本記事では、米沢市職員採用試験の面接対策で必要な、米沢市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

米沢市役所の面接試験では、「なぜ米沢市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。米沢市の大卒程度の試験は、第1次が全職種SPI3、第2次が全職種「個別面接等」という構成で、教養試験や専門試験を課す自治体とは準備の重心が大きく違います。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と米沢市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

米沢市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは米沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 山形県が県土を説明するときに名前が挙がる三つの盆地のひとつ、米沢盆地の市である。県土は米沢・山形・新庄の各盆地と庄内平野からなり、そこを最上川が流れる。
  • 県土を南から置賜・村山・最上・庄内の4つに分けたうちの、最も南に位置する置賜地域に属する。
  • 人口は73,351人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、山形県内の13市では4番目にあたる。
  • 総面積は548.51km²。県内13市では鶴岡市、酒田市に次ぐ3番目の広さで、県土9,323.15km²のおよそ5.9%を占める。
  • 人口密度は134人/km²。県全体の平均およそ107人/km²は上回るものの、県内13市では8番目にとどまり、広い市域に人が分かれて暮らしている形になっている。
  • 隣り合う7自治体のうち、東置賜郡高畠町、川西町、西置賜郡飯豊町の3町が県内で、福島県の福島市、喜多方市、耶麻郡猪苗代町、北塩原村の4市町村は県外である。県境に接する面のほうが広い市だといえる。
  • 市の花はアズマシャクナゲ、市の木はコメツガ。いずれも高い土地に育つ植物で、山に囲まれた盆地という地形が市の自己紹介にも表れている。
  • 市役所は金池五丁目にある。採用試験を含む手続の入口は市公式ホームページで案内されている。
  • 令和8年度は6月実施の試験と9月実施の試験の2回があり、6月実施は大卒程度(行政・土木・電気・化学)と保健師、9月実施は大卒程度(電気)と高卒程度(行政・土木・土木の学校推薦枠)が対象である。

米沢市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「米沢市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、隣り合う自治体など、米沢市の位置づけを説明できる項目を整理しました。米沢市単独の経済統計は公表資料の範囲が限られるため、比較の物差しとして山形県全体の数値もあわせて示します。

項目内容
総人口73,351人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積548.51km²(山形県のおよそ5.9%。県内13市で3番目)
人口密度134人/km²(上記の総人口と総面積から算出。山形県の平均はおよそ107人/km²。県内13市で8番目)
市役所所在地山形県米沢市金池五丁目2番25号
隣接自治体東置賜郡高畠町、川西町、西置賜郡飯豊町、福島県福島市、喜多方市、耶麻郡猪苗代町、北塩原村(7自治体)
市の花・市の木アズマシャクナゲ/コメツガ
(参考)山形県の総人口993,127人(令和7年10月1日現在・国勢調査人口速報集計)
(参考)山形県の総面積9,323.15km²(全国第9位)
(参考)置賜地域の人口185,769人(令和7年10月1日現在・同上)

米沢市の面積・所在地・隣接自治体・市の花・市の木は、自治体の公表値による数値で、市公式の統計ページとの照合は済んでいません。数値を提出書類等で用いる際は、市公式サイトの最新値をご確認ください。山形県の総人口・置賜地域の人口は令和7年国勢調査人口速報集計、県の総面積と全国順位・4地域区分は山形県公式サイトによります。県の平均人口密度、県土に占める面積の比率、県内13市での順位は、これらの公表値から当研究会が算出しました。市と県で数値の時点が異なるため、おおよその水準感として捉えてください。(出典:令和7年国勢調査人口速報集計|山形県山形県について(県土と地域区分)|山形県総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

米沢市の輪郭は、三つの順位を並べると見えてきます。県内13市のなかで人口は4番目、面積は3番目、人口密度は8番目。人が多い市であると同時に、市域が広く人は散らばっているという二面を持っています

県全体の993,127人と9,323.15km²から計算すると県平均はおよそ107人/km²ですから、米沢市の134人/km²は県平均を上回ります。それでも県内13市では8番目という順位になるのは、山形市の620人/km²や天童市の528人/km²のような、狭い市域に人が集まる市が県内にあるためです。

