本記事では、角田市職員採用試験の面接対策で必要な、角田市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

角田市役所の面接試験では、「なぜ角田市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。角田市の第1次試験はSPI3のみで、教養試験や専門試験がありません。

筆記の負担が軽い分、人物試験で何を語れるかが結果を大きく左右します。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と角田市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

角田市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは角田市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 宮城県の南部に位置する、人口25,920人の市である(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。
  • 総面積は147.53km²で、人口密度は176人/km²。県土のおよそ2%にあたる市域に、県人口の1%あまりが暮らしている。
  • 白石市と、亘理町・山元町・柴田町・大河原町・丸森町の1市5町に隣接する。暮らしや働き方が近隣の市町と結び付きやすい位置にある。
  • 市役所は角田市角田字大坊41に置かれ、職員採用は人事委員会ではなく総務部総務課人事係が所管している。
  • 第1次試験にSPI3を採用し、募集要項で「公務員試験対策が不要」と説明している。民間企業を志望する学生にも受験しやすい採用方式を、市の側から打ち出している。
  • 令和9年4月1日採用の試験では、行政(一般事務)5名・技師(土木)3名・保健師1名・保育士1名を採用予定としている。事務職から技術職・資格職まで、1区分あたり数名という採用枠である。
  • 市の花はリンドウ、市の木はカシ。
  • 市政の方向性をつかむ手がかりは、角田市公式サイトの市政情報と広報紙にまとまっている。総合計画や重点施策の名称は、受験する年の最新版を市公式サイトで確かめておきましょう。

角田市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「角田市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、人口密度など、角田市の基礎的なプロフィールを整理しました。市の規模は単独の数字だけでは実感しにくいので、比較の物差しとして宮城県全体の数値もあわせて示します。

項目内容
総人口25,920人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積147.53km²
人口密度176人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
隣接自治体白石市・亘理町・山元町・柴田町・大河原町・丸森町(1市5町)
市の花/市の木リンドウ/カシ
(参考)宮城県の総人口2,227,240人(令和7年10月1日現在)
(参考)宮城県の総面積7,282km²
(参考)宮城県の人口密度約306人/km²(上記2項目から算出)

角田市の人口・総面積・人口密度・隣接自治体・市の花木は、当研究会が整備する自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による値です。基準日や集計方法によって市公式の推計人口とは差が出る場合があるため、面接で数値に触れる際は角田市公式サイトの最新値もあわせてご確認ください。宮城県の総人口は令和7年国勢調査人口速報集計、総面積は宮城県公式プロフィールによります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

角田市の人口密度176人/km²は、宮城県全体の約306人/km²と比べるとおよそ半分の水準です。県の総人口は令和7年国勢調査の速報集計で2,227,240人となり、令和2年調査から74,756人(3.25%)減りました(出典:令和7年国勢調査 人口速報集計|宮城県

県土の総面積7,282km²のうち角田市が占めるのは約2%で、県内でも中規模の市域を、2万5千人あまりの市民と職員が支えている計算になります(参考:宮城県の位置と地勢|県公式プロフィール

この「面積の割に人口が集まっていない」という構造は、生活の足の確保や公共施設の維持といった論点に直結します。たとえば面接では、角田市の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「角田市は人口が2万5千人ほどで、同じ広さに住んでいる人の数でいうと宮城県全体の半分くらいだと知りました。人が広く暮らしているぶん、買い物や通院のときの移動をどう支えるかが、これから大事になっていくのではと感じています」

角田市の経済・産業

県全体の経済から角田市の土台を押さえる

市の産業を理解するには、まずその市が乗っている県経済という土台を知るのが近道です。ここでは宮城県全体の経済の姿から、角田市の産業を考える下地を整理します。

  • 令和5年度の県内総生産は名目10兆509億円(前年度比5.0%増)、実質9兆6,585億円(同1.7%増)。
  • 同じ令和5年度の県民所得は6兆9,149億円(前年度比6.1%増)で、一人当たり県民所得は305万4千円(同6.9%増)。
  • 令和2年の工業(確報)では、製造品出荷額等が4兆3,580億円(前年比3.9%減)、従業者4人以上の事業所数が2,593、従業者数が111,794人

