本記事では、五島市職員採用試験の面接対策で必要な、五島市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
五島市役所の面接では、「なぜ五島市を志望したのですか」「市職員としてどんな仕事に取り組みたいですか」「これまでの経験を島の暮らしにどう生かしますか」といった質問が想定されます。答えの厚みは、島という条件のもとで市役所が何を担っているかをどこまで具体的に語れるかで決まります。
なお、本記事に載せた試験の内容は、令和8年度五島市職員採用試験(2次募集)の受験案内で確認できた範囲のものです。以下に整理した事実の中から、自分の経験や関心とつながるものを選び出し、面接の受け答えに組み込んでいってください。
第1部|自治体研究編
五島市の特徴
面接対策に入る前に、五島市がどういう市なのかを輪郭から押さえておきましょう。(急ぐ方はこの節だけでも目を通してください)
- 九州の最西端にあり、11の有人島と52の無人島でひとつの市を構成している。市の中心は福江島で、市役所も福江町に置かれている。
- 長崎県の西方海上約100キロメートルに位置し、本土との行き来は航路と空路に限られる。
- 平成16年8月1日に、福江市と南松浦郡5町が合併して発足した。
- 陸続きの隣接自治体を持たない。隣り合うのは南松浦郡新上五島町のみで、それも海域を挟んでいる。
- 総面積は420.12平方キロメートル。長崎県全体(4,131.22平方キロメートル)のおよそ1割にあたる。(出典:五島市の概要/全国都道府県市区町村別面積調|令和8年)
- 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の12の構成資産のうち、久賀島の集落と奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)が市内にある。
- 令和8年1月1日現在の人口は33,116人で、65歳以上が43.5%を占める。
五島市の基礎データ
基礎データの章は、暗記のための節ではありません。島がいくつ集まって何人の市になっているのかは志望動機のどの話にもついて回りますので、そこだけは口に出せるようにしておきましょう。
次の表の値は、このあとの行政課題の章でもそのまま使います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 33,116人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 65歳以上人口 | 14,391人(高齢化率43.5%) |
| 75歳以上人口 | 7,782人(総人口の23.5%) |
| 総面積 | 420.12km²(長崎県総面積4,131.22km²の約10.2%) |
| 人口密度 | 約79人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 隣接自治体 | 南松浦郡新上五島町(海域を挟んで隣接。陸続きの隣接自治体はない) |
| 市の花・木 | ハマユウ(花)・アコウ(木) |
| 市役所の所在地 | 五島市福江町1番1号 |
総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です。長崎県が国勢調査をもとに公表している人口統計は基準が異なりますので、両者をまたいで増減を計算することはできません。総面積は五島市の公表値、隣接自治体・市の花と木・市役所の所在地は当研究会が整理した基礎データによります。
海で分かれた市域と、4割を超える高齢化率
420.12平方キロメートルという市域は長崎県全体の約1割にあたりますが、そこに暮らすのは33,116人、人口密度は約79人です。しかもその市域は陸で続いていません。
同じ市の中を移動するのに船が要るという点が、五島市役所の仕事のいちばん大きな前提になります。担当地区へ行くだけで半日かかることもあり、窓口を開けて待つやり方だけでは行政が届かない場面が出てきます。
年齢構成も見ておきましょう。高齢化率43.5%、75歳以上23.5%という値は、同じ住民基本台帳の基準でみた長崎県全体の34.8%・19.6%を、それぞれ8.7ポイント・3.9ポイント上回ります。
市民の4割超が65歳以上、4人に1人近くが75歳以上という構成です。海を挟む移動の負担と、この年齢構成が重なるところに、五島市の行政課題の多くが集まっています。
五島市の経済・産業
海に支えられた産業
長崎県は全国屈指の水産県です。
漁業就業者数(人口千人対)が全国1位、漁業産出額と海面漁業漁獲量は全国2位で、平成30年の海面漁業・養殖業産出額は996億円と北海道に次ぐ全国2位でした。魚種別の漁獲量ではぶり類・たちうお・まだいなどが全国1位です。(出典:長崎県水産業振興基本計画(資料)|平成29〜30年)
九州最西端の海に浮かぶ島々でできている五島市にとって、この産業構造は他人事ではありません。水揚げと加工、そこに連なる運送や小売が、島の雇用と暮らしを支える柱になっています。
経済の話題を志望動機に結び付けるなら、「地域を活性化したい」で止めず、獲る・運ぶ・売るのどこに関心があるのかまで下ろしておきましょう。
世界遺産と観光の受け入れ
令和6年の長崎県観光統計では、観光客延べ数は30,804,676人(対前年比2.4%増)、延べ宿泊客数は7,483,382人(同2.9%増)で宿泊は4年連続の増加、観光消費額は4,587億円(同15.5%増)でした。外国人延べ宿泊客数も732,186人(同34.5%増)と伸びています。(出典:長崎県観光統計|令和6年)
五島市の側から見ると、この流れは受け入れる態勢の問題として現れます。市内にある久賀島の集落と奈留島の江上集落は、いずれも人が暮らしてきた場所そのものが世界文化遺産の構成資産です。
住民の生活の場を守りながら来訪者を迎えるという二重の課題が、観光行政の出発点にあります。(出典:長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の構成資産)
