本記事では、新庄市職員採用試験の面接対策で必要な、新庄市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

新庄市役所の面接試験では、「なぜ新庄市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。新庄市の上級区分は第1次が筆記中心、第2次が人物試験という2段階で、その人物試験には個別面接と集団討論の両方が明記されています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と新庄市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

新庄市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは新庄市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 人口は31,779人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、総面積は222.85km²。人口密度は143人/km²で、山形県全体の平均をやや上回る。
  • 接しているのは最上郡の金山町・真室川町・鮭川村・戸沢村・大蔵村・舟形町・最上町の7町村と、秋田県の湯沢市。県内の隣接自治体がすべて最上郡の町村という、地域の中心に位置する市である。
  • 県が区分する4つの地域のうち最上地域の人口は63,203人(令和7年国勢調査速報)。市の人口と比べると、地域のおよそ半分が新庄市に暮らしている計算になる。
  • 秋田県湯沢市と接する県境の市でもあり、東北中央自動車道の建設中区間(新庄金山道路・金山道路・真室川雄勝道路など)に市域が位置している。
  • 市役所は新庄市沖の町10番37号にあり、職員採用は総務課が所管している。
  • 令和8年度の上級区分の採用予定人員は、上級行政が若干名、上級建築が1名、上級土木が若干名。全区分に「採用後、新庄市内に居住する見込みのある者」という住所要件が付されている。
  • 上級区分の試験は2段階。第1次試験は教養試験・職場適応性検査・専門試験で、第2次試験が人物試験である。
  • 第2次の人物試験は「口述による個別面接試験、集団討論試験」と受験案内に明記されており、個別面接と集団討論の双方が課される
  • 受験案内は「第1次試験、第2次試験の結果は、それぞれの試験の合否判定にのみ使用します」とも記しており、第1次の成績は第2次に持ち越されない
  • 市の花はアジサイ、市の木はモミ。

新庄市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「新庄市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模と市域の広さ、接している自治体など、市政の性格を説明できる項目を優先して整理しました。市の規模感は山形県全体と並べると輪郭がはっきりするため、県の数値も比較の物差しとして添えています。

項目内容
総人口31,779人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積222.85km²
人口密度143人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体最上郡の金山町・真室川町・鮭川村・戸沢村・大蔵村・舟形町・最上町と、秋田県湯沢市(計8自治体)
市役所所在地新庄市沖の町10番37号
市の花/市の木アジサイ/モミ
(参考)最上地域の人口63,203人(令和7年10月1日現在・令和7年国勢調査速報)
(参考)山形県の総人口993,127人(令和7年10月1日現在・令和7年国勢調査速報)
(参考)山形県の面積9,323.15km²(全国第9位)

新庄市の人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による値です。基準日や集計方法によって市公式の推計人口とは差が出る場合がありますので、面接で数値に触れる際は新庄市公式サイトの最新値もあわせてご確認ください。最上地域と山形県の人口は令和7年国勢調査人口速報集計、県の面積は県公式サイトによります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

山形県の人口密度は、上掲の県人口と面積からおよそ107人/km²と計算できます。新庄市の143人/km²はそれをやや上回る程度で、面積は県全体の2.4%ほど、人口は約3.1%です。

目を引くのは県内の地域区分との関係で、最上地域の人口63,203人のうち、およそ半分が新庄市に暮らしています。周囲を最上郡の町村に囲まれた市が、地域の医療・商業・行政の受け皿を兼ねている構図が見えてきます。

その一方で、山形県の総人口は令和7年国勢調査の速報で993,127人となり、令和2年の調査から74,900人(7.0%)減りました。県内の全ての市町村が人口減少となっており、地域別では最上地域の規模がもっとも小さくなっています(出典:令和7年国勢調査人口速報集計(山形県)|令和7年10月1日現在

新庄市自身の推移は市の公表資料で確かめたうえで、面接では次のように位置づけを話せます。

「新庄市は人口が3万人ほどですが、まわりを最上郡の町村に囲まれていて、最上地域に住んでいる方のおよそ半分が新庄市で暮らしていると知りました。市の中だけで完結する仕事ではなく、周りの町村から来る方のことも考えた行政が求められているのではと感じています」

