本記事では、米子市職員採用試験の面接対策で必要な、米子市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

米子市役所の面接試験では、「なぜ米子市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。米子市は求める人物像を公表しており、しかも試験の配点まで受験案内で示していますので、何をどれだけ重く見る試験なのかを先に知ったうえで準備を始められます。

本記事の第2部は、令和8年度【大学卒業程度(2回目)】の受験案内をもとに、一般事務を基準として整理しています。米子市は同じ年度に複数の試験区分を設けており、区分と回によって段階も配点も変わりますので、ご自身が申し込む区分の記載をあわせてご確認ください。

第1部|自治体研究編

米子市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは米子市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 日本海と中国地方最高峰の大山にはさまれた、鳥取県西部の中心都市。
  • 人口は143,115人(令和8年1月1日現在)。鳥取県内では県庁所在地の鳥取市(177,035人)に次ぐ規模で、県の総人口527,236人のおよそ27%にあたる。
  • 市域の面積は132.42km²と、鳥取県全体(3,507km²・令和6年4月1日現在)のおよそ3.8%にとどまる。人口密度は約1,081人/km²で、県内でも人が濃く集まっている市。
  • 隣接するのは境港市、西伯郡日吉津村・大山町・南部町・伯耆町に加え、島根県安来市。県境をまたいだ生活圏の中にある。
  • 高齢化率は30.0%、75歳以上は25,333人(17.7%)。いずれも鳥取県全体の33.7%・19.4%を下回る(令和8年1月1日現在)。
  • 島根県にある島根原子力発電所の緊急時防護措置を準備する区域に、市域が含まれている。
  • 平成12年の鳥取県西部地震では、市を含む県西部が大きく揺れた。
  • 皆生温泉を抱え、大山への玄関口としての性格も併せ持つ。
  • 市の花はツツジ。

米子市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「米子市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

表の下半分には鳥取県全体の値を置いています。米子市は県の平均よりも若く、しかも狭い土地に人が集まっている市ですので、県の数字をそのまま持ち込むと説明がずれます。

項目内容
総人口143,115人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口42,918人(総人口の30.0%)
75歳以上人口25,333人(総人口の17.7%)
総面積132.42km²(鳥取県全体のおよそ3.8%)
人口密度約1,081人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体境港市、西伯郡日吉津村、大山町、南部町、伯耆町、島根県安来市
市役所所在地〒683-8686 鳥取県米子市加茂町一丁目1番地
市の花ツツジ
(参考)鳥取県の総人口527,236人(令和8年1月1日現在)
(参考)鳥取県の高齢化率33.7%(同日現在。75歳以上は19.4%)

総人口・年齢別人口・高齢化率および県内の順位は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の市区町村別の値です。面積・隣接自治体・市の花は公表値をもとに整理し、人口密度はこの表の総人口と面積から当研究会が算出しました。鳥取県が別に公表している推計人口は調査の基準が違いますので、この表の数値と組み合わせて増減を求めることはできません。

数字から考えられる市政課題

米子市の数字で目を引くのは、面積と人口の組み合わせです。市域は132.42km²と県全体の4%にも満たない一方、そこに14万人以上が暮らしています。

人口密度は約1,081人/km²と、県の平均像とはまったく違う密度です。人が集まる土地では、道路や上下水道、学校や医療といった基盤の需要が一点に集中します(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

年齢の構成も県とは離れています。高齢化率30.0%は鳥取県全体の33.7%より3.7ポイント低く、75歳以上の割合も市17.7%に対し県は19.4%です。

ただし、若いから課題が薄いということにはなりません。65歳以上42,918人のうち25,333人、およそ59%が75歳以上という内訳は県内の他市と変わらず、人数そのものは4万人を超えます。

密度と年齢を一続きで話すなら、次のような形になります。

「米子市は県の中では若いほうで、65歳以上の方の割合は3割ほどだと知りました。ただ、人数で見ると4万人を超えていますし、市の面積は県のわずかな部分ですので、支えを必要とする方が近い距離に集まっているとも言えると思います。その近さを生かせる仕事に関わってみたいです」

