本記事では、天童市職員採用試験の面接対策で必要な、天童市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

天童市役所の面接試験では、「なぜ天童市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。天童市の上級試験は一次と二次の2段階で、二次は面接と適性検査等を組み合わせた総合試験です。

一次試験の合格者は面接カードを提出したうえで、この総合試験に臨みます。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と天童市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

天童市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは天童市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は59,645人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、総面積は113.02km²。人口密度は528人/km²と、山形県全体のおよそ5倍にあたる密度の高い市である。
  • 市域は山形県の面積の約1.2%にすぎない一方、人口は県全体の約6%にあたる。面積の小ささに対して人が集まっている構図がある。
  • 接しているのは山形市・東根市・寒河江市・東村山郡中山町・西村山郡河北町の5自治体で、いずれも山形県内。県境には接していない。
  • 市役所は天童市老野森一丁目1番1号に置かれ、職員採用は人事委員会ではなく総務部総務課職員係(市役所3階)が所管している。
  • 令和8年度の上級試験の試験区分は上級行政と上級技術(土木)の2区分で、採用予定人数はいずれも若干名
  • 上級試験の採用日は令和8年10月1日と令和9年4月1日の2本立てで、採用日ごとに募集と申込受付が行われる。受験資格を満たせば両方の採用日を併願できる。
  • 上級試験は一次試験(基礎能力検査・事務能力検査。上級技術は専門試験も)と二次試験(面接、適性検査等の総合試験)の2段階。一次試験の合格者は、成績証明書とあわせて面接カードを提出する
  • 上級とは別系統で、初級行政・特別選考(行政)・社会人経験(行政)・初級技術(土木)・社会人経験(土木)・保健師・保育士・消防士の8区分を募集する初級等の試験がある。
  • 消防士を市が自ら採用していることからわかるとおり、天童市は消防の職員も市の職員として抱えている。市役所の守備範囲は事務職だけにとどまらない
  • 市の花はツツジ、市の木はモミジ。

天童市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「天童市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模と市域の広さ、接している自治体など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。天童市だけを対象にした経済統計は今回の調査では確認できていないため、山形県全体の数値を比較の物差しとして添えています。

項目内容
総人口59,645人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積113.02km²
人口密度528人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体山形市・東根市・寒河江市・東村山郡中山町・西村山郡河北町(5自治体・すべて県内)
市役所所在地天童市老野森一丁目1番1号
市の花/市の木ツツジ/モミジ
(参考)山形県の総人口993,127人(令和7年10月1日現在・令和7年国勢調査速報)
(参考)山形県の面積9,323.15km²(全国第9位)
(参考)天童市が属する村山地域の人口501,859人(令和7年10月1日現在・令和7年国勢調査速報)

天童市の人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による値です。基準日や集計方法によって市公式の推計人口とは差が出る場合がありますので、面接で数値に触れる際は天童市公式サイトの最新値もあわせてご確認ください。山形県と村山地域の人口は令和7年国勢調査人口速報集計、県の面積は県公式サイトによります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

山形県の人口密度は、上掲の県人口と面積からおよそ107人/km²と計算できます。天童市の528人/km²は、その5倍近い水準です。

県土は南から置賜・村山・最上・庄内の4つの地域に分かれますが、天童市が属する村山地域には県人口の半分にあたる501,859人が暮らしています。県の中で人が集まっている側に位置する市だ、というのが天童市の出発点です。

ただし、その村山地域も例外ではありません。令和7年国勢調査の速報では、山形県の総人口は993,127人で、令和2年の調査から74,900人(7.0%)減りました。

県内の全ての市町村が人口減少となっています(出典:令和7年国勢調査人口速報集計(山形県)|令和7年10月1日現在

天童市自身の推移は市の公表資料で確かめたうえで、面接では次のように位置づけを話せます。

「天童市は人口が6万人ほどで、面積は113平方キロメートルほどと聞きました。同じ広さに住んでいる人の数でみると山形県の平均の5倍近くになります。県の中では人が集まっているほうですけれども、国勢調査の速報では県内の全ての市町村で人口が減ったと知りましたので、その中でどう選ばれ続けるかが大事になると感じています」