新庄市の経済・産業

県経済の中での位置

市の産業を語るときは、まず新庄市が置かれている山形県全体の経済の姿から押さえると、話の土台が安定します。

  • 令和元年度の県内総生産は4兆3,367億円。産業別の構成比では製造業の25.6%が最も高い。
  • 製造品出荷額等の業種別内訳(令和元年)では電子部品・デバイスが最多で、情報通信・食料品・化学が続く。
  • 産業別の就業人口構成比(令和2年国勢調査)は第1次産業8.8%・第2次産業28.7%・第3次産業62.6%。

県の経済は、製造業が4分の1を超え、その中心が電子部品・デバイスにあるという姿です。第1次産業の就業者割合も全国平均より高く、農業が暮らしに近い場所にあります。

新庄市の産業を語るときは、この県全体の構造を出発点にすると外れません(出典:山形県産業の現状|令和元年度

道がつながるということ

新庄市を考えるうえで外せないのが道路です。東北中央自動車道は県内で整備が進んでいますが、令和7年時点でも新庄金山道路・金山道路・真室川雄勝道路といった建設中の区間が残っており、新庄市域はこの整備区間に位置しています(参考:東北中央自動車道の整備状況(国土交通省東北地方整備局)|令和7年

高速道路がつながることは、企業の立地や観光の動線、救急搬送や災害時の輸送に直接影響します。新庄市は秋田県湯沢市と接する県境の市でもあり、道路の整備は県をまたぐ人と物の流れを変えます

面接で産業振興や交流人口の話をするなら、この道路の状況を前提に置いて語れると、地図を知っている受験者だと伝わります。

観光と県外からの人の流れ

山形県の主要観光地における令和6年度の観光者数は4,128万9千人で、令和5年度比6.8%増、令和元年度比では8.9%減でした。増加の要因の一つは、訪日外国人の受入延人数が2年連続で過去最高となったことです(出典:山形県の主要観光地の観光者数|令和6年度

県全体としては回復の途上にあり、感染症の影響を受ける前の水準にはまだ戻っていません

県内の鉄道は内陸を奥羽本線が南北に縦貫しています。山形県自体が、東京から北へ約300km、山形新幹線でおよそ3時間という位置関係です。

観光を語るなら、来訪者の数を増やす話だけでなく、通過する人にどう立ち寄ってもらうかという視点まで持っておきましょう

新庄市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえて、新庄市が向き合っている課題を4つに整理します。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして使ってください。

人口減少という県の最重要課題

山形県は、第4次山形県総合発展計画の後期実施計画(令和7年3月策定)で、若年層を中心とした社会減と少子高齢化による自然減が続く人口減少を「最重要課題」と位置づけています。県内では1997年(平成9年)に死亡数が出生数を上回る自然減少に転じました。

県の分析では、県人口は2050年に71.1万人となり、2020年の106.8万人から33.4%減る見込みです。おおよそ10年後の2035年には88.6万人となり、65歳以上人口の割合は38.8%に達すると見込まれています。

若い世代が県外へ出ていくこと

山形県人口ビジョンは、県内の高校卒業生のうち大学等進学者の約69%、就職者の約22%が県外へ進み、卒業生全体では約53%が県外へ転出していることを課題として示しています(出典:山形県人口ビジョン

地域の中心に位置する市であっても、進学や就職の段階で若い世代が地域の外へ出ていく流れの中にあります。新庄市の採用試験に「採用後、新庄市内に居住する見込みのある者」という住所要件が置かれていることも、この文脈に重ねて理解できます。

大雨と地震への備え

令和6年7月25日からの大雨では、酒田市・遊佐町等に大雨特別警報が発表され、最上・庄内地域を中心に被害が生じました。山形県全体の死者3人のうち2人が新庄市の方で、県内では軽傷4人のほか住家の全半壊・浸水も多数発生しています(出典:令和6年7月25日からの大雨による被害|山形県

