本記事では、渋川市職員採用試験の面接対策で必要な、渋川市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
渋川市役所の面接試験では、「なぜ渋川市を志望したのか」「市職員としてどんな役割を担いたいのか」「自分の強みが市の仕事のどこで活きるのか」といった質問が想定されます。渋川市の募集要項には、第1次試験で実施する作文について「作文は、第2次試験以降の資料として使用します。」と明記されています。書いたものが面接の場に持ち込まれる、という前提で準備する必要があります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と渋川市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
渋川市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは渋川市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 人口71,273人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)・面積240.27km²・人口密度297人/km²の市である。群馬県内12市のうち人口は第7位、面積は第6位にあたる。
- 県内で人口の多い高崎市と前橋市の両方に接し、北では沼田市とも接している。9つの自治体に囲まれた位置にある。
- 隣接するのは前橋市、高崎市、沼田市、吾妻郡中之条町、東吾妻町、高山村、北群馬郡吉岡町、榛東村、利根郡昭和村で、いずれも群馬県内である。
- 市役所は〒377-8501 群馬県渋川市石原80番地に置かれている。団体コードは10208-3。
- 市の花はアジサイ、市の木はモミジ。
- 令和8年度の職員採用試験は6月試験と9月試験の2回実施され、9月試験は令和9年4月1日採用である。
- 9月試験は第1次から第3次までの3段階構成で、第1次はSPI3と作文、第2次と第3次はいずれも面接試験である。
渋川市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、渋川市が県内でどんな位置に置かれた市なのかを言葉にできることは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、位置関係など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。規模を測る物差しとして、群馬県全体の数値もあわせて示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 71,273人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 240.27km²(県内12市中第6位) |
| 人口密度 | 297人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 高齢化率 | 36.8%(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。同じ調査の群馬県全体は30.8% |
| 隣接自治体 | 前橋市、高崎市、沼田市、吾妻郡中之条町、東吾妻町、高山村、北群馬郡吉岡町、榛東村、利根郡昭和村 |
| 市役所所在地 | 〒377-8501 群馬県渋川市石原80番地 |
| 市の花・市の木 | アジサイ・モミジ |
| (参考)群馬県の総人口 | 1,867,582人(令和7年10月1日現在・国勢調査速報集計/全国第18位) |
| (参考)群馬県の財政力指数 | 0.59000(令和5年度決算・令和3〜5年度の3か年平均/総務省設定のグループB) |
渋川市の人口・面積・隣接自治体・市の花木は、公表値をもとに整理したものです(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在。県内順位は同時点の県内12市の比較による)。高齢化率は総務省が住民基本台帳をもとにまとめた令和8年1月1日現在の値です。群馬県の総人口・財政力指数は県公式サイトおよび県財政課の資料による数値です。市の統計の最新値は、渋川市公式サイトであわせてご確認ください。
2つの大きな市に接しているということ
渋川市は、県内で人口がもっとも多い高崎市(364,131人)と、2番目に多い前橋市(327,659人)の両方に接しています。同時に、北では県内でもっとも人口の少ない沼田市(42,647人)とも接しています(いずれも住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
県内でも性格の異なる市に同時に隣り合っているのが、渋川市の位置の特徴です。
この位置は、人の流れの上でも意味を持ちます。買い物や通勤で南へ向かう動きと、北の地域から人が下りてくる動きが重なるからです。
