本記事では、宮崎県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、宮崎県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢令和8年の運営方針と運営重点面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

宮崎県警察の面接試験では、「なぜ宮崎県警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。宮崎県の治安の現状と県警察の方針を知っておくことで、抽象的な回答を避け、宮崎県の実情に即した説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と宮崎県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

宮崎県警察の特徴(管轄・組織の全体像)

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは宮崎県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 宮崎県全域の26市町村を管轄し、管轄人口は約101万7千人(令和7年10月1日現在の推計人口)。9市14町3村が、ひとつの県警察の受け持ちになる。
  • 第一線の拠点として13の警察署が置かれている。海沿いの市街地を抱える署から、中山間地を広く受け持つ署まで、地域の性格は署ごとに大きく異なる。(出典:各警察署のご案内|宮崎県警察
  • 県警本部は宮崎市旭一丁目に置かれ、警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部などの部門と、採用後の教育を担う警察学校で構成される。
  • 県土面積は7,734平方キロメートルで国土の約2%を占める。うち森林が75.6%、耕地が8.3%で、人の暮らす区域は海側の平野部に寄っている。(出典:宮崎県のすがた|令和6年度
  • 平均気温17.7度は全国3位、日照時間2,122時間は全国6位。同時に降水量2,626ミリメートルは全国2位で、温暖さと雨の多さが同居する。
  • 県土は南海トラフ地震防災対策推進地域に含まれ、日向灘の震源域に面している。地震・津波と、台風・豪雨の双方に備える必要がある土地である。
  • 農業産出額は3,720億円(令和5年)で全国6位。肉用牛と豚の飼養頭数は全国3位、ブロイラーは全国2位、スギ素材生産量は全国1位で、農林水産業が県経済の土台を支えている。(出典:全国から見た宮崎県|令和5年
  • 令和9年には第81回国民スポーツ大会・第26回全国障害者スポーツ大会「日本のひなた宮崎国スポ・障スポ」の開催が控え、警備と交通対策の面で数年がかりの準備が続いている。

宮崎県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に覚え込む必要はありませんが、「宮崎県警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管轄する県土と人口、警察署の数、犯罪情勢など、組織の置かれた環境を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄区域宮崎県全域・26市町村(9市14町3村)
管轄人口約101万7千人(令和7年10月1日現在の推計人口1,017,134人)
管轄面積約7,734平方キロメートル(国土の約2%。森林が75.6%を占める)
警察署数13署
県警本部の所在地宮崎市旭一丁目8番28号
本部の組織警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部などの部門と警察学校
刑法犯認知件数4,717件(令和7年・前年比10.3%増)
刑法犯検挙率46.1%(令和7年)

管轄人口は宮崎県の推計人口(令和7年10月1日現在)、面積・市町村数・森林の割合は県公式「宮崎県のすがた」(令和6年度)、警察署数は宮崎県警察の公表資料、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)と検挙率は令和7年の犯罪統計(確定値)にもとづく数値です。交番・駐在所の設置数や職員定数はこの記事では扱っていないため、必要な方は宮崎県警察の公表資料をご確認ください。

数字から考えられる治安課題

宮崎県の犯罪情勢は、件数の規模と動きの向きを分けて見ると整理しやすくなります。

令和7年の刑法犯認知件数4,717件は、人口100万人規模の県として多い水準ではありません。ただし前年からの伸びは10.3%で、二桁の増加です。

検挙率は46.1%で、認知された事件の半数近くで犯人にたどり着いている計算になります。件数の少なさに安心していられる段階から、増え方に目を向ける段階へ移りつつあるのが現在地です。

背景として、もう一つ置いておきたいのが人口の動きです。令和2年の国勢調査で107万人だった県人口は、令和7年10月1日現在の推計で1,017,134人。

直近1年でも13,227人(1.28%)減り、内訳は自然減10,361人・社会減2,866人でした。あわせて高齢化率は令和6年に34.0%となり、65歳以上が県民の3分の1を超えました。

住む人が減り、高齢の住民の割合が上がっていくなかで、犯罪の件数だけが増える側へ動いています(出典:宮崎県の推計人口|令和7年10月1日現在

たとえば面接で県内の治安について聞かれたときは、次のように件数と人口の動きをつないで説明できます。

「宮崎県の刑法犯は令和7年で4千7百件ほどだと聞きました。全国的に見て多いほうではないと思いますが、前の年より1割ほど増えています。県の人口は1年で1万3千人ほど減っていて、3人に1人が65歳以上という状況ですので、住む人が減っているのに件数のほうは増えているところが気になっています」