この形は、市役所の仕事の組み立て方に直結します。人口だけを見れば県内で4番目の規模ですが、その人たちは548.51km²に分かれて暮らしています。

窓口へ来ること自体に時間がかかる市民の方が一定数いるという前提から市政を考える必要がある、ということです。

もう一つの前提が、県全体と地域の人口の動きです。令和7年10月1日現在の国勢調査人口速報集計によると、山形県の総人口は993,127人で、令和2年調査から74,900人減(5年間で7.0%減)。

米沢市が属する置賜地域は185,769人で、県内の全ての市町村が人口減少となりました。米沢市の73,351人は置賜地域のおよそ4割にあたります(市と県で時点が異なるため、おおよその割合です)。

置賜での位置づけを起点にすると、答えはたとえばこう組み立てられます。

「米沢市は山形県の南、置賜地域にある人口7万3千人ほどのまちで、県内の13市では4番目の規模だと知りました。ただ市域は500km²を超える広さがあって、人口密度でみると県内では8番目だそうです。人は多いけれど散らばっているということですので、市役所まで来るのが大変な方にも同じ説明が届くようにするには何ができるかを、考えていきたいと思っています」

米沢市の経済・産業

山形県の経済規模と米沢市の位置

米沢市単独の市民経済計算は公表資料の範囲が限られるため、ここでは米沢市が属する山形県全体の姿を土台に、地域経済を整理します。

  • 山形県の県内総生産は令和元年度で4兆3,367億円
  • 産業別の構成比では製造業が25.6%で最も高い。
  • 製造品出荷額等の業種別内訳(令和元年)は電子部品・デバイスが最多で、情報通信、食料品、化学がこれに続く。
  • 産業別就業人口構成比(令和2年国勢調査)は第1次産業8.8%、第2次産業28.7%、第3次産業62.6%。

つまり、「生産では製造業が4分の1を占めるが、働く人の6割強は第3次産業にいる」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:山形県の産業の現状|令和元年度

これらはすべて県の数字であって、米沢市の数字ではありません。面接で県の総生産をそのまま持ち出しても、県の話で終わってしまいます。

県全体の姿を知る意味は、自分が働く場所がどれくらいの経済のなかに置かれているかを見積もることにあります。そのうえで、市の産業について語るときは、市が公表している産業や事業所の資料を自分で確かめてください。

観光という県全体の追い風

山形県の主要観光地における令和6年度の観光者数は4,128万9千人で、令和5年度と比べて6.8%の増加、令和元年度と比べると8.9%の減少でした。増加の要因の一つが、訪日外国人の受入延人数が2年連続で過去最高となったことです。

(出典:主要観光地における観光者数|令和6年度

この数字を面接で使うなら、県全体の傾向だと断ったうえで、米沢市の側に引きつけるところまで進めましょう。観光は、宿や飲食といった民間の商売だけの話ではありません

案内の多言語対応、交通の便、災害時の観光客への情報伝達など、行政の仕事に接する部分がいくつもあります。観光を「賑わい」ではなく「受け入れる体制」の話に置き換えると、市職員の仕事として語れるようになります。

福島県と接する県境の市という立地

米沢市が隣り合う7自治体のうち、4つは福島県です。県境をまたぐ側には、福島県の県庁所在地である福島市も含まれています。

通勤や通学、買い物や通院といった暮らしの動きは、県の境で止まりません

この立地は、面接で二通りに使えます。一つは、県外への人の流れが身近にあるという文脈です。

もう一つは、県境を越えた広がりのなかで米沢市が選ばれる理由をどう作るか、という文脈です。県境が近いことを不利としてではなく、条件として語れるかどうかで、地域の見方の深さが伝わります。

米沢市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、米沢市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

全ての市町村で人口が減るという県全体の局面

令和7年10月1日現在の国勢調査人口速報集計では、山形県の35市町村すべてで人口が減少しました。県全体では993,127人で、令和2年調査から74,900人減(5年間で7.0%減)。

男女別では男性が6.6%減、女性が7.4%減です。世帯数は398,213世帯とほぼ横ばいである一方、1世帯当たり人員は2.49人へ0.19人減っています。

置賜地域の人口は185,769人。そのうちおよそ4割を米沢市が占めています。

地域の中で最も人口の多い市が何を担うのかという視点は、志望動機を組み立てるときの軸になります。人が減る局面では、隣り合う町との役割分担や、施設や機能をどこに置くかという判断が避けられません。

