本記事では、長崎市職員採用試験の面接対策で必要な、長崎市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

長崎市役所の面接試験では、「なぜ長崎市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。長崎市の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、長崎市ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と長崎市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

長崎市の特徴

面接対策の土台として、まずは長崎市の全体像を押さえておきましょう。(急ぎの方は、この一覧だけでも確認してください)

  • 長崎県の県庁所在地であり、平成9年4月1日に中核市へ移行した、県内で最も人口の多い市。(出典:長崎市の中核市移行(長崎市))
  • 深く入り組んだ長崎港を囲むように市街地が形成され、坂の多い地形が市域の特徴となっている。
  • 隣接するのは諫早市・西海市、西彼杵郡時津町・長与町の2市2町。
  • 鎖国期に国内で唯一、西洋との貿易窓口として機能した出島を有し、港町として発展してきた歴史を持つ。
  • 令和4年9月23日に開業した西九州新幹線(長崎〜武雄温泉)の終着駅であり、県内外を結ぶ交通の結節点でもある。
  • 昭和20年8月9日に原子爆弾による被爆を経験した都市であり、毎年8月9日に平和祈念式典が行われている。
  • 人口は385,553人(令和8年1月1日現在)で、長崎県の総人口の約3割を占める。
  • 市の花はアジサイ、市の木はナンキンハゼ。市役所は魚の町に置かれている。

長崎市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、「長崎市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、年齢構成、隣接自治体など、市政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口385,553人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口(高齢化率)135,342人(35.1%)
75歳以上人口76,962人(20.0%)
総面積405.69km²
人口密度約950人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体諫早市・西海市、西彼杵郡時津町・長与町
中核市への移行平成9年4月1日
市の花・木アジサイ・ナンキンハゼ

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。長崎県が公表する国勢調査ベースの統計とは基準が異なるため、この記事では住民基本台帳の系列に統一して扱っています。総面積・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整理した基礎データによります。

県内一の人口でも、高齢化率は県平均を上回る

長崎市は県内で最も人口の多い市ですが、高齢化率は35.1%と、長崎県全体の34.8%をわずかに上回っています。

75歳以上でみても、長崎市20.0%に対し県全体は19.6%で、同じ傾向です(いずれも住民基本台帳ベース・令和8年1月1日現在)。人口の多い都市であれば高齢化のペースは緩やかになりやすいという見方もありますが、長崎市はその通念にそのまま当てはまるわけではありません。

この事実は、面接で人口や高齢化について聞かれた際にそのまま使えます。数字だけを暗記するのではなく、県内最大の都市でも高齢化が進んでいるという一面を、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

「長崎市は県内で一番人口の多い市だと知りましたが、高齢化率は県平均よりも高いと聞きました。都市の規模が大きいからといって、高齢化が緩やかだとは限らないのだと受け止めています」

長崎市の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 長崎市は県庁所在地として、県内の行政・商業・交通の中心的機能を担う。
  • 長崎県全体の名目県内総生産は4兆6,536億円(令和4年度、前年度比0.6%増)で、県民所得総額は3兆2,974億円、1人当たり県民所得は257万円。(出典:長崎県県民経済計算|令和4年度)
  • 市内総生産にあたる長崎市だけの推計は、市と県の公表統計を確認した範囲では示されていない。面接で市の経済を語るときは、金額の規模よりも、県内最大の人口が集まる都市としてどんな役割を担っているかという視点で組み立てるほうが確実である。

水産業

長崎県は全国屈指の水産県です。漁業就業者数(人口千人対)は全国1位、漁業産出額と海面漁業漁獲量は全国2位で、海面漁業・養殖業産出額は996億円と北海道に次ぐ全国2位です(平成29〜30年、県公式資料)。(出典:長崎県水産業振興基本計画(長崎県))

県庁所在地であり県内最大の人口を抱える長崎市は、水産物の流通や加工、研究といった都市機能が集まりやすい立場にあります。志望動機で水産業に触れるなら、漁獲量そのものよりも、こうした都市機能の側から語るほうが長崎市らしい切り口になります。