宮崎県の治安情勢

刑法犯認知件数と検挙の状況

令和7年の県内の刑法犯認知件数は4,717件で、前年比10.3%の増加でした。

件数の絶対値が小さい県では、数百件の動きでも住民の実感に届きます。

刑法犯全体の検挙率は46.1%です。発生が増えた年にこの水準をどう保つかが問われます

面接で治安を語るときは、この二つの数字を並べて話すと組み立てやすくなります。

検挙の力を保ちながら、増加に振れた発生そのものをどう抑えるか。

令和8年の運営重点が犯罪防止対策を含む項目を筆頭に置いているのは、この問いへの県警察なりの答えでもあります。

主な罪種の内訳

10.3%という伸びを確認したところで、県内で起きている犯罪の種類に目を移します。令和7年に認知された4,717件を、5つの類型で整理しました。

主な罪種(令和7年・認知件数)件数
殺人5件
強盗2件
侵入盗323件
自動車盗10件
ひったくり0件

目立つのは侵入盗の323件で、刑法犯のおよそ15件に1件がこの類型です。

路上のひったくりが令和7年に1件も認知されていないことと並べると、街頭で人を直接ねらう手口より、住宅や事業所に入り込む手口のほうが目立つ県だと言えます。

13の警察署がそれぞれ違う地域を受け持つ県では、同じ侵入盗でも、繁華街の店舗が狙われる署と、日中に人けの少なくなる集落を抱える署とで、打つ手が変わってきます。令和7年度の論文試験が、県内の地域の特色を一つ挙げてそれに関連する治安課題への対応を書かせているのは、この違いを自分の頭で考えられるかを見たいからだと考えられます。

高齢化の進行と特殊詐欺

宮崎県の高齢化率は令和6年で34.0%、前年より0.3ポイント上がり、全国で14番目に高い水準です。

県が超高齢社会に入ったのは平成13年で、全国平均より6年早いタイミングでした。

高齢化の局面に全国より早く入り、その状態が長く続いてきた県であることは、高齢者を狙う犯罪の被害防止を考えるうえでの前提になります。(出典:高齢者の状況|令和6年

令和8年の運営重点でも、子供・女性・高齢者を守る取組と特殊詐欺等の犯罪防止対策が筆頭に置かれ、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺への対応、地域の情勢を分析したうえでの関係機関との協働が並びます。

令和5年度の論文試験は、全国平均より早いスピードで高齢化が進む県の現状を踏まえて高齢者の安全安心を守る課題を書かせるものでした。

県警察が受験者にも同じ視点を求めていることが読み取れます。

交通の安全と自転車ルールの転換

令和8年の運営重点は、交通分野で歩行者の安全確保、子供と高齢者の事故防止、飲酒運転の根絶、自転車の安全利用を基本に据え、小型モビリティのような新しい乗り物への対応も掲げています。

加えて令和8年4月1日に改正道路交通法が施行され、自転車の利用者にも交通反則通告制度が適用されるようになりました。

街頭での指導取締りと広報の中身が、実際に変わりつつある分野です。

高齢者講習の円滑な実施や、迅速で確実な行政処分の執行も運営重点に挙がっています。65歳以上が県民の3分の1を超える県では、高齢の運転者にどう向き合うかが、交通分野を語るうえで避けて通れない論点になります。

宮崎県内の交通事故の発生状況は年ごとに数字が動きます。面接で交通安全を取り上げる場合は、宮崎県警察が公表している最新の統計で件数と死者数を確かめてから話してください。

人の流れと大規模行事

令和6年の県内の観光入込客数は1,531万5千人回で、前年より12.8%増え、新型コロナウイルス感染症の拡大前にあたる令和元年の約96%まで戻りました。

宿泊客数は304万9千人、うち訪日外国人宿泊客数は16万3千人で前年比15.7%の増加です。

県の人口のおよそ15倍にあたる延べ人数が、1年のあいだに県内を訪れている計算になります。(出典:観光入込客統計調査|令和6年

令和9年には、第81回国民スポーツ大会と第26回全国障害者スポーツ大会が県内で開かれます。令和8年の運営重点には、この大会に係る警備諸対策の推進が明記されました。会場周辺の雑踏や交通の整理、来県者の安全確保は、開催県の警察にとって大きな仕事になります。

