本記事では、豊見城市職員採用試験の面接対策で必要な、豊見城市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。

豊見城市役所の面接試験では、「なぜ豊見城市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。「とみぐすく」という読み方から市の位置づけまで、基本的な事実を押さえておくことが、当日の落ち着いた受け答えにつながります。

試験には録画選考という珍しい種目もあり、通常の面接対策とは別の準備も必要になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と豊見城市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。試験は3段階に分かれており、それぞれ違う形式で人物が確かめられるので、段階ごとの対策を意識しながら読み進めてください。

第1部|自治体研究編

豊見城市の特徴

豊見城市(とみぐすくし)を受けるなら、まずは市の基本的な位置づけと、この市ならではの事実を整理しておきましょう。名前の読み方から間違えないようにするのは当然として、その先の中身で勝負できるようにしておくことが大切です。以下の項目は、面接で「豊見城市について知っていることを教えてください」と聞かれたときの持ち駒になります。

読み方だけを覚えて満足せず、そこから先の内容まで自分の言葉にしておきましょう。

  • 那覇市の南に隣接し、糸満市・島尻郡南風原町・八重瀬町とも接する市。沖縄本島南部の中では那覇市に最も近い市の一つにあたり、合計4つの自治体と境を接している。
  • 令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口は約6.6万人で、面積は19.33km²と決して広くはない。
  • 市内には旧海軍司令部壕が所在し、海軍壕公園として一部が公開されている。所在地は市内の字豊見城である。
  • 令和7年度の職員採用試験(行政職Ⅰ上級)は、申込者52名に対し最終合格者6名という選考だった。中級・初級でも同様に、段階を追うごとに人数が絞り込まれている。
  • 県の津波浸水想定では、最大津波水位8.6メートル、水位が1メートルに達するまでの時間は22分と設定されている(平成27年3月設定)。
  • 市の花はブーゲンビリア、市の木はリュウキュウコクタン。いずれも市の公式資料に基づく。
  • 令和7年度の実施状況では、行政職Ⅳ(社会福祉士)に24名、消防職Ⅰ中級に21名の申込みがあり、区分によって志望者の集まり方に差がある。

豊見城市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「豊見城市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。次の表で、人口の構成や市域の広さをつかんでおきましょう。

項目内容
総人口65,893人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口14,015人(高齢化率21.3%)
75歳以上人口7,032人(総人口の10.7%)
総面積19.33km²
人口密度約3,409人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体那覇市・糸満市・島尻郡南風原町・八重瀬町
市の花・木ブーゲンビリア(花)・リュウキュウコクタン(木)

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。沖縄県全体の高齢化率(同じ基準で24.2%)とは比較できますが、国勢調査に基づく数値とは調査方法が異なるため、この表の数字と直接突き合わせて増減を論じることは避けてください。面積・隣接自治体・市の花と木の情報は、当研究会が公表資料に基づいて整理しました。

高齢化率は県内でも落ち着いた水準

豊見城市の高齢化率は21.3%で、住民基本台帳の同じ基準でみた沖縄県全体(24.2%)を3ポイント近く下回ります。75歳以上の割合も10.7%と、県全体(12.1%)を下回る水準です。65歳以上人口は14,015人で、総人口65,893人のおよそ5人に1人が高齢者という計算になります。

県内でもゆるやかな高齢化と、那覇市に隣接する立地という組み合わせは、子育て世代の転入を含め、若い世代が生活の場として豊見城市を選んでいる可能性を示しています。人口約6.6万人という規模は、行政課題を語るうえでも押さえておきたいスケール感です。

高齢化率の低さを断定的な理由づけで語ることはできませんが、面接では、この数字をどう解釈し、どんな仕事につなげたいかを自分の言葉で説明できることが重要です。

「豊見城市の高齢化率は21%ほどで、沖縄県全体よりも低い水準にあるとうかがいました。若い世代が多く暮らす市だからこそ、子育て支援や教育の分野で力になりたいと考えています」

