本記事では、あわら市職員採用試験の面接対策で必要な、あわら市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

あわら市役所の面接試験では、「なぜあわら市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。あわら市は目指すべき職員像を公表しており、面接で見られる方向がはっきりしている市です。

市が言葉にしている職員像と、自分の経験がどこで重なるのか。そこを言えるようにしておきましょう。

第1部|自治体研究編

あわら市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずはあわら市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 福井県の最北端に位置する市。西は坂井市三国町、南は同市坂井町・丸岡町、北東は石川県加賀市に隣接し、北西は日本海に面している。
  • 市域は116.98km²、人口は25,965人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は222人/km²。市の公表資料では人口25,797人・世帯数10,527世帯(令和8年4月1日現在)。
  • 平成16年3月に金津町と芦原町が合併して誕生した市。市名は平仮名表記の「あわら市」が正式である。
  • 住民基本台帳(令和8年1月1日現在)の65歳以上の割合は35.4%、75歳以上は20.2%。福井県全体の31.5%・18.3%を上回り、県内9市では3番目に高い。
  • 市は目指すべき職員像として「ふるさと「あわら市」を愛し、夢と志をもって、チャレンジする職員」を掲げている。
  • 職員採用候補者試験は前期・後期の年2回実施され、いずれも第1次試験・第2次試験の2段階。
  • 第2次試験の口述試験は、面接カードを基礎資料とした個別面接と集団討論で行われる。
  • 市の花は花菖蒲、市の木は梅。県の観光統計では、あわら温泉に令和7年の1年間で658千人が訪れている。

あわら市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「あわら市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

あわら市を数字で捉えるときは、県内9市のなかでの位置を意識してください。人口では下から2番目、高齢化では上から3番目という組み合わせになります。

項目内容
総人口25,965人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積116.98km²(福井県の約3%)
人口密度222人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
世帯数10,527世帯(令和8年4月1日現在・市公表)
65歳以上の割合35.4%(福井県全体は31.5%。県内9市では3番目に高い)
75歳以上の割合20.2%(福井県全体は18.3%)
隣接自治体坂井市/石川県加賀市(北西は日本海に面する)
市制施行平成16年3月(金津町と芦原町の合併)
市の花・市の木花菖蒲・梅
(参考)福井県の総人口739,412人(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)

65歳以上・75歳以上の割合と、参考として並べた福井県の総人口・割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計でのあわら市の総人口は25,965人で、割合の分母にもこの数値を用いています。県内9市での順位も同じ統計にもとづきます。福井県が公表している推計人口や国勢調査の結果は調査の基準が異なるため、これらの割合と直接は比較できません。総面積・隣接自治体・市の花木は公表値をもとに当研究会が整理したもので、人口密度は上記の総人口を総面積で割って算出した値です。世帯数・市制施行は市の職員募集案内によります。

数字から考えられる市政課題

あわら市の高齢化は、県全体より一段進んでいます。令和8年1月1日現在の住民基本台帳で65歳以上が35.4%、75歳以上が20.2%。

福井県全体の31.5%・18.3%をいずれも上回り、県内9市では勝山市・大野市に次ぐ3番目の水準です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。市民の3人に1人以上が65歳以上、5人に1人が75歳以上という構成は、福祉も交通も防災も、担当部署の枠を越えて同じ相手に届く話になるということです。

人口規模も押さえておきましょう。25,965人という人口は、県内9市のなかで下から2番目です。

市域116.98km²に人が分散し、人口密度は222人/km²。市の職員数が限られるなかで、市域全体に行政サービスを届けるという条件がここから読み取れます。

たとえば面接では、次のように数字と自分の考えをつなげて話せます。

「あわら市は市民の3人に1人以上が65歳以上で、県の平均より高いと知りました。人口も2万5千人ほどですので、限られた人数で市域全体を見ていくことになると思います。だからこそ、一人が広く受け持てる職員でありたいと考えています」

あわら市の経済・産業

ものづくりで立ってきた県

福井県の産業は、合成繊維を中心とする繊維工業、電気機械(半導体・精密部品)、一般機械、化学工業などで構成されます。鯖江市を中心とする眼鏡枠製造は全国生産の90%を占め、県内には15基の原子力発電所があって全国の原子力発電量の25%強を賄っています(出典:福井県の産業)。