宮崎県の主な治安課題

ここまでの数字を踏まえると、宮崎県警察がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で「宮崎県の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを整理しておきます。

増加に転じた刑法犯と体感治安

令和7年の刑法犯認知件数が前年比10.3%増の4,717件になったことは、統計の上下にとどまりません。

件数の少ない県では、身近な場所で一件起きただけでも「ここは大丈夫なのか」という不安が広がりやすいからです。

検挙の水準を落とさずに、被害が起きる前の段階へどれだけ人手を割けるかが問われています。街頭に警察官の姿が見えること自体が持つ意味も、件数が小さい県ほど大きくなります。

高齢者と子供・女性を守る取組

県民の高齢化率が34.0%に達した県で、運営重点の筆頭に子供・女性・高齢者を守る取組が置かれているのは自然な配置です。

ここにはストーカーやドメスティックバイオレンス、児童虐待といった人身安全関連事案への対応も含まれ、危険性や切迫性を素早く見極めて被害者の安全確保を最優先することと、認知から解決まで本部主導で組織的に対応することが掲げられています。

個人の判断や熱意ではなく、組織として続ける力が求められる領域です。

サイバー空間の脅威

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺がそうであるように、いまの犯罪の多くはインターネットを入口にしています。

運営重点は、事件化と実態解明、重要インフラ事業者等との情報共有、実戦的な共同対処訓練に加えて、情報工学等に特化した採用による人的基盤の強化まで掲げています。

令和8年度の第1次試験で専門試験が情報工学についてのみ課されているのは、この方針が採用の入口にも及んでいるということです。デジタル分野の知識や経験がある人にとっては、志望動機と接続しやすいテーマになります。

交通事故の抑止と道路利用者の意識

交通は、運営重点のなかでも具体的な取組が細かく並ぶ分野です。

事故実態の分析にもとづく多発地点での指導取締り、悪質性や危険性の高い違反への重点化、交通安全施設の計画的な整備、高齢者講習の実施までが並びます。

令和8年4月1日の改正道路交通法の施行によって自転車利用者への交通反則通告制度の運用が始まったことも加わり、街頭で警察官が何を見て、どう声を掛けるかが変わってきています。運転する人だけの問題ではなく、歩く人と自転車に乗る人を含めた道路の使い方全体が対象です。

南海トラフ巨大地震への備えと大規模行事の警備

宮崎県が令和8年2月に公表した南海トラフ巨大地震等の被害想定では、死者数約11,000人(早期避難率59.3%の場合)、負傷者数約20,000人、建物の全壊・焼失約82,000棟、最大で約434,000人の避難者が見込まれています。

地震発生直後のライフライン被害も想定されており、上水道の断水人口は約954,000人と、県の人口のほとんどが水を使えなくなる規模です。

停電は約574,000軒、固定電話の不通は約235,000回線と見込まれています。(出典:南海トラフ巨大地震等被害想定|令和8年2月公表

運営重点でも、緊急事態に対する事前対策の徹底と初動態勢の確立、発生時の迅速な警備措置が掲げられています。

同じ項目には令和9年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた警備諸対策も置かれており、備える対象は災害だけではありません。

避難の呼びかけ、通行できなくなった道路での交通整理、安否の分からない人の捜索など、警察が担う場面を具体的に思い描いておきましょう

重点方針|令和8年宮崎県警察運営方針及び運営重点

宮崎県警察は、1年間の活動の指針として「宮崎県警察運営方針及び運営重点」を定めています。令和8年の運営方針は「県民の期待と信頼に応える強くしなやかな警察」で、副題として「安全で安心な宮崎をめざして」が添えられました。(出典:宮崎県警察運営方針及び運営重点|令和8年

方針を貫く考え方

目を引くのは「強くしなやかな」という言い回しです。

当研究会の読み方では、「強く」が指すのは、重要犯罪の徹底検挙や、暴力団や匿名・流動型犯罪グループへの取締りといった、正面から向き合う力です。

もう一方の「しなやか」は、SNSを使った詐欺やサイバー空間の事案のように、手口が数年で入れ替わる領域に組織として合わせていく力を指すと読めます。

その解釈は、6つの運営重点の並びからも裏づけられます。

最後の項目に社会の変化に適応する警察基盤の整備が置かれ、そこには相談対応や被害者支援だけでなく、業務のデジタル化や事務の集約化、職員が力を発揮できる職場づくりまで含まれているからです。

