本記事では、山鹿市職員採用試験の面接対策で必要な、山鹿市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
山鹿市役所の面接では、「なぜ山鹿市を志望したのですか」「地域や市民のためにどう働きたいですか」「人とのつながりをどう築いてきましたか」といった質問が想定されます。山鹿市の場合、申込の段階で1分以内の自己PR動画の提出が求められるため、面接会場に立つ前から、画面越しの受け答えがすでに選考の対象になっているという点を押さえておく必要があります。
なお、本記事の試験に関する記述は、山鹿市の令和8年度職員採用試験(後期日程)の受験案内で確認できた範囲のものです。行政(大卒)・行政(高卒)・保健師で選考の流れが一部異なりますので、志望する区分の案内を必ず確認してください。
第1部|自治体研究編
山鹿市の特徴
本格的な面接対策に入る前に、山鹿市の全体像を押さえておきましょう。(忙しい方は、この節をひととおり眺めるだけでも構いません)
- 山鹿市は熊本県北部に位置し、福岡県八女市・大分県日田市と県境を接する三県境の市で、熊本県内では熊本市・菊池市とも隣接している。
- 総面積は299.69平方キロメートルで、熊本県全体(7,409.19平方キロメートル)の約4.0%にあたる。
- 令和8年1月1日現在の人口は47,378人で、熊本県全体1,702,998人の約2.8%を占める。
- 明治43年(1910年)に建てられた芝居小屋八千代座は、昭和63年に国の重要文化財に指定されている。(出典:八千代座の歴史)
- 毎年8月15・16日には山鹿灯籠まつりが開かれ、頭上に金灯籠を掲げた約千人の女性が舞う「千人灯籠踊り」で知られる。金灯籠は木や金具を使わず、和紙と少量の糊だけで組み上げる伝統工芸品である。(出典:山鹿灯籠まつり(山鹿市観光公式))
- 市の花はツツジ、市の木はキンモクセイ。市役所は山鹿市山鹿987番地3に置かれている。
- 採用試験にはSPI3が使われ、案内には人物重視の試験であり複数回の個別面接を実施すると明記されている。
- 職員採用の申込は「パブリックコネクト」からのオンライン申込のみで、来庁・郵送での受け付けは行われない。
山鹿市の基礎データ
山鹿市の数字は、県全体の平均と比べたときに輪郭がはっきりします。県より一段進んだ高齢化と、三県境という立地の2点を、まずは自分の言葉にしてみてください。
県との比較がひと目でわかるように、表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 47,378人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 18,726人(高齢化率39.5%) |
| 75歳以上人口 | 10,944人(75歳以上率23.1%) |
| 総面積 | 299.69km²(熊本県総面積7,409.19km²の約4.0%) |
| 人口密度 | 約158人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 熊本市・菊池市、玉名郡玉東町・和水町(熊本県内)、福岡県八女市、大分県日田市 |
| 市の花・木 | ツツジ(花)・キンモクセイ(木) |
| 市役所の所在地 | 山鹿市山鹿987番地3 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。国勢調査を基準にした熊本県の別系列統計もありますが、集計方法の異なる数字同士を混ぜて計算しないよう注意してください。面積・隣接自治体・市の花木・市役所の所在地は、当研究会が別途まとめた基礎データによります。
三つの県に囲まれた立地と、進む高齢化
山鹿市の位置づけを一言で表すなら、熊本・福岡・大分の三県が接する場所にある市だということです。
県境をまたいだ先には福岡県八女市、大分県日田市があり、住民の通勤・通学や買い物の動線が県の境界で区切られていない地域だと考えられます。市の仕事を語るときは、熊本県内の視点だけでなく、隣接2県との関係も視野に入れておくと厚みが出ます。
年齢構成では、高齢化率39.5%は、熊本県全体(住民基本台帳による32.5%)を7.0ポイント上回ります。75歳以上の比率も23.1%で、県全体の18.5%より高い水準です。
18,726人が65歳以上、10,944人が75歳以上ですから、4人に1人に迫る割合が75歳以上という計算になります。
山鹿市の経済・産業
三県境という立地の意味