豊見城市の経済・産業

沖縄県では観光が第三次産業を牽引しており、令和5年度の入域観光客数は853万2,600人(前年度比25.9%増)まで戻ってきました。内訳は国内客が726万9,100人、外国人客が126万3,500人です。(出典:令和5年度入域観光客統計概要|沖縄県)

この県全体の動きを前提としたうえで、豊見城市について当研究会が確認できているのは、次の史跡・立地に関わる事実です。

旧海軍司令部壕という戦争の記憶

豊見城市字豊見城には旧海軍司令部壕が所在し、海軍壕公園として一部が公開されています。(出典:旧海軍司令部壕(海軍壕公園)|市公式サイト)戦争の記憶を今に伝える史跡が市内にあるという事実は、豊見城市を語るうえで欠かせない要素です。この分野を志望する場合は、史実を正確に伝えることと、次世代への継承という2つの役割を意識しておきましょう。

観光地としての側面だけを取り上げるのではなく、地域の歴史を市がどう管理し、どう説明責任を果たしているかという視点を持てるかどうかが、他の受験者との差になります。

那覇都市圏の一角としての立地

那覇市に隣接する豊見城市は、住宅地としての性格も強く、那覇都市圏の生活圏の一部を担っています。県庁所在地に近いという立地は、通勤・通学の利便性という住民側の視点だけでなく、周辺自治体と連携した広域行政を進めるうえでの土台にもなります。人口密度は約3,409人/km²で、那覇市(7,534人/km²)ほどではないものの、19.33km²という市域を考えれば決して低い水準ではありません。

住宅需要や商業施設の立地にも、この近接性が影響を与えていると考えられます。

令和7年度採用試験に見る志望者の集まり方

令和7年度の実施状況では、行政職Ⅰ上級に52名、行政職Ⅳ(社会福祉士)に24名、消防職Ⅰ中級に21名の申込みがありました。(出典:令和7年度豊見城市職員採用候補者試験実施状況)職種によって申込者数に幅があり、人気の高い区分ほど段階を追うごとに絞り込みが厳しくなる傾向がうかがえます。

自分が受ける区分の実情を把握したうえで、準備の密度を調整しましょう。

豊見城市の主な行政課題

ここまでの数字と、那覇市に隣接するという位置関係を踏まえると、豊見城市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを整理しておきましょう。いずれも那覇市に近いという立地や、比較的若い人口構成と無関係ではありません。

子育て世代の増加を見据えた基盤整備

高齢化率が県平均を下回る豊見城市では、子育て世代を含めた現役世代への行政サービスの需要が相対的に大きいと考えられます。保育・教育施設の整備をはじめ、若い世代が住み続けたいと感じられるまちづくりが問われています。

施設を新たに整備するにも維持するにも費用がかかるため、限られた財源のなかでどこに重点を置くかという判断は簡単ではありません。

津波・地震への備え

県の津波浸水想定では、豊見城市の最大津波水位は8.6メートル、水位が1メートルに達するまでの時間は22分とされています。(出典:沖縄県津波浸水想定の説明資料|平成27年3月(国土交通省資料))沿岸部を含む市域を持つ以上、避難経路の周知や防災訓練の実施は継続的な課題です。

防災情報が住民一人ひとりに確実に届いているかどうかは、日頃の周知の積み重ねによって左右される部分でもあります。

史跡の保存と活用の両立

旧海軍司令部壕のような史跡は、保存のための費用と、教育・観光への活用という2つの要請を同時に満たす必要があります。史実を正確に伝えることを大前提としながら、来訪者にどう向き合ってもらうかという運営面の工夫も欠かせません。

老朽化した施設の維持管理には専門的な知見も必要で、限られた予算のなかで優先順位をどう付けるかも問われます。地下壕という構造物である以上、通常の建築物とは異なる維持管理の難しさもあると考えられます。

那覇市への近接性を生かした行政運営

那覇市に隣接するという立地は強みである一方、住民の生活圏が市境を越えて広がりやすいという面もあります。道路・公共交通など、豊見城市単独では完結しない広域的な課題への対応も、継続的に求められます。