面接で「どんな警察官になりたいか」を考えるときも、この二語は使えます。粘り強く続けた経験と、状況に合わせてやり方を変えた経験のうち、自分が具体的に語れるのはどちらなのかを、あらかじめ整理しておきましょう。

6つの運営重点

運営重点は次の6項目です。あわせて、それぞれが指す内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

運営重点(公式の項目名)受験生向けの解説
① 子供・女性・高齢者を守る取組と特殊詐欺等の犯罪防止対策の推進人身安全関連事案への組織的な対応、特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の防止、少年の非行防止や福祉犯の取締りまでを一つの柱にまとめている
② サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進積極的な事件化と実態解明、重要インフラ事業者等との情報共有と共同訓練、情報工学等に特化した採用による人材の確保・育成
③ 重要犯罪の徹底検挙と組織犯罪対策の推進初期段階からの組織捜査による重要犯罪と侵入盗の早期検挙、暴力団や匿名・流動型犯罪グループへの戦略的な取締り、客観証拠にもとづく緻密な捜査
④ 交通事故の抑止と安全で快適な交通社会の実現歩行者と子供・高齢者の事故防止、飲酒運転の根絶、自転車の安全利用、令和8年4月1日施行の改正道路交通法への対応、交通安全施設の整備
⑤ 災害、テロ等緊急事態への的確な対処と警護の万全大規模災害への事前対策と初動態勢の確立、官民連携によるテロ対策、警護の訓練、令和9年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた警備
⑥ 県民の立場に立った警察活動の推進と社会の変化に適応する警察基盤の整備相談業務と被害者支援、県民の声を反映した警察運営と情報発信、採用募集と教養・訓練の充実、業務のデジタル化と職場環境づくり

面接では、自分の取り組みたい仕事がこの6つのどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、組織の方向性を踏まえた志望だと伝わります。各項目の下に置かれた具体的な内容は、県警察の公式ページで読むことができます。

POINT|6つの運営重点は覚える対象ではない

項目名をそらで言えるようにすることが組織研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①宮崎で何が起きているか(数字) → ②県警察はどう対処しようとしているか(運営重点) → ③自分はどの現場で何をしたいか」の順で調べましょう。

悪い例「地域の安全を守れる警察官になりたいです」

改善例「まずは地域を回る警察官として、住んでいる方に顔を覚えてもらうところから始めたいです。宮崎は65歳以上の方が3割を超えていますし、去年は侵入盗が300件を超えていましたので、戸締まりの声かけや、お年寄りをねらった詐欺への注意の呼びかけに力を入れていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の実施案内(試験種目・受験資格・申込方法・提出書類)
  • 採用募集のページ(仕事の内容と、現場で働く職員の紹介)
  • 令和8年宮崎県警察運営方針及び運営重点(6項目それぞれの具体的な内容)
  • 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるための一冊として、宮崎県警察専用の面接想定問答集を制作しました。宮崎県警察の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

宮崎県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

宮崎県警察の面接の概要

ここからは、宮崎県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

宮崎県警察の面接の流れ

宮崎県警察の警察官A採用試験は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われます。令和8年度の実施案内などから確認できる範囲を整理すると、次のとおりです。

項目内容(令和8年度・警察官A区分)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階
第1次試験の種目SPI3(基礎能力検査及び性格検査)、身体測定・体力検査、適性検査・論文試験・専門試験(専門試験は情報工学のみ)
第2次試験の種目適性検査・論文試験(第1次試験において実施)、面接試験
論文試験当研究会が収集した過去問では試験時間60分。字数は公表されておらず、おおむね800字程度を目安としています
面接の形式・回数公式ページでは確認できていません。最新の受験案内でご確認ください
面接試験の配点公表を確認できていません。最新の受験案内でご確認ください
第2次試験で提出する書類面接カード(B4サイズ7部)、行動実績報告書(B4サイズ7部)、住民票記載事項証明書(1部)、身体検査書(令和7年度の案内による)
警察官B区分公式ページでは試験種目を確認できていません。当研究会が収集した過去問では作文が出題されています。最新の受験案内でご確認ください