米子市の経済・産業

経済・産業構造の概要

米子市単独の市民経済計算は公表されていませんので、産業の姿は鳥取県全体の数値から押さえます。以下はいずれも県の値です。

  • 令和4年度の経済活動別県内総生産(名目)では、製造業が13.4%で最も大きく、保健衛生・社会事業12.6%、不動産業12.1%が続く。
  • 県内の事業者は小規模事業者が多く、下請構造から脱し切れておらず産業基盤がぜい弱だと、県自身が公式文書で認識している。
  • 鳥取県の推計人口は令和8年4月1日現在で519,148人となり、はじめて52万人台を割り込んだ。うち西部地区9市町村の合計は217,859人で、県のおよそ42%を占める。
  • 県内には鳥取砂丘コナン空港と米子鬼太郎空港の2つの空港がある。後者の正式名称は美保飛行場で、所在地は隣接する境港市。

ここで押さえておきたいのは、県人口の4割強が西部地区に住み、その中心に米子市があるという構図です(出典:鳥取県県民経済計算|令和4年度)。産業振興を志望分野にするなら、市域の内側で完結する話より、県境や市境を越えて人と物が動いている前提から考えるほうが実態に合います。

大山と皆生温泉を抱える観光

令和6年の鳥取県の観光入込客数は実人数9,830千人で、前年より1.4%増えました。地域別の実人数では鳥取砂丘・いなば温泉郷周辺が3,345千人で最も多く、米子・皆生温泉周辺は1,050千人、大山周辺は1,006千人です(出典:鳥取県観光入込客動態調査|令和6年)。

米子市の側から見ると、温泉と大山という二つの流れが隣り合っていることになります。大山は標高1,729メートルの剣ヶ峰を最高峰とする中国地方最高峰で、標高800メートルから1,300メートルには西日本最大級のブナ林が広がり、大山隠岐国立公園の中核をなしています。

観光を語るなら、来訪者数を追うのではなく、隣り合う二つの流れをどうつなぐかという視点を持っておきましょう。

県境をまたいだ生活圏

米子市が接しているのは、鳥取県内の境港市と西伯郡の4町村に加え、島根県安来市です。米子鬼太郎空港は隣の境港市にあり、国土交通省大阪航空局は自衛隊と民間の共用空港として区分しています。

生活も産業も行政区域の線で切れてはいないということで、県境をまたいだ広域の課題が日常業務の中に入り込んでくる点は、市の仕事を理解するうえで欠かせません。次に見る原子力防災は、その最もはっきりした例です。

米子市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、米子市が向き合っている課題の形が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときに取り出せるよう、次の5つを整理しておきましょう。

県境をまたぐ原子力防災

島根原子力発電所を対象とする原子力災害対策重点区域には、島根県の松江市・出雲市・安来市・雲南市と、鳥取県の米子市・境港市の関係6市が含まれます。この重点区域の人口は457,496人(令和2年12月末現在)で、うち発電所からおおむね5キロメートル圏の区域は松江市域のみの9,487人、おおむね5キロメートルから30キロメートル圏の区域が関係6市で448,009人です。

米子市が入るのは後者の側です。避難計画を含む「島根地域の緊急時対応」は、令和3年7月30日に島根地域原子力防災協議会で確認され、同年9月7日に原子力防災会議で報告・了承されました。

実際の運用面では、原子力災害時に鳥取県が現地災害対策本部を置く先が米子市とされ、米子市自身も災害対策本部を設置することになっています(出典:島根地域の緊急時対応|令和3年)。

他県にある施設のリスクを、県境を越えて自分たちの計画に織り込んでいる市だということです。

県西部を大きく揺らした地震の記憶

平成12年10月6日、鳥取県西部の深さおよそ9キロメートルを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。県西部では震度6強や震度6弱を観測した地域があり、県内では亡くなった方はなかったものの、重傷31人・軽傷110人、全壊家屋394戸・半壊2,494戸の被害が出ています。