近隣自治体との情報共有や役割分担をどう進めるかは、日常業務のなかでも意識され続けるテーマです。豊見城市は糸満市・南風原町・八重瀬町とも接しており、連携先は那覇市だけにとどまりません。

豊見城市の重点政策|県財政の全体像と市の計画

豊見城市が掲げる総合計画の正式名称や策定時期は、当研究会がいま手にしている資料からは読み取れていません。そのぶん、沖縄県全体の財政事情を先に押さえ、市の公式資料へのアクセス方法を案内する構成にしています。

依存財源に支えられた県の財政構造

沖縄県の財政指標を見ると、令和5年度決算に基づく財政力指数は0.35934(3年平均)、経常収支比率は96.2%となっています。(出典:令和5年度普通会計決算の概要|沖縄県)自主財源は歳入全体の38.4%にとどまり、残る61.6%は依存財源が占めるという構造です。

数字の上では健全化基準こそ下回っているものの、独自の税収だけで運営を賄える状況にはありません。

歳入の6割を依存財源が占める県の構造は、そのまま市町村の予算編成の余地にも響いてきます。子育て支援や教育施設の整備といった需要の大きい分野ほど、財源の裏付けをどう確保するかが問われやすい構図です。

POINT|史跡の名前だけを挙げない

旧海軍司令部壕という史跡の名前を挙げるだけでは、志望動機として深みに欠けます。史実をどう伝えるか、次の世代にどう引き継ぐかという視点まで踏み込んで、自分の関心と結び付けましょう。史跡以外にも、那覇市への近さや若い世代の多さといった事実があるので、複数の切り口を持っておくと安心です。

悪い例「豊見城市には有名な戦跡があるので、そこに関わる仕事がしたいです」

改善例「豊見城市には戦争の史実を伝える史跡があると知りました。事実を正確に伝えることと、多くの人に足を運んでもらうことの両立に関わる仕事をしたいです」

あわせて確認したい公式資料

豊見城市の受験案内は試験の段階や科目を具体的に示す一方、総合計画のような重点政策の全体像までは当研究会の手元の資料でカバーできていません。下記のうち関心のあるものから、無理のない範囲で目を通してみてください。

  • 豊見城市職員採用候補者試験(通常試験)の実施要項(市公式サイトの最新年度版を、出願の直前にもう一度開いて確認する)
  • 豊見城市のまちづくりの方向を示す総合計画・都市計画の公式発表資料(策定年と最新版の別に注意する)
  • 旧海軍司令部壕(海軍壕公園)に関する市の公式情報(所在地・公開状況を含む)
  • 豊見城市の直近年度の予算・決算資料(市の財政の全体像をつかむ手がかりになる)
  • 令和7年度職員採用候補者試験実施状況(区分ごとの申込者数・合格者数の推移を確認できる)

受験する区分の実施状況を事前に把握しておくと、選考の厳しさを踏まえた心構えができ、当日の緊張の受け止め方も変わってきます。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、豊見城市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。豊見城市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

豊見城市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

豊見城市役所の面接の概要

ここからは、豊見城市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。録画選考という特徴的な種目があるため、一般的な面接対策に加えて、その対策も並行して進める必要があります。順を追って一つずつ確認していきましょう。

録画選考をはさむ3段階の試験

豊見城市の職員採用候補者試験(通常試験)は、第一次試験・第二次試験・第三次試験の3段階構成です。第二次試験には、質問への回答を動画で撮影して提出する録画選考という珍しい種目が置かれています。

