本記事では、糸満市職員採用試験の面接対策で必要な、糸満市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。第二次試験が2日間にわたる市でもあるため、その流れも含めて確認しておきましょう。

糸満市役所の面接試験では、「なぜ糸満市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。市の歴史や行政の役割を正確に理解しておくことが、当日の落ち着いた受け答えにつながります。

第二次試験は2日間にわたるため、長丁場を見据えた体力面の準備も必要になります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と糸満市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。歴史に関わる内容を扱う場面もありますが、事実を正確に押さえたうえで、自分の言葉で丁寧に語る姿勢をつねに大切にしてください。

第1部|自治体研究編

糸満市の特徴

糸満市を受けるなら、市制の施行にいたる経緯と、市が公式に示している事実から順に押さえていきましょう。歴史的な背景を持つ市だけに、正確な理解にもとづいて語れるようにしておくことが大切です。以下の項目は、面接で「糸満市について知っていることを教えてください」と聞かれたときの答えの土台になります。

歴史に関わる事実は、正確さを何よりも第一に押さえておいてください。

  • 昭和46年(1971年)12月1日に市制を施行した市。前身の糸満町は、昭和36年(1961年)に糸満町・兼城村・高嶺村・三和村が合併して誕生し、合併から10周年の節目に市制施行を迎えた。
  • 令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口は約6.2万人で、面積は46.60km²。隣接する豊見城市(19.33km²)の2倍以上の市域を持つ。
  • 隣接するのは豊見城市・島尻郡八重瀬町の2市町のみである。
  • 摩文仁地区には、平和祈念資料館や国立沖縄戦没者墓苑などで構成される平和祈念公園がある。県が設置した広域公園で、平和学習の場としても利用されている。
  • 平成5年(1993年)12月1日に平和都市宣言を行い、同日、戦時中の学童疎開が縁で宮崎県都農町と姉妹都市提携を結んだ。
  • 旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる伝統行事「糸満ハーレー」は、平成24年(2012年)に市の無形民俗文化財に指定されている。
  • 県の津波浸水想定では、最大津波水位16.1メートル、水位が1メートルに達するまでの時間は10分と設定されている(平成27年3月設定)。
  • 市の花は日日草(にちにちそう)、市の木はガジュマル。ともに市の公式資料に記載されている。

糸満市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「糸満市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。次の表で、人口の構成や市域の広さをつかんでおきましょう。

項目内容
総人口62,225人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
65歳以上人口14,885人(高齢化率23.9%)
75歳以上人口6,971人(総人口の11.2%)
総面積46.60km²
人口密度約1,335人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体豊見城市・島尻郡八重瀬町
市の花・木日日草(花)・ガジュマル(木)

総人口・65歳以上人口・75歳以上人口は、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在の数値です(出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数|令和8年1月1日現在)。沖縄県全体の高齢化率(同じ基準で24.2%)とは比較できますが、国勢調査に基づく数値とは調査方法が異なるため、この表の数字と直接突き合わせて増減を論じることは避けてください。面積・隣接自治体・市の花と木の情報は、当研究会が公表資料に基づいて整理しました。

県全体とほぼ同水準にある高齢化

糸満市の高齢化率は23.9%で、住民基本台帳の同じ基準でみた沖縄県全体(24.2%)とほぼ同じ水準です。75歳以上の割合も11.2%と、県全体(12.1%)に近い数字にとどまっています。

県平均から大きく外れない年齢構成と、46.60km²という比較的広い市域という組み合わせは、人口が市域全体に分散して暮らしている可能性を示しています。那覇市などの都市部と比べると、人が住む密度には余裕のある水準です。

高齢化率そのものは県平均に近くても、地域によって年齢構成に差がある可能性は否定できず、市域全体を一律に語ることには注意が必要です。

「糸満市の高齢化率は24%ほどで、沖縄県全体とほぼ同じ水準だと知りました。市域が比較的広いぶん、地域ごとの状況の違いにも目を配れる職員になりたいと考えています」

糸満市の経済・産業

沖縄県の産業は第三次産業に大きく寄っており、その中心にあるのが観光です。県全体の令和5年度の入域観光客数は853万2,600人で、前年度から25.9%増えました。(出典:令和5年度入域観光客統計概要|沖縄県)