天童市の経済・産業

県経済の中での位置

天童市単独の市内総生産や事業所統計は、当研究会が確認できた公式資料の範囲では整理されていません。まずは市が置かれている山形県全体の経済の姿から押さえます。

  • 令和元年度の県内総生産は4兆3,367億円。産業別の構成比では製造業の25.6%が最も高い。
  • 製造品出荷額等の業種別内訳(令和元年)では電子部品・デバイスが最多で、情報通信・食料品・化学が続く。
  • 産業別の就業人口構成比(令和2年国勢調査)は第1次産業8.8%・第2次産業28.7%・第3次産業62.6%。
  • 農産物ではさくらんぼ(おうとう)が県を代表する品目で、県は栽培面積・収穫量・産出額の統計を継続して公表している。

一言でまとめると、製造業の比重が4分の1を超え、その中心が電子部品・デバイスにあるのが山形県の経済です。第3次産業が6割を占める就業構造と、農業の存在感が重なります。

天童市の産業を語るときは、まずこの県全体の姿を出発点にすると外れません(出典:山形県産業の現状|令和元年度

観光と、県外とつながる交通

山形県の主要観光地における令和6年度の観光者数は4,128万9千人で、令和5年度比6.8%増、令和元年度比では8.9%減でした。増加の要因の一つは、訪日外国人の受入延人数が2年連続で過去最高となったことです(出典:山形県の主要観光地の観光者数|令和6年度

感染症の影響を受ける前の水準にはまだ届いていないという読み方まで押さえておくと、観光の話題で背伸びをせずに話せます。

交通の面では、天童市が接する東根市に山形空港があります(昭和39年6月開港・滑走路2,000m×45m)。県内の鉄道は内陸を奥羽本線が縦貫し、東京から北へ約300km、山形新幹線でおよそ3時間という位置関係です。

県はこれに加えて、奥羽新幹線・羽越新幹線の整備実現を目指す組織を県内挙げて設けています。観光を語るなら、来訪者の数だけでなく、隣の市の空港や新幹線という交通の条件をどう生かすかまで踏み込みましょう

村山地域という圏域の中で

天童市が接する5つの自治体は、山形市・東根市・寒河江市・中山町・河北町とすべて県内で、県境には接していません。通勤や通学、買い物や通院の流れは、村山地域の中で日常的に行き来しています

県庁所在地である山形市と直接接していることは、雇用や商業の面で追い風にも競争にもなります。面接で「天童市の魅力」を語るときは、単独の市として完結した話ではなく、この圏域の中でどんな役割を果たす市なのかという視点を持っておくと、答えに厚みが出ます。

天童市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえて、天童市が向き合っている課題を4つに整理します。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして使ってください。

人口減少という県の最重要課題

山形県は、第4次山形県総合発展計画の後期実施計画(令和7年3月策定)で、若年層を中心とした社会減と少子高齢化による自然減が続く人口減少を「最重要課題」と明記し、減少のスピードの緩和に粘り強く取り組むとしています。県内では1997年(平成9年)に死亡数が出生数を上回る自然減少に転じました(出典:第4次山形県総合発展計画 後期実施計画|令和7年3月

国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとにした県の分析では、県人口は2050年に71.1万人となり、2020年の106.8万人から33.4%減る見込みです。

若い世代が県外へ出ていくこと

山形県人口ビジョンは、県内の高校卒業生のうち大学等進学者の約69%、就職者の約22%が県外へ進み、卒業生全体では約53%が県外へ転出していることを課題として示しています(出典:山形県人口ビジョン

人が集まっている村山地域の市であっても、若い世代が進学や就職の段階で県外へ出ていく流れの中にあることは変わりません。市の職員として、戻ってくる選択肢をどう用意するかは避けて通れないテーマです

志望動機を語るとき、自分自身の進路の選択と重ねて話せる受験者は強みがあります

地震と大雨への備え

山形県は想定震源として山形盆地断層帯・新庄盆地断層帯・長井盆地西縁断層帯・庄内平野東縁断層帯の4つを挙げ、想定震度を示す地震ハザードマップを公表しています。このうち山形盆地断層帯は、大石田町から山形市を経て上山市に至る全長約60kmの断層帯で、北部・南部いずれもマグニチュード7.3程度の地震が想定されています。

