本記事では、香川県職員採用試験の面接対策で必要な、香川県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

香川県庁の面接試験では、「なぜ香川県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。県の実情や計画を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、香川県ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と香川県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

香川県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは香川県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は高松市(番町)。四国の東北部に位置し、北は瀬戸内海をはさんで瀬戸大橋で岡山県と結ばれ、東と南は徳島県、西は愛媛県に接する。
  • 面積は1,876.83km²で、47都道府県のなかで最も小さい。地形は半月型で、南部に讃岐山脈、北部に讃岐平野が広がり、平地と山地がおよそ相半ばする。
  • 気候は四季を通じて温暖少雨の瀬戸内海式で、明るく穏やかな風土に恵まれる一方、水資源に乏しく、古くから渇水と向き合ってきた歴史がある。
  • 人口は約91万人(令和7年9月1日現在の推計で908,642人)。令和2年国勢調査では前回から26,019人(2.7%)減と、減少数・減少率ともに過去最大を記録し、一世帯あたりの人員も2.27人と過去最少になるなど、世帯の小規模化も同時に進んでいる。
  • 本州と四国を結ぶ瀬戸大橋(昭和63年開通)と高松空港を擁し、「四国の玄関口」として人と物の流れの結節点になっている。
  • 高松港は商港・観光港・工業港の機能を併せ持つ総合港湾で、瀬戸内の島々を結ぶ航路の拠点でもある。栗林公園や屋島、金刀比羅宮、小豆島など観光資源も多い。
  • 讃岐うどんや瀬戸内国際芸術祭に代表される食・アートの発信力を持ち、瀬戸内海の多島美を生かした観光地として国内外に知られる。
  • 財政面では、財政力指数は0.4589(令和6年度)と自主財源の基盤が弱く、地方交付税への依存度が高い。少子高齢化に伴う社会保障費の増加も見込まれ、限られた財源をどう配分するかが課題となっている。

香川県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「香川県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、高齢化の水準など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約90万9千人(令和7年9月1日現在の推計で908,642人)
高齢化率(65歳以上の割合)31.8%(令和2年国勢調査。全国平均28.6%を上回る)
総面積1,876.83km²(47都道府県で最小)
総世帯数約41万5千世帯(令和7年9月推計で415,179世帯)
県庁所在地高松市(番町)
知事池田豊人

推計人口・世帯数は香川県「推計人口」(令和7年9月1日現在)、高齢化率は令和2年国勢調査(全国平均は同年)、面積は香川県プロフィールによる数値です。

数字から考えられる県政課題

香川県は面積が全国で最も小さく、人と産業が比較的コンパクトにまとまっている一方で、人口減少と高齢化の速さが際立ちます。

令和6年の人口移動調査では、1年間の人口減少が8,504人にのぼり、これで25年連続の減少となりました。社会保障や地域の担い手の確保が、県政の土台にかかわる課題になっています

財政面でも余裕は大きくありません。令和6年度の経常収支比率は93.2%と財政の弾力性に乏しく、財政力指数も0.4589にとどまります。

人口が減り、社会保障などの行政需要は増えていくなかで、限られた財源をどの分野へ重点的に配分するかが問われ続けます

たとえば面接では、香川県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「香川県は約91万人が暮らす県ですが、人口減少がもう25年も続いていると聞きました。面積が小さくコンパクトな県だからこそ、市町と連携して子育て支援や移住の受け入れを進めやすい面もあるのではと感じています」

香川県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 温暖少雨で災害の少ない気候と、瀬戸大橋・高松空港・高松港がそろう交通条件を背景に、ものづくり基盤技術産業が集積している。
  • 製造業のなかでは、金属製品・一般機械・電気機械・輸送用機械・精密機械からなるものづくり基盤技術産業が、事業所数・従業者数・製造品出荷額等・付加価値額のいずれも第1位を占める。
  • 建設機械・造船・自動車部品・電機などの分野で国内トップクラスの企業が中核として立地し、溶接や切削加工、金属プレス加工、組込みソフトウェアといった高い基盤技術が蓄積されている。
  • 瀬戸内海の多島美と讃岐うどん、瀬戸内国際芸術祭に代表される観光・食・アートの発信力も、地域経済を支える柱のひとつ。

つまり、「ものづくりの基盤技術と、瀬戸内を舞台にした観光・交流が両輪」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:香川県の産業政策