山鹿市の経済を考えるうえでまず押さえたいのは、市域の生活圏が熊本県の内側だけで完結しない、という立地です。
福岡県八女市・大分県日田市という二つの県外自治体と直接接しているため、住民の暮らしや消費行動が県境をまたいで広がりやすい構造にあると考えられます。近隣自治体との関係を、県内の視点だけで語らないようにしましょう。
熊本県全体の産業構造も背景として押さえておきましょう。令和5年(2023年)の熊本県の農業産出額は3,757億円で全国第5位、上位品目は肉用牛435億円、トマト400億円、米328億円、生乳317億円、豚265億円と続きます。(出典:九州農業の動向(農林水産省九州農政局)|令和5年)
山鹿市単独の総生産にあたる統計は、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。市の経済に触れるときは、金額の規模で語ろうとせず、三県境という立地条件と、伝統産業・伝統行事という土地固有の資源から入るほうが確実です。
伝統文化を支える担い手という産業
八千代座と山鹿灯籠まつりは、単なる観光資源ではなく、和紙細工や芝居小屋の維持といった技術を持つ担い手によって支えられている点に特徴があります。
高齢化が進む地域で、こうした伝統工芸・伝統行事の担い手をどう確保していくかは、観光振興と地域経済の両方に関わる論点です。面接で伝統文化に触れる場合は、見に行った感想だけで終わらせず、担い手をどう支えるかという行政的な視点まで進められると評価につながりやすくなります。
山鹿市の主な行政課題
ここまでの数字と立地を重ねると、山鹿市が向き合っている課題が見えてきます。「山鹿市の課題をどう見ていますか」と聞かれたときに出せるよう、次の5点を整理しておきましょう。
高齢化と担い手の確保
高齢化率39.5%、75歳以上率23.1%という数字は、医療・介護の需要が今後も続くことを意味すると同時に、山鹿灯籠まつりのような担い手を必要とする行事の継続にも直結します。高齢化は福祉の課題であると同時に、伝統文化の継承という課題でもあるという二面性を持っている点を押さえておきましょう。
三県境ならではの広域連携
福岡県八女市・大分県日田市と県境を接している以上、防災・交通・観光といった分野では、熊本県内の自治体とだけ連携すれば足りるわけではありません。
県をまたいだ情報共有や協力の枠組みが必要になる場面が想定されます。県境の内側だけで市の仕事を完結させない視点が求められます。
熊本県全体の人口減少のなかでの位置
熊本県は平成10年(1998年)を境に人口減少局面に入り、平成15年(2003年)以降は死亡数が出生数を上回る自然減が続いています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、対策を講じなければ令和32年(2050年)の熊本県人口は約135.5万人になるとされています。(出典:くまもと新時代共創総合戦略)
山鹿市の高齢化率39.5%はこの県全体の水準をすでに上回っていますから、県が見込む人口減少の動きに、より早く手を打つ必要がある立場にあると考えられます。
伝統工芸・伝統行事の継承
八千代座の保存や山鹿灯籠の製作技術は、一度途絶えると再生が難しい種類の資産です。高齢化が進む地域でこうした技術をどう次世代に渡すかは、観光振興の話にとどまらず、教育や生涯学習、地域コミュニティのあり方とも関わってくる課題です。
令和8年熊本地震への対応
令和8年(2026年)7月28日16時27分に、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7が観測されました。
熊本県災害警戒本部の発表(令和8年9月7日14時00分現在・速報値)によれば、県全体の被害は死亡38名、住家被害65,551棟、避難所の開設37か所・避難者1,872名で、このうち山鹿市の住家被害は22棟とされています。(出典:令和8年熊本地震の被害状況|熊本県災害警戒本部・令和8年9月7日14時00分現在)
この地震は平成28年の熊本地震とは別の地震ですので、二つの地震の数字を混ぜないよう注意してください。
災害が起きたとき、市町村には避難所の運営や罹災証明書の交付といった、住民に直接向き合う業務が生じます。上の数値は速報値ですから、熊本県が公表する最新の被害情報で確かめておいてください。
山鹿市の重点政策|三県境で歴史を受け継ぐまちの役割
山鹿市が現在どの計画にもとづいて市政を進めているかは、市の公式サイトに掲載されている現行版で確かめてください。ここでは、当研究会が確認できた範囲、つまり三県境という立地と伝統文化という二つの軸から、市政の力点を整理します。