この表から読み取れることが二つあります。一つ目は種目の置き方です。

適性検査と論文試験は第2次試験の種目でありながら第1次試験の日に実施されるため、第2次試験の当日に新しく受けるのは面接試験だけという構造になります。

第1次の結果が出てから面接の準備に取りかかるのでは、時間が足りません。(出典:警察官A採用試験の実施案内|令和8年度

二つ目は提出書類です。面接カードとあわせて行動実績報告書を出すことが求められています。

名称のとおり、そこに書くのは決意や心構えではなく、これまでに自分がとった行動の事実です。面接がその内容を土台に進むと考えれば、準備の中心をどこに置くべきかは明らかです(出典:第二次試験の提出書類|令和7年度

上記は宮崎県警察が公表する令和8年度警察官A採用試験の実施案内、令和7年度の第二次試験提出書類の案内、および当研究会が収集した論作文過去問にもとづく整理です。面接が個別形式か集団形式か、集団討論があるか、配点がどうなっているかは公表を確認できていません。試験の種目・配点・日程・提出書類等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

宮崎県警察が求める人材

宮崎県警察は、「求める人物像」として定式化した文言を、今回確認した採用関係のページには掲げていません。

そのかわりに手がかりになるのは、県警察自身が受験者に答えを書かせている資料、つまり論文と作文の出題です。

当研究会が収集した過去問では、論文が警察官A、作文が警察官Bで課されてきました。

令和7年度の作文試験は、運営方針「県民の期待と信頼に応える強くしなやかな警察」を示したうえで、そのために個々の警察官にどのような資質が必要かを一つ挙げ、そう考えた理由と、その資質を備えるための努力や工夫を、これまでの経験を踏まえて書かせるものでした。

組織の方針と自分の資質をつなぐ作業を、県警察は試験の場で受験者に求めているということです。

面接で同じ趣旨を問われても不思議はありません。

ほかの年度も方向はそろっています。

令和6年度の作文は13の警察署と各部門を挙げたうえでどのような警察官になりたいかを、令和5年度は警察学校での約10か月の集団生活にどう取り組むかを、令和4年度は良好なチームワークを発揮するために心がけていることを問いました。

論文でも、令和6年度は県民の協力が不可欠な理由と、その協力を得るための取組が題材です。組織の一員として動く姿勢と、県民との関係の作り方が、区分と年度をまたいで繰り返し問われています。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。宮崎県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか?他の進路と比べたうえでの職業理解の深さと、選択の理由の一貫性
③ 自己理解あなたの強み(自己PR)を教えてください自分の強みを、警察の仕事の場面と結びつけて説明できているか
④ 経験・行動これまでで一番、粘り強く続けたことを教えてください行動実績報告書に書ける水準まで、自分がとった行動を具体的に思い出せているか
⑤ 学業・経歴専攻分野(学科・コース)を選んだ理由を教えてください自分の選択の理由を、後づけでなく話せるか。意思決定の一貫性
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣
⑦ 公共性・社会性警察官に最も必要な資質は何だと思いますか?職業観の成熟度と、県民を守る仕事への当事者意識

ただし、この7カテゴリーは宮崎県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

なお、警察官の採用面接では、規律ある集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした問いが用意されていると先に知っておくだけでも、当日の受け答えは落ち着きます。

差がつくのは宮崎県固有の事情に踏み込む質問

「福岡県警察など他県の警察という選択肢もある中で、なぜ宮崎県警察を選んだのですか?」
「宮崎県内でも地域によって事情は違いますが、どの地域のどんな課題が気になっていますか?」

