本記事では、鳥取県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、鳥取県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢令和8年の運営指針と重点目標面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

鳥取県警察の面接試験では、「なぜ鳥取県警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。鳥取県の治安の現状と県警察の方針を知っておくことで、抽象的な回答を避け、鳥取県警察ならではの事情を踏まえた説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と鳥取県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

鳥取県警察の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは鳥取県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 鳥取県全域を管轄し、管轄人口は約51万9千人(令和8年4月1日現在の推計人口)。鳥取県は都道府県で最も人口が少ない県であり、県の公式資料も「人口最少の鳥取県」と記しています。(出典:鳥取県の財政状況|令和6年度決算
  • 管轄区域は19市町村(4市14町1村)。県土は東西約120キロメートル・南北約20〜50キロメートルと東西に細長く、三つの河川の流域に鳥取市・倉吉市・米子市という中心都市が発達しています。(出典:鳥取県の概要|とりネット
  • 管轄面積は3,507平方キロメートルで、全国の0.9%。都道府県では広いほうから41番目にあたります。(出典:市町村の面積|令和6年
  • 県警本部は鳥取市東町一丁目271番地に置かれ、内部部局は警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部の5部で構成されています。
  • 北は日本海に面して鳥取砂丘をはじめとする海岸線が続き、南には中国地方最高峰の大山と中国山地が連なります。海と山にはさまれた細長い県土を、東部・中部・西部の三つの圏域として捉えるのが県内の一般的な見方です。
  • この二十数年のあいだに、平成12年の鳥取県西部地震(マグニチュード7.3)と平成28年の鳥取県中部地震(マグニチュード6.6)という二度の大きな地震を経験しており、揺れへの備えは県内で共有された課題になっています。
  • 人口が少ないことは、業務が軽いことを意味しません。一人の警察官が受け持つ地域は広く、担当分野をまたいで動く場面が多いという点が、大都市部の県警察との最も大きな違いです。

鳥取県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「鳥取県警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管轄する県土と人口、本部の組織、犯罪情勢など、組織の置かれた環境を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄区域鳥取県全域・19市町村(4市14町1村)
管轄人口約51万9千人(令和8年4月1日現在の推計人口519,148人。都道府県で最少)
管轄面積3,507平方キロメートル(都道府県で41番目・全国の0.9%)
県内の地域区分鳥取市・倉吉市・米子市を中心とする東部・中部・西部の3圏域
県警本部の所在地鳥取市東町一丁目271番地
本部の組織警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部の5部
刑法犯認知件数3,045件(令和7年・前年比35.2%増)
刑法犯検挙率54.6%(令和7年)

管轄人口は鳥取県の推計人口(令和8年4月1日現在)、面積は県が公表する市町村面積の資料(令和6年4月1日現在)、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)と検挙率は令和7年の犯罪統計(確定値)にもとづく数値です。警察署・交番・駐在所の設置数や職員定数はこの記事では扱っていないため、必要な方は鳥取県警察の公表資料をご確認ください。

数字から考えられる治安課題

鳥取県は、刑法犯の件数だけを見れば全国でも指折りに少ない県です。ただし、少ないことと落ち着いていることは同じではありません。

令和7年の認知件数3,045件は、前年から35.2%増えています。一年で3割を超えて増えるという動きは、件数の絶対値が小さい県ほど、住民の実感に直接はね返りやすいものです。

あわせて見ておきたいのが、県の人口そのものが縮んでいることです。令和8年4月1日現在の推計人口は519,148人で、直近1年間に6,542人が減りました。

守り手となる住民が減っていく一方で、犯罪の件数は増える側に振れたという組み合わせが、いまの鳥取県警察が置かれている状況です。

たとえば面接で県内の治安について聞かれたときは、次のように件数と人口の動きをつないで説明できます。

「鳥取は全国で最も人口が少ない県で、犯罪の件数も少ないほうだと思っていました。ですが調べてみると、去年の刑法犯は3千件を超えていて、前の年より3割以上増えていました。人口のほうは1年で6千人以上減っていますので、地域で見守る人が少なくなっていくなかで件数が増えている点が、いちばん気になっているところです」