離島という条件が経済に効く
長崎県には無人島を含めて1,479の島があり、そのうち離島振興対策実施地域の指定を受けた有人島は51島、あわせて約11万人が暮らしています。(出典:ながさきの離島)
島の経済は、輸送費や人手の確保という条件を常に抱えます。同じ事業を本土と同じ費用でできるとは限らず、行政の支援が事業の成否を左右する場面も出てきます。
五島市の産業を語るときは、この前提を外さないでください。
五島市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を重ねると、五島市がいま向き合っている課題が見えてきます。「市の課題は何だと思いますか」と問われたときの引き出しとして、次の4つを持っておきましょう。
人口減少と高齢化の重なり
令和8年1月1日現在の高齢化率43.5%は、長崎県全体(同じ基準で34.8%)を大きく上回ります。75歳以上だけで7,782人、総人口の23.5%です。
支える側の人数が減りながら、支えを必要とする人が増えていくという構図が、子育て支援から介護、公共施設の維持まで、あらゆる分野の前提になります。
島をまたぐ移動と生活基盤
市内の移動に船が必要だという条件は、通院・買い物・通学のすべてに効いてきます。本土との行き来も航路と空路に限られるため、専門的な医療や高度な教育を受けるには島を出る必要が生じます。
移動の手立てをどう確保するかは、五島市では福祉政策であると同時に定住政策でもあります。
水産業の担い手をどう確保するか
県全体でみても、漁業は就業者の高齢化と後継者の確保という課題を抱えています。産出額の大きさは、そのまま担い手が足りているという意味にはなりません。
五島市で産業振興に関わるなら、獲れる量ではなく、獲る人をどう増やすかという視点を持っておきましょう。
津波と孤立への備え
内閣府が令和7年3月31日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、市町村別ケース別最大津波高の一覧で五島市の最大値は4メートルとされています。(出典:南海トラフ巨大地震の市町村別最大津波高一覧(内閣府)|令和7年)
五島市で難しいのは、高さそのものよりも、島どうしが海で隔てられているという条件のほうです。
航路が止まれば人も物資も動かせず、外からの応援もすぐには届きません。防災を語るなら、避難の呼びかけだけでなく、島の外から助けが届くまでの数日をどう持ちこたえるかまで含めて考えておきましょう。
五島市の重点政策|県の総合戦略と離島振興
市が自前で掲げている計画の内容は、五島市の公式サイトで現行版にあたるのが確実です。ここでは、当研究会が公式資料で確認できた範囲、つまり長崎県が示している政策の枠組みと、五島市が置かれている離島振興の制度の側から、市政の向きを整理します。
第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略
長崎県の令和8年度から令和12年度までの総合戦略は、人口減少社会でも県の活力を将来にわたって維持・向上させる取組が必要だとしたうえで、離島・半島地域で全国に先駆けて少子高齢化が進行しているという認識を示しています。主要な課題として挙げられているのは、自然減・社会減の改善、関係人口・交流人口の受け入れと活用、そして生活インフラの維持・向上です。(出典:第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略|令和8〜12年度)
この3つは、そのまま五島市の日常業務に落ちてきます。
自然減・社会減の改善は移住定住と子育て支援に、関係人口の受け入れは世界遺産や海を軸にした交流事業に、生活インフラの維持は航路や医療、水道の話につながります。自分がやりたい仕事がこの3つのどれに位置づくのかを一言で言えるようにしておくと、志望の説明が具体的になります。
離島振興という制度の枠組み
五島市の島々は、県内51の有人島とともに離島振興対策実施地域に指定されています。
離島に置かれた自治体は、本土と同じ制度を運用しながら、輸送費・医療体制・教育環境といった条件の差を埋める仕事を上乗せで担うことになります。五島市役所の仕事の幅が広くなりやすいのは、この構造によるところが大きいと当研究会は考えています。
POINT|計画の名前を覚えることが目的ではない
関心のある分野を1つに絞り、①いま何が起きているか → ②市はどうしたいのか → ③そのために何をしているか → ④市役所だからこそできることは何か → ⑤自分の経験のどこが重なるか、の順にたどってみてください。この5段でひとまとまりの話になります。
悪い例「離島の活性化に関わる仕事がしたいです」
改善例「船と飛行機でしか本土とつながらない島で、通院や買い物に困っている方が増えていると聞きました。移動の手立てを整える仕事に、暮らしている方の声を聞きながら関わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
面接前に一度は開いておきたいものを挙げます。志望分野に触れている箇所を探し当てたら、そこは口で説明できる状態にしてから本番に臨んでください。
- 五島市職員採用試験の最新年度の受験案内と、市の職員採用のページ
- 五島市の総合計画(公式サイトに掲載されている現行版)
- 最新年度の当初予算について市が公表している説明資料
- 第3期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略(令和8〜12年度)
- 長崎県が公表している離島振興関係の施策ページ
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、五島市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。五島市の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
