもの

合志市は熊本市の北側に隣接し、市域の一部は熊本市のベッドタウンとしての性格を強めてきました。県全体では自然減・社会減がともに進む中、合志市は近隣からの転入によって人口構成を保っている可能性があると考えられます。

令和7年国勢調査(速報値)によれば、熊本県全体の世帯数は前回調査から2.18%増加しており、世帯の小規模化という全国共通の動きも背景にあります。(出典:令和7年国勢調査(速報値)結果|熊本県)

近さは強みであると同時に、隣接する熊本市や菊陽町との間で、住民サービスの水準や利便性を比較されやすいという側面も持ちます。

合志市ならではの魅力を、近隣自治体との違いとして説明できるようにしておくことが大切です。単に「近くて便利」という理由だけでは、隣接する他の市町にも当てはまってしまい、志望動機としての独自性が弱くなってしまいます。

合志市の主な行政課題

数字と立地条件をあわせて眺めると、合志市が向き合う課題が浮かび上がってきます。面接で「合志市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

急速な宅地化にともなう基盤整備

人口密度が高く、若い世代の割合も相対的に大きい合志市では、保育所の受け皿や小中学校の教室数、道路網といった基盤整備が、人口規模以上のペースで求められやすくなります。

熊本市への近さという強みは、同時に開発圧力という形で行政課題にもなりえます。開発が進む地域と、従来からの農地が残る地域とでは、必要とされる行政サービスの中身も異なってきます。

大規模地震への備え

平成28年熊本地震では、県公表の第356報(令和7年4月11日時点)によると、合志市内で7人が犠牲になりました。熊本市に近い市街地であっても、住宅の耐震化や避難所の確保といった備えは欠かせない課題です。(出典:平成28年熊本地震 被害状況等について(第356報)|熊本県)

その後、令和8年(2026年)7月28日16時27分に、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1・最大震度7(宇城市・氷川町で観測)の地震が発生しました。これは平成28年の熊本地震とは別の地震で、被害の把握はいまも続いています。(出典:令和8年熊本地震|気象庁)

熊本県災害警戒本部の発表(令和8年9月7日14時00分現在・速報値)によれば、県全体で死亡38名・住家被害計65,551棟、避難所開設37か所・避難者1,872名が確認されており、このうち合志市の住家被害は393棟と報告されています。罹災証明書の受付や被災者支援の各種手続きの窓口、避難所の運営は、いずれも市役所が担う業務です。

数値はいずれも速報値で今後修正されうるため、参照する際は、どちらの地震の、どの主体がいつ集計した値なのかを確かめたうえで扱ってください。(出典:令和8年熊本地震の被害状況|熊本県災害警戒本部・令和8年9月7日14時00分現在)

半導体産業集積の波及への対応

菊陽町のJASM立地にともなう経済波及効果は、九州地域全体で10年間約20兆円と推計され、JASMは第1・第2工場を合わせた雇用予定者数を3,400人以上としています。合志市がこの集積の受け皿としての役割を強めるなら、住宅・交通・保育の需要増にどう備えるかが、他市にはない固有の論点になります。(出典:くまもと新時代共創基本方針及び総合戦略|熊本県)

3,400人という雇用規模は、その家族も含めれば、周辺自治体の人口動態に影響を与えうる数字です。合志市が受け皿としての役割を担うのであれば、転入してくる世帯にどんな住宅・保育・教育の選択肢を用意できるかが、実際の定住につながるかどうかを左右します。

県全体の人口減少局面との向き合い方

熊本県全体は平成10年を境に人口減少局面に入り、平成15年以降は自然減が続いています。

合志市の人口や年齢構成が県内でも良好な水準にあるとしても、それは県全体の人口が近隣から合志市へ移動している結果である可能性もあります。市の成長を県全体の縮小と切り離して語らないことが、面接では重要になります。