対面での面接は第三次試験の個別面接だけで、その前段に録画という別形式の関門がある点が、豊見城市の試験の大きな特徴といえます。

項目内容(令和8年度)
試験の段階第一次試験・第二次試験・第三次試験の3段階(各段階の合格者のみ次に進む)
第一次試験行政職Ⅰ・消防職Ⅰ・Ⅱは教養試験(択一・120分:時事、社会・人文、自然に関する一般知識と、文章理解、判断・数的推理、資料解釈に関する能力を問う)。行政職Ⅱ(社会人経験者)・行政職Ⅲ(身体障がい者対象)は職務基礎力試験(択一・60分)。行政職Ⅰ上級はさらに専門試験(択一・120分:憲法、行政法、民法、経済学、財政学、社会政策、政治学、行政学、国際関係)を追加
第二次試験全職種共通で適性検査(Web回答・択一式の能力検査+性格検査)と録画選考(Web回答・動画撮影で質問に回答)。消防職Ⅰ・Ⅱのみ体力試験を追加。指定された期間内で受験者が日時を選択して受験する
第三次試験口述試験(個別面接試験)。第二次試験の合格者のみが進む最終段階
申込方法インターネットのみ。市公式サイトから採用ポータル「パブリックコネクト」へ誘導される。申込は1職種に限られ、併願は認められない
成績開示不合格者本人のみ、各試験の合格発表から1か月間、市役所4階総務部人事課で開示

上記は、豊見城市の令和8年度職員採用候補者試験(通常試験)実施要項にもとづく内容です。配点の内訳は示されておらず、合否は総合的に決まります。通常試験以外の枠や別の年度では、試験の構成が異なることもあります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和8年度豊見城市職員採用候補者試験(通常試験)実施要項)

令和7年度の実施状況をみると、行政職Ⅰ上級は申込者52名に対し、第一次合格15名、第二次合格9名、最終合格6名でした。中級は申込者26名に対し最終合格3名、初級は申込者21名に対し最終合格3名という結果です。(出典:令和7年度豊見城市職員採用候補者試験実施状況)段階が進むごとに人数が絞り込まれていく構成であり、人物を見る種目は第二次の録画選考と第三次の個別面接に置かれていることも押さえておきましょう。

数字だけを見ると狭き門に思えるかもしれませんが、段階ごとに求められる準備を一つずつ丁寧にこなしていくことが、結局は最も確実な近道です。

公表されている選考設計から読み取れること

豊見城市の実施要項の本文には、「求める人材像」にあたる項目は掲げられていません。そのかわり公表されているのが、適性検査と録画選考を第二次に置き、対面の個別面接を第三次に置くという選考の設計です。この記事では、その設計と、自治体の採用試験で広く用いられるコンピテンシー評価という一般的な考え方の両方を手がかりに、評価の観点を整理していきます。

録画選考という珍しい種目がある以上、対面でなくても伝わる話し方を意識しておくことも大切です。カメラの前で落ち着いて話せるように、事前に話す内容を整理し、時間の感覚をつかむ練習をしておくと安心です。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。豊見城市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどうやって来ましたか?台本のない一言への反応に、ふだんの人柄がにじむか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?公務員を選んだ理由が、自分の経験から説明できているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?弱みへの自覚と、それとどう向き合っているか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください困難の大きさより、そのときの考え方と行動
⑤ 学業・経歴学業や活動で力を入れたことを教えてください取り組みの理由と、そこから得たものを筋道立てて話せるか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?豊見城市の仕事への理解の解像度
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースは何ですか?社会の動きへの関心と、それを短く語る力

この7つの角度は、どの自治体を受けるにしても土台になる部分です。豊見城市の場合は、同じ内容をまず録画で、次に対面で語ることになります。

カメラの前で一度整理した答えを、第三次の個別面接でもう一度自分の言葉として出せるかどうかが問われるため、暗記した原稿ではなく、話しながら組み立て直せる状態にしておく必要があります。そのうえで差がつくのは、次に見る豊見城市固有の質問への備えです。

合否を分けるのは「豊見城市役所ならでは」の質問

「隣の那覇市も受けられるなかで、豊見城市役所を選んだ理由は何ですか」
「豊見城市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

旧海軍司令部壕という史跡や、那覇市に隣接する立地といった豊見城市固有の事実を挙げられるかどうかで、回答の説得力は変わります。名前を知っているだけで終わらせず、その事実に自分がどう関わりたいかまで話せるように準備しておきましょう。