鳥取県の治安情勢

刑法犯認知件数と検挙の状況

令和7年の県内の刑法犯認知件数は3,045件、前年比35.2%の増加でした。件数の水準そのものは全国でも少ない部類に入りますが、増加率で見ると小さくない動きです。

あわせて刑法犯全体の検挙率は54.6%で、認知された事件の半数以上で犯人にたどり着いている計算になります。

面接で治安を語るときは、この二つの数字を並べて話すと組み立てやすくなります。検挙率が5割を超えているということは、届出を受けてから犯人を割り出すまでの捜査が、限られた人員のなかで機能しているということです。

その水準を保ちながら、増加に転じた件数そのものをどう抑えていくか。ここが、これからの鳥取県警察の勝負どころになります。

主な罪種の内訳

3,045件の中身は、罪種によって桁がまるで違います。令和7年の県内の数字から、5つの類型がどれだけの件数だったのかを見てみます。

主な罪種(令和7年・認知件数)件数
殺人1件
強盗2件
侵入盗175件
自動車盗5件
ひったくり0件

殺人や強盗といった凶悪な事件はごく限られ、路上でのひったくりに至っては令和7年の認知が1件もありません。代わりに存在感を持つのが侵入盗の175件で、刑法犯全体のおよそ17件に1件を占めます。

都市部で問題になる街頭犯罪よりも、住まいや事業所に入り込む盗みをどう防ぐかが、鳥取の防犯の中心にあるということです。鍵かけの呼びかけ、留守宅や倉庫の見回り、住民との日常的な情報のやり取りといった地道な活動が、そのまま数字に返ってくる領域だといえます。

人口減少と地域の見守り力

治安の土台になるのは、地域に人がいることです。その前提が、鳥取県では急速に変わりつつあります。

令和8年4月1日現在の県の推計人口は519,148人で、52万人台を下回ったのは統計上これが初めてです。県の人口が最も多かったのは昭和63年の616,371人ですから、およそ40年で10万人近くを失った計算です。(出典:鳥取県人口52万人割れについて|令和8年

直近1年間(令和7年4月から令和8年3月)の内訳を見ると、自然動態が4,877人の減、社会動態が1,665人の減で、出生数3,020人に対して死亡数は7,897人でした。社会減のうち目立つのは15歳から24歳の転出超過で、なかでも20歳から24歳では900人を超えています。

進学や就職の時期に県外へ出ていく若者が多いということであり、防犯ボランティアや消防団のような地域活動の担い手が細っていく流れとも重なります。

警察官の数を急に増やせない県で治安を保つには、住民の側に見守る力を残していく発想が欠かせません。重点目標に防犯ボランティアとの協働や街頭活動の強化が並ぶのは、この人口構造への対応でもあります。

県外との往来と観光地の安全

人口は減っていても、県内を行き交う人が減っているわけではありません。観光入込客数は、令和6年に実人数983万人、延べ人数1,982万5千人を記録し、延べ人数は前年から8.9%増えました。

県人口のおよそ38倍にあたる延べ人数が、1年のあいだに県内を訪れている計算になります。地域別の実人数では鳥取砂丘・いなば温泉郷周辺が334万5千人と最も多く、境港周辺、とっとり梨の花温泉郷周辺、米子・皆生温泉周辺、大山周辺が続きます。(出典:観光入込動態調査|令和6年

観光地が広く分散していることは、雑踏の警戒や交通の誘導が特定の一か所に集中しないことを意味します。県外から来た運転者が慣れない道を走る場面も多く、交通警察の仕事は住民だけを相手にするものではありません。

県内の交通事故の発生件数や死者数は毎年公表され、数値も年ごとに動きます。面接で交通安全に触れる場合は、鳥取県警察が公表する最新の交通事故統計をあわせてご確認ください。

鳥取県の主な治安課題

ここまでの数字を踏まえると、鳥取県警察がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で「鳥取県の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