観光

令和6年の長崎県観光統計では、観光客延べ数は30,804,676人(前年比2.4%増)、延べ宿泊客数は7,483,382人(同2.9%増、4年連続の増加)、観光消費額は4,587億円(同15.5%増)でした。外国人延べ宿泊客数は732,186人(同34.5%増)で、クルーズ客船の入港実績も前年の133隻から247隻に増えています。(出典:長崎県観光統計|令和6年)

これらは県全体の数字ですが、県庁所在地であり交通の結節点でもある長崎市は、観光客が最初に立ち寄る玄関口のひとつです。観光を志望分野にするなら、名所の紹介にとどめず、増えている来訪者をどう市内・県内の周遊や消費につなげるかという行政の役割まで踏み込んで語れるようにしておきましょう。

交通の結節点としての機能

令和4年9月23日に開業した西九州新幹線(長崎〜武雄温泉)は、開業から2年間で約496万人が利用し、開業2年目の1日平均利用者数は約6,900人と、1年目の約6,600人を上回りました。(出典:西九州新幹線の開業効果(長崎県))

長崎市はこの新幹線の終着駅であり、県内の人とものの流れが集まる交通の結節点です。利用者数が開業2年目も伸びているという事実は、都市の玄関口としての機能を語るときにそのまま使えます。

長崎市の主な行政課題

人口・高齢化・交通という切り口から、長崎市が今直面している課題を5つに整理します。面接での「市の課題」への備えとして押さえておいてください。

人口減少と高齢化

長崎市の人口は385,553人(令和8年1月1日現在)で県内最大ですが、65歳以上人口は135,342人と総人口の35.1%を占め、県平均の34.8%をわずかに上回ります。

75歳以上でみても20.0%と、5人に1人が後期高齢者という水準に達しています。都市機能が集まる県庁所在地であっても、高齢化そのものを避けられているわけではないという現実を押さえておきましょう。

地震・津波などの自然災害への備え

長崎県地域防災計画関連資料が詳細な被害想定の対象とする3ケースのひとつが、雲仙地溝南縁東部断層帯と西部断層帯が連動する地震です。

この地震では、地盤の軟弱な長崎市と諫早市の境界付近に一部震度7が現れると予測されています。震度6弱以上となる市には長崎市自身も含まれます(長崎県地震等防災アセスメント調査、平成18年3月)。(出典:長崎県地域防災計画関連資料(地震・津波の被害想定))

津波についても、内閣府が令和7年3月31日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、長崎市のケース別最大津波高は4メートルとされています。(出典:南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高一覧(内閣府)|令和7年)

活断層型地震と海溝型地震、性格の違う二つのリスクを長崎市は同時に抱えています。防災を語るなら、このどちらか一方だけで説明を終えないようにしましょう。

県全体の人口減少に向き合う県都としての責務

第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略(令和8〜12年度)は、離島・半島地域で全国に先駆けて少子高齢化が進行しているという認識を示し、自然減・社会減の改善、関係人口・交流人口の受け入れと活用、生活インフラの維持・向上を主要課題としています。(出典:第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略|令和8〜12年度)

県内で最も人口の多い都市である長崎市は、この戦略が想定する対象の外にいるわけではなく、むしろ県全体の人口を下支えする県都としての役割を期待される立場にあります。県が挙げる3つの課題を、長崎市という一つの自治体の中でどう具体化するかが、この市で働く職員に問われる視点になります。

西九州新幹線の整備をめぐる課題

西九州新幹線は、武雄温泉〜新鳥栖間の整備方式がまだ決まっておらず、未着工のままです。長崎県は全線フル規格による整備の早期実現に取り組んでおり、武雄温泉駅での対面乗換方式(リレー方式)の解消が課題となっています。(出典:西九州新幹線の開業効果(長崎県))

終着駅である長崎市にとって、この整備方針は乗換の利便性や所要時間、ひいては観光・交流人口の伸びにも関わる長期的な課題です。

交通インフラを志望分野にするなら、開業後の利用状況だけでなく、この先に残る整備課題まで押さえておくと話に厚みが出ます。開業から2年が経っても整備方式が定まらない区間があるという事実は、大規模インフラの整備が一つの自治体の判断だけでは完結しないことを示す具体例でもあります。

