那賀消防組合消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴・基礎データ・管轄地域の災害リスク・消防課題・重点方針)と、面接本番の流れ・想定される質問・評価の観点を、1ページに整理しました。

紀の川市・岩出市の2市を管轄する那賀消防組合消防本部の面接試験では、「なぜ那賀消防組合消防本部を志望したのか」「消防官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を消防の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。

紀の川市・岩出市という性格の異なる2市を1つの組合が支える体制を知っておくことで、どの消防本部にも当てはまる一般論を避け、那賀消防組合消防本部に固有の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と那賀消防組合消防本部の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。組合という組織形態ならではの視点も含めて、準備の抜け漏れを防ぎましょう。

第1部|組織研究編

那賀消防組合消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは那賀消防組合消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 那賀消防組合消防本部は、紀の川市・岩出市の一部事務組合が設置する消防本部であり、管轄区域はこの2市にわたる。構成2市の職員採用試験にはいずれも消防職の試験区分がなく、消防職員は組合が直接募集している。
  • 消防吏員は131名(うち女性7名・令和7年4月1日現在)である。
  • 令和6年中の出動件数は、火災43件に対し救急6,142件・救助123件で、救急が大多数を占めている。
  • 組織は消防本部のほか、中消防署(岩出市中迫)・東消防署(紀の川市粉河)・南消防署(紀の川市桃山町調月)の3消防署からなり、消防本部・中消防署は岩出市に、東消防署・南消防署は紀の川市に置かれている。
  • 昭和49年11月15日に設立され、翌昭和50年10月1日に業務を開始した、半世紀を超える歴史を持つ組合である。組合議会の議員は紀の川市3名・岩出市3名の計6名で構成される。
  • 基本理念として「頑張る消防、役立つ消防」を掲げ、令和8年4月1日に就任した消防長は、多発化・激甚化する災害への対応を組織の使命として挨拶で述べている。
  • 消防吏員131名のうち女性は7名で、割合は約5.3%と、国が掲げる「令和8年度当初までに5%」の目標水準を上回っている。

那賀消防組合消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「那賀消防組合消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

下の表には、2市にわたる管内人口・署所・吏員数・出動件数など、那賀消防組合消防本部の体制の規模がわかる項目を集めています。

項目内容
管轄区域紀の川市・岩出市(一部事務組合)
管内人口111,935人(紀の川市58,287人・岩出市53,648人の合算。住民基本台帳 令和8年1月1日現在)
消防署所3署(消防本部・中消防署/東消防署/南消防署)
消防吏員数131人(うち女性7人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数43件(令和6年中)
救急出動件数6,142件(令和6年中)
救助出動件数123件(令和6年中)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在(紀の川市・岩出市の合算)、消防吏員数・出動件数は総務省消防庁が公表する全国の消防本部データによります(吏員数は令和7年4月1日現在、出動件数は令和6年中)。なお組合公式サイトでは「消防職員数129名(平均年齢37.4歳・令和6年4月1日現在)」も公表されており、消防吏員数とは基準日と集計対象が異なります。

火災43件と救急6,142件が示す実務の重心

最初に注目したいのは、火災43件と救急6,142件という出動件数の差です。

140倍を超える開きがあり、消火より救急への対応が日常の活動の中心になっていることがわかります。(出典:全国の消防本部のデータ|総務省消防庁)

紀の川市の高齢化率は34.5%、岩出市は25.7%(いずれも住民基本台帳、令和8年1月1日現在)と2市で水準が異なり、吏員131人という体制で2市分の救急需要をどう支えるかが課題です。

「那賀消防組合消防本部の管内では、火災の件数が年間40件台なのに対し、救急は6,000件を超えると聞きました。紀の川市の高齢化率は3割を超えていて岩出市より高いと伺いましたので、2つの市の違いも踏まえて救急のニーズに対応できる消防官になりたいと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 那賀消防組合消防本部が管轄するのは紀の川市・岩出市の2市で、和歌山県北部の紀の川流域に位置する内陸部にあたる。紀の川に沿って市街地と農地が広がり、和歌山市に隣接する立地から住宅地としての利用も進んでいる。
  • 岩出市は令和6年4月から令和7年3月までの1年間で人口減少率が▲0.33%(▲177人)にとどまり、県内30市町村の中でも人口減少が最も緩やかな自治体の一つである。
  • 紀の川市は組合管内で人口が最も多く、高齢化率34.5%と岩出市(同25.7%)より高い水準にある。市域が広く、市街地から中山間部まで幅の広い地理を抱える。

つまり那賀消防組合消防本部は、同じ組合管内でも高齢化の進み方が異なる紀の川市と、県内でも人口減少が緩やかな岩出市という、性格の違う2市を1つの本部で支えていると整理できます。

