登米市消防本部を受験する方に向けて、面接で問われる前提となる組織研究の材料(本部の特徴基礎データ管轄地域の特性消防課題重点方針)と、面接本番の流れ想定される質問評価の観点を、1ページに整理しました。

登米市消防本部の面接試験では、「なぜ警察官や自衛官ではなく消防官なのか」「なぜ登米市消防本部を志望するのか」「消防官としてどんな役割を担いたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。登米市が単独で消防本部を持つ市であることや、令和8年度の採用試験が2段階制へと整理されたことを知っておくと、他の消防本部の情報と混同しない、登米ならではの受け答えがしやすくなります。

ここから先の材料をたどりながら、ご自身の歩みと登米市消防本部の仕事が重なる場所を見つけていってください。

試験の枠組みは年度によって変わることがあるため、必ず実施年度の実施要項とあわせて確認しましょう。特に試験の段階数や面接の回数は年度で変わることがあるため、過去の情報を鵜呑みにしないよう注意が必要です。

第1部|組織研究編

登米市消防本部の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは登米市消防本部の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 登米市消防本部は、人口約7万人の登米市を単独で管轄する市直営の消防本部。構成市町村は登米市のみで、消防職員採用試験は「登米市消防職員採用試験(初級)」という専用の実施要項で行われる。
  • 消防吏員(消防士などの階級を持つ職員)は164人(うち女性3人・令和7年4月1日現在)が在籍している。
  • 出動件数は令和6年中で火災37件・救急3,744件・救助35件と、件数の大半を救急が占める
  • 令和8年度の消防職の採用予定人員は2名程度で、試験は第1次試験・第2次試験の2段階で実施される。
  • 受験資格は「平成12年4月2日以降に生まれた人」という年齢の上限のみのシンプルな要件になっている。
  • 採用後は仙台市にある全寮制の宮城県消防学校に約1年間入校し、基礎知識・技能を身につけたうえで、登米市消防本部・消防署・出張所に配属される。
  • 受験申込は「登米市採用情報サイト(パブリックコネクト)」からの電子申請が原則となっている。
  • 最終合格者は採用候補者名簿に登録される仕組みで、「最終合格者全員が採用されるとは限りません」と明記されている。名簿の有効期間は1年間で、採用は令和9年4月1日が予定されている。
  • 勤務時間は、毎日勤務が週休日を除く7時間45分、交替制勤務は2日間で15時間30分(休憩・仮眠時間を除く)という体制がとられている。

登米市消防本部の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「登米市消防本部の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

人口と年齢構成、吏員数、出動件数、採用の枠組みを、次の表で一覧にしました。

項目内容
管内人口70,486人(令和8年1月1日現在。高齢化率38.7%・75歳以上率20.5%)
設置形態単独設置(構成1団体:登米市)
消防吏員数164人(うち女性3人)※令和7年4月1日現在
火災出動件数37件(令和6年中)
救急出動件数3,744件(令和6年中)
救助出動件数35件(令和6年中)
採用区分初級(高等学校卒業程度)・消防。令和8年度の採用予定人員は2名程度
初任給200,300円(高等学校新卒者の場合・令和8年4月1日現在)

管内人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和8年1月1日現在によります。消防吏員数と出動件数は、総務省消防庁が公表するデータによります(出典:登米市消防本部の公表データ|令和7年4月1日・令和6年中)。採用区分と初任給は令和8年度の登米市消防職員採用試験(初級)実施要項によります(出典:登米市消防職員採用試験(初級)実施要項|令和8年度)。

県平均を上回る高齢化と、救急に偏る出動

登米市の管内人口は70,486人、高齢化率38.7%、75歳以上人口率20.5%です(いずれも令和8年1月1日現在)。県全体の高齢化率29.7%(令和7年3月31日現在)を9ポイント上回る水準です(出典:宮城県の高齢者人口|令和7年3月31日現在