多様な採用区分による人材確保

令和8年度第1回の募集をみると、大卒程度の事務・土木・資格職に加えて、社会人経験枠、UIJターン枠、消防職(大学・社会人経験・UIJ)など、区分が幅広く設けられています。土木や建築、電気、水産、農林、化学といった技術系の職種には学校推薦枠もあり、大卒程度の事務にはスポーツ等実績枠とICT枠が別に用意されています。

これだけ間口の広い採用区分を維持していること自体が、長崎市が幅広い経路で人材を確保しようとしている表れと読み取れます。

自分がどの枠で受験するかによって、面接で語るべき経験の中心も変わってきます。UIJターン枠であれば長崎に移り住む動機、スポーツ等実績枠であれば競技の経験をどう行政の仕事に生かすか、学校推薦枠であれば専門分野への理解の深さが、それぞれ聞かれやすい観点になるはずです。

長崎市の重点政策|県の創生戦略と中核市としての権限

長崎市がいま何を重点に据えているかを考える手がかりは、二つあります。ひとつは長崎県全体の人口戦略、もうひとつは中核市として市が独自に持つ権限です。

ここでは、当研究会が公式資料で確認できたこの二つの軸から、市政の向きを整理します。

県の創生戦略が示す3つの方向

第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略が掲げる主要課題は、自然減・社会減の改善、関係人口・交流人口の受け入れと活用、生活インフラの維持・向上の3つでした。

県の主要課題長崎市の実務で現れやすい分野(当研究会の整理)
自然減・社会減の改善子育て支援、転入・移住の促進、若い世代の雇用
関係人口・交流人口の受け入れと活用観光振興、西九州新幹線を生かした交流事業
生活インフラの維持・向上医療・福祉、道路・上下水道などの生活基盤

県内で最も人口の多い都市が県の課題にどう向き合うかは、県全体の行方にも影響します。志望する分野がこの3つのどこに近いかを一言で言えるようにしておくと、県の戦略を踏まえた志望だと伝わります。

中核市としての権限をどう生かすか

長崎市は平成9年4月1日に中核市へ移行しました。

中核市は、保健所の設置をはじめ、都道府県が担ってきた事務の一部について法にもとづき移譲を受けられる制度です。長崎県庁ではなく長崎市役所を志望する理由を考えるとき、この移行の日付そのものが、市が県とは異なる幅の行政サービスを担う立場にあることを示す出発点になります。

面接で「なぜ県庁ではなく市役所か」と問われたときは、制度の説明で終わらせず、県から市へ判断の場が近づくことで、住民の暮らしにどう返ってくるのかという自分なりの理解まで話せるようにしておきましょう。

POINT|県の課題を、丸暗記しない

県の総合戦略に並ぶ3つの方向を覚えることが目的ではありません。関心のある分野を1つ選び、①いま何が課題か → ②県と市はどんな姿を目指しているか → ③長崎市の中でどんな取組が動いているか → ④中核市だからこそ市の判断で動かせる部分はどこか → ⑤自分の経験や強みをどう差し込めるか、の順で考えてみてください。

悪い例「長崎市のまちづくりに貢献したいです」

改善例「まずは窓口業務などを通じて、市民の声をしっかり聞くことから始めたいです。その上で、県内一の人口を抱える長崎市でも高齢化率が県平均を上回っていると知ったので、通院や買い物の足を確保するような、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる取組に関わっていきたいです」

あわせて確認したい公式資料

資料の分量は多くなりがちですが、読む量よりも、話せる形に仕上がっているかどうかを優先してください。求める職員像の3要素とつながる部分を意識して読むと、的が絞りやすくなります。

  • 長崎市職員採用試験の受験案内(最新年度・採用サイト「ナルホド わからん」)
  • 長崎市の総合計画(市公式サイトで公開されている最新版)
  • 第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略(令和8〜12年度)
  • 長崎市の地域防災計画・ハザードマップ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、長崎市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。長崎市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

