本記事では、滝沢市職員採用試験の面接対策で必要な、滝沢市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
滝沢市役所の面接試験では、「なぜ滝沢市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。事務職の第2次試験に用意されている種目は人物試験だけですから、市のことをどれだけ具体的な言葉で語れるかが、そのまま評価の材料になります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と滝沢市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
滝沢市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは滝沢市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 県庁所在地の盛岡市に隣接し、岩手県内14市でもっとも小さい市域に人口が集まっている市である。
- 人口は53,876人、面積は182.46km²、人口密度は295人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
- 県内14市で比べると、人口は6番目、面積は最小、人口密度は盛岡市(312人/km²)に次ぐ2番目という並びになる。
- 隣接するのは盛岡市・八幡平市・雫石町の3市町だけ。市域182.46km²は、隣り合う盛岡市(886.47km²)の5分の1ほどの広さにあたる。
- 市の花はヤマユリ、市の木はベニヤマザクラ。
- 市は「幸せを実感できる地域社会の実現」を掲げ、そのために新たな価値を創造しつづける職員を目指すと、職員採用試験の受験案内に明記している。
- 令和8年度の受験案内は、電子申請による受付と、社会福祉士・学芸員それぞれの資格を持つ人を対象とした事務職の募集を、その年度の試験の特徴として挙げている。
- 岩手県全体では人口減少と高齢化が全国平均を上回るペースで進んでおり、滝沢市もその流れの中にある。
滝沢市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「滝沢市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、人口密度、県内の他市との位置関係など、市の輪郭を説明できる項目を整理しました。市単独の年齢別人口や市内総生産は当研究会では確認できていないため、比較の物差しとして岩手県全体の数値もあわせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 53,876人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 182.46km²(県内14市で最小) |
| 人口密度 | 295人/km²(上記の総人口と総面積から算出。盛岡市の312人/km²に次ぐ県内2番目) |
| 隣接自治体 | 盛岡市・八幡平市・岩手郡雫石町 |
| 市の花/市の木 | ヤマユリ/ベニヤマザクラ |
| 市役所の所在地 | 滝沢市中鵜飼55番地(第2次試験の会場でもあります) |
| (参考)岩手県の総人口 | 1,126,813人(令和7年10月1日現在) |
| (参考)岩手県の面積 | 15,275.04km²(北海道に次ぐ全国2番目) |
| (参考)岩手県の県内総生産 | 4兆8,973億円(令和5年度・名目) |
滝沢市の面積・隣接自治体・市の花・市の木、および県内順位の算出と比較に用いた盛岡市の面積・人口密度は、自治体データベースに収録された岩手県内14市のデータ(2026年5月1日時点)によります。市役所の所在地と第2次試験の会場は、滝沢市が公表した令和8年度A日程の受験案内による記載です。岩手県の総人口・面積・県内総生産は、岩手県公式サイトの公表値によります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
滝沢市の市域182.46km²は、県内14市でもっとも小さい広さです。ところが人口密度は295人/km²で、県庁所在地である盛岡市の312人/km²に迫ります。
県内でいちばん狭い市域に、県内で2番目に高い密度で人が暮らしているのが滝沢市の基本構造です。移動距離の長さに悩む自治体とは、行政サービスの届け方も課題の出方も変わってきます。
ただし、人が集まっているからといって県全体の流れの外にいるわけではありません。岩手県の総人口は1,126,813人(令和7年10月1日現在)、世帯数は535,667世帯で、県は今後も人口減少が続く見通しを示しています(参考:岩手県の人口・経済|令和7年10月1日現在)。
滝沢市の特徴を面接で説明するときは、次のような言い方ができます。
滝沢市の経済・産業
県全体の産業構造からみた位置づけ
滝沢市単独の市内総生産や事業所統計は、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。ここでは、市が属する岩手県全体の産業構造を手がかりに、地域経済の位置づけを整理します。