出動の中身を見ると、火災37件に対して救急は3,744件で、件数の大半を救急が占めています。住民の5人に1人が75歳以上という構成が、この救急件数を下支えしていると考えられます。

火災37件・救急3,744件・救助35件という令和6年中の出動を164人で受け止めていることになり、一人ひとりが現場に出る機会は決して少なくありません

「登米市の高齢化率は約4割と聞きました。救急の出動が3,700件を超える一方で、火災は40件に満たない件数ということですので、高齢化が進む地域の救急需要にしっかり向き合える力を身につけたいと考えています」

管轄地域の特性と災害リスク

管轄地域の全体像

  • 登米市消防本部は登米市が単独で設置する消防本部で、管轄も同市の区域。管内の消火・救急・予防を消防吏員164人で担っている(前章参照)。
  • 管内人口は70,486人(令和8年1月1日現在)で、高齢化率38.7%・75歳以上率20.5%と、宮城県全体の水準を上回る高齢化が進んでいる。

つまり登米市消防本部は、7万人あまりの管内を164人で受け持つ市直営の消防本部だと整理できます。高齢化の進み方が、そのまま救急の忙しさに跳ね返っている点を押さえておくと、この本部の日常が想像しやすくなります。

採用後は約1年間の消防学校を経てから現場に立つという流れも、働き方を考えるうえでの前提になります。

東日本大震災と、地域防災計画が備える3つの災害

登米市は東日本大震災で「最大で震度6強を観測しました」と公式に記載し、あわせて地震発生直後に災害対策本部を設置し、被災者の避難場所の確保やライフラインの復旧など各種の対応にあたってきたと記しています(出典:東北地方太平洋沖地震への対応|登米市。宮城県が公表する市町村別被害状況一覧では、登米市分は直接死0人・関連死10人の合計10人、行方不明者3人、重傷12人・軽傷40人で、住家被害は全壊201棟・半壊1,801棟・一部破損3,362棟です(令和8年2月28日現在)。

沿岸ではない内陸の市でも、住家の被害は5千棟を超える規模におよびました。市はこの経験を「東日本大震災の記録〜震災対応と復興に向けて〜」という記録誌にまとめ、総務部防災危機対策室が発行しています。

地震・風水害・原子力の3編で構成される地域防災計画

登米市の地域防災計画は「地震災害対策編」「風水害等災害対策編」「原子力災害対策編」の3編で構成されています。令和8年3月の登米市防災会議では、この3編の一部が修正されました。

あわせて「原子力災害時における避難計画(豊里町・津山町編)」が策定されており、市の一部が原子力災害対策の対象区域に含まれていることがうかがえます(出典:計画の修正|登米市

火災と救急に加えて、地震・風水害・原子力という3つの系統の災害を計画上の前提に置いている点は、内陸の市の中でも違いが出るところです。なお、対象となる施設名や区域の範囲は当該ページに記載がないため、確かめないまま補って理解しないよう注意してください。

隣接する本部との相互応援が実際に動いた例

平成20年の岩手・宮城内陸地震では、震度6強を観測した隣接の栗原市が、発災当日の午前10時37分に登米市消防本部へ救急隊の出動を要請しています。管内で完結しない災害が起きたときに、隣り合う本部同士がどう動くのかを示す実例です

登米市消防本部自身も、地域防災力を高める取組として、自主防災活動への参加の呼びかけ、消防団協力事業所表示制度、WEB講習を活用した救命講習、119番のかけ方の案内を公式サイトに掲出しています。災害への備えが、住民との日常的な接点の中でも進められていることがわかります。

164人の本部が登録された枠組み

全国の消防本部の約99%にあたる718本部(6,661隊・令和6年4月1日現在)が緊急消防援助隊に加わっています(出典:緊急消防援助隊|消防白書164人という規模の登米市消防本部も、この枠組みに登録された本部の一つです

手に負えない規模の災害では応援を受け入れ、他地域で大きな災害が起きれば駆け付ける側に回ります。どちらの動きも、日頃の訓練で保ち続けることが求められます

登米市の主な消防課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、登米市消防本部が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「消防の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