県境をまたぐ生活圏をどう支えるか
福岡県八女市・大分県日田市と接する山鹿市にとって、住民の生活圏が県境の内側で完結しないことは、まちづくりの前提になります。
買い物や通勤の動線が県をまたぐ以上、道路や公共交通の整備、隣接自治体との情報共有は、県内だけを見ていては十分に描けません。面接でまちづくりを語るなら、熊本県の枠にとどめない視点を持てているかが差になります。
伝統を観光と地域経済に結び付ける役割
八千代座や山鹿灯籠まつりといった資産は、他の市にはない山鹿市固有の観光資源です。これをどう発信し、担い手をどう確保し、地域経済にどう結び付けるかは、市役所の観光・文化部門だけでなく、産業振興や教育とも重なる仕事になります。
高齢化が進む地域を支える仕組みづくり
高齢化率39.5%という数字を踏まえると、福祉・医療の充実は避けて通れない政策領域です。同時に、高齢化が進む地域だからこそ、若い世代や市外からの移住者にどう関わってもらうかという視点も欠かせません。
POINT|施策の名前より、条件から考える
事業名を集めることが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1つ選び、①山鹿市の条件(三県境の立地、高齢化、伝統文化)のうちどれが効くか → ②そこで何が起きているか → ③市が単独で決められる範囲はどこまでか → ④県境の先とどう連携する必要があるか → ⑤自分はどの役回りに入れるか、の順に考えてみてください。
悪い例「山鹿市の観光振興に関わりたいです」
改善例「八千代座や灯籠まつりを支える担い手の高齢化が進んでいると感じています。観光の魅力発信だけでなく、担い手を育てる仕組みづくりにも関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
山鹿市を語るときの裏づけになるのは、次のような資料です。行政(大卒)・行政(高卒)・保健師で流れが分かれますので、志望区分の受験案内は直前にもう一度見直しておきましょう。
- 山鹿市職員採用試験の最新の受験案内(志望区分の回次のもの)と、市の職員採用情報のページ
- 山鹿市の総合計画(公式サイトの現行版)
- 山鹿市の当初予算に関する最新の説明資料
- くまもと新時代共創基本方針及び総合戦略(熊本県)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、山鹿市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。山鹿市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
山鹿市役所の面接の概要
第2部では、面接そのものの対策に入ります。山鹿市の受験案内は区分によって選考の流れが分かれていますので、そこから順に見ていきます。
山鹿市役所の面接の流れ
令和8年度後期日程の受験案内はSPI3を使った、人物重視の試験であることを冒頭で明示しています。行政(大卒)・保健師と、行政(高卒)とでは、1次選考・2次選考の組み立てが異なります。
| 項目 | 内容(令和8年度後期日程・行政(大卒)・保健師) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(1次選考・2次選考)→ 第2次試験の構成 |
| 第1次試験(1次選考) | 動画等による選考(エントリー内容と1分以内の自己PR動画による審査)と、個別面接試験(WEB) |
| 第1次試験(2次選考) | SPI3による能力検査及び性格検査(テストセンター方式) |
| 第2次試験 | 山鹿市役所での対面の個別面接試験 |
| 集団討論・グループワーク | 受験案内に記載はなく、人物試験は個別面接(WEB・対面)のみで構成される |
| 配点 | 試験種目ごとの配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
| 結果の開示 | 申込時に希望した場合のみ、第1次試験・第2次試験の総合得点及び総合順位が開示される |
上記は、山鹿市の令和8年度職員採用試験(後期日程)の受験案内にもとづく行政(大卒)・保健師の内容です。行政(高卒)は1次選考が動画等による選考のみで、2次選考でSPI3(ペーパー方式・山鹿市役所)と対面の個別面接試験をあわせて行い、この個別面接の成績は第1次試験の合否には含まれず第2次試験の合否評価に含まれます。試験の構成は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。(出典:山鹿市職員採用試験案内|令和8年度後期日程/山鹿市職員採用試験情報|令和8年度)
