本記事では、宇城市職員採用試験の面接対策で必要な、宇城市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。試験の配点は公表されていませんが、公式に掲げられた目指す職員像から評価の軸を読み解くことができます。

宇城市役所の面接では、「なぜ宇城市を志望したのか」「入庁後にどの分野で力を発揮したいか」「宇城市の魅力と課題をどう捉えているか」といった質問が想定されます。宇城市は「目指す職員像」を5項目にわたって公式に掲げている市であり、この人物像を軸に準備を進められます。

市の姿を具体的に把握しておけば、どの自治体にも通じる一般論から抜け出した受け答えができます。なお、隣接する宇土市とは読みも所在地も異なる、まったく別の自治体ですので、混同しないよう注意してください。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と宇城市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。市の立地条件と目指す職員像の両方を踏まえて準備することが、他の受験者との明確な差につながります。

第1部|自治体研究編

宇城市の特徴

本格的な面接対策に入る前に、宇城市の全体像を押さえておきましょう。(時間のない方は、この節をひととおり眺めるだけでも構いません)

  • 熊本市・宇土市・上天草市・八代市など7つの自治体と隣接する、ハブ的な立地にある。
  • 総面積は188.55km²で、熊本市の南西に位置している。
  • 「市民ニーズを的確に捉える」「宇城市への愛着を持つ」など5項目からなる「目指す職員像」を公式に掲げている。
  • 三角西港は、明治20年(1887年)にオランダ人水理工師ムルドルの設計で築かれた明治三大築港の一つで、明治期の石積港湾がそのまま残る国内唯一の例として世界文化遺産に登録されている。
  • 国指定名勝「不知火(しらぬい)及び水島」があり、旧暦8月1日の未明に八代海北部で見られる蜃気楼現象「不知火」で知られる。
  • 市の花はコスモス、市の木はサクラであり、いずれも身近な景観として親しまれている。
  • 令和8年度の職員採用試験は、高卒程度は2段階、大学卒業者・社会人経験者・免許資格職(学芸員)は3段階と、区分によって選考の段階数が異なる。

宇城市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「宇城市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、年齢構成、隣接自治体など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口55,703人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口19,743人(高齢化率35.4%)
75歳以上人口11,325人(総人口の20.3%)
総面積188.55km²
人口密度約295人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体熊本市、宇土市、上天草市、八代市、上益城郡甲佐町、下益城郡美里町、八代郡氷川町
市の花・木コスモス(花)・サクラ(木)
市役所の所在地宇城市松橋町大野85番地

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。熊本県や国が国勢調査で公表している人口の数字は集計の前提が異なりますので、この2つをまたいで増減を計算することはできません。総面積・隣接自治体・市の花木・市役所の所在地は、当研究会が基礎データとして独自に整理したものです。

数字から考えられる市政課題

この表でもっとも目を引くのが、隣接自治体の多さです。宇城市は熊本市、宇土市、上天草市、八代市の4市に加え、3つの町とも隣接しており、北は県都である熊本市、南は県南の八代市と、性格の異なる市に同時に接しています。

高齢化率35.4%は、同じ住民基本台帳の基準でみた熊本県全体の32.5%を2.9ポイント上回る水準にあります。

多くの自治体と隣接しているということは、それだけ広域連携の相手も選択肢も多いということです。単独で完結させる仕事と、近隣自治体と組んで進める仕事を、どう見分けるかという視点が、宇城市の面接では生きてきます。

熊本県全体の世帯数は、令和7年国勢調査(速報値)で前回調査から2.18%増加したことがわかっています。世帯の小規模化という全国共通の動きは、7つの自治体と接する宇城市にとっても無縁ではなく、住民サービスをどの単位で提供するかという発想にも影響してきます。(出典:令和7年国勢調査(速報値)結果|熊本県)

人口密度は約295人/km²です。188.55km²の市域に55,703人が暮らす計算になり、市街地に人口が集中する都市型でも、広い市域に人口が散らばる型でもない、中間的な密度だといえます。

本庁のある松橋町のような市街地と、八代海に面した不知火町のような沿岸部を、ひとつの市域の中に併せ持っていることが、この数字の背景にあります。

「調べてみると、宇城市は熊本市や八代市など7つもの自治体と隣接していました。高齢化率は県平均より高い水準ですが、これだけ多くの自治体と接しているからこそ、広域での連携を生かした課題解決ができるのではないかと考えています」