令和3年経済センサス活動調査(速報)では、産業大分類別の売上金額は製造業が2兆2347億円と最も多く、卸売業・小売業2兆2065億円、医療・福祉7761億円が続きます。県の稼ぎ頭は製造業だという土台を、まず押さえておきましょう。

観光が過去最高を更新した県と、あわら温泉

令和7年の福井県の観光客入込数(実人数)は、日帰り客1,905.8万人(対前年比5.0%増)、宿泊客238.5万人(同6.4%減)で、合計2,144.3万人(同3.6%増)でした。数値が確認できる平成元年以来の最高値です。

観光消費額も対前年比31.3%増の1,987億円となり、過去最高を更新しました。主要観光地別の入込数(延べ人数)では、あわら温泉が658千人で、東尋坊の651千人や大本山永平寺の518千人と並ぶ規模になっています(出典:福井県観光客入込数|令和7年)。

ここで見落とせないのが、県全体で日帰り客が増える一方、宿泊客は減っているという内訳です。温泉地を抱える市にとって、この差は他人事ではありません。

観光を志望動機にするなら、来訪者の数ではなく、泊まってもらう理由をどう作るかという水準まで話を進めてください。

新幹線が敦賀まで来たという条件

北陸新幹線の金沢・敦賀間は令和6年3月16日に開業しました。県はさらに、敦賀・新大阪間について小浜京都ルートでの整備を進めており、令和6年12月には駅位置とルートの案が2案に絞られています。

県外との行き来がしやすくなった条件を、あわら市の側からどう使うか。宿泊してもらう仕掛けも、移住や関係人口の話も、この交通条件の変化の上にあります。

あわら市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、あわら市が向き合っている論点が見えてきます。面接で課題を尋ねられたときに引き出せるよう、次の4つを整理しておきましょう。

県内17市町すべてで進む人口減少

令和7年国勢調査の速報によると、福井県の総人口は729,386人。令和2年の766,863人と比べて37,477人・4.89%の減少で、平成12年をピークに5回続けての減少となりました。

減少数・減少率ともにこれまでで最も大きく、県内17市町のすべてで人口が減っています(出典:令和7年国勢調査 人口速報|福井県)。一世帯あたりの人員も2.48人に減り、世帯の小規模化が同時に進んでいます。

高齢化の重み

福井県人口ビジョン(2025年3月改定版)によれば、県の高齢化率は2020年に30.6%と30%を超え、2040年には37.6%、2060年には41.2%まで上昇すると推計されています。人口そのものも2000年の82.9万人をピークに減り続け、2040年に63.9万人、2060年には50.3万人まで減少する見込みです(出典:福井県人口ビジョン|2025年3月改定版)。

すでに35.4%のあわら市は、県が2040年前後に迎える水準に近いところにいます。県の将来推計を読むときは、市にとっては現在の話として受け取るのが実態に合います。

市の直下を通る断層帯と、冬の備え

福井平野東縁断層帯主部は、石川県加賀市沖からあわら市・坂井市・永平寺町を経て福井市まで、概ね南北に延びる長さ約45kmの断層帯です。全体が一つの活動区間として活動する場合、マグニチュード7.6程度の地震が発生する可能性があるとされ、30年以内の地震発生確率はほぼ0%から0.07%と評価されています。

西部(長さ約33km)はマグニチュード7.1程度と推定され、1948年の福井地震の際に活動したと考えられています(出典:福井平野東縁断層帯の長期評価(地震調査研究推進本部))。市の名前が断層帯の説明にそのまま出てくる立地だという点は、防災を語るときに外せません。

加えて福井県は日本海岸気候区に属し、平野部でも大雪となることがあります。冬季の対応も市の日常業務の一部です。

受験者数の動きと人材の確保

あわら市の職員採用試験は、令和6年度が受験者128人に対し採用者22人(うち事務12人)、令和7年度が受験者81人(前期37人・後期44人)に対し採用者18人(うち事務16人)でした(出典:あわら市職員募集案内|令和8年度)。1年で受験者が減り、採用者はほぼ変わっていません。

受験する側から見れば追い風にも見えますが、市の側から見れば人材の確保が難しくなっているということです。市が目指すべき職員像を明文化し、8つの要素まで具体的に示しているのは、この状況と無関係ではないでしょう。

