高松市消防局を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(局の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

高松市消防局の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ高松市消防局なのか」「設置団体と受託によって管轄が広がる仕組みをどう理解しているか」といった、組織の成り立ちそのものへの理解を前提とする質問が想定されます。

高松市を設置団体としながら綾川町・三木町から消防事務を受託して管轄を広げていることや、集団面接と個別面接の2段階で人物を確かめる試験構成を知っておくことで、一般論に終わらない受け答えがしやすくなります。

ここでの整理を出発点に、高松市消防局で働くイメージを自分の言葉にしていきましょう。

第1部|組織研究編

高松市消防局の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは高松市消防局の全体像を把握しておきましょう(時間のない方はここだけでもチェック)。

  • 高松市消防局は、高松市を設置団体とし、綾川町・香川県木田郡三木町から消防業務の事務を受託することで管轄を1市2町に広げている消防局である。一部事務組合・広域連合という形はとられていない。
  • 三木消防署は三木町より消防業務を受託し、旧讃岐地区広域消防署から業務を引き継いで予防・防災・救急・救助を担っている。綾川分署は昭和57年10月1日に開署し、昭和48年からの救急業務委託を経て消防業務の事務受託に至った。
  • 局には4課が置かれ、管内には5消防署・4分署・4出張所・1救急ステーションが配置される。
  • 消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)は514人(うち女性12人・令和7年4月1日現在)が在籍する。
  • 令和6年中の出動は火災183件・救急27,345件・救助183件で、救急が出動全体の大部分を占めている。
  • 消防職の採用試験は、高松市職員採用試験の「消防」「消防(救急救命士)」「消防(短大・高校)」の3区分として高松市人事課が単独で実施する。綾川町・三木町側で独自に消防吏員を募集する仕組みは確認されていない。

高松市消防局の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値を大量に暗記する必要はありませんが、高松市消防局のおおよそのスケール感を知っておくことは大切です。

下の表には、高松市消防局の体制がどれほどの規模なのかが分かるよう、管内人口・職員体制・出動件数を集めました。

項目内容
管内人口約46万5千人(高松市・綾川町・三木町の合算、令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口)
高齢化率高松市28.9%・綾川町36.7%・三木町33.3%(いずれも同時点)
組織体制局4課・5消防署・4分署・4出張所・1救急ステーション
消防吏員数514人(うち女性12人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数183件(令和6年中)
救急出動件数27,345件(令和6年中)
救助出動件数183件(令和6年中)

管内人口・高齢化率は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の高松市・綾川町・三木町の合算・団体別、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する消防本部別データ(下記出典参照)によります。吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中の集計で、基準となる時点が異なります。同一時点のデータとして比較しないようご注意ください。(出典:総務省消防庁が公表する消防本部データ|令和7年4月1日現在)

数字から考えられる高松消防の課題

最初に押さえたいのが、火災183件に対して救急が27,345件という開きです。

件数の差は140倍を超えており、消防の仕事の大部分を救急対応が占めている実態が数字に表れています。管内人口が約46万5千人にのぼる局だからこそ、この救急需要にどう向き合うかが日々の業務の中心になっています。

「高松市消防局では、令和6年中の救急出動が2万7千件を超えていると聞きました。火災の140倍以上という数字を見ると、消防の仕事のうち救急にあたる時間が大きな割合を占めているのではと感じています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 高松市消防局の管轄は、設置団体である高松市に、受託先である綾川町・三木町(香川県木田郡三木町)を加えた1市2町である。三木消防署の管轄面積は75.78平方キロメートルで、地形は南北に長く徳島県境にまで及ぶ。
  • 高松市は水源の約56%を吉野川(早明浦ダム)から導水した香川用水に依存しており、年間降水量の平年値は1,150.1mmと四国の県庁所在地平均(約1,897mm)を大きく下回る。
  • 香川県はため池密度6.5か所/平方キロメートルで全国第1位、県内総数は12,269か所(令和3年4月現在)、決壊時に人的被害のおそれがある防災重点農業用ため池は3,099か所にのぼる。
  • 三木消防署には指令車・消防車両・資機材搬送車・救急車が配置され、職員27人で管轄区域をカバーしている。

つまり高松市消防局は、1市2町にまたがる広い管轄と、少雨・ため池という水にまつわる地域特性の両方に向き合う局だと整理できます。(出典:三木消防署|高松市消防局/高松市の水問題|高松市/防災重点農業用ため池|香川県)

南海トラフ巨大地震等のリスク(令和7年公表の新想定)

香川県は令和7年9月2日、地震・津波被害想定を新しい数値に更新しました。南海トラフ最大クラスの地震(L2・冬深夜)における高松市分の想定では、死者は建物倒壊310人・津波1,100人・災害関連死450〜900人、揺れによる全壊は5,400棟にのぼるとされています。