群馬県全体の人口は令和7年国勢調査の速報集計で1,867,582人となり、令和2年から3.7%減りました(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|令和7年)。減っていく中で、どちらの流れをどう受け止めるか。
面接では、たとえば次のように位置から仕事の話へつなげられます。
渋川市の経済・産業
交通の条件が支える経済
群馬県は本州のほぼ中央にあり、首都東京からの距離は約100km。新幹線を使っても高速道路を使っても、東京までおよそ50分で行き来できます。
県内には上越新幹線と北陸新幹線が走り、関越・上信越・北関東・東北自動車道が東日本と西日本を結んでいます(出典:群馬県IR資料(交通)|令和8年6月)。県外との行き来がしやすい条件は、企業の立地にも、観光にも効いてきます。
県全体の産業構成を見ると、産業別名目県内総生産は第1次産業1.1%、第2次産業41.8%、第3次産業57.1%で、第2次産業の比率41.8%は全国の25.4%を大きく上回ります(令和5年度県民経済計算)。
製造品出荷額等は10兆1,485億円で全国第12位(令和5年)。ものづくりが県経済の柱であることは、渋川市の産業を語るときにも前提になります。
観光という県のもう一つの柱
群馬県の令和6年(2024年)の観光入込客数は64,352千人で前年から1,448千人増(前年比102.3%)、観光消費額は2,809億円(前年比106.2%)、外国人延べ宿泊者数は432千人泊(前年比136.6%)でした(出典:観光入込客統計調査報告書|令和6年)。
県内には温泉地が多く、草津温泉は「第39回にっぽん温泉100選」の総合ランキングで全国1位に選ばれています。
観光の伸びは、受け入れる地域の負担も同時に生みます。宿泊や交通、案内表示、ごみや上下水道といった実務は、いずれも市町村の仕事に直結します。
訪れる人が増えることを、住む人にとっての利益へ変える工夫が問われる分野です。
財政という土台
群馬県は昭和32年度以降68年間連続で黒字決算を続けており、計画的な県債発行によって県債残高は令和4年度から5年連続で減少する見込みです。令和6年度決算では実質公債費比率9.2%が全国第9位(全国平均10.1%)、将来負担比率130.0%が全国第12位(全国平均144.1%)と、いずれも全国平均より良好な水準にあります(参考:群馬県IR資料(財政)|令和8年6月)。
ただし、これは県の話であって、市町村の財政がそのまま同じ状態にあるわけではありません。人口規模の小さい市ほど、自前の税収で賄える割合は小さくなります。
面接で財政に触れるなら、県の良好さを引くのではなく、人口約7万1千人の市で何ができて何が難しいのかという線引きを意識したほうが、話に現実味が出ます。
渋川市の主な行政課題
ここまでの数字を踏まえると、渋川市を含む群馬県内の市町村が向き合う課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
減り方の中身
群馬県移動人口調査(令和6年年報)によると、県の自然増減数は-17,183人(出生10,107人・死亡27,290人)である一方、社会増減数は+5,768人と転入が転出を上回りました。総人口は1,889,425人で、人口増減率は-0.60%です(出典:群馬県移動人口調査|令和6年年報)。
出生と死亡の差で大きく減り、他県との出入りでわずかに戻しているという構図です。減少の主因が自然減にあるなら、転入促進だけでは追いつきません。
高齢化と暮らしの支え
群馬県の老年人口(65歳以上)割合は令和6年10月1日現在で31.3%(579,228人)と過去最高、年少人口(0〜14歳)割合は10.9%と過去最低になりました(出典:群馬県年齢別人口統計調査|令和6年)。県の人口ビジョンは、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療・介護・住まい・公共交通・生活支援を地域で提供する環境整備を課題としています。
今後は介護需要が高まる85歳以上の高齢者と単身高齢者世帯の増加が見込まれるとも指摘されています。
渋川市自身の数字も押さえておきましょう。基準をそろえて住民基本台帳(令和8年1月1日現在)で見ると、渋川市の高齢化率は36.8%(65歳以上26,220人)、75歳以上の割合は21.2%(15,089人)です。
同じ調査の群馬県全体は30.8%・18.0%ですから、高齢化率で6ポイント、75歳以上の割合で3ポイント上回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。先に挙げた県の31.3%とは調査が異なりますので、比較は同じ物差しの30.8%のほうで行っています。
同じ調査で南に接する高崎市は29.0%、前橋市は30.4%ですから、隣り合う市どうしでも年齢の構成はかなり違います。面接で高齢化に触れるなら、この差を出発点にすると、話が渋川市の窓口の風景に寄ります。
都市機能をどこまで持ち続けるか
県の人口ビジョンは、高度な医療など一定の人口集積を必要とする都市機能の維持が困難となる場合があること、利用者の減少により住民一人当たりのインフラ維持管理費が増えるおそれがあることを挙げています。