ものづくりと「四国の玄関口」

「四国の玄関口」を掲げる香川県では、交通インフラの整備が産業政策と一体で進められています。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋(昭和63年開通)に加え、高松港は商港・観光港・工業港を兼ねる総合港湾で、令和5年の入港船舶隻数は29,183隻(全国12位)、船舶乗降人員は206万人(全国4位)にのぼり、令和6年の国際コンテナ貨物量は37,794TEUでした。

県は「せとうち企業誘致100プラン」による製造業・物流業の拠点整備やデータセンターの誘致にも取り組んでいます(出典:高松港の港湾統計|令和5年

面接で産業や地域振興に触れるなら、「四国の玄関口」という立地の強みと、そこに集まる企業の基盤技術を結び付けて語れると説得力が増します。

観光業

瀬戸内海の島々や庭園、こんぴらさんなど、香川県は多彩な観光資源を持ちます。令和6年の県外観光客入込数は延べ約926万人で、前年比3.5%増

主要観光地では琴平(211万人)、小豆島(98万人)、栗林公園(75万人)、屋島(63万人)の順に多く、3年に1度の瀬戸内国際芸術祭には会期中に国内外から約100万人が訪れます。県外からの来訪は自動車の利用が全体の約8割を占め、鉄道や船、航空も使われています。

日帰り客が多く、特定の拠点に集中しやすいため、いかに県内周遊や宿泊、消費につなげるかが観光政策の焦点です(出典:観光客動態調査|令和6年

観光を志望分野にするなら、芸術祭のような大規模イベントの集客を、いかに県内各地への周遊や宿泊へつなげるかという視点まで用意しておきましょう。

香川県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、香川県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と少子高齢化

香川県では人口減少が25年続き、令和6年も1年間で8,504人減りました。高齢化率は令和6年に32.9%と過去最高を更新し(住民基本台帳ベース・前年32.7%)、全国平均を上回って推移しています。

県の「かがわ人口ビジョン」は令和42(2060)年に人口約77万人を維持することを目標に掲げており、子育て支援や若者の県内定着、医療・介護人材の確保などを一体で考える必要があります。

大規模災害と渇水への備え

南海トラフ地震では、香川県内でも最大震度6弱から7が想定され、県の第四次被害想定は死者約6,200人・建物全壊焼失約35,000棟(いずれも冬の最大想定)と推計しています。加えて、温暖少雨の気候から古くから渇水と向き合ってきた歴史があり、香川用水やため池を含めた水の安定供給も欠かせません。

現に、昨年秋以降の少雨では香川用水の取水制限も行われており、水の備えは今も現実の課題です。地震・津波と水資源という二つの備えを、同時に進めることが求められます(出典:香川県地震・津波被害想定

産業の担い手確保とデジタル化

ものづくり基盤技術産業をはじめ、農林水産業や中小企業では担い手の高齢化と人手不足が課題です。

県は「せとうち企業誘致100プラン」による誘致や、県内出身学生のUターン就職支援、外国人材の受け入れ支援を進めるとともに、農林水産業では50歳以上の新規就農者や45歳以上の新規漁業者への県独自の支援制度を設けるなど、幅広い世代の担い手確保に乗り出しています。加えて「かがわDX Lab」などを通じたデジタル技術の活用にも力を入れており、人を呼び込み、育て、生産性を高める取り組みを重ねられるかが問われます

交通ネットワークと「四国の玄関口」機能の維持

瀬戸大橋や高松空港を持つ強みの一方で、離島航路の存続や、燃料価格の高騰、公共交通の担い手不足といった課題も抱えています。

昭和63年に開通した瀬戸大橋は四国の社会経済に大きな効果をもたらしてきましたが、県は四国の新幹線実現に向けた期成会活動を進める一方、離島航路の維持や自動運転の社会実装支援などにも取り組んでいます。「玄関口」の機能をどう保ち、県内の移動を支えるかは、暮らしに直結する論点です

地域や産業に応じた活性化

高松都市圏と、小豆島などの島しょ部、県西・県東の中山間地域とでは、人口動向や産業、生活の便利さが異なります。県は総合計画で観光や産業、農林水産業、防災などを分野横断で束ねており、瀬戸内国際芸術祭のにぎわいを県下全体へ波及させることも掲げています。「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