一方で、糸満市単独の観光統計は公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。この県全体の姿に対して、糸満市について確認できているのは、次に挙げる歴史・伝統に関わる事実です。

平和祈念公園という広域公園

摩文仁地区にある平和祈念公園は、県が設置した計画面積47.0ヘクタールの広域公園です。園内には平和祈念資料館、国立沖縄戦没者墓苑、各県の慰霊塔があり、平成7年(1995年)6月23日に建立された「平和の礎」には、国籍や軍人・非軍人を問わず、沖縄戦などで亡くなったすべての人々の氏名が刻銘されています。(出典:平和祈念公園|沖縄県)

修学旅行など平和学習の場として、日々多くの来訪者を受け入れている施設であり、糸満市は平成5年(1993年)に平和都市宣言を行うなど、平和行政を継続的に担ってきた市です。この分野を志望する場合は、史実を正確に伝えることと、公園としての維持管理という2つの役割を意識しておきましょう。

糸満ハーレーに見る漁業のまち

旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる「糸満ハーレー」は、漁師が豊漁と航海安全を神々に祈願する爬龍船競漕行事で、平成24年(2012年)に市の無形民俗文化財に指定されました。(出典:糸満ハーレー|市公式サイト)この行事は、糸満市が古くから漁業と結び付いたまちであることを象徴しています。伝統行事の継承と、担い手の確保という課題は、多くの漁業地域に共通するテーマです。

爬龍船を漕ぐ技術や祈願の作法は、地域のなかで世代を超えて大切に受け継がれてきたものであり、行政による支援と、地域住民による自主的な継承の両輪で成り立っています。

比較的広い市域と分散した人口

糸満市の総面積46.60km²は、隣接する豊見城市(19.33km²)の2倍以上にあたります。人口密度は約1,335人/km²にとどまり、那覇市(7,534人/km²)や豊見城市(3,409人/km²)のような都市部と比べると、住民が市域の各地に分かれて暮らしている様子がうかがえます。

この点は、行政サービスの提供の仕方にも大きく影響を与える要素です。

糸満市の主な行政課題

ここまで確認してきた数字と歴史・伝統の姿を踏まえると、糸満市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

津波・地震への備え

県の津波浸水想定では、糸満市の最大津波水位は16.1メートル、水位が1メートルに達するまでの時間は10分とされています。(出典:沖縄県津波浸水想定の説明資料|平成27年3月(国土交通省資料))沿岸部を持つ市域である以上、避難態勢の整備は継続的な課題です。

短時間での避難行動が求められる想定であるため、日頃からの周知と訓練の積み重ねが何よりも欠かせません。

県営施設を抱える地元市としての役割

平和祈念公園は沖縄県が設置・管理する広域公園であり、糸満市の施設ではありません。市が担うのは、多くの来訪者を受け入れる地元としての環境整備や、平和都市宣言を行った市としての取組を続けていくことです。設置者である県と、地元市である糸満市の役割は別のものだという前提を、面接では取り違えないようにしてください。

県と市それぞれの立場を理解したうえで、糸満市としてどう協力していくかという視点を持っておくとよいでしょう。

比較的広い市域での行政サービスの提供

46.60km²という市域は、人口規模の割には広くとられています。住民が市域の各地に分かれて暮らしている以上、地域ごとの状況に応じたきめ細かい行政サービスが求められます。学校や公共施設の配置、公共交通の整備なども、市域の広さを十分に踏まえて検討する必要があります。

漁業・伝統文化の継承

糸満ハーレーに象徴される漁業文化を次の世代にどう引き継ぐかは、糸満市固有の課題です。担い手の減少や高齢化は、多くの伝統行事に共通する根深い悩みであり、行政としての支援のあり方が問われます。行事の運営には地域住民の協力が欠かせないため、行政と地域がどう役割を分担するかも継続して考えるべき論点です。

沿岸部の避難体制と市域全体の防災

前述の津波想定は、避難施設の整備や避難経路の確保に直結します。市域が広く、地域によって海からの距離も異なるため、沿岸部と内陸部を同じ計画でまとめることはできず、地区ごとに避難先と経路を組み立てる必要があります。