3系統の災害を前提にした計画への習熟

登米市の地域防災計画は、前章で見たとおり地震・風水害・原子力の3編で構成され、原子力災害時の避難計画は豊里町・津山町の区域を対象として別に用意されています。消防本部にとっては、火災と救急の技術に加えて、それぞれの計画の中で自分たちがどの局面を担うのかを把握しておくことが必要になります。

面接で防災について尋ねられたときは、計画の名前を挙げるだけでは足りません。3つの編があるという事実から、備えるべき範囲の広さや、住民への周知が欠かせないことまで話をつなげられると、調べた内容が自分のものになっていると伝わります。

救急需要の増加

全国の救急出動は令和6年中に771万8,380件(前年比1.0%増)となり、統計を取り始めて以降で最も多い件数を更新しました。搬送人員のうち65歳以上が占める割合は63.3%です(出典:令和7年版 救急・救助の現況

登米市消防本部でも、火災37件に対し救急3,744件(いずれも令和6年中)と、出動の大部分を救急が占める構図は同じ流れの中にあります。75歳以上の住民が2割を超えるという状況ですので、救急要請が高い水準で続くことを見込んだ人員と資機材の配置が課題になります

救急と広域応援を同じ人数で回す

前の章で確認したとおり、登米市消防本部も緊急消防援助隊に名を連ねています。7万人あまりの管内を164人で守る本部にとっては、日々の救急と広域応援の備えを同じ人数でやりくりし続けることが課題です。

目の前の要請に追われる中で、外へ出て行ける余力をどう残すかという問題だと言い換えてもよいでしょう。

人材確保と女性吏員の活躍

登米市消防本部の消防吏員164人のうち、女性は3人です(令和7年4月1日現在)。全国の消防吏員に占める女性の割合は約3.8%(168,230人中6,386人・令和7年4月1日現在)で、国は「令和8年度当初までに5%」という目標を掲げています(出典:女性消防吏員の活躍推進|消防庁

限られた人数で現場を回し続けるという意味でも、幅広い層から人を迎え入れられるかどうかは、登米市消防本部にとって長く続く宿題です。

令和8年度から整理された試験の枠組み

登米市の消防職員採用試験は、令和8年度から第1次試験・第2次試験の2段階に整理されています。第1次試験は教養試験の結果のみで合否が決まり、作文試験は第1次試験時に実施するものの評価は第2次試験に持ち越されます。

第2次試験では、作文試験・人物試験・体力試験の合計得点に、健康診断書による審査と資格調査の結果をあわせて最終合否が決まります。教養試験の得点は第1次試験の合否判定にのみ使われ、最終合否には持ち越されない点も押さえておきましょう。

採用予定人員が2名程度という狭い枠に対して、この評価の流れを正確に理解しておくことが準備の第一歩になります。受験資格も「平成12年4月2日以降に生まれた人」という年齢の上限のみで、他の多くの本部にあるような細かい条件が付されていない点も、登米市消防本部の特徴の一つです。

重点方針|体力試験と身体基準にみる期待水準

登米市消防本部が独自にまとめた運営方針や重点計画は、公表資料の中に見つけられませんでした(2026年8月時点・当研究会調べ)。手がかりの一つになるのが、消防区分の第2次試験に置かれた体力試験と身体検査の内容です。

実施要項には「瞬発力、動的持久力、敏捷性、全身持久力、平衡性、柔軟性について次の5種目により試験を行います」として、立ち幅跳び・上体起こし・腕立伏臥腕屈伸・時間往復走・5分間走の5種目が明記されています(出典:登米市消防職員採用試験(初級)実施要項|令和8年度

5種目と身体基準が示すもの

実施要項は、この5種目によって瞬発力・動的持久力・敏捷性・全身持久力・平衡性・柔軟性を見ると説明しています。どの種目がどの要素に対応するかまでは示されていませんが、瞬間的な力から粘り、身のこなしまでをひととおり確かめようとしていることは読み取れます。