香川県の重点政策|「人生100年時代のフロンティア県・香川」実現計画

香川県の総合計画は「人生100年時代のフロンティア県・香川」実現計画です。令和3年に策定した前身の計画を、想定を上回る少子化などを踏まえて令和5年10月に見直したもので、基本目標に「人生100年時代のフロンティア県」の実現を掲げています。(出典:「人生100年時代のフロンティア県・香川」実現計画

計画を貫く考え方

計画は、めざす姿を「みんなで子育て・挑戦できる・訪れたくなる香川」と表現し、これを三つの基本方針へ整理しています。受験生としては、①安全・安心で住みたくなる香川をつくる「県民100万人計画」、②活力に満ち挑戦できる香川をつくる「デジタル田園都市100計画」、③多くの人が行き交い訪れたくなる香川をつくる「にぎわい100計画」という三本柱で理解しておくとよいでしょう。あわせて、県民等との協働や広域連携、デジタル化、行財政改革、SDGs、関係人口の創出・拡大という六つの視点が、三本柱を貫く姿勢として掲げられています。

三つの基本方針と17の重点政策

基本方針扱う主な分野
県民100万人計画子育て・教育、女性や高齢者・障害者の活躍、医療・介護、防災・渇水対策、交通安全・防犯、人口100万人計画
デジタル田園都市100計画産業拠点づくり、四国の玄関口としてのインフラ、農林水産業、県産品の販路拡大、多様な人材、グリーン社会、デジタル社会
にぎわい100計画観光振興(観光客2割UP)、まちの美化推進、文化芸術・スポーツによる地域活性化

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの基本方針や重点政策に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の一般会計当初予算は5,221億円で、24年ぶりに5千億円台となりました(前年度比約255億円増)。県税収入は過去最高の1,414億円を見込み、「住み続ける香川づくり」「稼げる香川づくり」「にぎわいの創出」「防災・減災対策」という四つの柱に重点を置いています。

出生数の反転、若者・女性の県内定着、企業誘致、サンポート高松地区のにぎわいづくり、南海トラフ地震への備えなどが具体策として挙げられました。

あわせて、昨年の交通事故死者数が20人と昭和23年以降で最少になったことを踏まえた交通安全の取組や、1888年に愛媛県から独立した12月3日を「香川県民の日」とする条例の制定なども盛り込まれています。(出典:令和8年2月県議会 知事説明要旨

POINT|17の重点政策をすべて暗記しなくてよい

名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の事業 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「香川県の観光振興に携わりたいです」

改善例「瀬戸内国際芸術祭のにぎわいを、島や県西部など県内の各地域にも広げて、日帰りが多い観光を宿泊や周遊につなげる仕事に携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 香川県職員等採用試験の受験案内/職員採用ポータルサイト
  • 「人生100年時代のフロンティア県・香川」実現計画(概要版)
  • 最新年度の当初予算・知事説明要旨/関心分野の個別計画
  • 香川県統計年鑑・県勢要覧など、分野別の統計資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、香川県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。香川県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

香川県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

香川県の面接の概要

ここからは、香川県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

香川県の面接の流れ

香川県の大学卒業程度(夏期・教養/専門試験方式)は、第1次試験(教養試験・専門試験・適性検査)と第2次試験(個別面接)の2段階で行われます。最終合格者は、第2次試験の個別面接の成績に基づいて決まる人物重視の試験です。第1次試験の教養・専門の得点は最終合格者の決定には持ち越されないため、面接の準備がそのまま合否に直結します。

項目内容(令和8年度・大学卒業程度〈夏期・教養/専門試験方式〉)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験・適性検査)→ 第2次試験(個別面接)
面接の種類個別面接(全試験区分共通)
第1次試験の配点教養試験(択一式50問・400点)+専門試験(択一式40問・400点)の計800点満点で第1次合格者を決定
最終合格の決め方第1次試験合格者の中から、第2次試験(個別面接)の成績に基づき香川県人事委員会が決定
面接カードあり。第1次試験の会場で配付され、香川県電子申請・届出システムで提出期間内に提出(未提出は辞退扱い)
令和8年度の変更点本方式では論文試験・集団討論を廃止し、第2次試験は個別面接のみ

注目してほしいのは、令和8年度から論文試験と集団討論が廃止され、第2次試験が個別面接だけになったことです。人物試験に評価が集約されるぶん、用意した答えを言えるかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だと言えます。