つまり、角田市の産業は、名目10兆円規模の県経済という土台の上に置かれているという理解から始めるのが実際的です。市単独の統計が手元になくても、県全体の規模と、製造業が県経済の一角を占めるという構造を押さえておけば、産業振興や雇用の話題で答えの軸を失わずにすみます。

角田市自体の主要産業や事業所の状況は、市の公式サイトや広報紙であわせて確認しておきましょう。(出典:宮城県民経済計算|令和5年度宮城県の工業(確報)|令和2年

働く場と担い手の見通し

県の人口は令和7年10月1日現在で2,227,240人と、5年前より3.25%減っています。宮城県は出生数の減少と死亡数の増加により平成17年(2005年)に自然減へ転じ、社会増減も東日本大震災に伴う復興需要期を除けば2000年以降は転出超過が続いてきました。

働き手そのものが細っていく局面にあるということです

角田市のように人口規模の小さい市では、この影響が事業所の後継者や地域の担い手の不足として現れやすくなります。面接で産業振興を語るなら、企業を呼ぶ話だけで終えず、すでにある事業所と働き手をどう支えるかという視点まで持っておくと、地に足のついた答えになります。

近隣の市町とのつながり

角田市は白石市と5つの町に隣接しています。買い物や通院、通勤や通学といった暮らしの動きは行政区域で止まらないため、公共交通や医療、災害時の応援などの分野では、市単独ではなく近隣自治体との関係の中で考えたほうが実態に合います

市域の内側だけを見て「角田市の課題」を語ると、面接官からは視野が狭い受け答えに映ることがあります

角田市の主な行政課題

ここまでの数字を踏まえると、角田市が宮城県内の市として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少局面が続く県の中での位置

宮城県の人口は2003年(平成15年)の推計人口237万1,683人をピークに減少局面へ入りました。県の人口ビジョン関連資料では、国立社会保障・人口問題研究所の推計に準拠したケースで2060年の県人口を157.2万人と試算しています。

同じ資料は、仙台都市圏の人口が増加傾向にある一方でそれ以外の圏域の人口は一貫して減少しているとして、県内の地域間格差を課題に挙げています(出典:宮城県の人口の現状と将来見通し(人口ビジョン関連資料)

角田市がこの二つの動きのどちら側にあるのかは、市が公表している推計人口の推移で必ず自分の目で確かめておきましょう。県の分析をそのまま角田市の課題として語ると、事実の裏づけのない話になってしまいます

高齢化の進行と暮らしを支える体制

宮城県の高齢者人口(65歳以上)は658,415人、高齢化率は29.7%で、前年から0.2ポイント上昇しました(令和7年3月31日現在)(出典:宮城県の高齢者人口|令和7年3月31日現在。県全体でおよそ3人に1人が65歳以上という段階に入っており、人口規模の小さい市ほど、その影響は福祉や医療、移動手段の確保といった身近な場面に早く現れます

角田市でも、限られた職員数で福祉と地域づくりの両方を担う場面が想定されます

大規模地震への備え

宮城県第五次地震被害想定調査(令和5年度)は、東北地方太平洋沖地震と同規模の地震(マグニチュード9.0・最大津波高約22メートル)で県内死者数を約5,500人と想定しています。

最大震度7が予測される内陸型地震としては、長町‐利府線断層帯地震(マグニチュード7.5)で約1,100人、スラブ内地震(同7.5)で約750人という想定が示されています(出典:宮城県第五次地震被害想定調査 報告書(概要)|令和5年度

これらは県全体の想定です。角田市でリスクがどう現れるかは、市が公表しているハザードマップや防災情報で必ず確認しておきましょう。

面接で防災に触れるなら、県の想定を出発点にしつつ、自分が暮らす地域の想定まで下ろして話せると説得力が変わります

公共サービスの担い手をどう確保するか

人口が減り高齢化が進むということは、行政サービスの受け手が増える一方で、支える側の人材が減っていくということでもあります。角田市が第1次試験にSPI3を用い、募集要項で公務員試験対策を求めない形をとっているのは、この人材確保という文脈の中で理解できます。