管内を一括りにせず、2市それぞれの人口構成の違いまで理解しておくことが、他の受験者との違いになります。

内陸という立地と地震のリスク

南海トラフ地震の30年以内の発生確率は「60〜90%程度以上」(南海トラフ地震の長期評価|地震調査委員会(令和7年9月改訂))とされています。

和歌山県が令和8年に公表した地震動予測では、最大クラスの巨大地震(南海トラフ巨大地震 Mw9.1)で紀の川市・岩出市はいずれも震度6強と想定されています。(出典:令和8年公表 地震動予測及び津波浸水想定|和歌山県)

一方で、同じ想定で浸水リスクが示される沿岸20市町に紀の川市・岩出市は含まれていません。

県内でも津波の直接的な想定対象とならない内陸の本部という点は、串本町や那智勝浦町など沿岸部の本部と管内特性を対比するときの明確な違いです。

那賀消防組合消防本部の主な消防課題

ここまでの数字と管内の姿を踏まえると、那賀消防組合消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

救急需要の増加

高齢化に伴う救急需要の伸びは全国的な現象で、令和6年中の全国の救急自動車の出動は771万8,380件(確定値)、搬送された676万9,172人のうち63.3%が65歳以上でした。(出典:令和7年版 救急・救助の現況)

那賀消防組合消防本部の6,142件(令和6年中)を踏まえ、吏員131人という体制で、高齢化率の異なる2市の救急需要にどう応えるかが課題です。

大規模地震への備え

前章のとおり、那賀消防組合消防本部の管内は津波の直接的な想定対象ではないものの、最大クラスの巨大地震では震度6強と想定されています。

本部の枠を超えた助け合いの仕組みとして緊急消防援助隊があり、全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が登録しています。

131人という体制のこの本部にとって、広域応援の仕組みを理解しておくことは災害対応の土台になります。(出典:令和6年版 消防白書)

予防・住宅防火

那賀消防組合消防本部管内の火災は43件(令和6年中)と、出動全体の中では少ない水準にとどまっています。

もっとも、全国では住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)のうち65歳以上が74.5%(令和5年中762人)を占めており(出典:令和6年版 消防白書)、紀の川市のように高齢化率が3割を超える地域を抱える管内では、火災を未然に防ぐ予防的な取組の重要性が増しています。

火災の件数だけでなく、その少なさをどう維持していくかという視点も持っておくとよいでしょう。

紀の川市・岩出市にまたがる管内の理解

那賀消防組合消防本部は、紀の川市と岩出市が共同で設置した一部事務組合の消防本部で、管内はこの2市にまたがります。

組合議会の構成が示すとおり、2市が対等な立場で組合を支える仕組みになっています。

高齢化率で見れば紀の川市が上回り、人口減少の緩やかさで見れば岩出市が際立つというように、それぞれの市の事情を区別して理解しておくことが、この本部を志望するうえで欠かせません。

人材確保と女性吏員の活躍

那賀消防組合消防本部の消防吏員131人のうち、女性は7人で約5.3%です。

全国平均は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています。

那賀消防組合消防本部はこの目標をすでに上回る水準にあり、女性吏員が活躍しやすい体制づくりが進んでいるとみられます。(参考:女性消防吏員の活躍推進|総務省消防庁)

重点方針|「頑張る消防、役立つ消防」

那賀消防組合消防本部単独の総合計画は確認できませんが、組合公式サイトには基本理念と消防長の挨拶、そして毎月更新される出動データが公表されており、この本部の姿勢を知る手がかりになります。

数値目標のような形での重点方針は掲げられていない分、こうした日々の情報発信の姿勢そのものが、この本部の考え方を映していると捉えるとよいでしょう。

基本理念「頑張る消防、役立つ消防」

那賀消防組合消防本部は、基本理念として「頑張る消防、役立つ消防」を掲げています。

令和8年4月1日に就任した消防長は、「紀の川市及び岩出市、皆様の『安全・安心』のため」という言葉とともに、「多発化、激甚化している災害に対し、迅速かつ的確に対応していくため、関係機関と緊密に連携を図りながら、備えに万全を期すことが我々消防の使命であります」と挨拶で述べています。(出典:那賀消防組合の概要|那賀消防組合)

月次で公表される「市別出動比較表」

那賀消防組合は、紀の川市・岩出市それぞれの出動状況をまとめた「市別出動比較表」を毎月更新して公式サイトに公表しています。

確認できた最新は令和8年8月分(同年9月2日更新)でした。

年に一度の統計公表にとどまらず、月単位で管内の状況を継続的に開示する姿勢は、組織の透明性を示す材料として押さえておくとよいでしょう。

面接で組合の取組を聞かれた際に、こうした日常的な情報公開の姿勢まで挙げられると、組織研究の深さが伝わります。

POINT|基本理念の言葉を自分の経験に接続する

「頑張る消防、役立つ消防」という理念をそのまま覚えるだけでは面接では使えません。「頑張る」と「役立つ」のどちらか、あるいは両方に重なる自分の経験を具体的に一つ選び出しておきましょう。