米沢市で仕事を語るなら、市の中だけを見る話に閉じないでおきましょう

若い世代が県外へ出ていくという積み重ね

山形県では、高齢化の進行により1997年(平成9年)に死亡数が出生数を上回る自然減へ転じています。あわせて県人口ビジョンは、県内高校卒業生のうち大学等進学者の約69%、就職者の約22%が県外へ進み、卒業生全体でおよそ53%が県外へ転出していることを課題として示しています。

(出典:山形県人口ビジョン|山形県

米沢市の場合、県外がすぐ隣にあります。福島県の4市町村と接しているという事実は、進学や就職で県外を選ぶことの心理的な距離が近いということでもあります

県外へ出る道が身近にあるなかで、あえて米沢市役所を選ぶ理由は、面接で必ず確かめられると考えておきましょう。市内出身の方なら「なぜ戻るのか」、市外出身の方なら「なぜこの市なのか」という形で問われます。

どちらの立場でも、自分の経験に接続した答えが必要です。

広い市域に、同じ質のサービスをどう届けるか

548.51km²という市域は、山形県の県土のおよそ5.9%にあたり、県内13市では3番目の広さです。そこに73,351人が暮らし、人口密度は134人/km²。

県平均を上回るとはいえ、人が密集している市とはいえません。

この条件は、行政サービスの届け方に直接効いてきます。窓口の開き方、地域ごとの集まりの持ち方、除雪や道路の維持といった現場の仕事は、いずれも面積と人の散らばり方に左右されます

面接で「やりたいこと」を語るときは、その取組を市内のどこにいる市民にも同じ質で届けるにはどうするか、という視点を一つ足しておくと、話が具体的になります。

想定される地震への備え

山形県は、想定震源として山形盆地断層帯・新庄盆地断層帯・長井盆地西縁断層帯・庄内平野東縁断層帯の4つの断層帯を挙げ、想定震度を示す地震ハザードマップを公表しています。このうち長井盆地西縁断層帯は、米沢市と同じ置賜地域に位置する断層帯です。

(出典:地震ハザードマップ(震度マップ図)|山形県

このハザードマップが扱うのは、県全体を見渡した想定です。米沢市単独の被害想定は公表資料からは確認できませんが、置賜地域にかかる断層帯を知っておくだけでも、備えの話は具体的になります。

防災に触れるときは、県が示す想定に軽く触れたうえで、548.51km²の市域で避難所を開け、被害を把握する市職員の現場へ話を進めると、地に足のついた説明になります。志望前に、県が公表しているハザードマップで自分の暮らす地域の想定震度を確かめておくと、話に実感が乗ります。

県全体の厳しい財政という土台

市そのものの細かな数字は、米沢市の公式サイトで公表されている予算・決算の資料にあたるのが確実です。ここではその手前に、県内の市が共通して置かれている土台を、山形県の指標から押さえておきましょう。

山形県の財政力指数は0.35801(令和5年度)。実質公債費比率は12.8%、将来負担比率は218.3%、経常収支比率は92.4%で、ラスパイレス指数は100.0です。

(出典:都道府県財政指数表|令和5年度

面接で財政の話を持ち出す必要はありません。ただ、この前提を知っているかどうかで、「やりたいこと」の語り方は変わります

新しい事業を提案する形で志望を語るなら、その財源をどこから持ってくるのか、既にある事業のどれを見直すのかという問いが返ってくることを、あらかじめ想定しておきましょう。

重点政策|受験案内が示す職務と県の計画

米沢市の総合計画や重点施策の名称は、市の公式サイトの市政情報のページで最新のものを確かめられます。本記事では、市が受験案内で公表している職務と採用の姿と、米沢市が属する山形県の計画を組み合わせて、市政を理解する土台をつくります。

受験案内が示す「米沢市職員の仕事」と採用の規模

令和8年6月実施分の受験案内は、試験区分ごとの採用人員を次のように示しています。大卒程度(行政)の職務内容は「一般行政の業務に従事する職務」と説明されています。

(出典:米沢市職員採用試験受験案内(大卒程度)|令和8年度

試験区分採用人員(令和8年6月実施分)
大卒程度(行政)7名程度
大卒程度(土木)1名程度
大卒程度(電気)1名程度
大卒程度(化学)1名程度
保健師1名程度

注目したいのは、行政区分の職務内容が「一般行政の業務に従事する職務」という一文で示されていることです。分野を限定する言葉がありません。

採用人員も、行政が7名程度で技術系と保健師が各1名程度ですから、行政区分に入る職員が市政の広い範囲を分担する体制だと読めます。志望動機を「この分野だけをやりたい」という形で組み立てると、この一文と噛み合いません。