- 岩手県の県内総生産(名目)は4兆8,973億円、1人当たり県民所得は283万5千円で、全国を100とすると80.5(令和5年度県民経済計算)。
- 生産額の構成比は第1次産業3.0%・第2次産業25.5%・第3次産業70.7%(同年度)。
- 就業者数の構成比は第1次産業8.8%・第2次産業26.0%・第3次産業65.2%(同年度)で、第1次産業の就業者割合は生産額の割合の3倍近い。
言い換えると、県全体では、生み出す金額の割に多くの人手を必要とする一次産業が雇用の一角を担っているということです。
県都に隣り合う滝沢市は、その中でも人が集まって暮らす側に位置します。産業や雇用の話題では、企業誘致だけを語るのではなく、農林業の担い手をどう確保するか、都市部に近い立地をどう生かすかという二つの向きから考えておくと厚みが出ます(出典:岩手県の人口・経済|令和5年度県民経済計算)。
観光という切り口
令和6年の岩手県全体の観光入込客数は26,441,111人回(前年比12.8%増)、観光消費額は1,992億7,300万円(同1.6%増)でした。県内では世界遺産「平泉」の構成資産である中尊寺や毛越寺などが広く知られています(出典:岩手県観光統計概要|令和6年)。
滝沢市単独の観光統計は公表資料からは確認できませんが、県全体で入込客数が1割以上伸びた流れを、県都の隣という立地でどう受け止めるかは考えておく価値があります。
面接で観光や交流人口に触れるなら、名所を挙げて終わりにせず、訪れた人の消費をどう市内の事業者へ広げるか、盛岡を訪れた人にどう足を延ばしてもらうか、といった一段深い視点まで用意しておきましょう。
担い手の先細りという前提
岩手県の15歳以上65歳未満人口は、2015年から2045年までの30年間で43.2%減少する見込みです(全国平均は27.7%減)。県はこの推計を受けて、医療や介護の人材確保が困難になる可能性を課題に挙げています(出典:日本の地域別将来推計人口(岩手県資料)|平成30年推計)。
働き手が減るという前提は、地域の産業だけでなく、市役所が採用できる職員の数にも直結します。滝沢市の令和8年度の採用予定人員が、事務職(一般)で3人(B日程との合計)という規模であることも、この前提とあわせて見ておきましょう。
滝沢市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、滝沢市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。
県全体の人口減少と高齢化
岩手県の人口は、2015年から2045年までの30年間で30.9%減少する見込みです(全国は16.3%減)。65歳以上人口は2025年(令和7年)にピークを迎えて減少に転じる一方で、高齢化率そのものは上昇を続け、県人口は2040年(令和22年)に100万人を下回る見通しとされています。
県は平成20年以降に自然減のウェイトが高まったと分析し、仕事の創出による社会減対策と、社会全体での子育て支援による自然減対策を柱に据えました。
人口が集まっている滝沢市であっても、周辺の市町村が縮小すれば、通勤や通院、買い物の流れは変わります。市の中だけを見て語らないことが、この論点では大事になります。
狭い市域に人が集まるという構造
182.46km²という県内最小の市域に、295人/km²の密度で人が暮らしています。集落が遠く離れている自治体では移動と情報伝達に手間がかかりますが、滝沢市の場合は住宅地に暮らしの需要が重なることが行政運営の前提になります。
子育て、教育、福祉、生活環境といった身近なサービスの量と質が、そのまま市民の実感につながる構造です。受験案内が事務職(一般)の職務内容を「地域づくりなど市民に身近な職務から施策の企画調整まで」と説明しているのも、この構造と重なります。
自然災害への備え
岩手県地震・津波被害想定調査(令和4年9月公表)は、マグニチュード9クラスの地震を想定しています。県全体の死者数が最も多くなるのは日本海溝モデルの冬の夕方18時頃の場合で約7,100人、建物の全壊は最も多い想定で約35,000棟です。
ただし人的被害のほとんどは津波によるもので、揺れによる全壊は日本海溝モデルで約1,700棟と見込まれています(出典:岩手県地震・津波被害想定調査|令和4年)。
内陸の滝沢市は津波の直接的な被害を受けにくい位置にありますが、揺れへの備えと避難所の運営は共通の課題です。人が密に暮らす市では、避難所に集まる人数も短時間で膨らみます。
県全体では東日本大震災津波で死者4,672人・行方不明者1,122人という被害を経験しており、防災は岩手で働く公務員に共通する問いだといえます。
限られた財源での行政運営
滝沢市単独の財政指標は公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。県全体でみると、令和5年度決算の実質公債費比率は12.7%(早期健全化基準25%を下回る)、将来負担比率は201.1%(同400%)、経常収支比率は92.6%で前年度の94.2%から1.6ポイント改善しました。