天童市が接する山形市は、この断層帯が通る市の一つです(出典:山形県 地震ハザードマップ

水害も現実の脅威です。令和6年7月25日からの大雨では、酒田市・遊佐町等に大雨特別警報が発表され、最上・庄内地域を中心に死者3人、軽傷4人のほか、住家の全半壊・浸水が多数発生しました。

市が公表するハザードマップや避難所を実際に見て、自分の関わる地区の想定を一つ確かめておきましょう

若干名の採用で、消防まで含めた市政を担う

令和8年度の上級試験の採用予定人数は、上級行政・上級技術(土木)ともに若干名です。一方で市が募集する職種は幅広く、初級等の試験では保健師・保育士・消防士を含む8区分が置かれています。

消防を市が自前で担っている以上、市役所の仕事は住民の暮らしから命の現場までを含みます少ない採用枠の一人として入る以上、事務の分野でも、現場を持つ組織の一員だという意識が問われます

配属先の希望を語るときは、希望どおりにならなかった場合にどう働くかまで考えておきましょう。

重点政策|第4次山形県総合発展計画と天童市

天童市の総合計画の名称や重点施策について、当研究会が確認できている公式資料は限られています。ここでは市政を取り巻く県の計画と財政を整理し、市を理解する土台とします。

市の計画名や個別の施策は、天童市公式サイトの市政情報で最新の状況を確認しておきましょう。

県計画の5つの柱

山形県は令和7年3月、第4次山形県総合発展計画の後期実施計画(令和7年度から11年度・山形県版総合戦略第3期)を策定しました。施策推進の柱として掲げられているのは、①人材の育成・確保 ②農林水産業の振興・活性化 ③高付加価値な産業経済の振興 ④安全・安心で総活躍できる社会づくり ⑤発展基盤となる県土の整備・活用の5つです。

自分がやりたい仕事がこの5つのどれに近いのかを言えるだけで、県と市の政策の流れを踏まえた志望だと伝わります(出典:第4次山形県総合発展計画 後期実施計画(政策の柱)|令和7年3月

県財政という前提

山形県の令和7年度一般会計当初予算は6,754億円で、前年度当初と比べ3.9%の増でした。財政力指数は0.35801(令和5年度)で、自主財源だけで行政サービスを賄える水準ではありません

同じ令和5年度の実質公債費比率は12.8%、将来負担比率は218.3%、経常収支比率は92.4%です。県と市では財政の規模も構造も違いますが、使える財源にも人手にも限りがあるという事情は共通です

志望動機で新しい取り組みを語るときは、それを何年も続けるための費用と人手をどう考えるかまで一言添えられるようにしておきましょう。

POINT|市の計画名を知らなくても、面接の準備は進められる

市の公表資料をすべて追えないときほど、順番が大切です。①天童市の人口と面積、接している自治体を押さえる → ②市の広報やホームページで実際の取り組みを2つか3つ拾う → ③自分が関わりたい分野を決める → ④その分野で自分の経験がどう生きるかを言葉にする、という流れで組み立てましょう。

悪い例「天童市のまちづくりに貢献したいです」

改善例「まずは窓口で市民の方と直接やり取りする仕事を覚えたいです。その上で、山形県では高校を出た人の半分ほどが県外に出ていると聞きましたので、進学や就職で一度離れた人が戻ってきたくなる仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 最新年度の天童市職員採用試験の受験案内(上級と初級等で別々に公表されています。志望する区分のものを選んでください)
  • 天童市公式サイトの市政情報・広報紙・財政に関する公表資料
  • 天童市が公表している防災情報(ハザードマップ・避難所一覧等)
  • 山形県の人口・産業・観光に関する公表資料(県内での天童市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、天童市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。天童市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

天童市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

天童市役所の面接の概要

ここからは、天童市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

天童市役所の面接の流れ

令和8年度の上級試験(上級行政・上級技術(土木))は、一次試験と二次試験の2段階です。二次試験は一次試験の合格発表後すみやかに実施され、内容は面接と適性検査等を組み合わせた総合試験とされています。

一次試験の合格者は、最終学歴の成績証明書とあわせて面接カードを提出します。様式と記入項目は一次試験の合格通知時に案内されるため、通知が届いてからの数日で自分の言葉を整える必要があります(出典:天童市職員採用試験受験案内(上級)|令和8年度