人口の多い2市に接している渋川市では、市内に持つべき機能と、近隣と分け合ってよい機能の線引きが具体的な論点になります。近いことは強みですが、任せすぎれば市内の機能は細ります。
地震の被害想定
群馬県地震被害想定調査報告書(令和8年3月)は、想定地震を前回調査の3地震から6地震へ増やし、全35市町村の役場直下でマグニチュード6.9の地震が起きた場合の被害も想定しました。県全体で被害が最大となるのは深谷断層帯・綾瀬川断層の地震で、冬18時・強風時のケースで死者4,028人、負傷者31,674人と予測されています。
同じケースでの建物被害は全壊114,653棟、半壊141,924棟です(出典:群馬県地震被害想定調査報告書 概要版|令和8年3月)。夕方の強風時という条件は、火災の広がりやすさを織り込んだものです。
市のハザードマップで自分の住む地区の想定を確認しておきましょう。
渋川市の重点政策|群馬県の見通しと渋川市
渋川市の総合計画の内容と最新の施政方針は、市公式サイトの最新版で必ず確認しておきましょう。ここでは、渋川市政を取り巻く県全体の状況と、採用情報の確認先を整理します。
県の課題を、渋川市の規模に当てはめる
群馬県人口ビジョンは、人口減少により民間事業者の経営環境が厳しくなり、身近な生活圏での生活サービスの提供が困難になる場合があることを課題の一つに挙げています。商店や医療機関、公共交通は、一定の利用者がいて初めて成り立つからです。
人口約7万1千人という渋川市の規模は、この課題を自分の市の問題として考えなければならない水準にあります。近くに大きな市があることは、便利さであると同時に、市内の商圏が薄くなる要因にもなります。
市の計画を読むときは、この二面性に市がどう答えようとしているかという目線で見てください。
渋川市の採用情報をどこで見るか
渋川市の職員採用試験の情報は、市公式サイトの職員採用のページと、そこに掲載される募集要項のPDFで確認します。渋川市の場合、確認しておきたいのは枠の多さです。
9月試験だけでも、一般事務、一般事務(障害者対象)、土木技師、建築技師、保健師、一般事務(就職氷河期世代)、自動車運転手(就職氷河期世代)と分かれており、第1次試験の内容も枠によって異なります。
求める職員像にあたる文言については、確認した渋川市の人事・給与・職員採用のページおよび人事・給与情報一覧では、定型化された一文としての掲載を確認できませんでした。そのぶん、募集要項に書かれた試験の中身が、市の求めるものを知る一番確かな手がかりになります。
作文をどう扱うか、面接を何回置くか。その設計自体が市からのメッセージです。
POINT|第1次試験は教養試験ではありません
渋川市の第1次試験は、一般事務系が「SPI3、作文」、土木技師・建築技師・保健師が「SPI3、作文及び専門試験」、自動車運転手(就職氷河期世代)が「SPI3(性格検査のみ)」です。いわゆる公務員試験の教養科目を積み上げる対策とは前提が異なります。判断推理や数的処理の問題集を解き続ける前に、まず自分の受ける枠の試験方法を募集要項で確かめてください。
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 渋川市職員採用試験の募集要項(受験する年度・試験回・枠のもの)
- 渋川市公式サイトに掲載される職員採用試験の受験状況(年度ごとの人数の推移)
- 渋川市公式サイトの市政情報・総合計画・最新の広報紙
- 群馬県の人口ビジョン、県の観光入込客統計調査(市政の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、渋川市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。渋川市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
渋川市役所の面接の概要
ここからは、渋川市役所の採用試験の流れと、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
渋川市役所の試験の流れ
ここでは、令和8年度の9月試験(令和9年4月1日採用)を例に整理します。押さえておきたいのは、第2次試験と第3次試験がいずれも面接試験で、面接が計2回課されることです。
いずれも「主として人物、性向、職務に対する適応性などについて面接を行います。」と説明されています。
| 項目 | 内容(令和8年度・9月試験/令和9年4月1日採用) |
|---|---|
| 募集職種と採用予定人数 | 一般事務10人程度。一般事務(障害者対象)、土木技師、建築技師、保健師、一般事務(就職氷河期世代)、自動車運転手(就職氷河期世代)が各若干人 |
| 試験の段階 | 第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階 |
| 第1次試験(一般事務系) | SPI3、作文 |
| 第1次試験(技術・専門職) | 土木技師・建築技師・保健師はSPI3、作文及び専門試験。自動車運転手(就職氷河期世代)はSPI3(性格検査のみ) |