ライフラインの被害は15,000件に達し、沿岸部では液状化により港湾が破損し、斜面崩壊や落石で道路と鉄道の不通も相次ぎました(出典:鳥取県西部地震の記録|平成12年10月)。

県の被害想定調査では、西部地震断層の地震で全壊約5,400棟が見込まれています。25年前の出来事ではなく、想定として現在も置かれているという受け止め方をしておきましょう。

若い世代の県外流出が続く人口減少

鳥取県の人口は令和7年4月から令和8年3月までの1年間で6,542人減りました。自然動態が4,877人の減少、社会動態が1,665人の減少で、同じ期間の出生数は3,020人(前年比38人減)、死亡数は7,897人です。

年齢別に見ると15歳から24歳の転出超過が大きく、20歳から24歳では900人を超えます(出典:鳥取県人口52万人割れについて|令和8年4月1日現在)。

米子市は県内では若い年齢構成を保っていますが、県全体で若年層が抜けていく流れの中に置かれていること自体は変わりません。西部の中心として人を引き寄せる立場にあるからこそ、進学や就職の時期にどう選ばれるかは正面からの課題になります。

密度の高い市域を支える基盤の維持

132.42km²という限られた市域に14万人以上が暮らし、人口密度は約1,081人/km²に達します。道路、上下水道、学校、公共施設といった基盤が狭い範囲に高い密度で敷かれているということで、更新の時期も重なりやすくなります。

加えて米子市には上下水道技術の採用区分が置かれており、技術系の職員を継続的に確保する必要があることがうかがえます。新しくつくる話より、いまあるものを回し続ける話のほうが仕事の量としては大きいという前提は、志望動機を現実的にしてくれます。

県内2番目という位置の意味

鳥取県は三つの河川の流域にそれぞれ平野が形成され、鳥取市・倉吉市・米子市が流域ごとの中心都市として発達してきました。米子市は県庁所在地ではありませんが、県人口の4割強が住む西部地区の中心にあり、島根県側とも生活圏を共有しています。

県庁が置かれた市とは違う立場で、それでも広い地域を相手にしているということです。「なぜ県庁ではなく市役所か」を問われたときに、県庁所在地ではない市の中心性を自分の言葉で説明できると、答えの独自性が出ます。

米子市の重点政策|県西部の中心都市という条件

米子市の政策を考えるときの前提は、この市が置かれている条件の組み合わせにあります。県人口の4割強が集まる西部地区の中心であり、市域は県全体の4%にも満たず、島根県安来市と県境を接し、他県にある原子力発電所の防護措置準備区域に入っている。

市域は小さいのに、市が向き合う範囲は県境の外側まで広がっているというねじれが、米子市の市政の性格を決めています。県庁所在地ではないという立場も、あわせて押さえておきたいところです。

志望分野を絞り込む視点

事業名を数え上げることが自治体研究ではありません。関心のある分野を一つか二つに決めて、「①何が課題か → ②市はどんな状態を目指しているか → ③今どんな事業があるか → ④市役所だからこそ担える部分はどこか → ⑤自分の経験や強みをどう生かせるか」の順にたどってみてください。

米子市の場合、④の答えは県境をまたぐ調整が要る分野か、密度の高い市域の基盤を維持する分野のどちらかに見つかりやすいでしょう。エントリーの800字は市の課題を一つ挙げさせる設問ですから、計画を読むときも、課題として書かれている箇所に付箋を貼るつもりで進めると無駄がありません。

POINT|計画の名称を丸暗記しなくてよい

名称を並べるより、志望分野と米子市の事情がどこで結び付くかを説明できるほうが、口述試験では効きます。

悪い例「大山や皆生温泉といった観光資源のある米子市で、地域を盛り上げる仕事がしたいです」

改善例「まずは窓口の仕事から覚えたいです。その上で、米子市は島根県の市とも境を接していて、原子力災害の備えも県をまたいで決められていると知りましたので、市の外の相手と一緒に決めていく仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