水害は新庄市にとって、過去の教訓ではなく直近の経験です

地震への備えも欠かせません。山形県が想定震源として挙げる4つの断層帯のうちの一つが新庄盆地断層帯で、県は想定震度を示す地震ハザードマップを公表しています(出典:山形県 地震ハザードマップ

市が公表するハザードマップや避難所を見て、自分の関わる地区の想定を一つ確かめておきましょう。防災を志望動機に据えるなら、この2つは避けて通れません。

少ない採用で、地域の受け皿を担う

令和8年度の上級区分の採用予定人員は、上級行政が若干名、上級建築が1名、上級土木が若干名です。社会人経験者区分も行政が若干名、建築が1名で、申込時期に応じて第1次試験を年2回実施し、採用予定数に達した場合は2回目を行わないことがあります

年によっては追加の募集も行われます。周囲の町村を含む地域の受け皿を、限られた人数で担う市役所だという前提は、面接での話の組み立てにそのまま関わってきます。

配属先の希望を語るときは、希望どおりにならなかった場合にどう働くかまで考えておきましょう。

重点政策|県の計画と、新庄市を通る東北中央自動車道

ここでは山形県の計画と、市域に直接関わる基盤整備を整理し、市政を理解する土台とします。新庄市自身の計画名や個別の施策は年度ごとに動きますので、新庄市公式サイトの市政情報で最新の状況をあわせて確認しておきましょう。

県計画の5つの柱

山形県は令和7年3月、第4次山形県総合発展計画の後期実施計画(令和7年度から11年度・山形県版総合戦略第3期)を策定しました。施策推進の柱として掲げられているのは、①人材の育成・確保 ②農林水産業の振興・活性化 ③高付加価値な産業経済の振興 ④安全・安心で総活躍できる社会づくり ⑤発展基盤となる県土の整備・活用の5つです。

志望する分野がこの5つのどこに位置づくのかを一言で言えると、県と市の政策のつながりを踏まえた志望だと伝わります(出典:第4次山形県総合発展計画 後期実施計画(政策の柱)|令和7年3月

基盤整備が市の将来に直結する

5つ目の柱である県土の整備・活用は、新庄市にとって遠い話ではありません。前の章で見たとおり、東北中央自動車道の建設中区間に市域が位置しているからです。

道路がつながれば、通勤や通学の範囲、企業が工場や事業所を置く判断、観光客が立ち寄るかどうか、救急搬送にかかる時間まで変わります。志望動機で「地域を元気にしたい」と語るなら、その元気がどんな条件の上に成り立つのかを一言添えられるようにしておきましょう。

POINT|市の計画名を知らなくても、面接の準備は進められる

市の公表資料を網羅できないときほど、順番が大切です。①新庄市の人口と面積、接している町村を押さえる → ②市の広報やホームページで実際の取り組みを2つか3つ拾う → ③自分が関わりたい分野を決める → ④その分野で自分の経験がどう生きるかを言葉にする、という流れで組み立てましょう。

悪い例「新庄市の防災に力を入れたいです」

改善例「令和6年の大雨で新庄市でも亡くなった方がいたと聞きました。まずは窓口の仕事から覚えたいですが、その上で避難の情報が高齢の方にも届く仕組みづくりに関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 最新年度の新庄市職員採用試験の受験案内(上級区分と社会人経験者区分で案内が分かれています。志望する区分のものを選んでください)
  • 新庄市公式サイトの市政情報・広報紙・財政に関する公表資料
  • 新庄市が公表している防災情報(ハザードマップ・避難所一覧・過去の災害の記録等)
  • 山形県の人口・産業・防災に関する公表資料(県内での新庄市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、新庄市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。新庄市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

新庄市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

新庄市役所の面接の概要

ここからは、新庄市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

新庄市役所の面接の流れ

令和8年度の上級区分(上級行政・上級建築・上級土木)は、第1次試験と第2次試験の2段階です。第1次は教養試験・職場適応性検査・専門試験、第2次は人物試験で、その内容は「口述による個別面接試験、集団討論試験」と受験案内に明記されています。

配点は公表されていませんが、第1次と第2次の結果はそれぞれの試験の合否判定にのみ使うと明記されているため、最終合格は第2次の成績で決まると読めます(出典:新庄市職員採用試験受験案内(上級区分)|令和8年度