山形県の計画が示す方向を、米沢市の現場でどう受け止めるか

山形県は令和7年3月に「第4次山形県総合発展計画」の後期実施計画(令和7年度から11年度)を策定しました。若年層を中心とした社会減と少子高齢化による自然減が続く人口減少を最重要課題と位置づけ、そのスピードの緩和に粘り強く取り組むとしています。

施策推進の柱は、①人材の育成・確保、②農林水産業の振興・活性化、③高付加価値な産業経済の振興、④安全・安心で総活躍できる社会づくり、⑤発展基盤となる県土の整備・活用の5つです。(出典:第4次山形県総合発展計画 後期実施計画|令和7年3月

県の計画が示すのは、山形県全体としてどちらへ向かうかという方向です。この方向を、米沢市役所の窓口に持ち込まれる一つひとつの相談や申請という形で受け止めるのが、市職員の仕事になります。

県と市の違いは権限の上下ではなく市民との距離だと考えると、志望理由の輪郭がはっきりします。県が方向を定め、市がその方向を暮らしの単位まで運ぶ。

米沢市役所を選ぶ理由を説明するときは、この距離の話を自分の経験に重ねてください。

POINT|計画名を言えなくても、面接の準備はできる

計画の名称を覚えることが自治体研究の目的ではありません。①米沢市の人口73,351人と面積548.51km²、県内13市での位置づけを知る → ②県の35市町村すべてで人口が減っているという前提を重ねる → ③その条件のもとで自分が携わりたい仕事を考える → ④市の公式サイトや広報紙で、実際に動いている取組を確かめる、という順で準備しましょう。

悪い例「米沢市のまちづくりに携わりたいです」

改善例「まずは窓口で市民の方のお話を正確に受け止められる職員になりたいです。そのうえで、米沢市は面積が県内で3番目に広いと知りましたので、市役所まで来るのが大変な方にも同じ説明が届くやり方を、先輩に教わりながら考えていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 米沢市職員採用試験の受験案内(自分が受ける実施回・区分・年度のもの。6月実施分と9月実施分では区分が異なります)
  • 米沢市の職員採用のページ(求める人材・求められる職員像がここに掲載されています)
  • 米沢市公式サイトの市政情報・広報紙・各種計画のページ
  • 山形県の総合発展計画と統計のページ(市の話を県の方向と結び付けるための背景資料)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、米沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。米沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

米沢市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

米沢市役所の面接の概要

ここからは、米沢市役所の採用試験の構成と、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

米沢市役所の試験の流れ(大卒程度・令和8年6月実施分)

米沢市の職員採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階です。特徴がはっきり出ているのは第1次の中身で、試験内容は全職種SPI3だけ。受験案内に教養試験・専門試験・論文(作文)試験の記載はありません

第2次試験は全職種「個別面接等」と記されています。筆記の負担が軽いぶん、人物をみる場面の比重が大きい構成だと考えておきましょう。

項目内容(令和8年度・6月実施分/大卒程度・保健師)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階
試験区分と採用人員大卒程度(行政)7名程度、大卒程度(土木)1名程度、大卒程度(電気)1名程度、大卒程度(化学)1名程度、保健師1名程度
第1次試験の内容全職種「SPI3」。出題分野は能力検査と性格検査です
SPIの位置づけ受験案内は「面接では見えにくい受験者の特徴・特色・能力等を数値等で可視化し、人物理解を深め、職務や組織への適応のしやすさなどを判断する適性検査」と説明しています
第2次試験の内容全職種「個別面接等」。詳細は第1次試験合格者にのみ後日通知されます
配点各試験の配点や合否決定の方法は、受験案内に記載がありません
受験資格(行政)平成4年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人。平成17年4月2日以降に生まれた人でも、学校教育法による大学を卒業した人、または令和9年3月末日までに卒業見込みの人は受験できます
職務内容(行政)一般行政の業務に従事する職務
申込方法原則としてインターネット上での手続き。市公式ホームページに掲載の「やまがたe申請」から申し込みます。申込には受験者本人の顔写真データ(gif、png、jpeg、jpg)が必要です
第1次試験の合否発表受験者全員に通知されるほか、市ホームページに合格者の受験番号が掲載されます(電話等での問い合わせには回答されません)
採用予定最終合格者は令和9年4月1日からの採用予定。最終合格者のほかに補欠合格者を決定する場合があります
(参考)初任給全職種で行政職給料表を適用し、給料月額234,900円から(令和8年4月1日現在。学歴その他の経歴によって多少異なります)。ほかに扶養手当、通勤手当、住居手当、単身赴任手当、期末勤勉手当、時間外勤務手当等が支給されます
(参考)9月実施分令和8年度は6月実施のほかに9月実施の試験があり、区分は大卒程度(電気)、高卒程度(行政)、高卒程度(土木)、高卒程度(土木)の学校推薦枠です