志望分野が決まる前でも、次の4つは開いておく価値があります。800字の設問を書き始める前に、それぞれ何が書いてあったかを言えるようにしておきましょう。

  • 令和8年度米子市職員採用試験の受験案内(自分が申し込む試験区分と回のもの)
  • 米子市の総合計画と、防災、都市基盤、産業の分野別計画(いずれも現行版)
  • 最新年度の当初予算と、市政運営に関する市長の説明
  • 米子市の職員採用ページに掲げられた求める人物像とその説明文

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、米子市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。米子市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

米子市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

米子市役所の面接の概要

ここからは、米子市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、差がつく質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

米子市役所の面接の流れ

令和8年度の米子市職員採用試験【大学卒業程度】は、第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階で行われます。第1次試験は全職種がSPI3(基礎能力検査及び性格検査)で、英語検査と構造的把握力検査は実施されません。

会場は受験者が全国のSPIテストセンターから選ぶ方式で、オンライン会場でも受けられます。

注目したいのは配点の置き方です。受験案内の配点欄で、この第1次試験のSPI3は「-」と示されています。

そして第2次試験では、一般事務の場合に面接試験(個別面接)200点と集団討論200点が課され、合わせて400点満点。第3次試験は全職種が面接試験200点です。

つまり一般事務では、点数がつく試験がすべて人物を見る試験になっているということになります(出典:令和8年度米子市職員採用試験受験案内【大学卒業程度(2回目)】|令和8年度)。

もう一つ、合格者の決め方に大きな特徴があります。第2次試験は「第1次試験の得点にかかわらず、第2次試験で実施する試験の合計得点の高い順」、最終合格は「第2次試験までの得点にかかわらず、第3次試験の得点の高い順」と定められています。

段階が変わるたびに得点は仕切り直され、最終の順位は第3次試験の200点だけで決まります。ただし、いずれの段階も一定の基準に満たない場合は得点にかかわらず不合格とされていますので、どこかを捨てるという発想は成り立ちません。

この配点を、準備の時間の配りかたに置き換えてみます。配点欄が「-」であっても、第1次の合格者は第1次試験の得点の高い順に決まると定められていますので、SPI3の出来が第1次を通れるかどうかを左右することに変わりはありません。

ただしその得点は第2次に一点も持ち越されませんので、SPI3は先へ進むための関門であって、点を積み上げる場所ではないことになります。早い時期に一定の水準まで仕上げてそこで区切り、残った時間を口述試験に回す。

米子市の配点は、そういう時間の使い方を許す形になっています。

第2次試験の内訳は、そのまま練習量の話になります。一般事務の400点は、個別面接200点と集団討論200点に半分ずつ分かれています。

集団討論は個別面接の付属ではなく、同じ重さを持つもう一つの試験です。ところが実際の対策は、志望動機や自己PRを整える個別面接の側に偏りがちです。

第2次で失いうる点数の半分が討論の場にあると考えれば、討論の練習回数を個別面接の練習と同じだけ確保しておくのが、配点に素直な準備になります。

第3次試験の200点についても同じ考え方が要ります。最終の順位はこの200点だけで決まりますので、第2次を通過した時点で順位は白紙に戻ります。

ここで効いてくるのが、第2次で話した内容を第3次でもう一段深く話せるかどうかです。第2次の面接と討論で自分が何を話したかを、その日のうちに書き出して残しておいてください。

