本記事では、鯖江市職員採用候補者試験の面接対策で必要な、鯖江市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

鯖江市役所の面接試験では、「なぜ鯖江市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。産地としての顔がはっきりしている市だからこそ、その一語で止まらない話ができるかどうかが分かれ目になります。

この記事で扱うのは、市と県の公表資料からたどれる事実です。そこに自分の経験を重ねながら、回答の材料を集めていってください。

第1部|自治体研究編

鯖江市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは鯖江市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 市域は84.59km²と小さくまとまっており、人口68,005人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、人口密度は804人/km²。
  • 接しているのは福井市と越前市、および今立郡池田町・丹生郡越前町の4市町。
  • 福井県は、眼鏡枠製造(鯖江市中心)が全国生産の90%を占めると紹介している。
  • 市役所は鯖江市西山町13番1号。職員採用を担当する職員課職員グループは市役所新館3階にある。
  • 市の花はつつじ、市の木はさくら。
  • 65歳以上の割合は27.7%(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)で、福井県全体の31.5%を下回る。
  • 令和8年度の職員採用は先行枠から通年募集まで、複数の枠組みと日程に分けて実施されている。
  • 受験案内の実体は、市が案内する採用特設サイトに集約されており、市公式サイトの記事は実施の告知が中心。

鯖江市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「鯖江市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

鯖江市の場合、最初に頭に入れておきたいのは「狭い市域に人口が集まっている」という形です。面積・人口・年齢構成を、県全体の値と並べて確かめておきましょう。

項目内容
総人口68,005人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積84.59km²
人口密度804人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
65歳以上の割合27.7%(福井県全体は31.5%)
75歳以上の割合16.3%(福井県全体は18.3%)
隣接自治体福井市・越前市・今立郡池田町・丹生郡越前町
市役所所在地鯖江市西山町13番1号
市の花・市の木つつじ・さくら
(参考)福井県の推計人口724,385人(令和8年6月1日現在)
(参考)福井県の総面積4,191km²(全国第34位)

65歳以上・75歳以上の割合は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」の令和8年1月1日現在の値です。この統計における鯖江市の総人口は68,005人、福井県全体は739,412人で、割合の分母にもこれらを用いています。表に併記した県の推計人口は令和7年国勢調査の速報値を反映して算出されたもので、住民基本台帳とは調査の基準が異なるため、両者を直接比べることはできません。総面積・隣接自治体・市役所所在地は公表値をもとに整理した値です。

数字から考えられる市政課題

84.59km²という市域は、福井県の総面積4,191km²の2%あまりにすぎません。そこに約6万8千人が住み、人口密度は804人/km²になります。

市役所から市域の端までが遠くないということは、窓口も学校も消防も、比較的短い距離で回せるということです。一方で、住宅と工場と農地が近い距離で隣り合うため、土地の使い方や道路、環境をめぐる調整は市政の日常業務になります(参考:福井県の地勢と気候|気象庁)。

年齢構成では、令和8年1月1日現在の住民基本台帳で65歳以上が27.7%、75歳以上が16.3%。いずれも福井県全体(31.5%・18.3%)を下回ります(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。

とはいえ市民の4人に1人以上はすでに65歳以上で、県全体より3.8ポイント低いという差は、いま手を打てる時間が残されているという意味でしかありません。働く世代が比較的厚いうちに、介護も交通も担い手の確保も準備できるか。

数字はそういう問いとして読むのが実務的です。たとえば面接では、次のように言い換えられます。

「鯖江市は市民の4人に1人以上が65歳以上ですが、この割合は県全体より低いと知りました。まだ余裕があるということではなく、働く世代が多いうちに介護や移動の仕組みを整えておける時期なのではと感じています」

鯖江市の経済・産業

眼鏡枠の産地という前提

福井県は、県の産業を紹介するページで、伝統的な産業である眼鏡枠製造(鯖江市中心)が全国生産の90%を占めると説明しています(出典:福井県の産業|福井県)。ここで押さえておきたいのは、この90%という数字が県の産業紹介として示された値であり、鯖江市単独の統計として公表されているものではない、という点です。