このうち津波による死者1,100人は県内の市町で最も多い想定です。あわせて、中央構造線断層帯地震では高松市の揺れによる全壊が3,700棟と県内で最大の想定となっており、長尾断層帯地震でも揺れによる全壊1,200棟・建物倒壊による死者70人が見込まれています。(出典:香川県地震・津波被害想定|令和7年9月2日公表)

主な消防課題

1市2町という管轄の姿と出動の数字を並べると、高松市消防局がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で課題を問われたときに取り出せるよう、次の4点にまとめました。

救急需要の増加

全国でも救急の出動は増え続けています。令和6年中の救急自動車の出動は771万8,380件と過去に例のない件数に達しました。搬送人員に占める65歳以上の割合は63.3%です(いずれも令和6年中の確定値)。

高松市消防局の令和6年中の救急出動27,345件もこの流れの中にあり、設置団体である高松市の高齢化率は28.9%(令和8年1月1日現在)で、全国の高齢化率が近年おおむね29%から30%で推移していることを踏まえると、全国並みの水準です。一方、受託先の綾川町は36.7%・三木町は33.3%(同時点)と、いずれも高松市を大きく上回っています。

1市2町あわせて約46万5千人という管内を持つ局として、救急需要への対応は今後も業務量の中心であり続けると考えられます。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

大規模災害への備え

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に登録されており、高松市消防局もその一つとして広域応援の任にあたります。

中央構造線断層帯地震では、高松市の揺れによる全壊が3,700棟と県内で最も多く見込まれています。県庁所在地を含む1市2町を管轄する局として、応援を送る側としてだけでなく、受け入れる側としてどう動くのかまで整理しておくと、災害対応の答えに厚みが出ます。

受託による広域管轄の維持

高松市消防局は、綾川町・三木町との間で消防業務の事務受託に関する規約を締結しています。綾川町との規約に基づく付属協定書では、綾川町の消防団が火災等災害時に現場活動を行う場合は高松市消防局長及び消防署長の所轄のもとに行動すると定められています。

さらに規約・付属協定書に基づく覚書では、委託に伴う消防職員の任用は高松市が行い、その配置人員は25人以内とされています。1つの消防局が設置団体と受託先の双方の消防力を一体的に運用する仕組みは、面接で組織の成り立ちを問われたときの重要な手がかりになります。(出典:消防事務委託に関する覚書|綾川町)

付属協定書はさらに、綾川町長が消防団の現有勢力を変更しようとするときは高松市長にあらかじめ協議すること、委託事務にかかる消防力の整備は両首長が協議して定める委託消防整備計画に基づいて行うことも定めています。

1つの局のなかに、直接雇用する職員と、受託関係のもとで運用する部隊の両方が組み込まれているという構造を理解しておくと、管轄の広がりを説明するときの説得力が増します。(出典:消防業務の事務委託に関する付属協定書|綾川町)

人材確保と女性消防吏員の活躍

高松市消防局の消防吏員514人のうち女性は12人で、割合は約2.3%です。全国では消防吏員168,230人のうち女性は6,386人・約3.8%にとどまり(令和7年4月1日現在)、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げていますが、達成には全国的にまだ距離があります。

高松市消防局の水準はその全国平均をさらに下回るため、多様な人材をどう確保していくかは継続的なテーマだといえます。(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁)

重点方針|高松市職員人財育成ビジョンと消防

高松市消防局として独自に公表されている運営方針や基本計画は、2026年9月時点では見当たりません。ここでは、高松市が全職員向けに掲げる人財育成ビジョンと、採用試験の設計から局の方向性を読み解いていきます。

「高松市職員人財育成ビジョン」(令和7年3月改定)は、「求められる職員像」として7項目を掲げています。

高松への愛着心を持っていること、健康であること、コミュニケーション能力を持っていること、これまでの経験を活かし職務を全うすること、コンプライアンス意識を持ち公務員としての素養を兼ね備えていること、デジタルリテラシーを身に付けること、組織の一員であるという自覚を持つことの7つで、消防職を含む高松市職員全体に共通する指針です。(出典:高松市職員人財育成ビジョン|令和7年3月改定)

採用試験の設計にも、高松市消防局らしい特徴があります。人物試験を第2次の「集団面接等」と第3次の「個別面接」に分け、段階を追って人物を確かめる構成です。

令和8年度は消防1人程度の募集に21人(単純に割れば21倍)、消防(救急救命士)2人程度の募集に18人(9.0倍)の応募があり、限られた採用枠のなかで丁寧な選考が行われていることがうかがえます。受験申込みがインターネット限定で行われ、顔写真の登録や成績開示請求の仕組みも整えられている点も、選考の透明性を意識した設計だと読み取ることができます。