県債残高は1兆1,620億円です(出典:岩手県の財政状況|令和5年度決算)。
経常収支比率が9割を超える状態は、毎年決まって入る収入の大半が、人件費のように毎年固定的にかかる支出で埋まっていることを意味します。何かを増やすには何かを見直すという判断は、市の現場でも日常的に求められます。
滝沢市の重点政策|「幸せを実感できる地域社会の実現」
滝沢市は、職員採用試験の受験案内の冒頭に置いた「~滝沢市が求める人材~」の欄で、「幸せを実感できる地域社会の実現のため、新たな価値を創造しつづける職員」を目指していると述べています(出典:滝沢市職員採用試験受験案内(A日程)|令和8年度)。
受験生が最初に押さえるべき市の方向性は、この一文です。市の総合計画や分野ごとの個別計画については、市公式サイトの市政情報のページで、志望分野に近いものを選んで確認しておきましょう。
受験案内が示す3つの姿勢
同じ欄で市は、目指す職員像の中身として、自ら学び実践すること、対話し協調すること、誇りを持ち挑戦することができる人材を求めると書いています。
ここは市が自分の言葉で示した基準ですから、志望動機を組み立てるときの出発点としてそのまま使えます。3つのうちどれか一つでも、自分の経験で裏づけられる状態にしておきたいところです。
県全体の政策の枠組み
市の施策を理解する土台として、県の方向性も押さえておくと視野が広がります。
岩手県は「いわて県民計画(2019〜2028)」第2期アクションプランのもと、人口の自然減・社会減対策を主軸に、GXとDXを両翼、安全・安心な地域づくりを基盤として令和7年度当初予算7,329億円を編成しました(出典:岩手県当初予算のポイント|令和7年度)。市が掲げる「幸せを実感できる地域社会」という言葉も、この県全体の構図の上に置いて考えると、輪郭がはっきりします。
POINT|「新たな価値を創造しつづける」を自分の言葉にする
標語を暗記することが自治体研究のゴールではありません。①滝沢市の規模と人口の集まり方を知る→②その中で自分が携わりたい分野を一つ決める→③市がその分野で実際にどんな取り組みをしているかを公式サイトで調べる→④受験案内の3つの姿勢のどれに自分の経験が当てはまるかを言葉にする、という順で準備しましょう。
悪い例「滝沢市の発展に貢献したいです」
改善例「まずは窓口の仕事を一つずつ身につけて、市民の方に顔を覚えてもらえる職員になりたいです。その上で、滝沢市は県内の市でいちばん面積が小さくて、人が近くに集まって暮らしていると知りましたので、子育て世帯や高齢の方の困りごとを早く見つけて動ける仕事に関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 滝沢市職員採用試験の受験案内(最新年度・受験する日程と職種のもの)
- 滝沢市公式サイトの市政情報・広報紙・統計のページ
- いわて県民計画(2019〜2028)と岩手県の当初予算資料(県内での市の位置づけを知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、滝沢市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。滝沢市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
滝沢市役所の面接の概要
ここからは、滝沢市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
滝沢市役所の面接の流れ
令和8年度A日程(令和9年度採用)の受験案内によると、試験は第1次試験と第2次試験の二段階で、第3次試験は置かれていません。
特徴的なのは第2次の中身で、全職種に共通して課される種目は「人物試験」の一つだけです。その内容も「人物の人柄や性格などについて個別面接を行います」と案内されており、集団面接や集団討論の記載はありません(参考:滝沢市職員採用試験のご案内|市公式サイト)。
| 項目 | 内容(令和8年度A日程の受験案内による) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験・第2次試験の二段階(第3次試験の記載はありません) |
| 第1次試験(事務職) | SCOA総合適性検査による基礎能力検査(60分・択一式・高等学校卒業程度)と、パーソナリティ検査(20分)の2種目 |
| 受験の方式 | 事務職の第1次試験はテストセンター方式。全国47都道府県に設置された会場のうち、希望する会場と日時を選んでパソコン画面で受験します |
| 専門試験 | 事務職には記載がありません(課されるのは土木技術職と保健師で、各90分・択一式30題) |
| 論文(作文)試験 | 事務職には記載がありません |
| 第2次試験 | 全職種共通で人物試験のみ。「人物の人柄や性格などについて個別面接を行います」と案内されています |
| 集団形式 | 集団面接・集団討論の記載はありません |
| 配点 | 受験案内に記載がなく、非公表です |