項目内容(令和8年度・上級区分)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階
試験区分と採用予定上級行政(若干名)、上級建築(1名)、上級土木(若干名)
第1次試験教養試験、職場適応性検査、専門試験
教養試験大学卒業程度の一般知識および能力に関する多肢選択式の筆記試験。出題は、時事、社会・人文、自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力
職場適応性検査公務員としての職業生活への適応性について、職務への対応や対人関係面での性格特性をみる検査
専門試験(上級行政)憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係
第2次試験人物試験。内容は「口述による個別面接試験、集団討論試験」と明記されています
結果の使い方第1次試験・第2次試験の結果は、それぞれの試験の合否判定にのみ使用されます(第1次の成績は第2次へ持ち越されません)
配点各試験種目の配点は公表されていません
受験資格(上級行政)昭和62年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた方、または平成17年4月2日以降に生まれた方で大学を卒業した方か令和9年3月31日までに卒業見込みの方。全区分に共通して、採用後に新庄市内に居住する見込みのある方という条件があります
申込方法「やまがたe申請」によるインターネット申込のみ。受験票も同システムからダウンロードして印刷します
提出書類面接カードや自己PR書に相当する様式は、受験案内に記載がありません
結果の開示不合格者本人の請求により、得点と順位を口頭で開示。開示期間は合格発表の翌日から1月間で、請求は新庄市総務課の窓口のみです(郵送や電話ではできません)
採用最終合格者は令和9年4月1日付けの採用予定。最終合格者のほかに補欠合格者が決定される場合があり、その名簿は原則として令和9年3月31日まで有効です
初任給上級行政・上級建築・上級土木とも、社会人経験年数0年・23歳の場合で234,900円

この構成の特徴は明快です。第1次でどれだけ差をつけても、その得点は第2次に持ち込めません

最終合格をつかむのは、個別面接と集団討論で示した人物評価だけです。そして集団討論が課される以上、準備は一人では完結しません

自分の考えを述べる練習に加えて、他の受験者の意見を受けて話を前に進める練習が必要になります。

上記は新庄市が公表する令和8年度職員採用試験(上級区分)の受験案内による内容です。社会人経験者区分は第1次試験が職務基礎力試験と職務適応性検査のみで、申込時期に応じて年2回実施される方式のため、構成が異なります。初級区分は令和8年度分が今回の確認時点で公表されていません。人物試験の実施回数、面接官の人数、面接時間、集団討論のテーマ形式やグループの人数は公表されていません。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

新庄市役所が求める人物像

新庄市は、職員採用試験の案内ページで職員像を3つの言葉で示しています。「市民とつなぐ」は市民の視点に立ち、市民と共にまちづくりを進める職員。

「未来へつなぐ」は時代の変化を捉え、広い視野と先見性でまちづくりを進める職員。「成長につなぐ」は自己啓発に励み、部下や後輩を育成し組織力を向上させる職員です(出典:新庄市の職員採用試験|令和8年度

3つに共通するのは「つなぐ」という動詞です。市民と行政、現在と将来、先輩と後輩。

求められているのは、自分一人で成果を出す力より、人や時間の間に立って物事を前に進める力だと読めます。集団討論が課される試験であることとも、この職員像はよく符合します。

自己PRでは「協調性があります」で止めず、自分が間に立ったことで何がどう動いたのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。新庄市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はよく眠れましたか用意していない一言に自然に返せるか。表情と声の出だし
② 動機・志望公務員を志望した理由を教えてください民間企業でも叶う動機で止まっていないか。志望と自分の経験が結び付いているか
③ 自己理解集団の中でどんな役割になることが多いですか自己認識と、他者から見た自分の姿が一致しているか
④ 経験・行動意見の違う相手と一緒に物事を進めた経験を教えてください意見の正しさではなく、その場面で何を考えどう動いたか
⑤ 学業・経歴学業で力を入れたテーマを教えてください初めて聞く相手にも届く説明へ組み替えられるか
⑥ 適性・将来入庁後に取り組みたい仕事はありますか市の仕事の解像度と、配属の現実をどう受け止めるか
⑦ 公共性・社会性最近気になった出来事を教えてください社会の動きへの関心と、自分の考えを短くまとめる力