POINT|制度を覚えるより、なぜその設計かを説明できるように

独自の消防局向け方針が見当たらない分、「なぜ集団面接と個別面接の2段階なのか」「なぜ高松市消防局なのか」については、自分なりの理由づけを組み立てておく必要があります。受託先を含む1市2町を1つの局で守る組織の実情に接続して説明できると、評価につながります。

悪い例「体力に自信があるので、高松市消防局を志望します」

改善例「サークル活動で複数の団体をまとめる役割を担い、立場の異なるメンバーの意見を調整してきました。高松市消防局が設置団体の高松市に加えて近くの町の消防も1つの組織で守っていると知り、幅広い地域を視野に入れて動く力を活かせる職場だと感じています」

あわせて確認したい公式資料

高松市職員人財育成ビジョンの全文と、消防区分を含む高松市職員採用試験の受験案内をあわせて読むと、求められる姿勢や選考の設計を具体的にイメージしやすくなります。

  • 高松市職員人財育成ビジョン(求められる職員像7項目)
  • 高松市職員採用試験(消防・消防(救急救命士)・消防(短大・高校))の受験案内
  • 総務省消防庁が公表する高松市消防局の吏員数・出動件数データ

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、高松市消防局専用の面接想定問答集をご用意しています。高松市消防局の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

高松市消防局の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

高松市消防局の面接の概要

ここからは、高松市消防局の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

高松市消防局の面接の流れ

消防職の採用試験は、高松市職員採用試験の「消防」「消防(救急救命士)」「消防(短大・高校)」の3区分で、第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階制です。

第1次試験は教養試験70点(2時間)・適性検査30点(50分)で択一選択式、第2次試験は「集団面接等」の口述試験と体力測定、第3次試験は「個別面接」の口述試験と身体検査という構成で、人物試験は集団から個別へと2段階で行われます。(出典:高松市職員採用試験受験案内|令和8年度)

項目内容(令和8年度)
募集区分消防・消防(救急救命士)・消防(短大・高校)の3区分
試験の段階3段階。第1次=教養試験70点・適性検査30点、第2次=集団面接等・体力測定、第3次=個別面接・身体検査
面接の種類第2次の集団面接等、第3次の個別面接。人物試験は集団→個別の2段階で構成される
面接以外の検査体力測定(第2次)、身体検査(第3次・医療機関で受検し市所定の身体検査書を提出)
配点第1次のみ公表(教養試験70点・適性検査30点)。第2次・第3次の配点は公表されていません
申込方法インターネット(高松市職員採用システム)のみ。郵送・持参は不可、顔写真の登録が必要

注目してほしいのは、人物試験が集団面接等と個別面接の2段階に分かれている点です。

第2次で集団の中での立ち位置を、第3次で一人ひとりの深掘りを確かめる構成になっており、令和8年度は消防1人程度の募集に21人(単純に割れば21倍)、消防(救急救命士)2人程度の募集に18人(9.0倍)が応募しました。段階を追うごとに人物をより丁寧に見極めようとする設計だといえます。

初任給(令和8年5月現在)は消防が大学卒255,632円、消防(救急救命士)は大学卒255,632円・短大卒244,400円・高校卒228,176円と、区分・学歴によって金額が示されています。

あわせて押さえておきたいのが、区分によって実施時期が分かれている点です。消防(短大・高校)は、消防・消防(救急救命士)とは別の時期に申込みから第二次試験までの流れが進みます。自分が受験する区分がどちらの流れに属するのかを、早い段階で確認しておきましょう。

上記の試験構成は、高松市が公表した令和8年度職員採用試験受験案内にもとづくものです。試験の構成・区分・配点等は年度や実施回によって異なる可能性があります。次回以降の消防区分の募集の有無・内容は、必ず最新の受験案内でご確認ください。

高松市消防局が求める人材

高松市消防局については、消防職向けに「求める人物像」を明文で公表した資料が2026年9月時点で見当たりません(当研究会調べ)。そのかわりに手がかりになるのが、前章で見た高松市職員人財育成ビジョンの7項目と、局の組織構成そのものです。

局に4課を置き、管内に5消防署・4分署・4出張所・1救急ステーションを配する組織で、出動件数では救急が業務量の大半を占めています。現場活動への適性と、予防をはじめとする行政的な業務への適性の両方が問われる環境だといえます。

5消防署・4分署・4出張所・1救急ステーションという多くの拠点を持つ組織では、防火・救急啓発などの場面で市民と直接接する機会も少なくありません。増え続ける救急需要という構造課題への理解と、市民と丁寧に向き合う姿勢の両方を、自分の経験に照らして語れるようにしておきましょう。