身体検査の基準は、視力が両眼とも裸眼視力0.6以上又は矯正視力1.0以上、色覚が赤色・青色・黄色の識別ができること、聴力が正常であることで、加えて「その他、職務遂行に支障がなく、健康であること」という項目も置かれています。

体力の複数の要素と身体の基準を、それぞれ独立して確かめるこの組み立てからは、知識や適性だけでなく、実際に現場で動ける状態にあるかどうかまでを採用の段階で見ようとしていることがうかがえます。

POINT|5種目を練習計画に組み込む

登米市消防本部(消防)の体力試験は、立ち幅跳び・上体起こし・腕立伏臥腕屈伸・時間往復走・5分間走の5種目です。どの種目が苦手かを把握したうえで、本番までの練習計画に無理なく組み込んでいきましょう。

悪い例「運動部だったので、体力には自信があります」

改善例「実施要項に示された5種目を一つずつ記録しながら、本番までに整えてきました。教養試験や作文試験の対策と並行して取り組んできましたので、知識と体力の両方で基準を満たせるよう準備しています」

あわせて確認したい公式資料

下の資料は、手続きを確認するためのものと、志望動機を組み立てる材料になるものとに大きく分けられます。前者は早い段階で一通り確認し、後者は面接直前まで繰り返し読み込んでおくと効果的です。

  • 登米市消防職員採用試験(初級)実施要項(受験資格や試験の段階、体力試験の種目を確認できる)
  • 登米市採用情報サイト(パブリックコネクト)(申込方法や受験票の交付を確認できる)
  • 総務省消防庁が公表する消防吏員数・出動件数の統計(登米市消防本部の規模を数字で押さえられる)
  • 登米市の職員採用ページ(過去の実施状況や採用に関する最新のお知らせを確認できる)

特に実施要項は、令和8年度に試験の段階そのものが変わっているため、古い年度の情報と混同しないよう、必ず最新版を確認しておくことが大切です。

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

体力試験の種目名を暗記しているだけでは、面接の評価にはつながりません。実際に自分の経験と結びつけて話せるかどうかが、最終的な差になります

当研究会では「答えられる形」までしっかりと丁寧に仕上げるための実践的なテキストとして、登米市消防本部専用の面接想定問答集をご用意しています。登米市消防本部の採用面接で実際に問われる可能性が高い約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

登米市消防本部の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

登米市消防本部の面接の概要

ここからは、登米市消防本部の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

登米市消防本部の面接の流れ

登米市消防本部の消防職員採用試験は、登米市が実施する専用の実施要項にもとづいて行われます。令和8年度は教養試験・性格特性検査・作文試験による第1次試験と、人物試験・体力試験・身体検査・資格調査による第2次試験の2段階で構成されます。

項目内容(令和8年度・初級消防)
試験の段階二次試験制。第1次=教養試験(2時間)・性格特性検査(20分)・作文試験(1時間)、第2次=人物試験・体力試験・身体検査・資格調査
合否の決め方第1次は教養試験の結果のみで判定。最終合否は作文試験・人物試験・体力試験の合計得点に健康診断書審査・資格調査を加えて判定
面接の種類個別面接(人物試験)。令和8年度は第2次試験で1回実施
面接以外の検査体力試験(5種目)・身体検査(視力・色覚・聴力等)(いずれも第2次試験で実施)
面接カード記載なし。申込はパブリックコネクトでの電子申請が原則

上記の試験構成は、登米市が公表する令和8年度の消防職員採用試験(初級)実施要項にもとづきます。令和7年度は第1次〜第3次の3段階で、第2次の人物試験が集団面接、第3次の人物試験が個別面接という構成でしたが、令和8年度は2段階に整理され、人物試験は第2次の個別面接1回のみとなっています。試験の構成は年度によって変わる可能性があるため、受験の際は、必ず実施年度の最新の実施要項でご確認ください。