あわら市の重点政策|福井県の人口ビジョンとあわら市

あわら市がどの総合計画に沿って市政を進めているかは、市の公式サイトで最新版を開いて確認するのが確実です。計画は改定も差し替えもあります。

ここでは、その計画が置かれている県全体の枠組みを整理します。

県が現状をどう認識しているか

福井県人口ビジョン(2025年3月改定版)は、県人口が2000年の82.9万人をピークに減少傾向にあること、2004年以降は自然減が続いていること、2022年には出生数が5千人を下回ったことを現状認識として明記しています。社会減はおおむね横ばいで推移しているとされ、老年人口の増加と年少人口・生産年齢人口の減少が課題として示されています。

あわら市に引き寄せると、自然減が続くなかで、社会移動をどう引き寄せるかが市の勝負どころになります。県内で人が動くだけでは県全体の数は変わりませんから、県外との行き来をどう作るかまで含めて考える必要があります。

市の計画を読むときは、定住や交流に関する施策が県のどの認識に応えているかを確かめながら進めてみてください。

県財政という条件

福井県の令和7年度当初予算は、一般会計の規模が5,017億円(対前年度比0.6%減)、特別会計696億円、企業会計486億円で計6,199億円です。財政力指数は単年度(令和5年度)0.41498、令和6年度決算の実質公債費比率は11.6%、将来負担比率は146.6%で、いずれも早期健全化基準を下回っています(参考:福井県の財政健全化判断比率|令和6年度決算)。

基準はクリアしているものの、財政力指数が0.4程度という水準は、自前の税収だけでは事業を賄えない構造を表しています。市の予算も同じ制約の下にあります。

POINT|職員像の8項目は、暗記より接続

あわら市は目指すべき職員像として8つの要素を挙げています。全部を覚えて並べても評価にはつながりません。自分の経験に一番近い項目を1つか2つ選び、「①その力を使った場面 → ②何を変えたか → ③市の仕事のどこで生かせるか」の順で話せる形にしておきましょう。

悪い例「私はコミュニケーション能力と政策形成能力を持っています」

改善例「アルバイト先で常連のお客様から不満を聞いて、店長に伝えて並べ方を変えてもらったことがあります。市役所でも、市民の方の声を聞いて実際の運用を変えていく仕事に関わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

面接までに全部を読み切る必要はありません。市の実施要綱だけは通しで目を通し、残りは自分の志望に触れる部分を拾ってください。

  • あわら市職員採用候補者試験の実施要綱(前期・後期のうち自分が受ける回のもの)と職員募集案内
  • あわら市の総合計画と、最新年度の予算に関する市の説明資料
  • 福井県人口ビジョン(県全体の人口の見通しと課題の整理)
  • 福井県観光客入込数の統計(観光や産業の分野を志望する場合)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、あわら市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。あわら市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

あわら市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

あわら市役所の面接の概要

ここからは、あわら市の選考がどう進み、市が公表している職員像が面接でどう使われるのかを、実施要綱と当研究会の読みを分けながら整理していきます。

あわら市役所の試験の構成

あわら市は職員採用候補者試験を前期・後期の年2回実施しており、いずれも2段階です。注目すべきは第2次試験で、実施要綱は面接カードを基礎資料とし、個別面接と集団討論の両方で人物を見ると明記しています。

項目内容(令和8年度後期・事務A(大学卒)ほか)
試験の段階第1次試験・第2次試験の2段階(前期・後期の年2回実施)
第1次試験事務A(大学卒)・事務B(高卒・短大卒)は職務適応性検査、職務能力試験及び論文試験。事務C(社会人)・土木・司書は職務適応性検査及び職務能力試験のみで、論文試験は課されません
職務能力試験論理的に思考する力、文章を正確に理解する力、統計等の資料を分析する力、国内外の社会情勢への理解等を確認する択一式の筆記試験。要綱は「特別な公務員試験対策等は不要です」と明記しています
職務適応性検査公的部門の職員としての職務への適応性を、性格傾向の面から判断するために行われます
論文試験市政の課題に対する理解度、思考力及び文章による表現力等を見る記述式の筆記試験
第2次試験口述試験。第1次試験合格者が提出する面接カードを基礎資料とし、人物・識見・意欲等をみるために個別面接及び集団討論により行われます
人物試験の配点実施要綱に記載がなく非公表です
面接カード提出が要綱に明記されています。様式や記載項目は公表されておらず、第1次試験の合格者に対して提出を求める運用です
申込方法原則として福井県電子申請サービスを利用したインターネット申込。受験票は黒色・A4横サイズで印刷し、本人写真を貼付して当日持参します
初任給大学卒232,000円・短大卒213,100円・高校卒200,300円(令和8年4月1日現在)