| 提出書類 | 面接カード等の様式についての記載はありません。申込は電子申請による受付です |
| 実施の系統 | A日程とB日程の2系統。両日程の併願と、各日程内での複数職種区分の併願はできません |
| 採用予定人員 | 事務職(一般)3人、事務職(社会福祉士)1人、事務職(学芸員)1人、事務職(障がい者採用)1人、土木技術職2人、保健師1人、学校用務員1人。いずれもB日程との合計人数として案内されています |
| 第2次試験の会場 | 全職種とも滝沢市役所(滝沢市中鵜飼55番地) |
上記は滝沢市が公表した令和8年度A日程(令和9年度採用)の職員採用試験受験案内にもとづく整理です。同市ではA日程とB日程で実施内容が異なり、試験の構成・区分・実施時期は年度や日程によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご確認ください。
受験案内は基礎能力検査の難易度を「高等学校卒業程度」と明記しています。一方で受験できるのは平成6年4月2日から平成21年4月1日までに生まれた人と幅が広く、学歴の要件は設けられていません。
大学で学んだ人も高校を出て働いてきた人も同じ土俵に立つ試験だと考えて準備しましょう。なお、高等学校に在学中の人はA日程には応募できず、後日実施されるB日程での受験になります。
配点は公表されていないため、第1次と第2次の得点がどう扱われるかは分かりません。それでも、事務職に課される種目が基礎能力検査・パーソナリティ検査・人物試験の3つだけであることは、受験案内から読み取れる事実です。
論文も専門試験もない構成では、あなたという人を伝える機会は個別面接に集中します。面接の回数や面接官の人数、所要時間についても受験案内に記載はありませんので、形式の詳細に左右されない準備をしておくのが得策です。
滝沢市役所が求める人材
受験案内が掲げる「自ら学び、実践する」「対話し、協調する」「誇りを持ち、挑戦する」の3つは、そのまま面接の評価軸として読めます。面接対策の言葉に翻訳すると、「自分で学んで動く力」「相手と対話して足並みをそろえる力」「誇りを持って新しいことに踏み出す姿勢」の3つが評価の軸になると考えられます。
自己PRでは「挑戦する意欲があります」と述べるだけでなく、その挑戦で何を試し、相手や周囲がどう変わったのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。滝沢市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 会場までは迷わずに来られましたか | 用意していない一言に、どんな表情と間合いで応じるか |
| ② 動機・志望 | 民間企業ではなく市役所を選んだ理由を教えてください | 民間との比較を自分なりに済ませているか。動機が経験に根を持っているか |
| ③ 自己理解 | 自分の弱いところはどこだと思いますか | 短所を認めたうえで、その付き合い方まで語れるか |
| ④ 経験・行動 | これまででいちばん粘り強く続けたことは何ですか | 続いた期間の長さではなく、その間に何を工夫し続けたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 力を入れて学んだこと、身につけた技能を教えてください | 学びを選んだ理由と、それを市の仕事につなげて考える視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、市役所でどんな仕事をしていたいですか | 市の仕事の広がりをどこまで理解しているか。配属への向き合い方 |
| ⑦ 公共性・社会性 | 岩手県や滝沢市に関わるニュースで、気になったものはありますか | 地域への関心が日常的にあるか。自分の意見を一言で述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは滝沢市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「滝沢市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「滝沢市役所ならでは」の質問
1問目は、滝沢市の受験生にとって特に重い質問です。市は県庁所在地の盛岡市と境を接しており、県庁も同じ生活圏の中にある選択肢だからです。
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「滝沢市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい滝沢市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市の規模と市域の組み合わせ | 人口53,876人は県内14市で6番目、面積182.46km²は最小、人口密度295人/km²は盛岡市の312人/km²に次ぐ2番目(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) | 人口の多い少ないではなく、県内でいちばんコンパクトな市に人が集まっているという組み合わせから話し始めると、地図と数字を自分で見た人の答えになります |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 滝沢市は県庁所在地の盛岡市と境を接する位置。事務職の職務内容は「地域づくりなど市民に身近な職務から施策の企画調整まで」と受験案内に明記されている | 県と市の制度上の違いの説明で終えず、受験案内のこの一文を引いて、身近な職務と企画調整の両方に関わりたい理由を自分の経験からつなぎます |