ただし、この7カテゴリーは新庄市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「新庄市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「新庄市役所ならでは」の質問

「なぜ山形県庁ではなく、新庄市役所なのですか」
「新庄市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

最終合格が第2次の人物評価だけで決まる試験ですから、この2問に厚みのある答えを返せるかどうかは重い意味を持ちます。どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがありませんが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「新庄市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい新庄市の事実答え方のヒント
地域の中での役割人口31,779人・面積222.85km²・人口密度143人/km²。山形県の平均は1km²あたり約107人。最上地域の人口63,203人のうち、およそ半分が新庄市市の人口だけでなく、周囲の町村を含む地域の中でどんな機能を担うかという視点で話すと、規模の小ささが弱点の話に見えなくなります
なぜ県庁ではなく市役所か広域自治体である県に対し、新庄市は住民に最も近い基礎自治体。採用は総務課が所管し、令和8年度の上級行政の採用予定は若干名、上級建築は1名採用規模を挙げて、一人が受け持つ範囲の広さと住民との距離の近さを、自分が望む働き方として述べます
防災の経験令和6年7月25日からの大雨で、山形県全体の死者3人のうち2人が新庄市の方。県が想定震源とする4断層帯の一つが新庄盆地断層帯数字を並べるのではなく、市が公表するハザードマップや避難所で確かめたことを一つ添えて、備えの話へ落とします
交通と将来東北中央自動車道には新庄金山道路・金山道路・真室川雄勝道路などの建設中区間が残り、新庄市域はこの整備区間に位置する。秋田県湯沢市と接する県境の市でもある道がつながった後に何が変わるかを、企業の立地や救急搬送など生活の場面に置き換えて話すと、実感のある答えになります
試験の性格第2次の人物試験は「口述による個別面接試験、集団討論試験」。第1次の成績は第2次の合否判定に持ち越されない集団討論があることを踏まえ、自分の意見を通した経験ではなく、議論を前に進めた経験を用意しておきます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、市が掲げる3つの職員像に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
市民とつなぐ力相手の立場から物事を見て動いた経験を、具体的に説明できるか新庄市は周囲の町村から人が集まる市です。年齢も事情も違う相手に合わせて説明を変えた経験を、場面ごと思い出して書き出しておきます
未来へつなぐ視点目の前の課題だけでなく、その先の変化を見据えて話せるか東北中央自動車道の整備や人口の推計など、数年先に効いてくる材料を1つ選び、市の仕事にどう跳ね返るかを自分の言葉で説明できるようにします
議論を前に進める力集団討論で、自分の主張と他の受験者の意見をどう扱うか新庄市の第2次には集団討論があります。ゼミやアルバイトで意見が割れた場面を思い出し、結論を出すために自分が何をしたのかを一つ用意しておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。最終合格が第2次の評価で決まる新庄市では、この掘り下げに答えられるかどうかがそのまま結果に響きます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、あらかじめ用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、志望区分の受験資格と2段階の流れ、やまがたe申請での申込から受験票の印刷までの手順を確認する
  2. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 個別面接と集団討論の両方を想定して練習する。討論は一人では練習できないので、友人や講座の場を使い、時間内に結論へ運ぶ役回りを一度は経験しておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、新庄市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

新庄市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

新庄市役所の想定問答集を見る

さいごに

新庄市の上級区分でもっとも重いのは、第1次の成績が第2次に持ち越されないという一行です。最終合格を決めるのは、個別面接と集団討論で示した人物の評価だけになります。

市が掲げる職員像は「市民とつなぐ」「未来へつなぐ」「成長につなぐ」の3つで、いずれも間に立って物事を動かす力を指しています。最上地域の人口の半分が暮らす市で、周囲の町村を含む地域の受け皿を担い、大雨の被害を経験し、これから高速道路がつながる。

その新庄市で、自分は誰と誰の間に立ちたいのか。集団討論の席でも同じ答えが出せる状態まで、言葉を練っておいてください。