行政(大卒)・保健師を受ける方は、動画とWEB面接という、対面に立つ前の関門が2つ用意されている点を意識してください。行政(高卒)を受ける方は、SPI3のペーパー試験と同じ日に個別面接が組まれており、学力試験の直後に人と話す場面が来る、という時間の流れを踏まえた準備が必要です。
1分動画という新しい関門
山鹿市の申込では、エントリーシートの代わりに「エントリー時の質問には全て答えてください」という案内とともに、1分以内の自己PR動画の提出が求められます。
文章で書くのとは違い、話す速さや表情、間の取り方まで見られる形式です。対面の面接に進む前の段階から、話し方そのものが選考材料になっているということですから、練習は原稿の暗唱ではなく、実際にスマートフォン等で撮影してみるところから始めるのが確実です。
山鹿市役所が求める人物像
山鹿市の受験案内には、求める人物像として「山鹿市(地域・市民)のために働きたい方、人とのつながりを大切にできる方」と明記されています。抽象的な言葉に見えますが、三県境という立地で県内外の住民と接し、灯籠まつりのような地域行事を支える市役所であることを踏まえると、地域との距離の近さを重視する姿勢が表れていると読めます。
公表されている人物像はこの一文だけですから、文言を暗記しても差はつきません。「地域・市民のために働きたい」と「人とのつながりを大切にできる」という2つの要素を、自分のどの経験で説明するかを先に決めておくほうが、動画・WEB面接・対面面接のどの段階でも使えます。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。山鹿市の対面の面接試験も、この見取り図の上で準備すれば基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまではどうやって来られましたか? | 動画選考を通過してきた人物と、目の前で話す人物が重なるか |
| ② 動機・志望 | 数ある自治体の中で、なぜ山鹿市なのですか? | 三県境という立地や地域の特性を理解したうえでの志望か |
| ③ 自己理解 | 人とのつながりを大切にしてきた経験を教えてください | 求める人物像に照らして、自分の経験を具体的に語れるか |
| ④ 経験・行動 | 周囲に相談しながら物事を進めた経験はありますか? | 一人で抱え込まず、人を頼りながら形にできるか |
| ⑤ 学業・経歴 | これまで取り組んできたことを簡単に説明してください | 初対面の相手にもわかるように説明できるか |
| ⑥ 適性・将来 | 山鹿市でどんな職員になりたいですか? | 地域や市民のために働くという姿勢を将来像に落とし込めているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 地域の伝統行事について、どう思いますか? | 山鹿灯籠まつりのような地域資源への関心と理解の深さ |
7つのカテゴリー自体は、受験先を問わず共通しています。山鹿市の場合は、この7つへの答えが「地域・市民のために働きたい方、人とのつながりを大切にできる方」という求める人物像とかみ合っているかどうかまで見られることになります。
合否を分けるのは「山鹿市役所ならでは」の質問
この2問への答え方一つで、山鹿市をどれだけ深く調べてきたかが面接官に伝わります。
三県境という立地や伝統行事は下調べをすれば必ず出てくる材料ですから、それを並べるだけでは他の受験者と横並びになります。当研究会では、山鹿市の事実のうち面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい山鹿市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| なぜ県庁ではなく市役所か | 山鹿市は熊本県北部で福岡県八女市・大分県日田市と接する三県境の市。熊本市・菊池市とも隣接している | 県と市を対立させて語らず、県境の内外にまたがる住民の生活圏に、市役所としてどう向き合いたいかを述べます |
| 山鹿灯籠まつりと八千代座 | 山鹿灯籠まつりは千人灯籠踊りで知られ、金灯籠は和紙と少量の糊だけで作られる。八千代座は明治43年建築で昭和63年に国の重要文化財に指定 | 行事や建物の説明で終わらせず、担い手の高齢化という課題にまで話を進めます |