限られた市域の使い方

53.19km²という県内でも小さな市域に65,405人が集まっているということは、住宅・学校・道路・公園といった用途が、限られた土地を取り合う関係にあるということでもあります。どの機能をどこに置くかという土地利用の判断は、人口が増えている市ほど後戻りがしにくくなります。

まちづくりや都市計画を志望する場合は、開発の勢いをどう受け止めるかという観点を持っておきたいところです。市の木に選ばれているクヌギのような身近な緑をどれだけ残せるかも、この判断の延長線上にあります。

合志市の重点政策|人口の受け皿としての合志市

合志市が現在どの総合計画のもとで市政を進めているかは、市の公式サイトで最新版を必ず確認してください。ここでは、当研究会が公式資料で確認できた範囲、つまり熊本県の総合戦略が示す方向と、合志市が置かれている立地条件から、市政の力点を整理します。

県が策定した「くまもと新時代共創総合戦略」は、人口の減少が地域経済を細らせ、細った経済がさらに人口の流出を招くという悪循環を、県全体の課題として掲げています。県内でもっとも高齢化率が低く、半導体産業の集積圏にも位置する合志市は、この悪循環に抗いうる条件が重なった市だといえます。

ただし、その条件を生かせるかどうかは、宅地・保育・教育といった基盤整備を人口の伸びに追いつかせられるかにかかっています。

県の総合戦略は、国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとに、対策を講じなければ熊本県の令和32年(2050年)の人口が約135.5万人まで落ち込むと見込んでいます。合志市のような受け皿となる市が基盤整備を怠れば、県全体としてはせっかくの人口の受け皿を生かしきれないまま縮小が進んでしまいます。

合志市の基盤整備は、単なる一市の課題ではなく、県全体の人口戦略の成否にも関わる仕事だと捉えることができます。

POINT|数字の良さをそのまま志望動機にしない

高齢化率の低さや半導体産業への近さは、それ自体が合志市の魅力ですが、面接でそのまま並べるだけでは表面的な志望動機になりがちです。①合志市の条件(高い人口密度、半導体産業への近接、狭い市域)のうちどれが関わるか ②そこで何が課題になっているか ③市がすぐに対応できることは何か ④自分はどんな役回りで関われるか、の順に考えてみてください。

悪い例「合志市は人口が減っていないので魅力的だと思います」

改善例「人口密度の高さは保育や教育の需要にも直結すると考えているので、施設整備を担当する立場で子育て世代を支える仕事に携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

合志市は各種目の配点を公表していないため、読み込んだ資料の量がそのまま点数に結びつくことはありません。個別面接を2回受けるあいだに話せそうな話題はどれか、という基準で下から2つか3つに絞り込んでください。

  • 合志市職員採用試験の最新の受験案内(志望する日程・区分のもの)と、市の職員採用情報のページ
  • 合志市の総合計画(公式サイトの現行版)
  • 熊本県「くまもと新時代共創基本方針及び総合戦略」
  • 熊本県「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」
  • 熊本県の令和7年国勢調査(速報値)にもとづく人口・世帯数の資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、合志市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。合志市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

合志市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

合志市役所の面接の概要

ここからは、合志市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

合志市役所の面接の流れ

令和8年度後期試験(一般事務(高卒程度)・一般事務(障がい者))は、第1次から第3次まで3段階の選抜が続く構成です。第2次・第3次のいずれも試験科目は個別面接のみで、面接だけを2回課して人物を見極めようとする設計だと読み取れます。

項目内容(令和8年度後期試験)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階
第1次試験の科目教養試験(120分)、事務適性検査(10分)、性格特性検査(20分)
第2次試験の科目個別面接のみ(人柄などについての面接試験)
第3次試験の科目個別面接のみ(人柄などについての面接試験)。集団討論・集団面接は含まれない
基準点基準点に満たない科目がある場合は総合得点にかかわらず不合格と明記されている
配点各試験種目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
後期試験の募集職種・人員一般事務(高卒程度)5人程度、一般事務(障がい者)2人程度、職務経験者(公務員)3人程度(上記の試験構成は一般事務(高卒程度)・一般事務(障がい者)のもの)