| 市が掲げる目標像 | 「幸せを実感できる地域社会の実現のため、新たな価値を創造しつづける職員」。求める人材は、自ら学び実践する、対話し協調する、誇りを持ち挑戦する | 「幸せを実感できる」を市民の誰のどんな場面まで具体化できるかが勝負どころです。標語をそのまま返さず、自分が見てきた場面に置き換えます |
| 担い手の減少 | 岩手県の15歳以上65歳未満人口は2015年から2045年で43.2%減の見込み(全国27.7%減)。県は医療介護の人材確保が困難になる可能性を課題に挙げる | 働き手が減る前提を受け止めたうえで、少ない人数でも回る進め方を工夫した自分の経験に重ねます。滝沢市の事務職の採用予定が数人規模である点も、この話と地続きです |
| 防災・危機管理 | 県の地震・津波被害想定(令和4年9月公表)では県全体の死者が最大約7,100人。人的被害の大半は津波によるもので、内陸の滝沢市は津波の直接被害を受けにくい位置にある | 津波リスクの低さで話を止めないことです。人が密に暮らす市で揺れの被害と避難所の混雑をどう考えるか、という内陸の住宅地固有の論点へ進めます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、受験案内が示す「求める人材」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 自ら学び、実践する力 | 知らないことをそのままにせず、自分で調べて動いた経験があるか | 受験案内が3つの姿勢の先頭にこの力を置いている点をふまえ、学んだ内容の紹介で終わらせず、学びを実践に移した場面を選んで用意しておく |
| 対話し、協調する力 | 立場や事情の違う相手と、どこまで話して折り合いをつけたか | 「幸せを実感できる地域社会」は市民に聞かなければ測れない目標です。自分から相手の事情を聞きに行った場面を、結論より過程が長くなるくらいの詳しさで話せるようにする |
| 誇りを持ち、挑戦する姿勢 | 前例のないことに、どんな段取りで踏み出したか | 「新たな価値を創造しつづける職員」という市の言葉に、自分が始めた小さな取り組みを一つ重ねる。始めるまでに何を確かめ、誰に話を通したかまで語れる状態にしておく |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。
滝沢市の第2次試験は人物試験だけで構成されていますから、一つの話題が長く続く展開も想定しておきましょう。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておくと、掘り下げが重なっても中身が痩せません。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新の受験案内を読み、受験する日程と職種の試験種目、電子申請での申込手続きを確認する(A日程とB日程は併願できません)
- 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動から、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。自分の答えが「自ら学び、実践する」「対話し、協調する」「誇りを持ち、挑戦する」のどれを示しているかを、一つずつ確かめながら繰り返す
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2で自分の経験を並べ直し、それが滝沢市の窓口や事務の現場でどう生きるかを言葉にする作業を先に終えてください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、滝沢市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
滝沢市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
滝沢市の事務職の試験は、第1次がSCOAによる基礎能力検査とパーソナリティ検査、第2次が個別面接という、種目の少ない構成です。専門試験も論文もない代わりに、人物試験で口にした言葉がそのまま判断の材料になります。
県内でいちばん狭い市域に5万人あまりが集まって暮らすまちで、市は「幸せを実感できる地域社会の実現」を掲げ、自ら学び、対話し、誇りを持って挑戦する職員を求めています。
この3つの言葉に、自分の経験を一つずつ結び付けてみてください。うまく結び付かない言葉が見つかったら、そこが本番までに埋めるべき場所です。