合格発表は、各総合支所前の掲示場と市の公式ホームページへの受験番号の掲示に加えて、合格者本人への通知という形でも行われます。複数の手段で確実に結果を届けようとする姿勢がうかがえます。

選考の通り方をつかむ手がかりとして、3段階だった令和7年度の実施状況も見ておきましょう。採用予定人員5名に対し申込者は19人で、第1次試験は16人が受験して11人が合格。

第2次試験は11人が受験して10人が合格し、第3次試験の受験者9人のうち6人が最終合格となりました(出典:登米市消防職員採用試験(初級)|令和7年度。段階の数は令和8年度に変わっていますが、申込から最終合格までの絞られ方の目安にはなります

登米市消防本部が求める人材

登米市消防本部が「求める人物像」という言葉を公式に打ち出している様子は見当たりません(2026年8月時点・当研究会調べ)。消防の職場について一般に言われるのは、規模が大きくない本部ほど、一人が受け持つ分野は広がりやすいということです。

登米市消防本部の場合も、高齢化率38.7%の管内で救急要請を受け続ける体制である以上、得意分野の深さよりも、任された持ち場ごとに覚え直せる素直さが見られやすいと考えられます。体力試験に複数の種目が並び、身体検査でも複数の基準が設けられていることからも、現場で長く働き続けるための土台を丁寧に確かめようとする姿勢がうかがえます。

採用後は約1年間、消防学校でみっちりと基礎を学ぶ機会が用意されているため、入庁時点での完成度よりも、これから学び続けようとする意欲そのものが重視されている可能性もあります。地震・風水害・原子力の3系統を計画上の前提とする市でもあり、定められた手順を正確に身につけられるかどうかは、配属後の日々の業務でそのまま問われます。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。登米市消防本部の面接も、この見取り図に沿って準備を進めれば、大きな取りこぼしは避けられます。

個別面接が1回に整理された分、限られた時間の中でどれだけ具体的に語れるかが重要になります

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやってここまで来ましたか身構えずに言葉を返せるかどうかが表れます
② 動機・志望なぜ登米市消防本部を志望するのですか登米で働くことを、自分の言葉で選び取れているか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)を教えてください短所から目をそらさず、向き合ってきたかどうか
④ 経験・行動苦しかった経験と、そこから何を持ち帰ったかを教えてください行動そのものの中身。現場で踏みとどまれる粘りがあるか
⑤ 学業・経歴高校で力を入れたことを教えてください自分の歩みを筋道立てて振り返れるか
⑥ 適性・将来交替制勤務や体力面での不安はありますか交替制勤務を続けるための生活の組み立てがあるか
⑦ 公共性・社会性消防官として大切にしたいことは何ですか仕事の公共性への理解と、社会の出来事への当事者意識

この7つは、どこを受けても必要になる下地の部分です。登米市消防本部を選んだ理由まで語れるかどうかは、次の固有質問への備えで分かれます。

合否を分けるのは登米市消防本部に固有の質問

「警察官や自衛官という道もある中で、消防官を志望する理由は何ですか」
「体力試験の5種目のうち、得意なものと苦手なものを教えてください」

1問目は近い職業と比べたうえでの職業理解を、2問目は登米市消防本部が実施要項に明記する体力試験の内容を、どこまで自分のこととして具体的に捉えているかを確かめる質問です。どちらも付け焼き刃では対応できず、日頃からの準備の量がそのまま応答の質に表れる質問です。