| 第2次試験 | 第1次試験合格者を対象とする面接試験(主として人物、性向、職務に対する適応性などについて面接を行います。) |
| 第3次試験 | 第2次試験合格者を対象とする面接試験(同上) |
| 作文の扱い | 募集要項に「作文は、第2次試験以降の資料として使用します。」と明記されている |
| 第1次試験の会場 | 渋川市役所第二庁舎(渋川市石原6番地1)。終了時間の目安は一般事務がおおむね12時40分、その他職種がおおむね15時10分から15時40分 |
| 申込時の提出データ | 顔写真データ(正面向き、上半身、脱帽の上、6か月以内に撮影、縦横比4対3)。保健師はこれに資格を証明するものの写しデータを加える |
| 第2次試験以降の提出書類 | 第2次試験受験者は最終出身学校等の成績証明書、最終合格者は卒業証明書と所定の健康診断書を各1通提出する(申込時は不要) |
| 採用前の手続 | 最終合格者を対象に、採用予定者事前説明会が実施される |
| 初任給・勤務時間 | 初任給は大学卒232,000円から、短大卒216,500円から、高校卒200,300円から(令和8年4月1日現在)。勤務時間は原則として午前8時30分から午後5時15分、1週間38時間45分 |
上記は令和8年度の渋川市職員採用試験(9月試験)の募集要項および市公式サイトの掲載内容にもとづくものです。渋川市の募集要項には、各試験の配点・合格基準の記載はありません。第2次・第3次の面接が個別面接か集団面接かの別も明記されておらず、集団討論やグループワークの記載もありません。年度内には6月試験と9月試験があり、過年度には1月に実施された回もあります。受験の際は必ず最新の募集要項でご自身の試験回と枠の情報をご確認ください。
受験状況の数字から見えること
渋川市は試験ごとの受験状況を公表しています。
令和7年9月実施の一般事務は、大卒が申込58人・受験27人・第1次合格17人・第2次合格14人・最終合格10人、高卒が申込11人・受験8人・第1次合格2人・第2次合格1人・最終合格1人でした。一方、令和8年1月実施の一般事務は、大卒が申込63人・受験51人・第1次合格15人・第2次合格3人・最終合格3人です。
回によって通り方の形が変わっていることがわかります。9月実施では第1次合格17人から最終合格10人まで残ったのに対し、1月実施では第1次合格15人から最終合格3人へ絞られました。
採用予定人数が満たされている度合いによって、後半の絞り込みは変わります。倍率の数字を眺めるより、自分が受ける回の直近の実績を確かめるほうが役に立ちます。
渋川市役所が求める人物像
渋川市は、求める職員像を一つのキャッチフレーズで掲げる代わりに、募集要項の中で評価の材料をはっきり示しています。その中心にあるのが、冒頭でも触れた作文の扱いです。
作文は第1次を通過するための関門であると同時に、面接官があなたを知るための最初の材料になります。
ここから読み取れる評価の軸は3つです。自分の考えを文章にまとめる力、書いた内容と話す内容が一致していること、そして人物についての面接を2回受けても揺れない一貫性。
作文で市の課題について書いたなら、面接でその課題を掘られる可能性を織り込んでおくべきです。面接が2回あるということは、同じ人物像を二度確かめられるということです。
「まじめに取り組みます」という説明だけでは、二度目が持ちません。まじめさを発揮した具体的な場面と、その結果として動いた物事まで手元に置いておきましょう。
なお、求める職員像にあたる公表文言については、渋川市の最新の公表資料でもあわせてご確認ください。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。渋川市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | ここまでの道のりはいかがでしたか | 肩の力が抜けた状態での話しぶり。相手と呼吸を合わせられるか |
| ② 動機・志望 | いつごろから公務員を考えはじめましたか | 志望に至る経緯を、時間の流れに沿って説明できるか |
| ③ 自己理解 | 自分の強みを一言で言うと何ですか | 長い説明に逃げず、要点を先に出せるか |
| ④ 経験・行動 | 失敗した経験と、その後どうしたかを教えてください | 都合の悪い出来事を自分の言葉で扱えるか |
| ⑤ 学業・経歴 | いま関心を持って調べていることは何ですか | 学びを続けている姿勢と、関心の掘り下げ方 |
| ⑥ 適性・将来 | 市役所の仕事で大変そうだと思うのはどんな場面ですか | 仕事を美化せずに見ているか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 限られた予算で優先順位を決めるとき、何を基準にしますか | 資源の配分についての考え方 |
ただし、この7カテゴリーは渋川市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「渋川市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「渋川市役所ならでは」の質問