同じ経験をもう一度問われたときに、前回より細かい場面まで出せる状態にしておくことが、第3次に向けたいちばん具体的な備えになります。

項目内容(令和8年度【大学卒業程度(2回目)】・一般事務を基準)
実施主体米子市が実施します。鳥取県人事委員会が行う鳥取県職員採用試験とは、申込先も試験種目も別のものです
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験全職種がSPI3(基礎能力検査及び性格検査)。受験案内の配点欄は「-」で、英語検査と構造的把握力検査は実施されません。会場は全国のSPIテストセンターから選択でき、オンライン会場でも受験できます
第2次試験一般事務は面接試験(個別面接による人物についての口述試験)200点と、集団討論(集団討論による人物についての口述試験)200点の計400点満点です。建築・機械の区分では、これに専門試験(多肢選択式)200点が加わります
第3次試験全職種が面接試験200点。個別または集団面接による人物についての口述試験です
集団形式一般事務は第2次試験に集団討論200点があります。第3次試験の面接も、個別または集団の形で行われます
合格者の決め方第1次は得点の高い順で、性格検査は得点に含めず面接試験の参考とされます。第2次は第1次の得点にかかわらず第2次の合計得点の高い順。最終は第2次までの得点にかかわらず第3次の得点の高い順。いずれの段階も、一定の基準に満たない場合は得点にかかわらず不合格です
提出書類採用特設サイトでの会員登録・エントリー時に、記述式の設問へ入力します。市の課題と自分の取組・志望動機(800字以内)、目標をやり遂げた経験または困難を乗り越えた経験(500字以内)、組織やチームで協力した経験と自己PR(400字以内)、趣味や特技(100字以内)の4つです
基本情報欄の扱い受験案内は、基本情報欄の自己PRおよび資格・語学力の記載は不要であり、記載しても結果等に影響しないと明記しています。学歴は中学校卒業以降のすべてを記載します
採用予定人数公表されているのは【大学卒業程度(1回目)】の数で、一般事務12人、一般事務(埋蔵文化財発掘経験者)2人、土木2人、建築2人、機械1人、上下水道技術1人。2回目の予定人数は、申し込む回の受験案内でご確認ください
併願の可否同一年度内に受験できるのは1つの試験区分のみです。複数職種の併願も、1回目と2回目の重複受験もできません
採用日【大学卒業程度(2回目)】は令和9年1月1日または令和9年4月1日を申込時に選択し、最終合格発表後に合格者の意向を確認して決定されます
給料【大学卒業程度】は月額232,000円から

上記の試験構成と配点は、令和8年度米子市職員採用試験【大学卒業程度(2回目)】の受験案内に記載された内容にもとづくもので、一般事務を基準に整理しています。米子市は同じ年度に【短大卒業程度】【高校卒業程度】【社会人経験者】【障がい者対象】【特定業務職】【公務員経験者(退職者対象)】などの試験区分を設けており、段階も種目も配点も区分ごとに異なります。受験の際は必ずご自身の区分と回の最新の受験案内でご確認ください(参考:令和8年度米子市職員採用試験の実施予定|令和8年度)。

米子市役所が求める人物像

米子市は、求める人物像を採用ページと受験案内の冒頭にはっきり掲げています。「米子を愛し、市民・仲間から信頼され、自ら考え行動する職員」という一文です(出典:米子市職員採用情報|求める人物像)。

市はあわせて、行政の仕事は多岐に渡ること、どの仕事も市民のためにあること、自らの仕事に誇りを持ち公務のスペシャリストをめざしていること、市民からの信頼と期待に応えられるよう米子の未来をともに考え守りたいと願う仲間を待っていることを説明しています。

この一文は、三つの要素でできています。この土地への愛着、市民と同僚の双方から得る信頼、そして自分で考えて動くこと。

順番に見ると、まず愛着が置かれ、次に他者からの評価が置かれ、最後に自発性が来ます。自分の主体性より先に、周囲との関係が語られているという並びは、そのまま試験の形にも重なります。

第2次試験には集団討論200点が置かれ、第3次試験の面接は個別だけでなく集団の形でも行われるとされているからです。

ここで一度、当研究会の推論であることを断っておきます。以下は公表された条件を並べ直して考えたもので、市が示した見解ではありません。

米子市の条件はこうです。県人口の4割強が住む西部地区の中心にあり、市域は132.42km²と狭く人口密度は約1,081人/km²。

島根県安来市と境を接し、他県の原子力発電所の防護措置準備区域に入っているため、避難の計画は県境をまたぐ協議の中で決まっています。この環境では、庁内だけで完結する案件のほうがむしろ少なくなります。