増加に転じた刑法犯と体感治安

令和7年に刑法犯認知件数が前年比35.2%増となったことは、統計上の変化にとどまりません。県内で年に3,000件という水準は、住民一人ひとりから見れば「めったに起きないこと」の側にあります。

だからこそ、身近な場所で一件でも事件が起きれば、その情報は狭い地域社会のなかを速く伝わり、体感治安を大きく揺らします。起きた事件を確実に検挙することと、街頭に警察官の姿が見える安心感をどう保つかが、同時に問われている状況です。

特殊詐欺と匿名・流動型犯罪グループ

鳥取県警察は令和8年の重点目標に、特殊詐欺対策とあわせてSNS型投資・ロマンス詐欺への対策、さらに匿名・流動型犯罪グループへの対策を掲げています。指示役がSNSの向こう側に隠れ、実行役だけが短期間で入れ替わっていくこの構造は、都市部だけの問題ではありません。

電話も送金も距離を選ばないため、人口の少ない県であっても被害は同じように届きます。県警察の論文試験でも令和7年度に特殊詐欺の手口と対策が問われており、受験者に理解を求めている分野だと読み取れます。

サイバー空間の脅威と専門人材の確保

詐欺の入口がSNSに移っていることが示すとおり、いまの犯罪の多くはインターネットを経由します。重点目標にも、サイバーセキュリティ・サイバー犯罪・サイバー攻撃への対策が第1の柱の中に位置づけられています。

注目したいのは、鳥取県警察が採用試験にサイバー犯罪捜査官の区分を設け、専門試験を課していることです。人口最少の県が、それでも専門人材を独自に採る枠を用意しているという事実は、この分野の切迫度を物語ります。

情報系の学習経験がある人にとっては、志望動機と結びつけやすいテーマでもあります。

交通死亡事故の抑止と広がる道路網

令和8年の重点目標では、交通分野が「交通死亡事故抑止に資する総合対策の推進」として独立した柱に置かれています。件数の抑制ではなく、死亡事故という結果の重さに照準を合わせた立て方です。

県内では山陰近畿自動車道(延長約120キロメートル)の整備が段階的に進み、岩美道路が令和5年3月に開通したほか、南北線については令和8年5月に都市計画決定の告示が行われました。道路がつながるほど県外からの流入は増え、走行速度も上がります

高速道路網の整備が遅れていると県自身が課題に挙げてきた地域だからこそ、道路環境の変化に合わせて交通対策を組み替えていく必要があります。(出典:山陰近畿自動車道の整備状況|令和8年

大規模災害と緊急事態への備え

鳥取県で最も現実味のある大規模災害は地震です。台風被害の少ない土地として語られることが多いぶん、この点は見落とされがちです。

県の地震・津波被害想定調査(平成30年12月)は13の想定地震を設定しており、建物被害が最大となる鹿野・吉岡断層の地震では、全壊約9,700棟・半壊約20,000棟、冬の深夜に発生した場合の人的被害を死者約790人・負傷者約3,500人と見込んでいます。平成12年の鳥取県西部地震では境港市などが震度6強の揺れに見舞われており、想定は机上の話ではありません。

県警察が重点目標に緊急事態対策を掲げ、災害時の交通対策まで交通分野の柱に含めている背景には、こうした地震の履歴があります。(出典:鳥取県地震・津波被害想定調査(概要版)|平成30年

あわせて押さえておきたいのが、人口減少そのものが県の行政課題として認識されている点です。県の人口ビジョンは2040年の推計人口を48.8万人、2060年を43.2万人と見込み、高齢化率のピークを2040年代半ばの35%と予測しています。

高齢者を狙う犯罪への備えも、地域の防犯活動の担い手確保も、この人口構造を前提に考えることになります(参考:鳥取県人口ビジョン|令和2年3月改訂

重点方針|令和8年鳥取県警察運営指針及び重点目標

鳥取県警察は、毎年の警察活動の方向を示すものとして運営指針と重点目標を策定しています。令和8年の運営指針は「県民の期待にこたえる警察 安全で安心な鳥取県をめざして」で、重点目標は5つの柱として示されました。(出典:令和8年鳥取県警察運営指針及び重点目標|令和8年