あらかじめ材料を揃えておけば、本番で慌てずに済みます。面接で使える「登米市消防本部の事実」を厳選し、答え方とあわせて整理しました。

質問テーマ知っておきたい登米市消防本部の事実答え方のヒント
管内の高齢化高齢化率38.7%・75歳以上率20.5%(令和8年1月1日現在。詳細は第1部2章・3章)数字を並べるだけでなく、それが救急の現場に何をもたらすかまで自分の言葉にする
救急需要令和6年中の救急出動は3,744件で、火災37件を大きく上回る(詳細は第1部2章・4章)件数だけでなく、年齢構成の偏りと結びつけて話すと説得力が出ます
体力試験の内容立ち幅跳び・上体起こし・腕立伏臥腕屈伸・時間往復走・5分間走の5種目(詳細は第1部5章)種目名を挙げるだけでなく、どう準備してきたかまで語れると説得力が増します
試験の枠組み令和8年度から2段階に整理され、採用予定人員は2名程度(詳細は第1部4章)最新の枠組みを正確に理解したうえで、自分がどう準備してきたかを話せるようにする
人材の多様性消防吏員164人のうち女性は3人(令和7年4月1日現在。詳細は第1部4章)男女どちらも活躍できる体制づくりについて、自分なりの考えを準備しておく

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、〈事実 → 自分の問題意識 → 消防吏員としてやりたいこと〉という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

登米市消防本部は、試験の段階と種目、合否の決め方までは公表していますが、各種目の具体的な配点までは明らかにしていません。そのため観点は、公表されている評価の流れと、消防区分に置かれた体力試験・身体検査の内容を手がかりに組み立てることになります。

参考として、公務員試験の面接で広く採用されている評価の考え方にも触れておきます。応募者が過去に実際にとった行動の事実を掘り下げることで、入庁後にどう働くかを見極めようとする手法です

登米市消防本部が評価方法として公表しているわけではありませんが、最終合否を作文試験・人物試験・体力試験の合計得点で決めるという仕組みからは、一つの種目の出来だけで判断しない組み立てになっていることが読み取れます。教養試験が第1次試験の合否判定にしか使われないことからも、最終的な合否は知識量よりも人物・体力・文章表現の総合力で決まる仕組みになっていると理解できます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
体力・健康面の裏付け体力試験・身体検査の基準を、日頃の努力で満たしているか5種目それぞれの練習状況や、健康管理の習慣を具体的に話せるようにしておく
担当が変わっても務まる下地消火・救急・予防のどれを任されても手を動かせる素地があるか不慣れな役割を引き受けた場面を、結果まで含めて棚卸ししておく
限られた顔ぶれの中での信頼交替制の同じ顔ぶれの中で、頼りにされる存在になれるかクラスやバイト先など、小さな集団で信頼を得てきた場面を思い出しておく

公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。人物試験が第2次試験の1回に整理された登米市消防本部の面接ではなおさらです。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 実施年度の実施要項を読み、受験資格・試験の段階・提出書類を確認する
  2. 高校生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学業から、チームで動いた具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、〈事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと〉の一続きの話に編む
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。体力試験5種目に向けたトレーニングと、身体検査の基準を満たすための生活習慣づくりも並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を消防の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。体力試験と身体検査の準備にも一定の時間がかかりますので、早めに着手しておくと安心です。自分のことを語れない状態で登米市消防本部の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、登米市消防本部専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

登米市消防本部の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。準備の総仕上げとして、必要に応じてご活用ください。

登米市消防本部の想定問答集を見る

さいごに

登米市消防本部の採用試験は、令和8年度から2段階に整理され、教養試験・性格特性検査・作文試験による第1次試験と、人物試験・体力試験・身体検査・資格調査による第2次試験で人物を確かめる構成です。第1次試験は教養試験の結果のみで合否が決まり、最終合否は作文・人物・体力の合計得点で決まるという仕組みも押さえておきましょう。

高齢化率38.7%・75歳以上率20.5%という管内を164人の消防吏員で支え、令和6年中は火災37件に対し救急3,744件という出動をこなしています。その体制の中で自分が担いたい役割を、じっくり見定めていってください

試験の枠組みは今後も変わる可能性がありますので、最後は必ず最新の実施要項で確かめましょう。約1年間の消防学校での学びを経て現場に立つまでの道のりを見据えながら、いま何を準備すべきかを一つずつ整理していってください。

登米市消防本部を目指す皆さんの一歩を、当研究会は全力でサポートしていきます。