合志市の試験でとくに意識したいのは、個別面接を2回連続で課すという構成そのものです。配点が公表されていない以上、点数の内訳から対策を立てることはできませんが、同じ人柄を2つの独立した場面でそれぞれ確かめるという段階設計自体が、面接での受け答えを重視している市であることを示しています。

申込みは電子申請システムで行い、スマートフォンからも手続きができます。障がい者枠で受験する場合は、障害者手帳のデータ添付が必要になるなど、区分ごとに用意すべき書類が異なる点にも注意しておきましょう。

受験票・写真票は各自が電子申請システムからダウンロードして印刷し、切り離したうえで第一次試験当日に持参する必要があります。印刷環境がない場合は、早めにコンビニ等での印刷手段を確認しておくと、直前になって慌てずに済みます。

上記は、合志市の令和8年度後期試験案内にもとづく一般事務(高卒程度)・一般事務(障がい者)のものです。前期試験も第1次から第3次までの3段階で実施されたことは合格発表の記事から確認できていますが、前期の試験案内ページは募集終了後に閲覧できなくなっており、試験種目の詳細は確認できていません。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:合志市職員採用試験案内|令和8年度後期)

合志市役所が求める人物像

合志市の職員採用情報のページと後期試験案内には、求める職員像にあたる公表文言は見当たりませんでした。

配点も公表されていないため、ここでは一般的な公務員試験の考え方を軸に、評価されやすい資質を整理します。文言として公表されていないからといって、市が人物像を重視していないわけではなく、むしろ試験の段階構成そのものに評価の軸を委ねている、と読むほうが実態に近いでしょう。

公務員試験で広く使われている考え方に、コンピテンシー評価があります。これは、これまでの行動の事実を積み重ねて聞くことで、入庁後の職務での再現性を確かめようとする評価の枠組みです。

合志市の試験が個別面接を2回連続で課している点は、一般論としてのこの考え方とも整合します。同じ経験について、切り口を変えて何度も聞かれる前提で準備しておくとよいでしょう。

加えて、性格特性検査が第1次試験の科目に含まれている点も見逃せません。公務員に求められる資質に照らして性格特性をみる検査であり、第1次試験は基準点に満たない科目があれば総合得点にかかわらず不合格になると案内に明記されています。

検査に表れる傾向と、面接での実際の受け答えが大きく食い違えば、面接官に違和感を与えかねません。ありのままの自分を偽らずに伝えることが、遠回りに見えて確実な準備になります。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。合志市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって市役所まで来ましたか?準備していない一言に、素の受け答えや落ち着きが表れます
② 動機・志望数ある自治体の中で、なぜ合志市を選んだのですか?近隣の熊本市ではなく合志市を選んだ理由に具体性があるか
③ 自己理解自分の性格を一言で表すと何ですか?自分の特徴を客観的な言葉で説明できているか
④ 経験・行動グループでの活動で意見が割れたとき、どう対応しましたか?結果より、その場面で自分が実際に取った行動の中身
⑤ 学業・経歴学生時代にもっとも力を入れたことを教えてください取り組みの過程を、初対面の相手にも伝わる言葉で話せるか
⑥ 適性・将来採用後、どんな仕事に挑戦してみたいですか?市の業務への理解の深さと、配属先が希望と違っても対応できる姿勢
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースはありますか?社会の動きへの関心と、要点だけを短く伝える力

7つのカテゴリーは合志市に限った枠組みではなく、どの自治体を受けても顔を出す土台です。

合志市の場合、面接が2回続くという構成上、この7つへの答えが1回目と2回目で食い違わないかまで見られる可能性があります。事前に一言メモを作っておくだけでも、本番での言葉のぶれはかなり抑えられます。

合否を分けるのは「合志市役所ならでは」の質問

「なぜ熊本県庁ではなく、合志市役所なのですか?」
「合志市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