この構成から準備の方針が定まります。第1次試験は特別な公務員試験対策を求めない設計で、判断の重心は論文と第2次試験にあります。

しかも第2次では個別面接と集団討論の両方が課されます。一人で語る場面と、他の受験者と議論する場面の両方で同じ人物だと伝わるかが問われるということです。

募集区分も年2回で変わり、令和8年度後期は事務A・事務B・事務C・土木・司書の5区分、前期の採用予定は事務(大学卒)14人ほかとなっていました(参考:あわら市職員採用試験情報|令和8年度)。

上記はあわら市の令和8年度後期の職員採用候補者試験実施要綱にもとづく内容です。試験の構成・科目・募集区分は、実施回や年度によって変わる可能性があります。受験の際は必ずご自身が受ける回と区分の最新の要綱をご確認ください(出典:あわら市職員採用候補者試験実施要綱|令和8年度後期)。

あわら市役所が求める人物像

あわら市は目指すべき職員像を明文化しています。「ふるさと「あわら市」を愛し、夢と志をもって、チャレンジする職員」という一文がそれです。

ここを起点に準備を組み立ててください。

市はさらに、この職員像を構成する要素として8項目を挙げています。《使命感、倫理観、人権感覚》《コスト・スピード意識》《職務遂行能力》《交渉・折衝能力(コミュニケーション能力)》《政策形成能力》《危機管理能力》《組織管理能力》《行政経営能力》の8つです。

このうち先頭に置かれた《使命感、倫理観、人権感覚》については、「全体の奉仕者としての使命感、高い倫理観、個人の人権の尊重」「郷土愛や夢、高い志をもって、チャレンジする意識」と定義が示されています。

読み取れることははっきりしています。市が最初に置いたのは能力ではなく、姿勢です。

「ふるさとを愛し」という言葉と、定義に出てくる「郷土愛」という言葉が呼応しており、市がこの地域で働き続ける意思を見ようとしていることが伝わります。あわら市の出身でなくても不利になるわけではありませんが、なぜこの市なのかという問いには、地名を入れ替えても成り立つ答えでは足りません。

8項目の並び順から先は、当研究会の解釈です。市が順序の理由を説明しているわけではないことを断ったうえで、あわら市の採用の規模に照らして読み方を示します。

令和7年度に採用されたのは18人、うち事務は16人でした。毎年この人数ずつ入れ替わっていく組織で、8つの能力を職員ごとに分担して持つのは現実的ではありません。

一人が場面に応じて使い分ける形になります。したがって、《職務遂行能力》や《政策形成能力》は、専門職としての深さよりも、担当をまたいで仕事を回す幅として問われる可能性が高いといえます。

集団討論が置かれているのも、立場の違う相手と話を前に進める場面が日常業務に多いことと無縁ではないでしょう。

準備としては、8項目を暗記しないことが肝心です。市が挙げた要素のうち、自分の経験で裏づけられるものを1つか2つ選び、そのときの状況と自分の行動を思い出す。

市の言葉に自分を合わせるのではなく、自分の実際の行動が市の言葉のどこに触れているかを探す順序で進めてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。あわら市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までの道は分かりましたか準備していない問いへの受け答え。表情と声の出方
② 動機・志望あわら市を志望した理由を教えてください地名を入れ替えても成り立つ理由になっていないか
③ 自己理解ご自身の短所を教えてください弱みを認めたうえで、どう向き合ってきたかまで語れるか
④ 経験・行動意見が分かれた場面で、どう動きましたか集団討論とも重なる観点。合意に向けた振る舞いの中身
⑤ 学業・経歴これまで学んできたことを教えてください専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力
⑥ 適性・将来入庁後に取り組みたい仕事はありますか市の業務への理解の深さと、配属への構え
⑦ 公共性・社会性気になっているニュースはありますか社会への関心と、意見を短くまとめる力