五島市役所の面接の概要
ここからは第2部です。令和8年度の2次募集で公表された内容に沿って、五島市役所の選考を読み解いていきます。
五島市役所の面接の流れ
令和8年度の五島市職員採用試験(2次募集)は、第1次試験と第2次試験の2段階です。
人物をみる試験は第2次に置かれ、作文試験と人物試験が同じ段階で課されます。書く力と話す力を切り離して準備すると、片方が空くことになります。
| 項目 | 内容(令和8年度・2次募集) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験 → 第2次試験の2段階。第1次試験の合格者が第2次試験に進みます |
| 試験区分・職種 | 行政(大卒程度)、一般事務(高卒程度)、一般事務(障がい者枠・高卒程度)、一般事務(UIJターン)、社会福祉士・保健師・管理栄養士(資格免許職)、土木(高卒程度)、施設技術(高卒程度)、消防士(高卒程度) |
| 第1次試験の種目 | 基礎能力試験、職務適応性検査(UIJターン受験者にはこれに職務経歴評定が加わります) |
| 第2次試験の種目 | 作文試験、人物試験(土木受験者には専門試験、消防士には消防適性検査・体力検査・身体検査が加わります) |
| 面接官 | 第2次試験の面接官の一部が、専門の民間業者へ業務委託されています |
| 配点 | 各試験種目の配点は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください |
| 申込・提出書類 | 申込は受験申込サイトによる電子申込。提出書類はUIJターン受験者の職務経歴書と、消防士の身体検査票です |
上記は令和8年度五島市職員採用試験(2次募集)の受験案内にもとづく内容です。五島市の一般ページ「募集から採用までの流れ」には、第2次試験を作文試験・個別面接・集団討論(資格免許職や技術職は免除する場合あり)とする説明もあり、年度によって試験種目が変わっています。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:五島市職員採用試験(2次募集)受験案内|令和8年度/募集から採用までの流れ(五島市))
この表で見落とせないのが、面接官の一部を市の外に委ねているという点です。市はその理由を「客観的な視点から、五島市が求める人材の見極めや判断等をしていただいています」と説明しています。
つまり第2次試験では、五島の事情を前提として共有していない相手にも通じる説明が求められるということです。地元の地名や身内にしか分からない事情に頼った話し方をしていないか、練習の段階で確かめておきましょう。
五島市役所が求める人物像
五島市の職員採用ページ、「募集から採用までの流れ」、令和8年度の受験案内の本文には、求める人物像にあたる公表文言が見当たりませんでした。手がかりになるのは、外部の面接官を入れる理由として市が記した「五島市が求める人材の見極め」という一文だけです。
五島市が言葉にしていない部分は、選考の作り方が代わりに語っています。第2次試験に作文と人物試験を並べ、その面接官の一部を外部に委ねる。
この組み立てから当研究会が引き出したのは、次のような働き方の輪郭です。11の有人島に3万3千人が暮らす市では、部署の数も職員の数も限られます。
ひとつの案件を最初から最後まで同じ担当者が抱えることになり、前例のない相談が持ち込まれても、よそへ回して済ませられる場面は多くありません。だとすれば、やったことのない仕事でも自分で調べ、周りに聞きながら形にしていける人が働きやすい環境だといえるでしょう。
加えて、船で渡らなければ会えない地区を担当する以上、一度の訪問で用件を確かめきる丁寧さが、そのまま仕事の信用になっていきます。面接では「できます」と言い切るのではなく、実際にそう動いた場面を出せるように準備しておきましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。五島市の人物試験も、この見取り図の上で準備しておけば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどうやって会場まで来ましたか? | 構えていないときの受け答え。初対面の相手に向けた話し方の温度 |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員という仕事を選んだのですか? | 民間でも成り立つ理由で止まっていないか。職業選択の筋が自分の経験とつながっているか |
| ③ 自己理解 | 自分の弱いところはどこだと思いますか? | 自分の弱さを言葉にできるか。それを補うために何をしてきたか |
| ④ 経験・行動 | いちばん苦労した経験と、その乗り越え方を教えてください | 苦労の大きさではなく、その場面で何を考えてどう動いたかという行動の中身 |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできたことを簡単に説明してください | 専門の外にいる相手へ言い換える力。同じ段階で作文試験も課されることを思えば、書く力とも地続き |
| ⑥ 適性・将来 | 採用後はどんな仕事に取り組みたいですか? | 市の仕事のイメージの解像度。希望と違う配属になっても働けるか |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近気になったニュースはありますか? | 社会の動きを追っているか。それを短く言い切れるか |
この7つに向けた準備は、どの自治体を受けても同じ形になります。五島市の受験でこれに足すべきなのは、島がいくつも集まってひとつの市になっているという事情を、答えの中でどれだけ具体的に扱えるかという部分です。
合否を分けるのは「五島市役所ならでは」の質問
この2問への答えは、そのまま志望の深さとして受け取られます。しかも外部の面接官が加わる場では、雰囲気で伝わることを期待できません。