あわせて、防災訓練の実施状況や避難施設の耐震性といった、津波以外の備えについても継続的な点検が欠かせません。

糸満市の重点政策|県財政の環境と市の計画

糸満市は、市政の土台となる総合計画の名称や期間を、職員採用候補者試験の実施要項では示していません(2026年8月時点・当研究会調べ)。計画の全体像は市の公式サイトで公表されている計画本体にあたるのが確実です。そこで本記事では、まず沖縄県全体の財政の方向性を押さえ、そのうえで市の公式資料の調べ方を示します。

市町村の予算を左右する県の財政環境

沖縄県全体の令和5年度決算では、財政力指数が0.36(3年平均)、経常収支比率が96.2%という水準でした。(出典:令和5年度普通会計決算の概要|沖縄県)歳入のうち自主財源は38.4%にとどまり、依存財源が61.6%を占めています。

実質公債費比率(7.4%)や将来負担比率(24.9%)といった健全化判断比率はいずれも早期健全化基準を下回っていますが、自前の税収だけで行政運営を完結させられる状態にはほど遠いといえます。

こうした財政環境のもとでは、隣接市より市域が広く、住民が各地に分かれて暮らす糸満市ほど、どの地域に何を配置するかの見極めが重くなります。道路や上下水道といったインフラの維持費用も、市域が広い分、人口あたりで見れば相対的に大きくなりやすい構造だといえます。

県の施設と市の仕事の混同に注意

志望動機で平和祈念公園に触れる受験者は少なくありませんが、この公園を設置・管理しているのは沖縄県です。市役所の志望動機として語るなら、県営施設の運営そのものではなく、その施設を抱える地元市として何ができるかに軸を置きましょう。所管を取り違えたまま「この公園の運営に携わりたい」と話してしまうと、調べ方の浅さとして受け取られかねません。

悪い例「平和祈念公園の運営に携わって、糸満市を盛り上げていきたいです」

改善例「県の公園があることで、市外から糸満市を訪れる方が多いと聞きました。訪れた方が安心して過ごせるように、まちの側を整えていく仕事に関わりたいと思っています」

あわせて確認したい公式資料

糸満市は、総合計画の全体像や重点政策を実施要項ではなく市の公式サイトで公表しています。実施要項が詳しいのは第二次試験の日程と種目までですので、市政の方向性は次の資料(市公式で確認できる範囲のもの)で確かめてください。関心が近いものから、できる範囲で目を通しておきましょう。

  • 糸満市職員採用候補者試験の実施要項(市公式サイトに掲載される最新年度のもの。提出書類の様式は出願直前にも必ず再確認する)
  • 糸満市の総合計画・都市計画に関する市の公式発表資料(策定年・最新版を必ず確認する)
  • 平和祈念公園に関する県・市の公式情報(施設概要・利用案内・平和の礎の趣旨を含む。事前に必ず目を通す)
  • 糸満市の予算・決算に関する公表資料(直近年度のもの。財政の全体像を大まかにつかむのに役立つ)
  • 令和8年7月6日時点の職員採用候補者試験実施状況(区分ごとの申込者数・合格者数の推移を確認できる)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、糸満市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。糸満市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

糸満市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

糸満市役所の面接の概要

ここからは、糸満市役所の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析にもとづいて整理していきます。2日間にわたる第二次試験の全体像をつかんだうえで、一つひとつ順を追って準備を進めましょう。

糸満市役所の面接試験全体の流れ

糸満市の職員採用候補者試験は、大きく分けると第一次試験と第二次試験の2段階構成です。第二次試験は2日間にわたって実施され、面接に加えて作文試験・グループワークなど複数の種目が組み合わされます。