ただし、この表の範囲は他の受験者もひととおり準備してきます。差がつくのは、あわら市を調べていなければ答えられない質問のほうです。

合否を分けるのは「あわら市役所ならでは」の質問

「なぜ福井県庁ではなく、あわら市役所なのですか」
「あわら市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「あわら市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたいあわら市の事実答え方のヒント
市が掲げる職員像「ふるさと「あわら市」を愛し、夢と志をもって、チャレンジする職員」。構成要素として8項目を掲げ、先頭は《使命感、倫理観、人権感覚》職員像を引用して終わらせず、8項目のうち自分の経験で裏づけられるものを一つ選び、そのときの行動を具体的に述べます
観光と宿泊県の観光統計では、令和7年のあわら温泉の入込は658千人。県全体では日帰り客が増える一方、宿泊客は前年比6.4%減来訪者の数を挙げるだけでなく、泊まってもらう理由をどう作るかという市の課題として話を進めます
県境と海に面した位置福井県の最北端で、南は坂井市、北東は石川県加賀市に接し、北西は日本海に面する地理の説明で止めず、生活圏や観光の動線が県境をまたぐ前提で、広域の連携が必要な仕事を一つ挙げます
高齢化の水準65歳以上35.4%・75歳以上20.2%で、福井県全体の31.5%・18.3%を上回り、県内9市で3番目に高い(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)県が2040年に高齢化率37.6%と推計されていることと並べ、市が県より先に直面している課題だという整理で語ります
防災福井平野東縁断層帯主部は石川県加賀市沖からあわら市・坂井市などを経て福井市まで延びる長さ約45kmの断層帯で、マグニチュード7.6程度の地震が想定される断層帯の説明に市の名前が出てくることに触れ、自助と共助で自分にできることを一つ添えて話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

市が掲げる職員像に照らして、その姿勢が過去の行動として実在するかどうかが確かめられます。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
使命感、倫理観、人権感覚立場の弱い相手にどう関わったか。ルールと事情の間でどう判断したか市の職員像は「ふるさとを愛し、夢と志をもって、チャレンジする」です。郷土愛を言葉で示すより、地域の行事や活動に関わった具体的な場面を用意しましょう
交渉・折衝能力(コミュニケーション能力)意見が食い違う相手と、どう話を前に進めたか第2次試験には集団討論があります。討論の練習と面接の準備を別物にせず、同じ経験を両方で話せる形にしておくと効率的です
職務遂行能力と政策形成能力課題を自分で見つけ、形にしたことがあるかあわら市の第1次試験には市政の課題を扱う論文があります。論文で書いた問題意識を、面接でもそのまま話せるように整理しておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。面接カードが基礎資料として使われる以上、掘り下げの出発点はあなたが書いた内容になります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 前期と後期のどちらを受けるかを決め、その回の実施要綱を最後まで読む(区分によって論文試験の有無が違います)
  2. 市が掲げる職員像の8項目を読み、自分の経験で裏づけられるものに印をつける
  3. 市政の課題をテーマにした論文を1本書く。書いた問題意識は面接でも使えるように控えておく
  4. 集団討論の練習をする。結論を出すことより、他の人の意見をどう受けて話をつなぐかを意識して振り返る
  5. あわら温泉の入込と高齢化の水準のうち、志望に近い材料を選び、資料を伏せて説明してみる
  6. 面接カードに書く内容を先に固め、そこから掘られる質問への答えを書き足していく

優先順位に注意

ステップ5〜6の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の職員像との突き合わせと、自分の経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、あわら市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

あわら市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

あわら市役所の想定問答集を見る

さいごに

あわら市は、目指すべき職員像を一文で示し、その中身を8つの要素まで開いて公表しています。受験する側にとっては、何を見られるのかが最初から示されているということです。

そのうえで第2次試験には個別面接と集団討論の両方が置かれ、面接カードが掘り下げの起点になります。福井県の最北端で、県平均より進んだ高齢化を抱え、温泉地と日本海を持つ市。

この土地で長く働くという意思を、自分のどの経験で示すのか。そこまで言葉にできたときが、準備の終わりです。