長崎市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

長崎市役所の面接の概要

ここから先は長崎市役所の選考を、面接の形式・想定される質問・評価の観点という3つの切り口で見ていきます。個人面接が2回続く試験だからこそ、まずは全体の流れをつかんでおきましょう。

長崎市役所の面接の流れ

令和8年度第1回の長崎市職員採用試験は、第1次試験から第3次試験までの3段階です。第1次はSPI試験、第2次・第3次はどちらも個人面接という組み立てで、集団面接や集団討論、グループワークの実施は受験案内に記載がありません。

項目内容(令和8年度第1回)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験 → 第3次試験の3段階
第1次試験の内容SPI試験(内容は職種によって異なる)。テストセンターまたはオンラインで受験し、受験が困難な場合のみ市役所会場
面接の種類個人面接が2回(第2次試験・第3次試験)
集団形式受験案内に集団面接・集団討論・グループワークの記載なし
消防職のみの種目第2次試験で身体検査・体力測定を併せて実施
配点公表されていません。受験者本人に限り、順位と総合得点を開示請求できます(代理人不可・電話不可)
提出書類顔写真データ・エントリーシートデータが全区分共通。職種によって履修科目のわかるもの・推薦書・成績証明書・住民票の写し等が加わります

上記は長崎市の令和8年度第1回長崎市職員採用試験の受験案内にもとづく内容です。試験の構成・区分・配点等は年度や募集回次によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分・回次の最新の試験情報をご確認ください。

第2次試験の会場は長崎市役所ほかで、福岡市内・東京都内に会場が設けられる場合もあります。個人面接を2回重ねる構成である以上、1回目と2回目で同じ質問をされても、答えの中身がぶれないようにしておくことが大切です。

募集区分も、大卒程度の事務・土木・資格職に加え、社会人経験者、UIJターン、スポーツ等実績枠、ICT枠、学校推薦枠まで幅広く設けられています。自分がどの区分で受けるのかによって、語るべき経験の重心も変わってきます。

長崎市が求める職員像

長崎市は「求められる職員像」を公式に示しています。「長崎に誇りを持ち、人を思いやり、成長し続ける職員」という言葉で、誇り・思いやり・成長の3つの要素から説明されています。(出典:職員採用・人事(長崎市)/採用戦略ページ(長崎市職員採用サイト))

市の説明によれば、誇りとは長崎の「まち」「ひと」「しごと」への愛着と誇りが貢献意欲や使命感を高めるということ、思いやりとは市民目線で行動しながら職員同士が尊重し協力し合うこと、成長とは失敗しても挑戦する姿勢や柔軟に対応する力を指します。この3語は抽象的な理念ではなく、面接の準備では評価の物差しとして扱っておくのが安全です。

市が言葉にしているのはここまでです。

そのうえで一歩踏み込むと、離島や半島を含む県全体を支える県都の職員には、決められた手順をなぞるだけでなく、地域団体や周辺自治体、企業など、立場の異なる相手と折り合いをつけながら物事を前に進める力が求められる場面が多くなりそうです。「成長」という言葉が、前例のない課題に挑む姿勢として説明されているのも、そうした環境と無関係ではないでしょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。長崎市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやってここまで来ましたか?構えていない場面での受け答え。表情や声のトーンが自然かどうか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?民間企業でも成り立つ理由で止まっていないか。選択の筋道が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの短所を教えてください自分を客観的に見られているか。短所とどう付き合ってきたか
④ 経験・行動これまでで一番苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください困難の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという行動の中身
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことを教えてください経験を初対面の相手にもわかる言葉で説明できるか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?市の仕事への理解の深さ。希望どおりの配属でなくても働ける柔軟さ
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースを教えてください社会の動きへの関心と、自分の考えを短くまとめる力

この7カテゴリーへの備えは、公務員を志望する人であればどこを受けても一定水準まで仕上げてきます。差がつくとすれば、ここから先に挙げる長崎市ならではの質問への対応です。