当研究会では、五島市の事実のうち面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい五島市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の成り立ち | 平成16年8月1日に福江市と南松浦郡5町が合併して発足。11の有人島と52の無人島からなり、陸続きの隣接自治体はない | 合併から20年余りという時間の長さではなく、島ごとに歴史も暮らしも違う地域をひとつの行政でみている、という現在の姿に触れます |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 本土から西へ約100キロメートル、行き来は航路と空路のみ。市役所は福江町に置かれ、島で暮らす人にとって最も近い行政の窓口になっている | 制度上の役割分担を並べるのではなく、島の困りごとに直接手が届く立場を選んだ理由として話します |
| 人口と高齢化 | 令和8年1月1日現在の人口33,116人、高齢化率43.5%、75歳以上23.5%。同じ基準の長崎県全体(34.8%・19.6%)を大きく上回る | 数字を言い切ったあと、通院や買い物といった具体的な場面まで下ろすと、暮らしを見ている人だと伝わります |
| 防災 | 内閣府が令和7年3月31日に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、五島市の最大津波高は4メートル | 高さの数値だけで終わらせず、島どうしが海で隔てられている中での避難と、応援の届きにくさまで含めて話します |
| 五島市の魅力 | 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のうち、久賀島の集落と奈留島の江上集落が市内にある | 観光名所の紹介にせず、住民が暮らしてきた場所そのものをどう守りながら来訪者を迎えるか、という行政の課題として語ります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
第2次試験は作文試験と人物試験の組み合わせで、その面接官の一部は市の外から来ます。五島の事情を共有していない相手に、自分の経験を筋道立てて話す場面が用意されているということです。
いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 知らない仕事に手を伸ばせるか | 前例のない場面で、自分で調べたり人に聞いたりしながら進めた経験があるか | 担当地区へ渡るだけで半日かかる市では、その場で判断して持ち帰る場面が増えます。指示を待たずに動いて形にした経験を1つ選んでおきます |
| 初対面の相手に伝わる話し方ができるか | 背景を知らない相手にも、経緯と自分の判断が伝わるように話せるか | 面接官の一部が外部の方であることを前提に、地名や身内の事情に寄りかからずに説明する練習をしておきます |
| この島で働き続ける姿勢があるか | 本土と航路・空路でしかつながらない条件を承知したうえでの志望か | 移動に時間と費用がかかることは、働き手にとっても同じです。それを知ったうえで五島を選んだと言えるよう、調べたことを具体的に挙げられるようにします |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。作文試験と同じ段階に人物試験が置かれている五島市では、書いた内容と話す内容の食い違いも見られます。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の五島市職員採用試験の受験案内を読み、自分が受ける区分の試験種目と、申込サイトに登録する項目を確認する(面接での発言と食い違わないように)
- これまでの経験を棚卸しする。学業・部活動やサークル・アルバイト・地域の活動から、話せる具体例を1つずつ書き出す
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 第2次試験に作文試験があることを踏まえ、上の対応表から2つほどテーマを選び、書いても話しても通じる形に直す
- 選んだテーマを「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の順につなぎ、五島市の事実と自分の関心を結び付ける
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4と5は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がないときは、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を五島市の仕事へどうつなぐかという自己分析を先に済ませてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、五島市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
五島市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答まで解説しているので、当日の受け答えをより具体的に思い描けるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
令和8年度の2次募集では、五島市の選考は第1次試験と第2次試験の2段階で、人物をみる試験は作文試験とともに第2次に置かれています。配点は公表されていませんが、書く力と話す力が同じ段階に並んでいる以上、どちらか一方だけを仕上げても足りません。
ここまでに挙げた事実のうち、自分の経験と結び付くものを2つか3つ選び、書いても話しても通じる形に直しておけば、当日の受け答えは目に見えて変わります。11の島に暮らす人たちの生活を支える仕事に、あなたの経験のどこが使えるのかを、落ち着いて言葉にしていってください。