日をまたいで複数の種目に臨む構成である以上、1日目の出来を引きずらず、2日目もしっかり切り替えて臨む気持ちの整理も準備のうちです。

項目内容(令和8年度)
試験の段階第一次試験・第二次試験の2段階(第二次は第一次合格者のみ進む)
受付方法第一次合格者に対し、インターネット(パブリックコネクト)のメッセージ機能を通じて第二次試験の受験意向確認と必要書類の提出を求める
問い合わせ窓口糸満市役所 総務部 人事課 人事研修係
第二次試験1日目上級行政・上級建築・行政実務経験者・保健師・保育教諭は個人面接(1人30分)。保育教諭はさらに実技試験(絵本の読み聞かせ、ピアノ演奏)。初級消防・救急救命士は体力試験(握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、立ち幅とび、20mシャトルランの6種目)
第二次試験2日目全職種で作文試験(指定テーマ・800字以内・100分間)。保育教諭・消防職を除く全職種でグループワーク(指定テーマ)。中級行政・初級行政・初級消防・救急救命士は個人面接(1人30分)
面接カード紙の様式ではなく、採用ポータル「パブリックコネクト」のフォーム入力で提出する形式
提出書類面接カードのほか、最終学校卒業(見込み)証明書または在学証明書(卒業証書は不可)、資格・免許を要する職種は証明書等の写し

上記は、糸満市の令和8年度職員採用候補者試験実施要項にもとづく内容です。第一次試験の科目の詳細は公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。配点や合否の判定方法も公表されていません。同じ実施要項でも、年度や職種区分が変われば科目や試験の流れは変わり得ます。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(出典:令和8年度糸満市職員採用候補者試験実施要項)

令和8年度試験の実施状況(令和8年7月6日時点の集計)では、初級消防では申込者67名に対し第一次合格者3名、上級行政では申込者42名に対し第一次合格者15名という結果でした。保育教諭は申込者3名に対し第一次合格者1名、上級建築は申込者1名に対し第一次合格者1名です。全体では申込206名・受験188名・第一次合格54名です。(出典:令和8年度糸満市職員採用候補者試験実施状況)

区分によって選考の厳しさに幅があることも、心構えとして押さえておきましょう。とくに消防職は申込者数が多い一方で第一次試験の合格枠が限られており、筆記試験の段階からまったく油断のできない区分だといえます。

糸満市が求める人材像について

糸満市の実施要項の本文には、他の自治体でみられるような定型の「求める人材像」に相当する記載を確認できません(当研究会調べ)。そのかわり具体的に公表されているのが、第二次試験を2日間に分け、個人面接・作文試験・グループワークを組み合わせるという選考の設計です。

書く力と、その場で意見を交わす力の両方が求められる構成であり、個人面接だけでなく複数の種目を通じて人物を見ようとする姿勢の表れとも読み取れます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。糸満市の面接も、この見取り図に沿って準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はここまでどうやって来ましたか?台本のない一言への反応に、ふだんの人柄がにじむか
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか?公務員を選んだ理由が、自分の経験から説明できているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?弱みへの自覚と、それとどう向き合っているか
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください困難の大きさより、そのときの考え方と行動
⑤ 学業・経歴学業や活動で力を入れたことを教えてください取り組みの理由と、そこから得たものを筋道立てて話せるか
⑥ 適性・将来入庁後、どんな仕事に取り組みたいですか?糸満市の仕事への理解の解像度
⑦ 公共性・社会性最近気になったニュースは何ですか?社会の動きへの関心と、それを短く語る力

この7つの角度は、面接そのものの土台であると同時に、糸満市の第二次試験では作文試験やグループワークの土台にもなります。書くにしても、その場で意見を交わすにしても、引き出してくる材料は結局この7つの角度に収まるからです。まずはここを一通り埋めたうえで、次に見る糸満市固有の質問への備えに進んでください。

合否を分けるのは「糸満市役所ならでは」の質問

「県庁や近隣の市ではなく、糸満市役所で働きたいのはなぜですか」
「糸満市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

市の歴史や、平和祈念公園に代表される施設の役割を正確に理解しているかどうかによって、回答の重みは変わります。施設や行事の名前を挙げるだけで終わらせず、設置者が県なのか市なのかを正しく踏まえたうえで、自分が市職員として何をしたいのかまで話せるようにしておきましょう。