合否を分けるのは「長崎市役所ならでは」の質問

「なぜ長崎県庁ではなく、長崎市役所なのですか?」
「長崎市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

1問目は、長崎市が中核市として県から独自の権限を引き受けている以上、他の市よりも踏み込んだ回答を求められる質問です。県と市の役割の違いを、自分の言葉で具体的に説明できるかどうかで、答えの厚みがはっきり変わります。

長崎市の事実のうち面接で使いやすいものを絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい長崎市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か平成9年4月1日に中核市へ移行した。中核市は保健所の設置をはじめ、都道府県の事務の一部を法にもとづき移譲される制度で、長崎市もその立場にある制度の説明で終わらせず、県ではなく市の判断で住民に近いところから物事を動かせる点に自分の関心を重ねます
求める職員像市は職員に求める姿を「長崎に誇りを持ち、人を思いやり、成長し続ける職員」とし、誇り・思いやり・成長の3語で説明している3語を復唱するのではなく、自分の経験がどの語に当たるかを紐づけて話します
人口と高齢化の現在地住民基本台帳ベースで385,553人と県内最大だが、高齢化率は35.1%と県平均34.8%をわずかに上回る(令和8年1月1日現在)県内最大という規模の話で終わらせず、それでも高齢化が進んでいるという一面まで語ります
地震・津波への備え雲仙地溝南縁の断層帯連動地震で長崎市・諫早市の境界付近に一部震度7の予測があり、南海トラフ巨大地震では最大津波高4メートルとされている活断層型と海溝型、二つのリスクがあることを踏まえて備えを語ります
被爆と平和への取組昭和20年8月9日に被爆し、毎年8月9日に平和祈念式典を実施している史実として正確に押さえたうえで、自分がどう受け止めているかを落ち着いて話せるようにしておきます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

長崎市が公表する「求められる職員像」に照らして、面接では「これまでに実際どう行動してきたか」が確かめられます。誇り・思いやり・成長という3つの言葉は、一般的な公務員面接でいうコンピテンシー評価(行動の実例を確かめる評価の考え方)に近い性格を持ち、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
誇り長崎の「まち」「ひと」「しごと」への愛着を、自分の言葉と経験で語れるか観光地の名前を並べるのではなく、自分がどんな場面で長崎に愛着を感じたかを具体的なエピソードで語れるようにします
思いやり市民目線で行動した経験、周囲と尊重し合いながら協力した経験があるかSPI試験では測れない部分だからこそ、2回の個人面接のどちらで聞かれても一貫して話せるように整理しておきます
成長失敗してもやり直した経験、慣れないことに挑んだ経験があるか結果的にうまくいった話だけでなく、挑戦している最中の試行錯誤の中身まで話せるようにします

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。長崎市は個人面接が2回ある分、この掘り下げがより強く出る可能性があります。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

第1部・第2部で見てきた内容を、本番までの準備手順として組み立て直します。

  1. 最新年度の長崎市職員採用試験の受験案内を読み、自分の受ける区分の試験構成と、エントリーシートの記入項目を確認する(顔写真データなど提出物の準備も早めに進める)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しし、「誇り」「思いやり」「成長」の3語のどれに当たるか、自分の経験を仕分けてみる
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、長崎市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

長崎市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

長崎市役所の想定問答集を見る

さいごに

長崎市職員採用試験は、第1次のSPI試験を除けば、第2次・第3次とも個人面接という組み立てです。集団討論やグループワークが課されない分、一人の受験者と向き合う時間は長くなります。

市が示す「誇り」「思いやり」「成長」という3つの言葉は、その2回の面接でくり返し確かめられる観点だと考えて準備を進めてください。配点は公表されていませんが、段階を重ねるほど、書類やSPIの結果だけでは測れない部分の比重が増していくはずです。

県内で最も人口の多い都市であり、離島や半島を含む県全体を支える中核市の職員として、自分に何ができるかを言葉にして本番に臨んでください。試験区分によって求められる経験の重心が変わる試験でもありますので、自分の受ける区分に合わせた準備の最終確認も忘れないようにしましょう。