採用の間口を広げて人を集めることと、市の仕事に長く向き合える人を見きわめることを、同時に進めなければならないのが市の立場です。受験者側から見れば、これは「入口が広い分、人物試験での見きわめが丁寧になる」という意味でもあります

重点政策|宮城県の方針と角田市の位置づけ

市の重点政策を読み解くには、その市が置かれている財政と人口の条件を先に押さえておくと理解が早くなります。ここでは宮城県の財政状況と人口の将来見通しを背景として整理し、市政を考える土台とします。

角田市自身の計画名や具体的な施策は、角田市公式サイトの市政情報で最新版を確認しておきましょう。

県財政の状況という前提

宮城県の令和6年度普通会計決算に基づく財政力指数は0.60728で、自主財源だけでは必要な行政サービスを賄いきれない水準です。経常収支比率は95.4%と、毎年入ってくる収入の95%以上が固定的な支出で埋まっています(前年度から1.3ポイント改善)。

健全化判断比率は実質公債費比率10.0%(早期健全化基準25.0%)、将来負担比率130.8%(同400%)で、いずれも基準は下回っています(出典:宮城県の令和6年度普通会計決算|財政指標

県と市では財政の規模も構造も異なりますが、「新しいことを始めるには、いまあるものを見直すしかない」という制約は共通しています。角田市自身の財政状況は市が公表する財政資料で確認できますので、志望動機で新しい取り組みを語る場合は、その財源をどう考えるかまで一言添えられるようにしておきましょう

人口の将来見通しと地域間格差

前掲の人口ビジョン関連資料が示す2060年157.2万人という試算は、現在の県人口からおよそ3割減る姿です。しかもその減り方は県内で一様ではなく、仙台都市圏とそれ以外の圏域で差が開いていくと分析されています。

角田市の職員として働くということは、人口が減っていく前提の上で、暮らしの水準をどう保つかを考え続ける仕事だといえます。面接では、この見通しを踏まえたうえで自分がどんな役割を担いたいのかを語れると、付け焼き刃ではない志望動機として伝わります。

POINT|角田市の計画名がわからなくても準備はできる

計画の名称を暗記することが自治体研究の目的ではありません。①角田市の人口規模と地理的な位置を知る → ②その中で自分が携わりたい仕事を考える → ③市の窓口業務や広報で実際にどんな取り組みが行われているかを調べる → ④自分の経験や強みをどう生かせるかを言葉にする、という順で準備しましょう。

悪い例「角田市の活性化のために頑張りたいです」

改善例「まずは窓口の仕事など、市民の方と直接やり取りするところから覚えていきたいです。その上で、角田市は人口が2万5千人ほどで、職員一人が受け持つ範囲が広いと聞いていますので、部署が変わっても頼ってもらえる職員になりたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 令和8年度角田市職員募集要項(最新年度・志望する試験区分のもの)
  • 角田市公式サイトの市政情報・広報紙・財政に関する公表資料
  • 角田市が公表している防災情報(ハザードマップ等)
  • 宮城県の統計・決算資料(県内における角田市の位置づけを知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、角田市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。角田市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

角田市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

角田市役所の面接の概要

ここからは、角田市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

角田市役所の面接の流れ

令和8年度角田市職員募集要項(令和9年4月1日採用)によると、上級試験(大学卒業程度)と中級試験(短大卒業程度)の採用試験は第1次から第3次までの3段階で行われます。第1次試験は全職種がSPI3試験で、募集要項は「公務員試験(教養試験・専門試験)は実施しません」と明記しています。

人物試験は第2次の集団討論試験と第3次の個別面接試験の2回に分かれ、どちらも「公務員としての適格性についての人物面からの試験」と位置づけられています(出典:令和8年度角田市職員募集要項|令和9年4月1日採用