だとすれば、自分の考えを持ちながら、立場の違う相手と同じ結論へ着地する力が、日々の仕事の進み方をそのまま左右します。市が人物像で信頼を先に置いている理由も、そのあたりにありそうです。

準備の面では、エントリー時の記述式設問が起点になります。米子市は基本情報欄の自己PR記載を不要と明記し、代わりに800字、500字、400字、100字の4つの設問を用意しています。

何を書くかは市が指定し、どう書くかだけが受験者に委ねられているという形です。とくに800字の設問は、市の課題を一つ挙げたうえで自分の強みと経験をどう使うかを志望動機まで含めて書かせるもので、第1部で扱った事実がそのまま材料になります。

4つの設問の上限を合わせると1,800字になります。市の課題と志望動機、自ら目標を立ててやり遂げた経験または困難を乗り越えた経験、組織の中での自分の役割と信頼関係を築く工夫、そして熱中していること。

口述試験で問われる材料は、ほぼこの4問の中にそろっています。申込の段階で、面接で話す台本を先に書いていると受け止めたほうが実態に近いでしょう。

書きながら一文ずつ「これを声に出して説明できるか」を確かめておけば、エントリーの作業がそのまま第2次と第3次の準備を兼ねます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。米子市の口述試験も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイクここまでの試験を受けてみて、いかがでしたか?段階が3つある試験の途中で、力みすぎずに受け答えの調子を保てるか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?エントリー時に800字で書いた志望動機と、口頭の説明が同じ筋で通っているか
③ 自己理解400字で書いた自己PRを、一言でまとめてください市が指定した字数の中で選んだ強みを、短くしても言い切れるか
④ 経験・行動500字で挙げた経験について、当時どう考えて動いたか教えてください設問が求めている「どう考え、どう行動したか」を、口頭でも順を追って出せるか
⑤ 学業・経歴これまでの学歴の中で、力を入れて取り組んだことは何ですか?中学校卒業以降のすべての学歴を記載させる試験。経歴の流れに説明がつくか
⑥ 適性・将来入庁後は、どんな仕事に取り組みたいですか?行政の仕事は多岐に渡ると市自身が説明している。希望以外の配属も受け止められるか
⑦ 公共性・社会性最近気になった、米子市や県西部に関わる出来事はありますか?関心が市の仕事の範囲に届いているか。県境の外の動きにも目が向いているか

この7つは、どの官公庁を受けても準備の形が大きく変わりません。800字の設問を埋めるだけの厚みは、次に挙げる米子市の側の材料から出てきます。

合否を分けるのは「米子市役所ならでは」の質問

「なぜ鳥取県庁ではなく、米子市役所を志望するのですか?」
「米子市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

この2問は、エントリー時に800字で書いた内容と正面からつながります。書いたことをその場で言い直せるかが見られるということです。

調べた量がそのまま書ける量になり、書いた量がそのまま話せる量になるという関係が、米子市の試験では特にはっきりしています。こうした質問に答えるための「米子市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい米子市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か米子市は県庁所在地ではないが、県人口の4割強が住む西部地区の中心にある。市の採用試験は米子市が実施し、申込先も試験種目も県の試験とは別県と市の役割分担を並べる代わりに、県庁のない側で広い地域の中心を担うという立場の違いに触れる
県境をまたぐ原子力防災島根原子力発電所の原子力災害対策重点区域に関係6市として含まれ、鳥取県は原子力災害時に米子市へ現地災害対策本部を置くとしている制度の名称を並べず、他県の施設への備えを自市の計画に書き込んでいるという事実の重さを述べる
人口の密度と年齢143,115人が132.42km²に暮らし、人口密度は約1,081人/km²。高齢化率30.0%・75歳以上17.7%は、県の33.7%・19.4%より低い(令和8年1月1日現在)若さを強みとして述べるだけで終えず、65歳以上が4万人を超えるという人数の側にも触れる
県西部を揺らした地震平成12年の鳥取県西部地震では県内で全壊394戸・半壊2,494戸、ライフライン被害15,000件。県の想定では西部地震断層の地震で全壊約5,400棟過去の記録として語らず、現在も想定として置かれている数字だという受け止めを示す
米子市の魅力令和6年の県の観光入込客数で、米子・皆生温泉周辺は1,050千人、隣接する大山周辺は1,006千人。大山は標高1,729メートルの中国地方最高峰名所の紹介ではなく、隣り合う二つの人の流れをどうつなぐかという発想まで進める