歴史に関わるテーマだからこそ、軽々しい言葉遣いにならないよう、事前に自分の言葉を丁寧に選んでおくことも大切です。

質問テーマ知っておきたい糸満市の事実答え方のヒント
市の成り立ち昭和36年の合併で誕生した糸満町が、合併10周年の節目にあたる昭和46年12月1日に市制を施行した歴史の長さより、そこから今日まで続く行政の役割に触れます
平和祈念公園摩文仁にある計画面積47.0haの県営の広域公園。平和祈念資料館・国立沖縄戦没者墓苑・各県の慰霊塔を含み、平和学習の場として利用されている設置者は県だと正確に押さえたうえで、地元市としての関わり方を述べます
糸満ハーレー旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われる爬龍船競漕行事で、平成24年に市の無形民俗文化財に指定伝統文化の継承という視点で、行政の支援のあり方に触れます
津波への備え県想定で最大津波水位16.1メートル、水位1メートルへの到達時間10分(平成27年3月設定)短時間での避難が求められる想定への理解を具体的に語ります
2日間にわたる第二次試験1日目に個人面接(区分により実技または体力試験)、2日目に作文とグループワークが実施され、複数の種目で人物が確かめられる各種目で語る内容に一貫性を持たせることを意識します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。歴史に関わるテーマを選ぶ場合は、とくに丁寧な言葉選びを心がけておきましょう。

想定される評価の観点

観点を組み立てる手がかりになるのは、糸満市が公表している第二次試験の設計です。一人30分の個人面接に、作文試験とグループワークを組み合わせ、2日間かけて人物を見る。この三本立ては、話す・書く・その場で人と関わるという別々の場面から、経験の中身と行動の再現性を確かめようとする組み立てになっています。

広く使われるコンピテンシー評価の考え方とも重なりますが、糸満市の場合はとくに、作文で書いた内容と面接での発言に食い違いがあると、一貫性という面でマイナスの印象を与えかねません。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
自分で考えて動く力決められた手順をなぞるだけでなく、状況に応じて工夫を加えた経験があるか「言われる前に気づいて動いた」場面を、具体的な行動として説明できるようにする
周囲と協力しながら進める力グループワークのように、他者と意見を交わしながら物事を進めた経験があるか結論だけでなく、話し合いの過程での自分の役割を説明できるようにする
地域の成り立ちへの理解糸満市が歩んできた経緯や受け継いできた文化を、どこまで正確に理解しているか市が公式に示している事実の範囲で、自分の言葉に置き換えて説明できるようにする

作文試験では、この3つの観点のいずれかにつながるテーマが出題される可能性があります。面接での受け答えと矛盾しない内容を、時間内に整理して書けるように練習しておきましょう。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。この深掘りは、作文やグループワークで語った内容についても及ぶ可能性が十分にあります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、実際の準備の手順に落とし込みます。2日間にわたる第二次試験を意識した組み立てにしていますので、順番に確認してください。

  1. 糸満市の公式サイトから最新年度の実施要項を入手し、区分ごとの試験科目と第二次試験2日間の流れを確認する
  2. 高校・大学生活や仕事の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の第1部を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 作文試験とグループワークの練習もあわせて行う。時間内に自分の考えを簡潔にまとめる練習を重ね、面接での発言内容と食い違わないようにしておく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。糸満市は作文試験もあるため、話す練習だけでなく書く練習にもきちんと時間を配分しておきましょう。

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、糸満市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。作文試験・グループワーク・面接という複数の種目にどう時間を配分すればよいか迷っている方にも役立ちます。

糸満市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。作文試験とグループワークを含む2日間の第二次試験に向けて、材料をあらかじめ整理しておく助けにもなるはずです。

糸満市役所の想定問答集を見る

さいごに

糸満市の試験は、第一次試験に続いて、第二次では面接・作文・グループワークが2日間で組み合わされる構成です。市制施行までの歩み、県が設置した平和祈念公園、市の無形民俗文化財である糸満ハーレー。これらの事実を、名前を知っているだけで終わらせず、自分がどう関わりたいのかというところまで、時間をかけて言葉にしておいてください。

区分によって選考の厳しさに大きな幅がある試験でもあるため、自分の受ける区分の実情を把握したうえで、一つひとつの種目を丁寧に仕上げていく姿勢が欠かせません。歴史ある土地で働くことの意味を、自分の言葉で丁寧に語れるようになるまで、じっくりと準備を重ねてください。