項目内容(令和8年度・上級試験/中級試験)
試験の段階第1次試験・第2次試験・第3次試験の3段階
第1次試験全職種でSPI3試験。能力検査(35分)と性格検査(30分)で構成され、全国のテストセンターから会場と日時を選んで受験します(県内会場は仙台会場)
第2次試験論文試験と人物試験(集団討論試験)の2種目
第3次試験人物試験(個別面接試験)、健康診断、資格調査
論文試験の内容身近な事例を課題として、公務員として必要な識見、判断力、思考力等をみる記述試験(60分)
配点各試験種目の配点・満点は募集要項に記載がなく、公表されていません
提出書類エントリーシートのみ。リクナビの専門サイトからエントリーし、届いた提出依頼メールに返信する方式で、郵送や持参による受付はありません
試験会場第2次試験はかくだ田園ホール(市民センター)、第3次試験は角田市役所を予定
結果通知各試験とも受験者全員に結果を通知。第1次試験は合否通知書の郵送に加え、合格者の受験番号を市ホームページに掲載
試験の所管人事委員会ではなく、総務部総務課人事係

この構成から読み取れることは2つあります。1つは、筆記の入口がSPI3だけだということです。

公務員試験の勉強量で差がつきにくいため、第2次以降の論文と人物試験の比重が実質的に重くなります。もう1つは、集団討論と個別面接という性格の違う人物試験を2回受けるということです。

集団の中での振る舞いと、一対一で掘り下げられたときの受け答えは、準備の仕方が異なります。

また、申込者が一定数を超えた場合には、必要に応じてエントリーシートによる書類選考が行われ、通過した人にだけ第1次試験の受験依頼メールが送られます。エントリーシートは面接の材料にもなる書類ですから、提出前に、面接で話すつもりの内容と食い違いがないか確かめておきましょう。

最新の実施状況や試験結果は、市公式サイトの採用情報ページで公表されます(参考:角田市の職員採用情報

上記は令和8年度角田市職員募集要項(令和9年4月1日採用)による上級試験・中級試験の内容です。角田市は初級試験を別の案内で実施しており、試験の構成が異なる場合があります。面接官の人数、個別面接の所要時間、集団討論のテーマや進行方式は公表されていません(募集要項は、第2次試験以降の詳細は合格者へ個別に通知するとしています)。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ず最新の受験案内でご自身の区分の試験情報をご確認ください。

角田市役所が求める人物像

角田市の募集要項には、他の自治体でみられる定型の「求める人物像」にあたる記載を確認できません(当研究会調べ)。そこで、募集要項の記述から評価の力点を読み解きます。

手がかりは3つあります。第一に、論文試験が「身近な事例」を課題として識見・判断力・思考力をみる記述試験であること。

第二に、人物試験が集団討論と個別面接の2回にわたること。第三に、第1次試験にSPI3を用い、公務員試験対策を求めない形で受験の間口を広げていることです。

ここから、身近な生活課題を自分の頭で考える力、集団の中での関わり方、幅広い仕事に前向きに向き合う姿勢の3点が見られていると考えられます。自己PRでは「まじめです」「粘り強いです」と述べて終わらせず、その姿勢を発揮した結果、周りの人や状況がどう変わったのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。角田市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは迷わず来られましたか身構えていない一言のやり取りに出る、第一声の表情と落ち着き
② 動機・志望なぜ公務員を志望するのですか民間企業でも実現できる動機で止まっていないか。職業選択の理由が自分の経験とつながっているか
③ 自己理解あなたの長所を、周りからどう言われるかも含めて教えてください自己認識と、他者からの見え方が結び付いているか
④ 経験・行動これまでで一番苦労した経験と、その時どう対応したかを教えてください苦労の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという中身
⑤ 学業・経歴学んできた内容を、専門外の人にも分かるように説明してください相手に合わせて言葉を選び直す力と、学びを仕事へつなげる視点
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか市役所の仕事の幅への理解と、配属をめぐる現実的な構え
⑦ 公共性・社会性最近気になった地域のニュースを教えてください身の回りの出来事を行政の視点でとらえ、自分の意見を述べられるか

ただし、この7カテゴリーは角田市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「角田市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「角田市役所ならでは」の質問

「なぜ宮城県庁ではなく、角田市役所なのですか」
「角田市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