読み方を正しく言えることは前提であって、それ自体が評価される加点要素ではないことも意識しておいてください。

質問テーマ知っておきたい豊見城市の事実答え方のヒント
那覇市に隣接する立地那覇市の南に隣接し、糸満市・南風原町・八重瀬町とも接する。人口約6.6万人、面積19.33km²立地を生かした行政課題への関心を、具体的に語ります
旧海軍司令部壕市内に旧海軍司令部壕が所在し、海軍壕公園として一部が公開されている史実の継承と来訪者への対応という両面から考えを述べます
津波への備え県想定で最大津波水位8.6メートル、水位1メートルへの到達時間22分(平成27年3月設定)沿岸部を含む市として、防災への関心を具体的に語ります
3段階の試験と録画選考第二次試験に、質問への回答を動画で撮影して提出する録画選考が置かれている対面と異なる形式でも伝わる話し方を意識していると示します
若い世代の多い人口構成高齢化率21.3%は県全体(24.2%)を下回り、比較的若い世代の多い市子育て・教育分野への関心を、自分の経験と結び付けます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

豊見城市の実施要項に明記された人物像はありませんが、コンピテンシー評価という一般的な考え方に沿って、面接官は答えの巧拙ではなく、経験の中身と行動の再現性を見ていると考えられます。人口6万人台という規模の市では、一人の職員が複数の分野を横断して担当する場面も少なくないと考えられ、未経験の業務にも自分から調べ、周囲に確かめながら取り組める姿勢が重視されやすいと当研究会ではみています。

断定はできませんが、規模の近い他の市町村でも共通してみられる傾向です。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
主体的に学び行動する力未経験の課題に対して、自分から調べ、周囲に確認しながら進めた経験があるか分からないことをそのままにせず、行動に移した場面を用意する
丁寧で誠実な対応相手の立場を考え、丁寧に対応した経験があるか接客・部活動・地域活動など、身近な場面から具体例を探す
地域への関心と定着意識豊見城市やその周辺地域にどれだけ関心を持ち、長く関わろうとしているか「なぜこの地域か」を、自分の生活や経験と結び付けて話す

3つの観点は独立したものではなく、実際には1つのエピソードのなかに複数の要素が同時に表れることも珍しくありません。無理に3つのエピソードを別々に用意する必要はなく、深掘りに耐えられる経験を1つか2つ、丁寧に準備しておく方が実践的です。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまで見てきた豊見城市の事実と試験の特徴を踏まえ、3段階の試験それぞれに対応できるよう、準備の手順に落とし込みます。順を追って進めていきましょう。

  1. 豊見城市の公式サイトから最新年度の実施要項を入手し、区分ごとの試験科目と3段階の流れを確認する。あわせて録画選考の実施期間もカレンダーに書き込んでおく(期間は年度により変わる)
  2. 高校・大学生活や仕事の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。録画選考でも個別面接でも同じ内容を出せるよう、答えを固めておく
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 録画選考を意識し、カメラに向かって話す練習を重ねる。声の大きさや表情が対面より伝わりにくい前提で、いつもより意識してはっきり話す。スマートフォンなどで自分を撮影し、見返して改善点を探すのも効果的

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。豊見城市は第二次の録画選考と第三次の個別面接という二段構えで人物が見られるため、経験の棚卸しが浅いままでは、どちらの場面でも答えに詰まりやすくなります。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、豊見城市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。録画選考への備えも含め、限られた時間で網羅的に準備したい方に向いています。

豊見城市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。3段階の試験を通して一貫した軸で語れるよう、材料をあらかじめ整理しておく助けにもなります。

豊見城市役所の想定問答集を見る

さいごに

豊見城市の試験は、第一次の筆記を通過したあと、第二次の録画選考、第三次の個別面接という順に人物が確かめられていく構成です。那覇市に隣接する立地、旧海軍司令部壕という史跡、比較的若い世代の多い人口構成。この記事で扱ったこうした事実を、どこまで自分の関心や経験と結び付けて語れるかが、他の受験者との差になります。

令和7年度の実績を見ても、最終合格までには複数の段階を突破する必要があり、一つひとつの種目を丁寧に仕上げていく姿勢が欠かせません。読み方から間違えられやすい市だからこそ、名前を正しく知ったうえで、その先の中身をどれだけ語れるかが問われています。