三木消防署や綾川分署のように受託関係のもとで運用される拠点で働く可能性もあるため、配属先を問わず地域の事情に合わせて動く柔軟性も評価されやすいポイントです。想定される人物像に自分を寄せていくのではなく、これまでの経験のどこが1市2町を守るこの組織と噛み合うのかを見きわめて、そこから語り始めることを考えてみてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。高松市消防局の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク最近気になったニュースはありますか?緊張をほぐす何気ない話題に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ高松市消防局を志望するのですか?消防官という仕事と高松という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動の事実。壁にぶつかったときの対処が現場の仕事に通じるか
⑤ 学業・経歴今の進路を選んだ理由を教えてください進路選択の筋道。自分の決断を順序立てて説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7カテゴリーの見取り図は準備の出発点にすぎません。高松市消防局ならではの選考を突破するには、この局固有の事情を踏まえた質問への備えが欠かせません。

合否を分けるのは高松市消防局に固有の質問

「なぜ警察官や自衛官ではなく、消防官なのですか?」
「高松市消防局が近隣の町の消防業務を受託している仕組みについて、どう理解していますか?」

高松市消防局は綾川町と三木町の消防事務を受託し、1市2町を管轄しています。この受託関係の仕組みを押さえずに志望理由を組み立てると、答えは平板なものになります。面接で使いやすい「高松市消防局の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい高松市消防局の事実答え方のヒント
救急需要の増加令和6年中の救急出動は27,345件で、火災183件の140倍以上(詳細は第1部2章)数の大きさに触れるだけでなく、中核市規模の管内だからこその需要だと結び付けて話す
受託による管轄の広がり設置団体は高松市、受託先は綾川町・三木町(香川県木田郡三木町)で、管轄は1市2町(詳細は第1部1章)設置団体と受託先を正確に区別して理解していることを、落ち着いて伝える
消防団との連携綾川町の消防団は火災等災害時に高松市消防局長・消防署長の所轄のもとに行動する(詳細は第1部4章)局と地域の消防団が一体で動く仕組みを、自分の言葉で説明できるようにする
選考の設計人物試験は第2次の集団面接等と第3次の個別面接の2段階(詳細は第2部1章)集団と個別それぞれの場面で、自分がどう見られたいかを整理しておく
求められる職員像高松市職員人財育成ビジョンが「高松への愛着心」など7項目を掲げる(詳細は第1部5章)自分と高松の土地とのつながりを、具体的なエピソードで語れるようにする

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

高松市消防局の職員採用試験は、第1次試験の配点は公表されていますが、第2次試験以降の配点は公表されていません。試験の段階構成そのものから、評価の観点を整理しました。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
集団の中での立ち回り第2次試験の集団面接等で、他の受験者の発言を聞きながら自分の考えを述べられるか結論を急ぐより、他の受験者の発言を受けて発言できる練習を重ねる
一貫した人物像第2次試験と第3次試験の個別面接とで、語る内容に矛盾がないか各段階で話した内容をメモに残し、後の面接でも同じ軸で語れるようにしておく
体力・身体面の適性体力測定と身体検査で、現場活動に必要な基礎的な適性が備わっているか細目が非公表でも準備は止めず、消防職で一般的な体力試験の水準を目安に鍛えておく

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。高松市消防局のように集団面接から個別面接へと段階が進む試験ではなおさら、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 消防・消防(救急救命士)・消防(短大・高校)を含む高松市職員採用試験の実施状況を確認し、自分が該当する区分をチェックする
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、集団の中で自分の考えを発言した具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 集団面接等を意識した模擬面接と個別面接を意識した模擬面接の両方を重ね、それぞれの場面での話し方の違いを確認していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で高松市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

インターネット申込みのみで進む高松市消防局の選考では、申込みの段階から顔写真の登録など準備すべき手続きがあります。第1次試験の成績開示を希望する場合は、申込みの段階で専用の請求書をあわせて提出する必要がある点も見落とさないようにしましょう。

書類の準備と並行して、集団面接・個別面接それぞれの場面を意識した練習を、自分の言葉で語れるところまで重ねておく価値があります。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、高松市消防局専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

高松市消防局の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

高松市消防局の想定問答集を見る

さいごに

高松市消防局は、514人の消防吏員で高松市・綾川町・三木町の1市2町を守る消防局です。設置団体である高松市が、綾川町・三木町から消防業務の事務を受託することで管轄を広げており、令和6年中の救急出動は27,345件と火災の140倍を超えています。

採用試験は3段階制で、第2次の集団面接等と第3次の個別面接という2段階の人物試験が置かれています。南海トラフ巨大地震では津波による死者が県内で最も多く、中央構造線断層帯地震では揺れによる全壊が県内最大と見込まれる高松市を拠点に、受託先の綾川町・木田郡三木町まで含めて守る組織であることを、面接では自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

1市2町の暮らしを守る仕事を志す一歩を、当研究会も応援しています。