指針を貫く考え方

この指針で目を引くのは、仕事の良し悪しを測る基準が県警察の側ではなく県民の側に置かれていることです。「治安を守る」ではなく「県民の期待にこたえる」と書かれている以上、何をどこまでやれば良い仕事なのかを決めるのは県民の受け止め方だ、という立場になります。

人口が最も少ない県では、警察官一人ひとりの振る舞いがそのまま組織の評判として地域に伝わります。面接で「どんな警察官になりたいか」を考えるときも、この方向性は軸になります。

5つの重点目標

重点目標は次の5項目です。あわせて、それぞれの柱が指している内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

重点目標(公式の項目名)受験生向けの解説
① 総合的な犯罪抑止対策の推進事件が起きる前に手を打つ柱。命や身体に危害が及ぶおそれのある相談への即応、サイバー分野への対策、地域の声を踏まえた街頭活動、防犯ボランティアとの協働、少年の健全育成までを一つにまとめている
② 重要犯罪等の検挙と組織犯罪対策の推進起きた事件を確実に検挙する柱。重要犯罪や重要窃盗犯、重要知能犯の検挙活動に加え、特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺、匿名・流動型犯罪グループ、暴力団や薬物・銃器への対策が並ぶ
③ 交通死亡事故抑止に資する総合対策の推進事故件数ではなく死亡事故の抑止に照準を合わせた柱。交通情勢に応じた抑止対策と交通警察業務の適正な運用、そして大規模災害時の交通対策までを含む
④ テロの未然防止と緊急事態対策の推進テロなどの違法行為を未然に防ぎ、緊急事態が起きたときに迅速に対処するための柱。警護の徹底と強化も明示されている
⑤ 警察活動基盤の充実強化組織そのものを支える柱。採用と人材育成、予算の確保、苦情や相談への対応と犯罪被害者への途切れない支援、働き方改革と女性職員の活躍推進が挙げられている

面接では、自分の取り組みたい仕事がこの5つのどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、組織の方向性を踏まえた志望だと伝わります。各柱の下には推進項目が置かれており、全文は県警察の公式ページで確認できます。

POINT|5つの重点目標をすべて暗記しなくてよい

項目名を覚えることが組織研究の目的ではありません。関心のある柱を1〜2つ選び、「①県内で何が起きているか(数字) → ②県警察はどう対処しようとしているか(重点目標) → ③自分はどの現場で何をしたいか」の順で調べましょう。

悪い例「県民の期待にこたえられる、頼りになる警察官になりたいです」

改善例「まずは交番の勤務で地域の実情を覚えて、地道に頑張りたいです。その上で、去年は県内の刑法犯が3千件を超えて3割以上増えていて、なかでも住まいや事務所に入る侵入盗が170件あまりと多いと聞きましたので、鍵かけの呼びかけや留守宅の見回りといった地域の防犯活動に力を入れていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の受験案内(受験区分・試験種目・受験資格・申込方法)
  • 採用案内のページ(仕事内容と職員の声。配点や提出書類についての記載があるかどうかも、あわせて確かめておく)
  • 令和8年鳥取県警察運営指針及び重点目標(5つの柱と推進項目の全文)
  • 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、鳥取県警察専用の面接想定問答集をご用意しています。鳥取県警察の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

鳥取県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

鳥取県警察の面接の概要

ここからは、鳥取県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

鳥取県警察の面接の流れ

鳥取県警察・警察官採用試験は第1次試験と第2次試験の2段階で、記述式の種目は採用区分によって異なります。公表されている種目の全体像は、次の表のとおりです。

項目内容(令和8年4月採用予定・警察官A/B)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階
第1次試験教養試験(チャレンジコース以外)または基礎能力試験〈SPI3〉(チャレンジコースのみ)、適性検査、資格加点
第2次試験人物試験、論文試験(警察官A)または作文試験(警察官B)、身体検査、体力検査、実技(武道の受験者)、専門試験(サイバー犯罪捜査官の受験者)
面接の種類人物試験は個別面接として実施(採用ページ上に集団面接・集団討論の記載はありません)
論文・作文当研究会が収集した過去問では試験時間60分。第1回・第2回の年2回に分けて出題されています
配点採用案内ページ本文では確認できていません。最新の受験案内でご確認ください