角田市は第1次試験がSPI3であるため、民間企業と並行して受験する人も少なくないと考えられます。だからこそ「なぜ民間ではなく公務員なのか」「なぜ県庁ではなく角田市なのか」という二段構えの問いに、自分の言葉で答えられるかどうかが差になります。

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「角田市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい角田市の事実答え方のヒント
市の規模感人口25,920人・面積147.53km²・人口密度176人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。宮城県全体の人口密度は約306人/km²2万5千人という規模を「小さい」で終わらせず、職員一人が受け持つ仕事の幅が広くなることを、自分が望む働き方と結び付けて話します
なぜ県庁ではなく市役所か県が広域の計画と市町村間の調整に回るのに対し、147.53km²に25,920人が暮らす市の側には、生活の足の確保や公共施設の維持といった身近な判断が集まる。角田市は人事委員会を置かず、総務部総務課人事係が採用試験を所管して市が直接選考を進めている制度の説明で止めず、住民の顔が見える距離で働きたい理由を、自分が実際に見聞きした場面から語ります
採用方式と併願第1次試験はSPI3のみで、募集要項は公務員試験対策が不要と説明。民間企業志望者にも開かれた採用方式併願を隠さずに、角田市を選ぶ理由を先に言い切ってから他社の話に触れると、志望度の高さが伝わります
近隣自治体とのつながり白石市と亘理町・山元町・柴田町・大河原町・丸森町の1市5町に隣接する市単独では完結しにくい分野(医療、公共交通、災害時の応援)を一つ挙げ、近隣と一緒に取り組む視点で語ります
防災・危機管理宮城県第五次地震被害想定調査(令和5年度)は、長町‐利府線断層帯地震(マグニチュード7.5)で県内死者数約1,100人、東北地方太平洋沖地震と同規模の地震(同9.0)で約5,500人と想定県全体の想定を出発点にしつつ、角田市のハザードマップで自分の住む地域の想定まで確かめてから、備えとして何ができるかを話します

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、先ほど整理した「角田市で評価されやすい力」に照らして、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
身近な課題を考えぬく力暮らしの中の出来事について、何が問題で、誰にどう影響するのかを整理して話せるか角田市で暮らす人が困りそうな場面を一つ選び、原因と打ち手を考えておきます。身近な事例を課題とする60分の論文試験の準備が、そのまま面接の材料になります
集団の中での関わり方第2次の集団討論で、意見を出す役と話を整理する役のどちらでも動けるか議論が止まった場面で自分がどう働きかけたかを、ゼミや部活動の具体例で用意しておきます
幅広い仕事に向き合う姿勢個別面接で、希望以外の分野や不慣れな役割にどう向き合うかを問われる今回の募集が行政、土木、保健師、保育士の4区分で各1〜5名という規模の角田市では、担当の枠を越えて動く場面も想定されます。未経験のことを引き受けた経験を話せるようにしておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。角田市は性格の違う人物試験が2回ありますので、同じ経験を別の角度から確かめられることも想定しておきましょう。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておくことが、いちばんの備えになります。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の募集要項を読み、志望する試験区分の受験資格と試験の流れ、エントリーシートの提出方法を確認する(申込はリクナビの専門サイトからのエントリーが起点で、検索する名称は「角田市」です)
  2. 高校・大学生活やアルバイト等の経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。個別面接を想定した一問一答に加えて、集団討論を想定し、人の意見を受けて言い直す練習も行う

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、角田市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

角田市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

角田市役所の想定問答集を見る

さいごに

角田市の採用試験は、第1次がSPI3だけという入口の広さと、集団討論と個別面接という2回の人物試験の組み合わせに特徴があります。配点は公表されていませんが、段階が進むほど、人物試験で何を語れるかが結果を左右する構成だといえます

人口2万5千人あまりの市で、令和9年4月1日採用の募集区分は行政、土木、保健師、保育士の4つ、採用予定はいずれも数名です。その現場に自分が加わったとき、何ができるのか

角田市の規模と近隣自治体とのつながり、そして県全体の人口の見通しを手がかりに、自分の経験と結び直す時間をとってから本番に臨みましょう