面接で使うなら「福井県は眼鏡枠の産地として全国生産の大半を占め、その中心が鯖江市だと県自身が説明している」という言い方が正確です。

産地であることは、市役所の仕事に具体的な形で返ってきます。事業者の多くが同じ業種に連なっているため、景気や為替の動きが市内の雇用にまとめて効きます。

技術を継ぐ人をどう確保するか、若い人が地元で働く選択肢をどう増やすか、産地の名前をどう国内外に届けるか。産業振興の担当でなくても、税や福祉、教育の窓口から見える景色に産地の事情が混じります。

県全体の産業という背景

  • 県の主な産業は、合成繊維を中心とする繊維工業(総合産地を形成)である。
  • 半導体や精密部品などの電気機械、繊維機械や工作機械などの一般機械が続く。
  • 界面活性剤や医薬品などの化学工業も主要産業に数えられる。
  • 県内には15基の原子力発電所があり、全国の原子力発電量の25%強を賄っている。(出典:福井県の産業|福井県)

つまり、「精密なものづくりが幾重にも重なって県経済を支えている」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。令和3年経済センサス活動調査(速報)でも、産業大分類別の売上金額は製造業の2兆2347億円が最大で、卸売業・小売業2兆2065億円、医療・福祉7761億円が続きました(出典:令和3年経済センサス活動調査(福井県分・速報)|令和2年実績)。

眼鏡の産地はこの厚みの一部であって、県経済のすべてではありません。志望動機を眼鏡だけで組み立てると、視野の狭さとして受け取られることがあります。

新幹線開業後の観光と人の流れ

2024年3月16日に北陸新幹線の金沢から敦賀までの区間が開業しました(出典:北陸新幹線の開業日|令和6年3月16日)。その後の令和7年、福井県の観光客入込数は日帰り客1,905.8万人と宿泊客238.5万人の合計2,144.3万人となり、数値をたどれる平成元年以来の最高値を記録しました。

観光消費額は前年比31.3%増の1,987億円で、こちらも過去最高です(出典:福井県観光客入込数|令和7年)。ものづくりの現場を訪ねる旅や、産地で買う体験は、この流れの受け皿になり得ます。

観光を語るなら、名所を挙げるのではなく、産地の仕事と来訪者をどうつなぐかという角度で準備すると、鯖江らしい話になります。

鯖江市の主な行政課題

産地であること、市域が狭いこと、人が減っていくこと。この3つが交わるところに鯖江市の課題があります。

面接で問われたときに取り出せるよう、次の4つを整理しておきましょう。

県内で例外なく進む人口減少

令和7年国勢調査の速報値による福井県の総人口は729,386人で、令和2年から37,477人・4.89%の減少でした。減少数・減少率ともに過去最大で、県内17市町のすべてで人口が減っています(出典:令和7年国勢調査(福井県の速報集計)|令和7年10月1日現在)。

一世帯あたりの人員も2.48人まで下がり、世帯数のほうは増えています。人が減っているのに世帯は増える。

この組み合わせは、ごみ収集も見守りも住宅政策も、世帯単位で組み立て直す必要があることを意味します。

一つの産地に強みが集中していること

特定の産業に強みが集まっている地域は、その産業が伸びるときに大きく伸び、傾くときにまとめて傾きます。県が眼鏡枠製造の中心として鯖江市を挙げているという事実は、市の誇りであると同時に、市政のリスク管理の対象でもあります。

産地の技術を次の世代へ渡すこと、既存の技術を別の分野へ広げること、働く場の選択肢を増やすこと。産業政策の話としてだけでなく、若い世代の定住や職業教育とも地続きの課題です。

雪と地震という土地の条件

福井県は冬に日照が少なく降水量が多い日本海岸気候区に属し、平野部でも大雪になることがあります。除雪や通学路の確保、高齢世帯の孤立防止は、毎冬くり返し立ち上がる仕事です。