宇城市の経済・産業

三角西港と世界遺産観光

三角西港は、明治20年(1887年)にオランダ人水理工師ムルドルの設計で築かれた、明治三大築港の一つです。三池炭鉱の石炭積出港として栄えた歴史を持ち、平成27年(2015年)7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として登録されました。

明治期の石積港湾がそのまま残る国内唯一の例という点が、他の観光資源にはない強みです。(出典:三角西港について|宇城市)

「明治日本の産業革命遺産」は、九州・山口を中心に複数県にまたがる構成資産群で登録された世界遺産です。三角西港は熊本県内の代表的な構成資産のひとつであり、単独の観光地としてだけでなく、九州全体の近代化の歴史をたどる広域観光ルートの一部としても位置づけられます。

不知火という自然現象

国指定名勝「不知火及び水島」は、旧暦8月1日(八朔)の未明に八代海北部に現れる蜃気楼現象の一種で、漁火などの光源が空気層で異常屈折して起こるとされます。宇城市不知火町の永尾剱神社が観望の適地とされており、自然現象そのものが地名の由来になっている珍しい例です。(出典:不知火について|宇城市)

三角西港と不知火という2つの資産は、どちらも「宇城市がつくったもの」ではなく、「宇城市が受け継いできたもの」だという共通点があります。観光振興の仕事を志望する場合は、新しい施設をつくることだけでなく、すでにある資産をどう次の世代に引き継ぐかという視点も持っておきましょう。

農業と産業基盤

熊本県全体の農業産出額は3,757億円(令和5年・全国5位)で、肉用牛・トマト・米・生乳・豚が上位を占めます。宇城市単独の産業統計は、公表資料からは確認できませんが、7つの自治体と隣接する立地は、農産物の流通や労働力の移動という面でも広域的な結びつきを持つと考えられます。(出典:九州農業の動向|農林水産省九州農政局・令和5年)

経済を語るときは、数字の規模で押すのではなく、7つの自治体と接する立地条件と、三角西港・不知火という独自の資産の2つを組み合わせて説明するほうが、宇城市らしさが伝わりやすくなります。

宇城市の主な行政課題

ここまでの数字と立地を重ねると、宇城市が向き合う課題が見えてきます。面接で「宇城市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

進行する高齢化への対応

高齢化率35.4%、75歳以上20.3%はいずれも県平均を上回ります。介護・医療・移動手段の確保は、宇城市でも重みを増している課題です。

7つの自治体と隣接しているという立地は、医療機関へのアクセスという面では選択肢の広さにもつながりますが、市境をまたぐ移動をどう支えるかという新たな論点も生みます。

大規模地震への備え

平成28年熊本地震では、県公表の第356報(令和7年4月11日時点)によると、宇城市内で13人が犠牲になりました。県内でも人的被害の大きかった自治体のひとつであり、住宅の耐震化や避難所の確保といった備えが引き続き求められています。(出典:平成28年熊本地震 被害状況等について(第356報)|熊本県)

震源に近い益城町・南阿蘇村ほどではないものの、宇城市も一定の被害を受けた自治体のひとつです。海に面した市域を持つ以上、地震そのものへの備えに加えて、津波や高潮といった海に関わるリスクも合わせて考えておく必要があります。

この平成28年の地震とは別の地震として、令和8年(2026年)7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市では氷川町とともにこの地震の最大震度である震度7が観測されました。(出典:令和8年熊本地震|気象庁)

熊本県災害警戒本部の発表(令和8年9月7日14時00分現在・速報値)によれば、県全体で死亡38名・住家被害計65,551棟、避難所開設37か所・避難者1,872名が確認されており、このうち宇城市は死亡3名、住家被害10,806棟(うち全壊139棟)、避難所8か所・避難者494名と報告されています。

避難所の運営、罹災証明書の受付、被災者支援の各種手続きの窓口は、いずれも市役所が担う業務にあたります。いずれも速報値で今後修正されうる数値ですので、参照する際は、どちらの地震の、どの主体がいつ集計した値なのかを必ず確かめてください。(出典:令和8年熊本地震の被害状況|熊本県災害警戒本部・令和8年9月7日14時00分現在)

多数の隣接自治体との広域連携

7つの自治体と境を接するという立地は、宇城市ならではの強みであり課題でもあります。

道路網の整備や防災、ごみ処理といった分野では、単独で完結させるより近隣自治体と連携したほうが効率的な場合が多くあります。どこまでを単独で担い、どこから近隣と組むかという判断力が、宇城市の職員には求められます。