項目内容(令和8年度・上級試験)
試験の段階一次試験・二次試験の2段階
試験区分上級行政・上級技術(土木)の2区分。採用予定人数はいずれも若干名
一次試験全区分共通の基礎能力検査(公務員として必要な、大学卒業程度の一般知識および一般知能についての試験)と事務能力検査。上級技術(土木)はこれに加えて専門試験が課されます
専門試験の分野上級技術(土木)は、数学・物理、応用力学、水理学、土質工学、測量、土木計画(都市計画を含む)、材料・施工
二次試験一次試験の合格者を対象とする総合試験(面接、適性検査等)。一次試験の合格発表後すみやかに実施されます
面接の形式個別面接か集団面接かの別、面接の回数、集団討論の有無は公表されていません
配点試験種目ごとの配点は公表されていません。結果の開示も総合得点と総合順位のみです
提出書類一次試験の合格者が、指定期日までに最終学歴の成績証明書と面接カードを提出します(面接カードの様式は一次試験の合格通知時に案内)
採用日令和8年10月1日または令和9年4月1日。採用日ごとに募集と申込受付が行われ、受験資格を満たせば両方を併願できます
申込方法インターネットの受験申込専用サイトから。最近3か月以内に撮影した正面・無帽・無背景の顔写真の添付が必須です(印刷した写真をスマートフォン等で撮影したものは受理されません)
結果の開示各試験の不合格者に対し、本人の総合得点と総合順位を開示。合格発表の日から1か月間、本人確認書類を持参して総務部総務課(市役所3階)へ直接請求します(電話や電子メールでの請求はできません)
採用後採用後半年間は条件付採用期間。最終合格者のほかに補欠合格者が決定される場合があり、辞退等が生じたときは成績順に採用されます
初任給上級行政は、大学卒業直後に採用された場合234,900円(令和8年4月1日現在)

この構成から読み取れることは2つあります。1つは、人物を見る場面が二次試験に集約されていることです。

一次は検査型の試験であり、面接官が事前に持っている材料は、申込内容と一次合格後に提出する面接カードにほぼ限られます。面接カードの記載が、そのまま質問の入口になると考えて書くべきです。

もう1つは、採用日が年に2回ある点です。10月採用と4月採用のどちらを志望するのか、併願するのかによって、入庁までの過ごし方の説明も変わります。

上記は天童市が公表する令和8年度の受験案内による、上級行政・上級技術(土木)の内容です。初級行政・特別選考(行政)・社会人経験・初級技術(土木)・保健師・保育士・消防士の各区分は、上級とは別の受験案内で申込時期・試験内容が定められており、教養試験や体力測定など構成が異なります。面接の形式(個別面接・集団面接の別)、面接の回数、面接官の人数、所要時間、各試験種目の配点は公表されていません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

天童市役所が求める人物像

天童市の受験案内と職員採用ページには、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」にあたる記載を確認できません(当研究会調べ)。そこで、募集の設計そのものから評価の力点を読み解きます(参考:天童市の職員採用試験|令和8年度

手がかりは3つあります。第一に、社会人経験の区分で「勤務経験を市政に生かせる方」という条件が置かれ、申込時に800字以上1,200字以内のレポート提出が求められること。

第二に、特別選考(行政)がスポーツや文化の全国レベルの大会での入賞実績を要件とし、採用後も活躍することが見込まれる方を対象としていること。第三に、初級行政や社会人経験の区分に、天童市内に居住できることという要件が置かれていることです(出典:天童市職員採用試験受験案内(初級等)|令和8年度

これらに共通するのは、持っている力を市政の現場で使えるかどうかという視点と、この市で暮らし働き続ける意思です。上級試験の受験者も、自分の経験を天童市の仕事にどう接続するのかを問われる前提で準備しておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。天童市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は緊張していますか用意していない一言に自然に返せるか。表情と声の出だし
② 動機・志望民間企業ではなく公務員を選ぶ理由は何ですか民間でも実現できる動機で止まっていないか。選択の筋道が経験とつながっているか
③ 自己理解自分の性格を一言で表すとどうなりますか自分の見立てと、周囲から見た姿がそろっているか
④ 経験・行動これまでで最も苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください苦労の大きさではなく、その場面で何を考えどう動いたか
⑤ 学業・経歴卒業論文やゼミのテーマを簡単に説明してください専門外の相手に伝わる言葉へ翻訳できるか
⑥ 適性・将来希望する部署はありますか市の仕事をどこまで具体的に描けているか。希望と違う配属をどう受け止めるか
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースはありますか社会の動きを見ているか。自分の意見を短く言えるか