合志市は熊本市のすぐ隣に位置するため、近隣自治体との違いを具体的に語れるかで差がはっきり出ます。当研究会では、合志市の事実のうち面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい合志市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か合志市は熊本市に隣接し、市域53.19km²という狭さの中で人口密度の高い暮らしが営まれている県全体の政策より、住民に近い距離で行政サービスを届けたいという理由を自分の言葉で述べます
年齢構成高齢化率24.4%は熊本県内14市の中でもっとも低く、県全体(32.5%)を8.1ポイント下回る若さを強みとしてだけ語らず、保育や教育の需要増という行政側の負担にも触れます
半導体産業との関係隣接する菊陽町にJASMの工場が立地し、県が「くまもとサイエンスパーク推進ビジョン」を策定している合志市自体に工場があるわけではない点を正確に踏まえたうえで、受け皿としての役割を語ります
防災平成28年熊本地震では、県公表の第356報にもとづき市内で7人が犠牲になった。別個の地震である令和8年熊本地震でも市内で住家被害が報告されている(速報値)熊本市に近い市街地であっても備えが必要という事実を、住宅の耐震化などの具体策とあわせて話します
市の花・木市の花はカスミソウ、市の木はクヌギ(いずれも平成18年制定)象徴の紹介で終わらせず、限られた市域にどんな暮らしと緑を残すかという話につなげます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

とくに「なぜ熊本市ではなく合志市か」という問いは、通勤・通学圏が重なる分、他の市よりも具体的な答えが求められます。人口密度の高さと農地の両方を持つ市域の性格や、半導体産業の集積圏という立地条件を、単なる知識としてではなく、自分がその中でどう働きたいかという言葉に落とし込んでおきましょう。

想定される評価の観点

合志市の受験案内には人物像も配点も明記されていませんが、個別面接を2回連続で課す構成そのものが評価の軸を示しています。配点という手がかりがない分、ここでは公務員試験で広く共有されているコンピテンシー評価という一般的な考え方も踏まえつつ、合志市が公表している段階構成のほうを起点に観点を組み立てました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
受け答えの一貫性第2次と第3次で、同じ経験について違う角度から聞かれても答えの内容がぶれないか自己PRや志望動機を、複数のエピソードで裏づけられるようにしておく
地域理解にもとづく志望動機合志市の立地・年齢構成・産業の位置づけを、単なる知識ではなく自分の言葉で語れるか高齢化率の低さや半導体産業との近さのうち関心のある分野を選び、課題と結びつけておく
環境変化への対応力宅地化や産業集積の進展にともなう新しい行政課題に、柔軟に対応できるか変化のある環境で自分から情報を集め、対応した経験を具体的に用意しておく

3つの観点はいずれも独立したものではなく、合志市が置かれている「近さゆえの変化の速さ」という条件から導かれています。表の順に一つずつ準備するより、自分の経験のどれがどの観点に当てはまるかを先に整理しておくほうが効率的です。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。合志市では第2次と第3次で個別面接が続くため、同じ経験を別の場面で二度掘り下げられることも想定しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 志望する日程・区分の最新の受験案内を読み、試験の段階と申込方法(電子申請)を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトから、結果だけでなく行動の中身まで話せる具体例を、できれば複数用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作り、声に出して一度確かめておく
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編み、書き出して見直す
  6. 声に出して練習し、第2次と第3次で聞かれ方が変わっても答えの内容がぶれないか、家族や友人にも聞いてもらって確かめる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を合志市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、合志市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

合志市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

合志市役所の想定問答集を見る

さいごに

合志市の試験は、配点こそ公表されていないものの、第2次・第3次といずれも個別面接だけを課す構成から、人物を重視する姿勢がはっきり読み取れます。

県内でもっとも低い高齢化率と、半導体産業の集積圏という立地条件を併せ持つ合志市だからこそ語れる志望動機を、2回の面接のどちらで聞かれても同じ言葉で語れるところまで仕上げていきましょう。読み方から地勢まで、意外と知られていない一面を持つ市だからこそ、自分の言葉で語れる準備が差になります。