隣接する自治体が多いということは、それだけ調整が必要な相手も多いということです。熊本市のような大きな都市とも、上天草市のような島しょ部を抱える市とも接する宇城市は、相手に応じて連携の形を変える柔軟さが必要になる場面が多いと考えられます。

世界遺産・観光資源の保全と活用

三角西港という国内唯一の明治期石積港湾を抱える以上、観光客を呼び込む活用と、歴史的景観を守る保全は、常に両立を意識する必要があります。不知火という自然現象も、観光資源であると同時に、気象条件に左右されるため安定した集客が難しいという性質を持ちます。

世界遺産は一度登録されれば自動的に観光客が増え続けるものではありません。三角西港の石積みという歴史的な構造物を維持修繕していくための費用と、観光客の受け入れ環境を整える費用の両方を、限られた予算の中でどう配分するかも、実務的な課題として横たわっています。

宇城市の重点政策|目指す職員像から読む市政

宇城市の現行の総合計画がどれにあたるかは、市の公式サイトに掲載されている最新版で確かめておきましょう。ここでは、当研究会が公式資料で確認できた範囲、つまり宇城市が公式に掲げる目指す職員像から、市政の力点を整理します。

宇城市の受験案内は、「市民ニーズを的確に捉える職員」「宇城市への愛着を持つ職員」「チャレンジ精神を持ち、行動する職員」「社会情勢の変化に柔軟に対応する職員」「経営感覚を持つ職員」という5項目を目指す職員像として掲げています。

5項目の中に「経営感覚」という言葉が含まれている点は、限られた財源の中で複数の自治体と連携しながら行政を運営する宇城市らしい観点だといえるでしょう。(出典:令和8年度(高校卒業程度)職員採用試験受験案内|宇城市)

熊本県の「くまもと新時代共創総合戦略」は、人口減少と地域経済の縮小がたがいを加速させる悪循環に一体的に取り組む姿勢を掲げています。7つの自治体と隣接する宇城市は、この総合戦略が重視する広域連携の実践地になりうる立場にあります。(出典:くまもと新時代共創基本方針及び総合戦略|熊本県)

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、対策を講じない場合、熊本県の人口は令和32年(2050年)に約135.5万人まで落ち込むとされています。7つの自治体と接する宇城市が広域連携の要としての役割を担えるかどうかは、宇城市一市の問題にとどまらず、周辺地域全体の将来にも大きく関わってきます。

POINT|5項目をすべて暗記しなくてよい

5つの職員像を丸暗記するのではなく、①自分自身の経験のどこにこれらの要素が表れているか ②5項目のうち自分がとくに自信を持って語れるものはどれか ③それを宇城市の仕事でどう発揮したいか、の順に絞り込みましょう。

悪い例「チャレンジ精神を持って一生懸命頑張ります」

改善例「アルバイト先で新しい取り組みを自分から提案し、周囲を巻き込みながら形にした経験があります。この行動力を、宇城市の観光振興のような新しい挑戦が求められる分野で、ぜひ生かしたいです」

あわせて確認したい公式資料

最初に確かめるべきは、自分が受ける区分の受験案内です。

宇城市は区分によって選考の段階数も面接の回数も変わるうえ、同じ年度内に区分を変えて受け直すことはできません。他の資料に手を伸ばすのは、受ける区分を決めてからで構いません。

  • 宇城市職員採用試験の最新の受験案内(志望する区分のもの)と、市の職員採用情報のページ
  • 宇城市の総合計画(公式サイトの現行版)
  • 熊本県「くまもと新時代共創基本方針及び総合戦略」
  • 三角西港・不知火に関する公式サイトの解説ページ
  • 熊本県の令和7年国勢調査(速報値)にもとづく人口・世帯数の資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、宇城市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。宇城市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

宇城市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

宇城市役所の面接の概要

ここからは、宇城市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。

宇城市役所の面接の流れ

宇城市の試験は、高校卒業程度は2段階、大学卒業者・社会人経験者・免許資格職は3段階と、区分によって選考の段階数が異なります。高校卒業程度は第一次・第二次まで、大学卒業者・社会人経験者・免許資格職(学芸員)は第一次から第三次までが課されます。