この表から読み取れることが二つあります。一つは、第1次で問われるのが能力検査と性格検査だけだという点です。

専門科目の暗記量で差をつける試験ではありません。もう一つは、配点が公表されていないことです。

何点で何が決まるのかは分かりませんが、市自身が「人物重視」の採用試験だと述べていることと、この試験構成は符合します。

上記は米沢市の令和8年度職員採用試験(6月実施分・大卒程度/保健師)の受験案内にもとづく内容です。9月実施分は区分が異なりますので、同じ年度でも受験案内を取り違えないようご注意ください。第2次試験の「個別面接等」の「等」の内訳(個別面接の回数、集団討論や集団面接の有無)は公表されておらず、確認できるのは個別面接を含むという点までです。面接時の提出書類の有無も公表資料からは判断できません。試験の構成・区分・種目等は年度によって変わる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の受験する区分の情報をご確認ください。

米沢市役所が求める人物像

米沢市は職員採用のページで、「次のような人材を求め、『人物重視』の採用試験を実施しています」として「豊かな人間性を持った人」「熱意を持った人」の2点を掲げています。あわせて「米沢市職員としてあるべき姿(求められる職員像)」を3つ公表しています。

(出典:求める人材・求められる職員像|米沢市

  • 行政のプロとして、高い意識と能力を持つ職員
    「市民の幸せをストレートに実現できる」仕事に誇りと使命感を持ち、行政に必要な専門的知識や能力の習得に積極的に努める職員
  • 市民とともに積極的にまちづくりを推進する職員
    市民とともに考え、市民の目線に立って、市民のために積極的にまちづくりを推進する職員
  • 自ら進んで考え、行動し、創造する職員
    時代の変化を受け止め柔軟に対応するため、今何が求められているのか、自ら考え、学び、行動する職員。またそこで新たな価値を創造できる職員

この3つは、面接での言葉に置き換えて使えます。1つ目は学び続ける姿勢、2つ目は相手の側に立って動いた経験、3つ目は前例のない場面で自分から動いた経験です。

自己PRでは、こうした資質を名乗るだけで終わらせず、その力を使って何を行い、周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。なお、この文言が掲載されたページの更新は2024年3月であり、年度ごとの改訂もありえます。

受験前に最新の記載を確認してください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。米沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は会場まで、迷わずに来られましたか身構えていない問いかけへの応じ方。声の出し方や表情が、ここで一度確かめられます
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください比べたうえでの選択になっているか。動機が自分の来し方と地続きか
③ 自己理解自分の短所を一つ挙げて、どう付き合っているか教えてください弱さを言い切れるか。認めたうえで手を打っているところまで話せるか
④ 経験・行動うまくいかなかった経験を一つ挙げて、そのとき何をしたか教えてください困りごとの大きさではなく、その場面で自分がどこから手を動かしたか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを、専門を知らない人にも伝わるように話してください相手に合わせて言い換える力。学んだことを仕事へつなぐ視点
⑥ 適性・将来5年後、米沢市役所でどんな仕事をしていたいですか市の仕事の広がりをどこまで見込んでいるか。希望どおりの配属でない場合の構え方
⑦ 公共性・社会性最近見聞きした出来事で、印象に残っているものはありますか社会の動きに目を向けているか。自分の受け止めを短い言葉にできるか

ただし、この7カテゴリーは米沢市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「米沢市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「米沢市役所ならでは」の質問