この構成から読み取れることが二つあります。一つ目は、種目が第2次試験に集中していることです。

第1次試験を通過した後に残るのは、人物試験と記述式、そして身体・体力に関する検査で、いずれも短期間では仕上がりません。第1次の合格発表を見てから面接準備を始めるのでは、間に合わないと考えてください。

二つ目は、配点が公表資料で確認できないことです。面接の比重を数字で語ることはできませんが、第2次試験で最も長く自分自身を見られる場が個別面接であることは変わりません

数字が分からないからこそ、比重を軽く見積もらないほうが安全です。(出典:警察官採用試験の実施案内|令和8年4月採用

上記の試験構成は、鳥取県が公表する令和8年4月採用予定の警察官採用試験(令和7年度実施)の案内にもとづくものです。試験の構成・配点・提出書類・日程等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

鳥取県警察が求める人材

鳥取県警察は、「求める人物像」として定式化した文言を採用案内ページ本文には掲げていません。そのため、公表された言葉から人物像を読み解く必要があります。

まず参照したいのが、令和8年の運営指針「県民の期待にこたえる警察」という一文です。県民の求めているものを自分で掴み、そこへ向けて動ける人かどうかが、事実上の物差しになります。

二つ目に参照したいのが、論文・作文の出題テーマです。鳥取県警察では過去に「県民が鳥取県警察に期待しているものは何かを挙げたうえで、どのような警察官を目指すのか」「県民の求める理想の警察官像とはどのようなものか」といった問いが出されています。

書かせている内容が、そのまま面接で聞きたいことと重なっているわけです。記述式の準備は、面接の準備と切り離さずに進めてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。鳥取県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望いつごろから警察官を目指すようになったのですか?きっかけから今日までの考えの積み上がり方。思いつきの志望になっていないか
③ 自己理解あなたの強みと、それが表れた場面を教えてください強みという言葉だけでなく、それを裏づける出来事をセットで話せているか
④ 経験・行動周りの人と協力して何かをやり遂げた経験を教えてください話の中で自分が担った役割の具体性と、組織で動く仕事への適性
⑤ 学業・経歴いまの学校(学科)や職場を選んだ理由を教えてください決め方の筋道を自分の言葉で説明できるか。話の一貫性
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務や訓練を続けられる体調の管理を、自分で習慣にできているか
⑦ 公共性・社会性最近、気になった事件や事故はありますか?社会の動きへの関心と、それを警察の仕事に引きつけて話せるか

ただし、この7カテゴリーは鳥取県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

なお、警察官の採用面接では、規律ある集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした質問が存在することをあらかじめ知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。