両者の試験構成を取り違えないようにしましょう。

同じ宇城市の試験でも、区分によって面接の回数そのものが変わるという点を、まず正確に理解しておくことが準備の出発点になります。志望する区分を早い段階で固め、その区分の情報だけを追うようにすると混乱を防げます。

項目内容(令和8年度)
試験の段階(高校卒業程度)第一次試験 → 第二次試験の2段階
第一次試験の科目(高校卒業程度)基礎能力検査(SCOA)、適性検査、作文試験
作文の扱い第一次試験時に実施するが、結果は第二次試験の合否評価に含まれる
第二次試験の科目(高校卒業程度)個別面接のみ(集団討論・集団面接は含まれない)
試験の段階(大学卒業者・社会人経験者・免許資格職)第一次試験 → 第二次試験 → 第三次試験の3段階
配点各試験種目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
採用予定人員(全体)大卒17人程度、免許資格(学芸員)1人程度、社会人3人程度、高卒程度11人程度

高校卒業程度の募集職種は、事務職(一般)5人程度、事務職(障がい)3人程度、建築・土木合わせて3人程度です。事務職は市長事務部局等で行政事務全般を、建築・土木はそれぞれの専門技術を生かした職務を担います。

令和8年度の宇城市職員採用試験を一度受験したことがある人は、同年度の高校卒業程度試験を受験できません。区分を選び直しての受け直しが同一年度内ではできない仕組みですので、どの区分で挑戦するかの見極めが重要になります。

大学卒業者・社会人経験者・免許資格職(学芸員)の区分は、高校卒業程度とは選考日程そのものが別立てで進みます。同一年度内での受け直しができない以上、受験資格と募集職種を早めに読み比べ、自分がどの区分で勝負するのかを先に決めてしまうほうが、準備に集中できます。

上記は、宇城市の令和8年度の受験案内・採用情報にもとづくものです。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和8年度(高校卒業程度)職員採用試験受験案内|宇城市)

宇城市役所が求める人物像

宇城市は、他の多くの市とは異なり、「市民ニーズを的確に捉える職員」「宇城市への愛着を持つ職員」「チャレンジ精神を持ち、行動する職員」「社会情勢の変化に柔軟に対応する職員」「経営感覚を持つ職員」という5項目を目指す職員像として明確に公表しています。

5項目のうち3つが「変化への対応」や「行動力」に関わる言葉であることから、前例踏襲ではなく、状況に応じて自ら動ける人材を強く求めていることがうかがえます。

5項目を並べて見ると、「市民に寄り添う姿勢」(市民ニーズ・愛着)と「変化に対応する力」(チャレンジ精神・柔軟な対応)、そして「行政運営の効率性」(経営感覚)という3つのグループに整理できます。

自己PRを準備するときは、5項目すべてに触れようとするより、このどれか1つのグループを軸に、具体的なエピソードを掘り下げるほうが効果的です。7つの自治体と隣接し、複数の地域特性を抱える宇城市だからこそ、これだけ具体的な職員像を言葉にする必要があったとも考えられます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。宇城市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク宇城市には、これまでに来られたことがありますか?用意していない話題への受け答えに、素の姿勢がにじみます
② 動機・志望数ある自治体の中で、なぜ宇城市を選んだのですか?近隣の宇土市や熊本市ではなく、あえて宇城市を選んだ理由に具体性があるか
③ 自己理解周囲からはどんな人だと言われることが多いですか?自分の特徴を、他人の目線を借りて説明できているか
④ 経験・行動新しいことに挑戦して、うまくいかなかった経験はありますか?結果の良し悪しより、その場面で何を考え、どう行動を修正したか
⑤ 学業・経歴学生時代にもっとも力を入れたことを教えてください取り組みの過程を、初対面の相手にもしっかり伝わる言葉で話せるか
⑥ 適性・将来採用後、どんな仕事に挑戦してみたいですか?市の業務への理解の深さと、配属先が希望と違っても前向きに対応できる姿勢
⑦ 公共性・社会性最近関心を持ったニュースはありますか?社会の動きへの関心と、自分の考えを短く整理してまとめる力

7つのカテゴリーはどの自治体の面接にも共通して現れるもので、宇城市に固有の分類ではありません。

宇城市の場合、目指す職員像の5項目とどう結びつくかまで意識して答えられると、他の受験者との差がつきやすくなります。まずはこの7つを一通りさらい、答えの抜け漏れをなくしておきましょう。