地震では、石川県加賀市沖からあわら市・坂井市・永平寺町を経て福井市まで延びる福井平野東縁断層帯主部が知られ、全体が一つの区間として動いた場合にはマグニチュード7.6程度の地震が想定されています(参考:福井平野東縁断層帯|地震調査研究推進本部)。住宅と工場が近い距離で並ぶ市域では、災害時に守るものが暮らしと生業の両方になります。

採用の入口が複数あるということ

令和8年度の鯖江市の職員採用は、先行枠、大学等推薦特別選考、カムバック採用の各選考試験に加え、前期試験、後期試験、社会人・通年募集と、複数の枠組みと日程に分かれて実施されています(出典:鯖江市の職員採用情報(一覧)|令和8年度)。受験する側から見れば、機会が一度きりではないということです。

ただし、枠ごとに対象も選考の中身も異なります。どの入口から入るのかを自分で選び、その理由を言葉にできることが、この市を受けるうえでの最初の準備になります。

鯖江市の重点政策|市の計画と福井県の人口の見通し

どの計画がいま動いているものかは年によって入れ替わりますので、鯖江市の公式サイトで最新の版にあたってください。この節で扱うのは、計画そのものではなく、その計画を書かせている前提のほうです。

福井県人口ビジョンが描く見通し

福井県人口ビジョン(2025年3月改定版)は、県の人口が2000年の82.9万人をピークに減り続け、社人研推計では2040年に63.9万人、2060年には50.3万人になると見込んでいます。2004年以降は自然減が続き、2022年には出生数が5千人を下回りました。

高齢化率は2020年に30.6%を超え、2040年に37.6%、2060年に41.2%まで上がる推計です(出典:福井県人口ビジョン|2025年3月改定版)。この見通しを頭に置いて市の予算や事業を眺めると、人を呼び込むための施策と、減ったあとの暮らしを支えるための施策とを見分けられるようになります。

産地の市に固有の論点

人口の見通しは県内共通ですが、そこから生まれる課題の形は市によって違います。鯖江市の場合、働く場の中心に産地があるため、人口減少はそのまま担い手の減少として現れます。

技術者の高齢化、事業の承継、地元で働くという選択肢の細さ。市が移住や創業、子育ての支援に力を入れるとすれば、その先には産地を続けるという目的が置かれているはずです。

志望動機で施策名を挙げるときは、その施策が最終的に何を守ろうとしているのかまで説明できると、理解の深さが伝わります。

POINT|事業名を並べるより、一つを掘る

市の事業を数多く挙げても、面接で問われるのは「あなたはどこに関わりたいのか」です。①興味のある分野を1つに絞る、②その分野で鯖江市に起きている出来事を数字か事実で1つ押さえる、③市がどう手を打っているかを確かめる、④自分の経験のどこが役に立つかを言葉にする。この4段だけで、志望動機は形になります。

悪い例「眼鏡で有名な鯖江市の魅力を、全国に発信する仕事がしたいです」

改善例「最初は窓口で市民の方の暮らしを覚えたいです。そのうえで、産地の技術を継ぐ人が減っていくと聞きましたので、若い方が地元で働く選択肢を増やす仕事に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

下の4点は、受ける枠が決まってから順に当たれば十分です。まず受験案内、そのうえで志望分野に近いものを1つ選ぶ、という進め方をおすすめします。

  • 鯖江市が案内している職員採用試験の受験案内(受ける枠の最新版)
  • 鯖江市の職員採用情報のページ(説明会動画・過去の実施状況を含む)
  • 鯖江市の総合計画と、その年度の予算に関する市の説明資料
  • 福井県人口ビジョン(県の人口がどう減っていくかを数字で確かめるため)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、鯖江市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。鯖江市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

鯖江市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

鯖江市役所の面接の概要

ここからは、鯖江市の採用試験について公表資料からたどれる範囲を整理し、そのうえで面接に向けた考え方を組み立てていきます。

鯖江市役所の採用試験の枠組み

先に断っておくと、面接の形式や配点といった中身は、この記事では扱えません。市公式サイトの記事は実施の告知が中心で、受験案内の実体は市が案内する採用特設サイトに集約されているためです。