| 人口と高齢化 | 令和8年1月1日現在の人口47,378人、高齢化率39.5%、75歳以上率23.1%。同じ基準の熊本県全体(32.5%・18.5%)を上回る | 高齢化を課題としてだけ語らず、地域行事を支える担い手の確保という具体的な論点に接続します |
| 求める人物像 | 受験案内に「山鹿市(地域・市民)のために働きたい方、人とのつながりを大切にできる方」と明記されている | 自分の経験の中で、誰のためにどう動いたかを具体的に語れるようにします |
| 選考の形式 | 1次選考に1分以内の自己PR動画とWEB面接、2次選考にSPI3、第2次試験に対面の個別面接という段階構成 | 各段階で見られる観点が少しずつ違うことを踏まえ、段階ごとの準備を分けて考えます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
山鹿市の受験案内が公表しているのは、求める人物像の一文と、人物重視・複数回の個別面接という試験の性格です。これだけでは観点として厚みが出ないため、当研究会では、公表されている人物像を軸にしつつ、市役所の採用面接で広く使われる一般的な考え方もあわせて整理しました。コンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 地域・市民のために働きたい意欲 | 志望動機や経験の中に、誰のために何をしたいかが具体的に語られているか | 「誰かの役に立ちたい」で止めず、山鹿市の何に対して動きたいのかまで具体化します |
| 人とのつながりを大切にできるか | 人間関係を築いてきた経験について、自分がどう関わったかを深掘りされる | 結果だけでなく、相手とのやりとりの過程を具体的に話せるようにします |
| 初めての分野に取り組む姿勢(一般的な観点) | 経験のない仕事を任されたときに、周囲に聞きながら形にした経験があるか | 一人で完結させず、人を頼った経験を1つ用意しておきます |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
山鹿市は個別面接を複数回実施しますから、同じ経験を別の面接官の前で語り直す場面も想定されます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 自分が受ける区分(行政(大卒)・行政(高卒)・保健師)の受験案内を特定し、選考の段階と種目を確認する
- 1分以内の自己PR動画を実際にスマートフォン等で撮影し、話す速さと表情を自分で確認する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 上の対応表から志望に近いテーマを2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の順に組み立てる
- 「人とのつながりを大切にできる方」という求める人物像に合わせて、自分の経験の中から具体例を1つ以上決めておく
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がないときは、ステップ2の動画撮影と、ステップ5で決める具体例づくりを優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、山鹿市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
山鹿市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答まで解説しているので、本番でのやりとりを具体的に思い描けるようになります。試験までに残された時間が短い方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
山鹿市の令和8年度職員採用試験(後期日程)は、行政(大卒)・保健師では1次選考の動画とWEB面接、2次選考のSPI3、第2次試験の対面面接という3つの関門が用意され、行政(高卒)ではSPI3と対面面接を軸にした構成になっています。区分によって流れが異なりますので、志望区分の案内を必ず確認してください。
人物重視・複数回の個別面接という試験の性格を踏まえ、動画の段階から対面の面接まで、一貫した自分の言葉で「地域・市民のために働きたい」という思いを語れるように準備を進めていってください。