合否を分けるのは「鳥取県警察ならでは」の質問

「警視庁や島根県警察など、ほかにも選択肢はあったと思いますが、なぜ鳥取県警察を選んだのですか?」
「鳥取県の治安上の課題は何だと思いますか?」

どちらも、鳥取県の現状と県警察の方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「鳥取県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい鳥取県警察の事実答え方のヒント
治安の現状令和7年の刑法犯認知件数は3,045件で前年比35.2%増。検挙率は54.6%件数が全国的に少ないことを認めたうえで、増加率のほうに話を進めると現状認識の確かさが伝わる。侵入盗175件という中身まで添えれば、印象論から抜け出せる
志望動機・やりたい仕事令和8年の運営指針は「県民の期待にこたえる警察 安全で安心な鳥取県をめざして」。重点目標は犯罪抑止・組織犯罪対策・交通死亡事故抑止・テロと緊急事態・活動基盤の5つやりたい仕事が5つの柱のどれに当たるかを一言添える。指針の「期待にこたえる」は論文でも問われたテーマなので、記述の準備と共通の材料にできる
鳥取で働く規模感管轄人口は約51万9千人で都道府県では最少。3,507平方キロメートルの県土に19市町村があり、東部・中部・西部の3圏域で構成される「規模が小さいから穏やか」と言い切らない。一人の受け持ちが広く、分野をまたいで動く働き方をどう受け止めているかまで話す
人口減少と地域令和8年4月1日の推計人口は519,148人で初の52万人割れ。1年で6,542人減り、20歳から24歳の転出超過は900人を超える見守る側の住民が減っていく前提を置いたうえで、防犯ボランティアや自治体との連携をどう保つかまで踏み込むと、重点目標の街頭活動と噛み合う
災害への備え県の地震・津波被害想定調査は、鹿野・吉岡断層の地震で全壊約9,700棟、冬の深夜に起きた場合は死者約790人を想定。平成12年に西部地震、平成28年に中部地震が実際に発生している「災害の少ない県」という一般的な印象と、二度の大地震を経験した事実の両方を押さえる。想定と実際の経験を並べて話せると、備えの必要性を自分の言葉で語れる

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 警察官としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、運営指針が示す組織の価値観に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
県民の期待を掴む力相手が言葉にしていない要望まで汲み取り、自分の判断で対応を変えた場面があるか「県民が鳥取県警察に期待しているものは何か」は論文でも出題されたテーマ。同じ問いに自分なりの答えを書き出し、その答えを裏づける自分の行動を一つ添えておく
地道な活動を続ける粘り目立たない役割や単調な作業を、途中で投げ出さずに続けたか令和7年の侵入盗175件という県内の犯罪像が示すとおり、鳥取の防犯は鍵かけの呼びかけのような積み重ねが中心。長く続けたことを一つ選び、続けられた理由まで話せるようにする
広い持ち場に向き合う姿勢予定外の事態に、その場で判断して動いた経験があるか管轄人口が全国最少で本部が5部という規模は、一人あたりの受け持ちの広さを意味する。役割の外側の仕事を引き受けた場面を思い出しておく
規律ある生活への適応生活のリズムと体調を自分で管理できているか第2次試験には身体検査と体力検査があり、武道の区分では実技も課される。いつから何を続けているかを具体的な数字で言えるようにしておく

評価の観点の4項目は、公表されている令和8年の運営指針・重点目標と、第2次試験の種目構成をもとに当研究会が面接対策用に整理したものです。鳥取県警察が「求める人物像」として公表している文言ではありません。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、自分が出願する区分(警察官A・警察官B、チャレンジコース、武道、サイバー犯罪捜査官)と試験種目・提出書類・申込方法を確認する。配点は公表資料で確認できないため、案内本文の記載を自分の目で確かめる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事から、行動の事実を話せる出来事を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自前の言葉に置き換えておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む。鳥取県警察の論文・作文で問われてきた「県民の期待」「理想の警察官像」は面接の質問とも重なるため、記述の準備がそのまま面接の材料になる
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。あわせて、第2次試験の体力検査と身体検査に向けて、運動と生活リズムづくりを並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、鳥取県警察専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

鳥取県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。本番までの残り日数が少ない場合は、こうした教材で仕上げを前倒しするのも一つの方法です。

鳥取県警察の想定問答集を見る

さいごに

鳥取県警察の採用試験は、人物試験が個別面接として行われ、記述式は論文または作文が課されます。配点は公表されていないため、どの種目で何点取れば通るという逆算はできません。

だからこそ、受験者一人に最も長い時間が割かれる個別面接の準備を、後回しにしないでください。令和8年4月1日現在で519,148人という県の人口は、都道府県のなかで最も少ない数字です。

その規模の県で警察官として働くとは、住民との一つひとつのやり取りが、鳥取県警察という組織の印象そのものを形づくっていくということでもあります。運営指針が掲げる「県民の期待にこたえる警察」の一員として何をしたいのか、自分の経験に根ざした言葉で語れる状態をつくって、当日を迎えましょう。