「なぜ山形県庁ではなく、米沢市役所なのですか」
「米沢市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも米沢市の現状を知らなければ、その場で組み立てるのは難しい質問です。裏を返せば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「米沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい米沢市の事実答え方のヒント
市の規模と広さ人口73,351人・面積548.51km²・人口密度134人/km²。県内13市で人口は4番目、面積は3番目、密度は8番目「人口は4番目なのに面積は3番目」という並びが米沢市の形です。規模を言って終わらせず、広い市域に人が分かれて暮らしているという前提から、窓口へ来られない市民の話へつなぎます
なぜ県庁ではなく市役所か大卒程度(行政)の職務内容は「一般行政の業務に従事する職務」。採用人員は7名程度で、技術系と保健師は各1名程度県が方向を定め、市が暮らしの単位まで運ぶという距離の違いから話を起こします。行政区分の少人数が市政の広い範囲を分担するという体制に、自分の働き方を重ねると具体的になります
米沢市の魅力県が県土を説明するときに名前が挙がる三つの盆地のひとつが米沢盆地。市の花はアズマシャクナゲ、市の木はコメツガ名所を並べるのではなく、県の自己紹介に盆地の名が入っているという位置づけから話します。市の花も市の木も高い土地に育つ植物だという点は、山に囲まれた地形の話につながります
県境をまたぐ暮らし隣り合う7自治体のうち4つが福島県(福島市、喜多方市、耶麻郡猪苗代町、北塩原村)。県外側には福島県の県庁所在地が含まれる県境が近いことを不利として語らないのがこつです。人の行き来がある条件のもとで、米沢市が選ばれる理由をどう作るかという側から話を組み立てます
人口減少山形県の人口は令和7年10月1日現在で993,127人。令和2年から74,900人減(5年間で7.0%減)で、県内35市町村すべてが減少。置賜地域は185,769人米沢市の73,351人は置賜地域のおよそ4割です。地域で最も人口の多い市が何を担うかという視点を足すと、市の中だけを見る話から抜け出せます
試験の性格第1次試験は全職種SPI3(能力検査・性格検査)のみで、教養試験・専門試験・論文試験の記載はない。市は「人物重視」の採用試験と明言している筆記で差がつきにくい構成です。性格検査の結果と面接で話す内容がちぐはぐにならないよう、自分をどう見せたいかではなく、実際にどう振る舞ってきたかを先に整理しておきます

使い方のコツは、6つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求められる職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
行政のプロとして、高い意識と能力を持つ職員専門的な知識や技能をどう身につけ、実際に何へ使ってきたか第1次試験はSPI3の能力検査と性格検査だけで、専門科目を筆記で測る場面がありません。学んだことや取得した資格を、誰のどんな困りごとに使ったのかまで書き出しておく
市民とともに積極的にまちづくりを推進する職員相手の言い分を聞いたうえで、自分の案をどこまで作り直したか市は「市民とともに考え、市民の目線に立って」と明記しています。自分の意見を通した話ではなく、聞いて変えた場面を選び、変える前と後の違いを説明できるようにしておく
自ら進んで考え、行動し、創造する職員誰にも頼まれていない段階で、どこから手を動かしたか大卒程度(行政)の採用人員は7名程度です。少人数が「一般行政の業務」を分担する前提ですから、前例のない場面で自分から動き、周りを巻き込んだ経験を一つ、時系列で用意しておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が受ける実施回・区分の受験案内を読み、第1次がSPI3であること、申込が「やまがたe申請」からのインターネット手続きで顔写真データが必要なことを確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業、研究、部活動、アルバイト、地域での活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、人口73,351人・面積548.51km²・人口密度134人/km²という米沢市の輪郭と、県内13市での位置づけを、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. SPI3の能力検査を時間を計って一度解き、性格検査は取り繕わずに答える。そのうえで、面接で話す内容が性格検査で答えた自分とずれていないかを確かめながら、声に出して練習する

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、米沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

米沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

米沢市役所の想定問答集を見る

さいごに

米沢市の大卒程度の試験は、第1次がSPI3だけ、第2次が個別面接等という、思い切って人物に寄せた構成です。市自身が「人物重視」だと述べているとおり、暗記量で押し切れる試験ではありません。

県内で4番目に人口が多く、3番目に広い市域を持つまちで、その広さのなかにいる一人ひとりへどう向き合うか。求められる職員像に並ぶ三つの言葉を自分の経験の側から読み直しながら、話せる材料を一つずつ増やしていってください