ここで整理するのは、市公式サイトから確かめられる枠組みと運用の形です。

項目内容(令和8年度)
募集の枠組み「先行枠」「大学等推薦特別選考」「カムバック採用」の各選考試験に加え、「前期試験」「後期試験」「社会人・通年募集」が実施されている
選考の進み方前期試験・先行枠とも、第1次試験合格者・第2次試験合格者・最終合格者の3回に分けて合格発表が公表された
受験案内の所在市公式サイトの前期・後期試験の記事は実施の告知と案内先の提示が中心で、受験案内の実体は市が案内する採用特設サイトにある
市が公開している情報採用に関する説明会動画の配信ページと、過去の職員採用試験の実施状況のページが常設されている
試験の段階構成合格発表が3回に分かれている運用は確認できるものの、段階ごとの構成表は市公式サイトでは公表されていない
面接の形式・回数市公式サイトの本文では確認できないため、最新の受験案内でご確認ください
配点(人物試験の比重)同上。最新の受験案内でご確認ください
提出書類同上。最新の受験案内でご確認ください
問い合わせ先職員課職員グループ(市役所新館3階)

この表からでも、準備の方向は決められます。合格発表が3回に分かれて公表されているということは、選考が一度の試験で終わらないということです。

筆記の出来だけで結果が決まらない以上、人物を見る場面が複数あると考えて備えておきましょう。そして最初にやるべきことは、自分が受ける枠の受験案内を自分の目で開き、科目・形式・提出書類を確かめることです。

上記は、鯖江市公式サイトの職員採用情報のページおよび令和8年度前期・後期試験の記事にもとづく内容です。面接の形式・回数、試験の段階構成、配点、提出書類、求める人物像は、市公式サイトの本文では確認できませんでした。受験案内は市が案内する採用特設サイトに掲載されています。受験の際は、必ずご自身が受ける枠の最新の受験案内をご確認ください。

鯖江市役所が求める人物像

鯖江市の職員採用情報のページと、令和8年度の前期・後期試験の実施を知らせる記事の本文には、求める人物像を項目立てて示した記載は置かれていませんでした。その代わりに市が用意しているのが、採用に関する説明会動画の配信ページと、過去の職員採用試験の実施状況のページです。

人物像を一文にまとめて掲げるより、職場の様子と実際の選考の記録を見てもらう。そういう情報の出し方だと受け取れます。

まずはこの2つに目を通すことが、市の考え方に近づく最短の道です。

では、この市で働くとはどういうことなのか。ここから先は、市の規模と産業の形をもとにした一般的な整理として読んでください。

人口約6万8千人が市域84.59km²に収まる鯖江市では、制度を担当した職員がそのまま説明役にも調整役にもなります。担当者と現場の間に、誰かが入ってくれるとは限らないということです。

手元の資料に答えが書かれていない場面で、自分の判断で次の一手を置けること。この力の比重は小さくないはずです。

もう一点、産地の市であることが働き方に与える影響も見ておきたいところです。市内の事業者は同じ業種で連なっており、行政との距離も近くなります。

相手は経営者であり、職人であり、同時に市民です。立場の異なる相手に同じ制度を説明し、納得を得ていく場面が日常的に生じます。

産地の市に合わせて言葉を作り直すより、立場の違う相手と話をまとめた経験を一つ持っていくほうが、この選考では効きます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。鯖江市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日は暑かったですね、体調はいかがですか用意していない問いへの反応。表情と声の出方
② 動機・志望公務員という働き方のどこに惹かれましたか待遇以外の理由を自分の経験から言えるか
③ 自己理解自分の弱いところはどこだと思いますか弱みの認識と、それへの手当てまで話せるか
④ 経験・行動意見が食い違った相手と、どう折り合いをつけましたか対立の場面での言葉の選び方と歩み寄り方
⑤ 学業・経歴学んできたことを、市の仕事にどうつなげますか専門を相手に合わせて言い換える力
⑥ 適性・将来市の仕事のうち、想像がつかない分野はありますか正直さと、分からないことへの向き合い方
⑦ 公共性・社会性いま気になっているニュースはありますか関心の持ち方と、それを一言で説明する力