悪い例「人の命を守りたいので、那賀消防組合消防本部を志望します」

改善例「部活動で目標に向けて地道な練習を積み重ね、最後まで諦めずに取り組んだ経験があります。那賀消防組合消防本部の『頑張る消防、役立つ消防』という理念にある、粘り強さと相手の役に立つ姿勢の両方を、消防官としても大切にしたいです」

あわせて確認したい公式資料

那賀消防組合の消防職員募集は、組合自身のサイトにしか掲載されません。

構成2市の採用ページを見ても消防職は出てこないため、次の資料は組合公式サイトを起点に当たってください。

  • 那賀消防組合の消防職員募集ページ
  • 那賀消防組合の概要ページ(組織・沿革・基本理念)
  • 総務省消防庁が公表する全国の消防本部データ
  • 和歌山県の地震動予測及び津波浸水想定(令和8年公表)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、那賀消防組合消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。

那賀消防組合消防本部の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

構成2市の職員採用試験とは別枠で実施される試験だからこそ、組合独自の情報を早めに押さえておくことが差につながります。

那賀消防組合消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

那賀消防組合消防本部の面接の概要

ここからは、那賀消防組合消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。組合が独自に募集する試験であるため、構成2市の採用試験の情報と混同しないよう注意しながら読み進めてください。

那賀消防組合消防本部の面接の流れ

那賀消防組合消防本部の消防職員は、構成する紀の川市・岩出市の職員採用試験とは別に、組合が独自に「那賀消防組合職員募集」として直接募集する体制です。時点では令和8年度採用分の受付が終了しており、募集要項本体は公式サイトに掲載されていませんでした。

項目内容(確認時点)
実施主体那賀消防組合(構成する紀の川市・岩出市の職員採用試験には消防職の区分はありません)
募集の状況令和8年度採用の募集受付は終了しており、募集要項本体は確認時点で公式サイトに掲載されていません
面接の種類受験案内・公式サイトでの公表は確認できず。最新の募集要項でご確認ください
配点公表されていません。最新の募集要項でご確認ください
問い合わせ先那賀消防組合消防本部総務課

那賀消防組合は消防職員を毎年募集しているとは限りません。

次回の募集が公示された際にすぐ確認できるよう、組合公式サイトの職員募集ページをこまめにチェックしておくことをおすすめします。

構成する紀の川市・岩出市の職員採用試験の受験案内には消防職の区分がないため、消防を志望する場合は組合独自のページを直接確認する必要がある点も、あわせて押さえておきましょう。

上記は那賀消防組合の公式サイトを確認した時点(2026年9月)の情報にもとづくものです。募集の実施状況・試験の構成・配点等は年度によって異なります。受験の際は、必ず最新の募集要項をご確認ください。

那賀消防組合消防本部が求める人材

組合として消防職に特化した「求める人物像」の公表は確認できませんが、基本理念「頑張る消防、役立つ消防」と、消防長が挨拶で述べる「関係機関と緊密に連携を図りながら備えに万全を期す」という姿勢は、面接準備の物差しとして使えます。

加えて、那賀消防組合消防本部のように紀の川市・岩出市という複数市町村を管轄する組合の本部では、勤務する署が本部・中消防署・東消防署・南消防署のいずれになっても対応できる姿勢や、性格の異なる2市それぞれの地域事情への理解が重視される場面が多いとみられます。

組合の議会構成が紀の川市・岩出市の同数で成り立っていることからも、どちらか一方に偏らない視点を持てるかどうかが問われる場面があると考えられます。

自己PRを考えるときは、この理念と、複数市にまたがる管内で働くうえでの柔軟さの両方に、自分の経験がどう重なるかを考えてみましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。那賀消防組合消防本部の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ那賀消防組合消防本部を志望するのですか?消防官という仕事と紀の川市・岩出市という土地を、自分の言葉で選べているか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください強みと弱みの両方を自分の言葉で説明できているか
④ 経験・行動意見の異なる相手とどう向き合いましたか?2市にまたがる組織の中で、立場の違う相手と関わる力が備わっているか
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れたことは何ですか?何に時間を使い、どんな順番で工夫を重ねたのかを説明できるか
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務と現場活動を続けるための体力・生活習慣・覚悟
⑦ 公共性・社会性消防官(公務員)に最も必要な資質は何だと思いますか?仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7つの見取り図は、那賀消防組合消防本部のように複数市を管轄する本部でも、単独設置の本部でもおおむね共通します。