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

米子市が掲げる「米子を愛し、市民・仲間から信頼され、自ら考え行動する職員」という人物像と、点数がつく試験がすべて人物を見る試験だという配点の置き方を重ねると、確かめようとしているものが見えてきます。いわゆるコンピテンシー評価と同じ発想、つまり整えてきた言葉ではなく経験の中身と行動の再現性を見ようとする姿勢です。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
この土地への愛着の具体性人物像の先頭に「米子を愛し」が置かれ、エントリーでは市の課題を800字で書かせる好きな理由を情緒で語らず、市の課題を一つ挙げてそこに自分が関わりたい形まで書き切る
集団の中での信頼の築き方第2次試験に集団討論200点があり、第3次試験の面接も集団の形で行われることがある400字の設問が求める「周囲と信頼関係を築くために工夫したこと」を、実際の場面で言えるようにする
自分で考えて動いた実績500字の設問が「どう考え、どう行動したか」という過程を求め、面接でその中身が掘られる結果の説明を短くし、判断した場面と実際にとった行動の説明に時間を割り当てる
どの段階でも力を出せる安定感段階ごとに得点が仕切り直され、最終順位は第3次試験の200点だけで決まる第2次を通った時点で並び直すと考え、第3次に向けた練習の時間と、同じ経験を語る深さの二段構えを最初から用意しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。米子市は面接を含む口述試験を3段階にわたって重ねますので、同じ話題を別の面接官から角度を変えて問われる前提で備えてください。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えがあれば、何度たどられても筋は通ります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。米子市はエントリーの時点で記述式の設問に答える必要がありますので、申込前にやることが多い試験だと考えて日程を組んでください。

  1. 最新年度の受験案内で、自分が申し込む試験区分と回の段階構成と配点を確認する(同一年度内に受験できるのは1つの区分のみで、併願はできません)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. この記事の第1部を読み返し、米子市の課題を一つ選ぶ。800字の設問はこの選択から始まります
  4. 4つの記述式設問を字数どおりに書き上げる。800字、500字、400字、100字と長さが違いますので、同じ経験でも書き方を変える必要があります
  5. 書いた4つの文章を声に出して読み、口頭でも同じ内容が出てくるか確かめる
  6. 集団討論と個別面接を、同じ回数ずつ練習する。第2次の400点は個別面接200点と集団討論200点に半分ずつ分かれており、第3次の面接も集団の形で行われることがあります

優先順位に注意

ステップ3の自治体研究は、他の受験生と差をつけるための工程ですが、米子市の場合はステップ4の前提でもあります。時間が足りないなら、まずステップ2の棚卸しを終えてください。書く材料が手元になければ、800字も500字も埋まりません。市の課題を調べる作業は、その材料が並んでから始めても間に合います。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、米子市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

米子市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

米子市役所の想定問答集を見る

さいごに

令和8年度【大学卒業程度(2回目)】の一般事務では、点数がつく試験がすべて人物を見る試験でした。第2次の400点も第3次の200点も、面接と集団討論に配分されています。

しかも段階ごとに得点は仕切り直され、最終の順位は第3次試験だけで決まります。米子を愛し、市民と仲間から信頼され、自ら考えて動く職員を市は待っている。

その一文に自分のどの経験が重なるのか、800字の設問に向き合いながら探してみてください。