もっとも、この7つは鯖江市に限った話ではありません。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

差がつくのは、次の質問です。

合否を分けるのは「鯖江市役所ならでは」の質問

「なぜ福井県庁ではなく、鯖江市役所なのですか」
「鯖江市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「鯖江市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい鯖江市の事実答え方のヒント
なぜ県庁ではなく市役所か市域84.59km²に約6万8千人。市役所と市民・事業者の距離が近く、制度の説明から現場の調整までを同じ職員が担う市役所と事業所と住まいが同じ生活圏に収まっている、という距離感から話すのが鯖江らしい答えです。相手の顔が見える場所で制度を動かしたい、という筋で組み立てましょう
眼鏡の産地であること福井県は、眼鏡枠製造(鯖江市中心)が全国生産の90%を占めると紹介している産地の名前を挙げて終わりにせず、技術を継ぐ人や販路といった論点まで進めると、観光的な語りから抜け出せます
年齢構成の現在地65歳以上27.7%、75歳以上16.3%で、いずれも県全体(31.5%・18.3%)を下回る(令和8年1月1日現在の住民基本台帳)働く世代の厚みが産地の現場を支えているという事実と結び付け、担い手が細る前に何を仕込むかという話に運びます
採用の入口が複数あること令和8年度は先行枠・大学等推薦特別選考・カムバック採用・前期試験・後期試験・社会人および通年募集と、複数の枠で募集が行われた「なぜこの枠で受けたのか」を問われても答えられるよう、枠を選んだ理由を自分の状況と結び付けて用意しておきます
鯖江市の魅力と課題県内17市町のすべてで人口が減るなか、市域は狭く人口密度は804人/km²と高いまとまった市域という強みと、それでも人が減っていく現実を対にして述べると、褒めるだけの回答になりません

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接の形式が公表されていなくても、確かめられることの中身は大きくは変わりません。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

市の規模と地域の性格から、次の3点は重く見られやすいと考えられます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
知らない領域を引き受ける力知識のない分野の問い合わせを受けた場面で、何を先にしたか産地の事業者からの相談は、担当外の話から始まることもあります。分からないと気づいた時点で誰に当たり、いつまでに返したのかを、順を追って話せるようにしておきましょう
立場の違う相手と話をまとめる力意見が割れた場面で、何を材料に折り合いをつけたか産地の市では、事業者と住民の双方が相手になります。譲った点と譲らなかった点を分けて話せるようにしておきましょう
自分で情報を取りに行く姿勢市について、どこまで自分で調べてきたか鯖江市は説明会動画と過去の実施状況を公開しています。見た人と見ていない人の差がそのまま出ますので、必ず目を通しておきましょう

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。合格発表が複数回に分かれる選考では、同じ経験を別の面接官から角度を変えて問われる場面も想定されます。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、早い段階で用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 自分が応募できる枠(先行枠・大学等推薦特別選考・カムバック採用・前期・後期・社会人および通年募集)を洗い出し、どれで受けるかを決める
  2. 市が案内している受験案内を開き、受ける枠の試験科目・面接の形式・提出書類を自分の目で確かめる(この記事では形式まで踏み込めていません)
  3. 市が公開している採用の説明会動画と、過去の職員採用試験の実施状況に目を通す
  4. 学業・部活動・アルバイトや職場から、人と意見を合わせて何かを進めた場面を1つずつ書き留める
  5. 7カテゴリーの代表質問に一言メモで答えを作り、第1部から鯖江市の事実を2つか3つ選んで30秒で説明できるか試す
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ4の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、鯖江市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

鯖江市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

鯖江市役所の想定問答集を見る

さいごに

鯖江市の受験でまずやるべきことは、自分が受ける枠を決め、その案内を自分の手で開くことです。試験の形式が外からは見えにくいぶん、そこを飛ばした準備は空回りします。

逆に言えば、案内を読み、説明会動画を見て、過去の実施状況を確かめた人は、それだけで一歩前に出ています。全国生産の大半を占める産地を抱え、市域はコンパクト、人口はまだ県平均より若い。

この市で自分は何を続けたいのか。その答えを、借りものではない言葉で持てたときが、準備の折り返し地点です。