まずはこの7つで基本の受け答えを準備しておきましょう。

そのうえで那賀を受ける理由まで踏み込めるかどうかは、次の固有質問で決まります。

那賀消防組合消防本部ならではの視点が問われる質問

「警察官や自衛官ではなく消防官を志望したのは、どうしてですか?」
「紀の川市と岩出市を管轄する那賀消防組合消防本部を、なぜ志望したのですか?」

1問目は消防という仕事そのものへの理解を、2問目は2市体制という組織の成り立ちへの理解を確かめる質問です。

紀の川市だけでなく岩出市の事情まで知っているかどうかで、答えの具体性は大きく変わります。

面接で使いやすい「那賀消防組合消防本部の事実」を絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい那賀消防組合消防本部の事実答え方のヒント
基本理念「頑張る消防、役立つ消防」を掲げ、消防長は連携と備えを組織の使命として述べている(詳細は第1部5章)理念のどちらか一方でもよいので、自分の経験と重ねて語れるようにする
出動の実態令和6年中の出動は火災43件に対し救急6,142件で、救急が業務量の大半(詳細は第1部2章)2市分の救急需要を意識しながら、業務の実像を具体的に語れるようにする
想定される災害(地震)最大クラスの巨大地震で震度6強と想定され、津波の直接的な想定対象ではない内陸の本部である(詳細は第1部3章)沿岸部の本部との違いを理解したうえで、内陸ならではの備えに言及できるとよい
2市にまたがる管内組合議会の議員は紀の川市3名・岩出市3名の同数で構成され、対等な立場で組合を支えている(詳細は第1部1章)2市それぞれの地域性の違いを、自分の言葉で説明できるようにする
女性吏員の活躍女性吏員の割合は約5.3%で、国の目標水準の5%をすでに上回っている(詳細は第1部4章)数字を知っているだけでなく、多様な人材が活躍する組織であることへの理解を示せるとよい

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

那賀消防組合消防本部は、消防職に特化した評価の観点や配点を公表していません。

そこで以下は、組合が公表している理念と組織の姿から観点を組み立てたものです。

過去の経験を掘り下げ、そこから採用後の仕事ぶりを見るという面接の進め方自体は公務員試験で広く見られるもので、那賀消防組合消防本部が評価方法として公表しているわけではありません。

その前提のうえで、基本理念「頑張る消防、役立つ消防」と、2市にまたがる管内を3つの署で支える組織の姿から、評価の軸を読み取ることができます。

数値化された配点が示されていない以上、この2つを手がかりにするのが最も確実です。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
粘り強さ(頑張る消防)困難な場面でも最後まで取り組み続けた経験があるか途中で投げ出さずにやり遂げた出来事を、具体的なエピソードで語れるようにする
相手本位の姿勢(役立つ消防)相手の状況に合わせて、自分の対応を変えた経験があるか年齢や立場の違う相手と関わった場面を用意しておく
複数市にまたがる管内への理解紀の川市・岩出市、それぞれの地域性を正確に理解しているか2つの市の違いを、自分の言葉で説明できるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。

那賀消防組合消防本部のような組合設置の本部ではなおさら、勤務する署によって働き方が変わることも意識しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 那賀消防組合の公式サイトで職員募集ページを確認し、募集の有無と提出書類、構成2市の採用試験とは別枠であることを確認する
  2. これまでの経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、粘り強く取り組んだ場面と、相手の状況に合わせて対応した場面をそれぞれ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力づくりと生活リズムづくりも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で那賀消防組合消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。組織研究はあくまで、自分の経験を説得力のある形に仕上げるための材料だと考えておきましょう。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、那賀消防組合消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

那賀消防組合消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。

募集要項が公示されてから読み込みを始めると、受付期間はあっという間に過ぎます。

答えの土台を先に作っておけば、募集が出た日から出願と面接準備に集中できます。

那賀消防組合消防本部の想定問答集を見る

さいごに

那賀消防組合消防本部は、紀の川市・岩出市の一部事務組合が設置し、構成2市の職員採用試験とは別に組合自身が消防職員を直接募集する体制です。

基本理念「頑張る消防、役立つ消防」を掲げ、令和8年4月に就任した消防長は多発化・激甚化する災害への備えを組織の使命として挙げています。

火災43件に対し救急6,142件という出動の実態、震度6強という地震想定、そして紀の川市・岩出市それぞれで異なる高齢化や人口動態の姿を踏まえ、自分の経験のどこが管内の実情に活かせるのかを言葉にしていってください。

女性吏員の割合が国の目標水準をすでに上回っているという事実も、この組織の姿勢を語るうえで押さえておきたい材料です。