どちらも渋川市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「渋川市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい渋川市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と位置 | 人口71,273人、面積240.27km²、人口密度297人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。県内12市中で人口第7位、面積第6位。高齢化率36.8%は同じ調査の群馬県全体30.8%、高崎市29.0%を上回る(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) | 順位を挙げるだけで終わらせず、高崎市と前橋市の両方に接する市の商圏と、隣より高い高齢化率がどう重なるかまで踏み込みます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 県は約6,362km²の県土全体を見るが、渋川市は約7万1千人の暮らしと240.27km²の市域を直接担う | 役割の違いの説明にとどめず、9つの自治体に囲まれた市だからこそ自分が関わりたい仕事を具体的に挙げます |
| 人口減少の中身 | 県全体では自然増減が-17,183人、社会増減が+5,768人(令和6年)。減少の主因は出生と死亡の差にある | 転入を増やすという話に流れず、自然減が主因である以上どんな施策が要るのかという順序で述べます |
| 観光と地域経済 | 県の観光入込客数は令和6年で64,352千人、観光消費額2,809億円。外国人延べ宿泊者数は432千人泊で前年比136.6% | 観光地の紹介ではなく、訪れる人の増加を住民の暮らしにどう返すかという行政の課題として語ります |
| 試験への向き合い方 | 第1次はSPI3と作文。作文は第2次試験以降の資料として使用される。面接は第2次と第3次の計2回 | 作文と面接を別物として準備しなかったこと、書いた内容を話せるまで練ったことを自分の準備として説明します |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「評価の軸」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自分の考えを文章にまとめる力 | 第1次の作文が第2次以降の資料として読まれ、その内容が質問の起点になる | 渋川市は作文の使い道を募集要項に明記しています。書き上げた作文の要旨を一言で言えるようにし、書いた根拠まで説明できるようにしておく |
| 書いた内容と話す内容の一致 | 作文で述べた課題意識と、面接で語る志望動機が食い違わないか | 作文の下書きを保管し、そこで挙げた市の課題について、自分ならどう関わるかまで考えを進めておく |
| 2回の面接で揺れない一貫性 | 第2次と第3次で同じ経験を尋ねられたとき、細部が変わらないか | 渋川市は人物について面接を2回行います。話す経験を絞り込み、時期や人数といった細部まで事実を確かめておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 渋川市の募集要項を入手し、自分が受けるのが6月試験か9月試験か、どの枠かを確定させる。枠によって第1次試験の内容が変わる
- 経験を書き出す。学業、部活動やサークル、アルバイトから、作文にも面接にも使える出来事を1つずつ選ぶ
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、高崎市と前橋市に接するという位置と県内第7位という人口規模から、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む。この材料は第1次の作文でもそのまま使える
- 声に出して練習する。作文で書いた内容を口頭で説明し直す練習を、必ず一度は入れておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、渋川市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
渋川市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
渋川市の試験でいちばん見落とされやすいのは、第1次の作文が第2次試験以降の資料として使われるという一文だと思います。つまり作文は書いて終わりではなく、そこから面接が始まります。
何を課題だと考え、なぜそう考えたのか。書いたことは、そのまま二度の面接で問われます。
第1次がSPI3であることも含め、渋川市の試験は知識の量よりも、自分の考えを筋道立てて示せるかどうかを見る構えになっています。高崎市と前橋市に接し、北では沼田市とも接するこの市で、あなたが何を守りたいと思うのか。
募集要項を最後まで読み、自分の枠の条件を確かめたうえで、その答えを紙の上と口の上の両方で用意してください。