合否を分けるのは「宇城市役所ならでは」の質問

「なぜ熊本県庁ではなく、宇城市役所なのですか?」
「宇城市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

宇城市は隣接する宇土市と名前が似ているため、両市の違いを正確に理解しているかが、面接官にとってもわかりやすい判定材料になります。当研究会では、宇城市の事実のうち面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい宇城市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か宇城市は熊本市・宇土市・上天草市・八代市など7つの自治体と隣接するハブ的な立地にある県全体の政策より、多くの自治体と接する立地だからこそ実現できる住民サービスを語ります
目指す職員像「市民ニーズを的確に捉える」「宇城市への愛着を持つ」など5項目を公式に掲げている5項目をそのまま並べず、自分の経験にもっとも近い項目を1つか2つだけ選んで語ります
宇城市の魅力三角西港は明治期の石積港湾が残る国内唯一の例で、平成27年に世界文化遺産に登録観光名所の紹介にとどめず、保全と活用の両立という論点までしっかり踏み込みます
防災平成28年熊本地震では、県公表の第356報にもとづき市内で13人が犠牲になった。別の地震である令和8年熊本地震では市内で最大震度7が観測されている(被害は速報値)県内でも人的被害の大きかった自治体のひとつだという事実を踏まえ、具体的な備えまで踏み込んで話します
不知火と地域の物語国指定名勝「不知火及び水島」は旧暦8月1日の未明に八代海北部へ現れる蜃気楼現象で、市内の永尾剱神社が観望の適地とされる珍しさの紹介で止めず、天候に左右される資産をどう地域の魅力として届けるかまで話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

とくに「なぜ宇土市ではなく宇城市か」という聞き方をされる可能性もあります。両市は名前が似ているだけに、面接官があえて確認してくることも考えられるので、宇城市の本庁所在地(松橋町)や、隣接自治体の数の多さといった基本事実を、迷わず即答できるように、あらかじめしっかり準備しておきましょう。

想定される評価の観点

宇城市は目指す職員像を5項目にわたって公式に掲げている市です。公表された5項目そのものを軸に、評価の観点を整理しました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民ニーズを捉える力・地域への愛着宇城市の実情や住民の求めるものを、自分の言葉できちんと理解して語れるか宇城市の課題や魅力について、単なる知識としてでなく自分自身の関心として語れるようにしておく
チャレンジ精神と変化への対応力新しいことに自分から挑戦し、状況の変化にも柔軟に対応できるか未経験の分野に挑戦し、状況に応じてやり方を変えた経験を具体的に用意しておく
経営感覚限られた資源の中で、優先順位をつけて物事を進められるか限られた時間やお金の中で工夫して成果を出した経験を、具体的な数字とともに語れるようにしておく

3つの観点はいずれも独立したものではなく、宇城市が公式に掲げる5項目の目指す職員像から導かれています。表の内容を丸暗記するより、自分の経験がどの観点にもっとも強く結びつくかを先に整理しておくほうが、本番での受け答えに芯が通ります。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、宇城市の面接に向けた準備の手順に落とし込みます。

  1. 志望する区分の最新の受験案内を読み、試験の段階(2段階か3段階か)と受験資格を確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動・アルバイトから、結果だけでなく行動の中身まで話せる具体例を、できれば複数用意しておく
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作り、声に出して一度確かめておく
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、目指す職員像5項目のうち自分に当てはまるものを整理する
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編み、要点を書き出して整理する
  6. 声に出して練習し、5項目の言葉をそのまま繰り返していないか、家族や友人にも聞いてもらって確かめる

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を宇城市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。目指す職員像の5項目を暗唱できても、それを裏づける経験がなければ説得力は生まれません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、宇城市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

宇城市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

宇城市役所の想定問答集を見る

さいごに

宇城市の試験は配点こそ公表されていませんが、「市民ニーズを的確に捉える」「宇城市への愛着を持つ」など5項目からなる目指す職員像を明確に示しており、面接ではこの5項目のどこかに自分の経験を結びつけて語れるかが問われます。

7つの自治体と隣接するという珍しい立地と、三角西港・不知火という独自の資産を持つ宇城市だからこそ語れる志望動機を、宇土市との違いも含めて自分の言葉で仕上げていきましょう。5項目すべてを盛り込もうとせず、自分がもっとも自信を持って語れるものから準備を進めてください。