ただし、この7カテゴリーは天童市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「天童市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「天童市役所ならでは」の質問

「なぜ山形県庁ではなく、天童市役所なのですか」
「天童市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

県庁所在地の山形市と直接接する市ですから、この2問には「近くの大きな自治体ではなく天童市を選んだ理由」という含みがあります。どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがありませんが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「天童市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい天童市の事実答え方のヒント
市の規模感人口59,645人・面積113.02km²・人口密度528人/km²(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)で、県全体の約107人/km²の5倍近い水準県平均の5倍という密度から入り、限られた市域に人が集まっている市で暮らしの質をどう上げるかという論点へ運ぶと、話に筋が通ります
なぜ県庁ではなく市役所か広域行政と市町村の調整を受け持つのが県の側。天童市は人事委員会を置かず、総務部総務課職員係が採用を所管し、上級試験の採用予定はいずれの区分も若干名若干名という採用規模を挙げて、一人が受け持つ分野の広さと住民との距離の近さを、自分が望む働き方として述べます
山形市との関係接するのは山形市・東根市・寒河江市・中山町・河北町の5自治体で、いずれも県内。県庁所在地の山形市と直接接している隣の大きな市との違いを否定的に語らず、通勤や買い物で行き来がある圏域の一員としてどんな役割を担いたいかを話します
県全体の人口の動き令和7年国勢調査の速報で県人口は993,127人。令和2年から74,900人(7.0%)減り、県内の全市町村が減少。高校卒業生の約53%が県外へ転出県の数字を自分の進路の選択と重ねて、戻る選択肢や住み続ける選択肢をどう増やすかという話に運ぶと、志望動機と自然につながります
試験の性格上級試験は一次と二次の2段階で、二次は面接と適性検査等の総合試験。一次合格者は成績証明書とあわせて面接カードを提出する面接カードは合格通知時に案内されるため、書く材料を先に用意しておく前提で、経験の要点を短くまとめておきます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど読み解いた「天童市で評価されやすい力」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
経験を市の仕事へ接続する力持っている経験や資格を、天童市の現場でどう使うつもりかを説明できるか社会人経験の区分では「勤務経験を市政に生かせる方」が要件です。学生の受験者も、自分の経験を市の仕事に置き換える一文を用意しておくと、同じ土俵で話せます
短時間で自分を言葉にする力面接カードの記載をもとに、そこから広がる質問へ答えられるか天童市の面接カードは一次試験の合格通知時に案内されます。通知前から、志望動機と力を入れた経験を200字程度で書き出しておくと、提出までの時間に追われません
この市で働き続ける意思数ある自治体の中でなぜ天童市かに、土地に根ざした答えを返せるか市が募集する職種には保健師・保育士・消防士も含まれ、市域の暮らしを幅広く支えています。市の広報から取り組みを2つ拾い、自分の関心と重ねておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。人物を見る場面が二次試験に集約されている天童市では、この掘り下げが限られた時間の中で行われます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、あらかじめ用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、志望区分の受験資格と2段階の流れ、採用日ごとの申込受付の別まで確認する(上級と初級等で案内が分かれています)
  2. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 面接カードに書く内容を先取りして下書きし、そのまま声に出して説明する練習をする。書いた一文ごとに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、天童市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

天童市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

天童市役所の想定問答集を見る

さいごに

天童市の上級試験は一次と二次の2段階で、人物を見る場面は二次の総合試験にまとめられています。面接官が手にしているのは、申込内容と、一次合格後に提出する面接カードです。

だからこそ、カードに書く一文一文が質問の入口になります。人口密度は県平均のおよそ5倍、県庁所在地の山形市と直接接し、消防士まで市が自ら採用する市役所。

若干名という採用枠の一人になったとき、この市の暮らしのどこを支えたいのか。採用日が10月と4月の2回あるという設計も含めて、自分の入庁後を具体的に描けているかどうかが、二次試験の答えの厚みに表れます。