どちらも、宮崎県の現状と県警察の方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。

逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「宮崎県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい宮崎県警察の事実答え方のヒント
治安の現状令和7年の刑法犯認知件数は4,717件で前年比10.3%増。検挙率は46.1%。侵入盗が323件ある一方、ひったくりの認知は0件件数が全国的に多くないことを認めたうえで、増加に転じた事実と侵入盗の多さまで踏み込む。ひったくり0件との対比を出すと、統計を自分で見た受験生だと伝わる
志望動機・やりたい仕事令和8年の運営方針は「県民の期待と信頼に応える強くしなやかな警察」。運営重点は子供・女性・高齢者と特殊詐欺、サイバー、重要犯罪と組織犯罪、交通、災害とテロ・警護、県民目線と警察基盤の6項目やりたい仕事が6項目のどこに入るかを一言添える。「強く」と「しなやか」のどちらに自分の経験が寄るのかを先に決めておくと、志望動機の筋道がぶれにくくなる
宮崎で働く規模感と地域差管轄は26市町村・約101万7千人で、13の警察署が受け持つ。県土の75.6%は森林で、暮らしの場は海側の平野部に寄っている令和7年度の論文試験は県内の地域の特色を一つ挙げさせる出題だった。自分が知っている市町村を一つ選び、そこで起きやすい困りごとを具体的に語れるようにしておく
高齢化と地域の安全高齢化率は令和6年で34.0%、全国で14番目。県が超高齢社会に入ったのは平成13年で、全国平均より6年早かった数字の紹介だけで止めずに、祖父母や近所の高齢の方と接した経験に引きつける。運営重点の筆頭が高齢者を守る取組であることまで結び付けて話す
災害と大規模行事への備え県の被害想定(令和8年2月公表)は、南海トラフ巨大地震等で死者約11,000人・建物の全壊焼失約82,000棟。令和9年には国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が県内で開かれる日向灘の震源域に面する県であることを押さえ、避難の呼びかけや交通の確保など警察が担う場面で語る。国スポは在学中から準備が進む行事なので、関心を示しやすい

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、知った事実から自分の問題意識を立ち上げ、警察官として何をしたいかまで続く一つの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、運営方針が掲げる組織の姿に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。

いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

第2次試験で行動実績報告書の提出が求められることも、この見方を裏づけます。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
強さ=逃げずにやり切る力苦しい場面から離れずに続けた経験を、事実として話せるか令和7年度の作文は、運営方針の「強くしなやかな警察」に必要な資質を一つ挙げさせている。自分が「強さ」と呼びたい行動を一つ決め、それが表れた場面を用意しておく
しなやかさ=やり方を変える柔軟さ思うようにいかなかったとき、方法を変えて続けられたかサイバーや特殊詐欺のように手口が数年で入れ替わる分野が運営重点に並んでいる。前例どおりにいかなかった場面で自分が何を変えたのかを、順を追って話せるようにする
組織の一員として動く姿勢集団のなかで自分の役割をどう引き受けてきたか令和5年度の作文は警察学校での約10か月の集団生活を、令和4年度はチームワークを題材にしている。採用後の生活を具体的に想像したうえで、集団で担ってきた役割を語る
県民に協力を求める力立場の違う相手に説明し、動いてもらった経験があるか令和6年度の論文は、県民の協力が不可欠な理由とその協力を得るための取組を問うた。地域の行事や部活動で、年上の相手に頼みごとをして動いてもらった場面を思い出しておく

評価の観点の4項目は、公表されている令和8年の運営方針及び運営重点と、当研究会が収集した論作文の出題テーマをもとに、面接対策用に整理したものです。宮崎県警察が「求める人物像」として公表している文言ではありません。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、自分が出願する区分の試験種目・申込方法・提出書類を確認する。宮崎県警察は面接カードのほかに行動実績報告書の提出を求めるため、書式と部数まで早めに把握しておく
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事から、行動の事実を話せる出来事を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自前の言葉に置き換えておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、知った事実、そこで抱いた問題意識、やりたいことが一本につながる話に編む。宮崎県警察の作文は運営方針そのものを題材にした年があるため、書く準備がそのまま話す準備になる
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。身体測定と体力検査は第1次試験の日に行われるため、筆記の勉強と並行して、体づくりと生活リズムづくりを進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2で書き出した出来事を一つ選び、そのとき自分が何をしたのかを人に話せる長さまで具体化する作業を先に済ませてください。行動実績報告書に書ける材料がないままでは、組織の知識だけを増やしても面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、宮崎県警察専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

宮崎県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。本番までの残り日数が少ない場合は、こうした教材で仕上げを前倒しするのも一つの方法です。

宮崎県警察の想定問答集を見る

さいごに

宮崎県警察の採用試験では、第2次試験の当日に新しく受けるのは面接試験だけです。適性検査も論文試験も第1次試験の日に終わっているため、第1次の結果を見てから面接の準備に取りかかる余裕はありません。

提出書類にも、面接カードと並んで行動実績報告書が置かれています。

作文で運営方針に必要な資質を書かせ、論文で県内の地域の特色と治安課題を書かせてきた県警察が確かめたいのは、その資質を裏づける行動の事実です。

約101万7千人が暮らし、13の警察署がそれぞれ違う地域を受け持つ県で、自分はどの現場に立ち、何をしたいのか。書き出した言葉を声に出して確かめながら、当日を迎えてください。