上記の試験構成は、香川県人事委員会発出の令和8年度受験案内(大学卒業程度・夏期・教養/専門試験方式)にもとづくものです。大学卒業程度には内容の異なる複数の方式があり、また試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

香川県が求める人物像

香川県は、いわゆる「求める職員像」を短いスローガンの形で大きく掲げてはいません。手がかりになるのは、受験案内が第2次試験の個別面接で評価すると明記している観点です。個別面接では、積極性・使命感・社会性・創造力・表現力などが評価されます。自己PRでも、「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲にどんな変化をもたらしたのかまで説明しましょう。(参考:香川県職員採用ポータル

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。香川県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ香川県で働きたいのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。短所への向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も力を入れて取り組んだことは何ですか?過去の行動から、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れた勉強や活動を教えてください自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来どんな県職員になりたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近気になっている社会の出来事はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは香川県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「香川県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「香川県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、県庁を志望するのですか?」
「香川県の課題は何だと思いますか。あなたならどう取り組みますか?」

どちらも、香川県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「香川県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい香川県の事実答え方のヒント
人口減少令和6年の1年間で人口が8,504人減り、これで25年連続の減少。高齢化率も令和6年に32.9%と過去最高「全国最小の県でも減少と高齢化が進む」という現実を押さえると、子育て支援や移住定住を語るときの土台になります
県の総合計画「人生100年時代のフロンティア県・香川」実現計画(令和5年10月見直し)。三つの基本方針と17の重点政策で構成やりたい仕事を「県民100万人計画」など三つの基本方針のどれかに位置づけて話すと、県の方向性を踏まえた志望に見えます
防災・危機管理南海トラフ地震で県内の死者は約6,200人、建物全壊焼失は約35,000棟と想定(第四次被害想定)。加えて渇水と向き合う歴史も地震・津波と水資源という香川特有の二つの備えに触れ、日頃の訓練や備蓄など自分にできる行動につなげます
産業・四国の玄関口ものづくり基盤技術産業が製造業で第1位。瀬戸大橋・高松空港・高松港を持ち「四国の玄関口」を掲げる立地の強みと基盤技術を結び付け、企業誘致や担い手確保など「稼げる香川づくり」に自分がどう関わるかを語れると強い
観光・にぎわい令和6年の県外観光客入込は延べ約926万人。瀬戸内国際芸術祭は会期中に約100万人が訪れる芸術祭のにぎわいを、日帰り中心の観光から宿泊や県内周遊へどう広げるかという視点まで用意しておきましょう

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の評価の観点に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
積極性・創造力自分から動いた経験や、工夫して課題を解決した経験があるか最終合格が個別面接一本で決まる香川県では、自分から動いて工夫した経験を、成果の大小より着眼点と実際に打った一手の順で語れるようにしておく
使命感公の仕事に対する責任感や、県民のために働く覚悟があるか全国最小の県で人口減少に向き合う県政の現状を踏まえ、「なぜ県職員か」を自分の言葉で言えるようにする
社会性相手の立場で考え、周囲と協力して物事を進められるか部活動やアルバイトで「相手に合わせて動いた」「意見の違いを調整した」場面を具体的に言葉にする
表現力聞かれたことに対して、筋道立てて分かりやすく答えられるか一つの経験を、状況・行動・結果の順に短く話す練習を、声に出して繰り返す

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、試験の方式と日程、面接カードの記入項目を確認する(大学卒業程度は内容の異なる複数の方式があるので、自分の受ける方式を取り違えないこと)
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を一つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い香川県の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、香川県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

香川県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

香川県庁の想定問答集を見る

さいごに

香川県の大学卒業程度の試験は、令和8年度から論文試験と集団討論がなくなり、最終合格は第2次試験の個別面接一本で決まります。

裏を返せば、筆記のあとに控えているのは「あなた自身をどう語るか」という一点であり、準備した人ほど力を発揮しやすい試験になったと言えます

全国で最も小さいこの県が、人口減少と高齢化に正面から向き合いながら、瀬戸内のにぎわいをどう育てていくのか。その中で自分は何をしたいのかを、香川県の事実と自分の経験を結び付けて語れるよう、面接カードの一行ずつを自分の言葉で埋めていきましょう。

積極性や使命感、社会性、表現力といった観点は、立派な言葉ではなく、これまで自分が実際にどう動いてきたかという事実によって伝わります。焦らず一つずつ、話せる経験を積み上げていってください。