本記事では、兵庫県職員採用試験の面接対策で必要な、兵庫県の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
兵庫県庁の面接試験では、「なぜ兵庫県を志望したのか」、「県職員として何に取り組みたいのか」、「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。兵庫県は神戸・阪神から但馬・淡路まで、性格の異なる地域を数多く抱える県なので、その多様さを踏まえて語れるかどうかで、回答の説得力が変わってきます。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と兵庫県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
兵庫県の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは兵庫県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 県庁所在地は神戸市(中央区)。日本列島のほぼ中央にあり、日本標準時の基準となる東経135度の子午線が県内を南北に貫く。
- 北は日本海、南は瀬戸内海・太平洋に面し、瀬戸内海と日本海の両方に接する数少ない県。多様な気候と風土から「日本の縮図」とも呼ばれる。
- 県域は神戸・阪神、播磨、但馬、丹波、淡路の「五国」からなり、それぞれ歴史・産業・風土が異なる。県内には29の市と12の町がある。
- 人口は約530万人で、全国では第7位。2009年の約560万人をピークに、減少局面へと転じている。
- 東は大阪府・京都府、西は岡山県・鳥取県と接し、瀬戸内海を挟んで香川県・徳島県とも向き合う、西日本の交通の要衝。
- 神戸港・姫路港などの国際貿易港や神戸空港・コウノトリ但馬空港を持ち、隣接する関西国際空港も広域の玄関口として活用している。神戸空港は国際化に向けた整備が進む。
- 産業はものづくりの集積と世界有数の科学技術基盤を強みとし、世界遺産・姫路城や城崎温泉、淡路島など全国的な観光資源も各地に広がる。
- 1995年の阪神・淡路大震災を経験した県であり、その経験と教訓は、防災・減災だけでなく医療・福祉、子育て・教育、防犯など県民生活全体の安全安心に受け継がれている。
- 県財政は構造的に余裕のない状況が続いている。県税収入の規模は大きい一方、社会保障関係費や県有施設・インフラの更新費用の増加が見込まれ、将来負担比率は321.5%(令和5年度)と全国的に見ても高い水準にある。(参考:地方公共団体の主要財政指標一覧|令和5年度)
兵庫県の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「兵庫県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、県土の広さ、経済規模、五国の地域構成など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 約530万人(全国7位) |
| 高齢化率(65歳以上人口割合) | 29.85%(令和8年2月1日現在) |
| 総面積 | 約8,401km²(全国12位) |
| 市町数 | 41市町(29市12町) |
| 地域構成 | 五国(神戸・阪神、播磨、但馬、丹波、淡路) |
| 政令指定都市 | 神戸市 |
| 名目県内総生産 | 約23兆9,895億円(令和5年度) |
総人口は令和5年1月現在の県公式概要で全国第7位、推計人口は令和8年6月1日現在で5,304,414人です。高齢化率は市町による差が大きく、最も高い佐用町では47.55%に達します。県内総生産は令和5年度兵庫県民経済計算による数値です。
数字から考えられる県政課題
兵庫県は今も全国有数の人口規模を持ちますが、人口が多いことをそのまま強みと捉えるのは不十分です。ピークを過ぎた人口減少、県内での人口の偏り、地域ごとに大きく異なる高齢化のスピードなどをあわせて考える必要があります。
実際、令和8年5月の一か月だけを見ても、自然減と社会減がともに生じ、県内10地域(県の地域区分)すべてで人口が減っています。
減少は、もはや一部の地域に限った話ではありません。
たとえば面接では、兵庫県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
兵庫県の経済・産業
経済・産業構造の概要
- 名目県内総生産は約23兆9,895億円(令和5年度・前年度比2.7%増)で、名目・実質とも3年連続の増加。
- 県民総所得は約25兆4,318億円(令和5年度・前年度比1.7%増)。
- 県は「ものづくり産業の集積」「世界有数の科学技術基盤」「多彩な食材と食文化」「国際性豊かな地域社会」を強みに挙げている。
- 神戸港・姫路港などの港湾と、臨海部を中心とする製造業が、県経済の土台を支えている。
つまり、サービス業が広がる一方で、ものづくりの集積が経済を支えるという二つの柱の構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:県民経済計算|令和5年度)
ものづくり産業と科学技術基盤
兵庫県は、鉄鋼・機械・化学などの重厚な産業から先端分野まで、幅広いものづくりの集積を誇る工業県です。瀬戸内海と日本海の二つの海に開かれ、神戸港・姫路港などの港湾は国際物流の拠点として、原材料の輸入から製品の輸出までを支えています。
臨海部には素材・エネルギー産業が立地し、県は「世界有数の科学技術基盤」を強みに掲げるなど、研究開発の集積も産業政策の柱の一つです。
面接では、自分の関心が「産業の高度化」「脱炭素」「人手不足への対応」のどこに向くのかまで言えると、産業振興を語るときの確かな足場になります。
農林水産業と「食」の魅力
「御食国(みけつくに)」とも呼ばれる兵庫県は、瀬戸内海と日本海の二つの海、平野から中山間地までの多様な風土を背景に、豊かな食材を生み出しています。神戸ビーフや山田錦のように全国的に知られる産品もあり、灘の酒づくりや播磨の手延べそうめん、線香などの地場産業も各地に根づいています。
ひょうごビジョン2050は将来像の一つに「進化する御食国」を掲げており、食は観光や地域経済ともつながる分野です。
観光業
観光入込客数は令和5年度で1億2,232万人(前年度比106.8%)と回復し、姫路城の世界遺産登録30周年を記念した事業などが押し上げました。
目的別ではスポーツ・レクリエーション(3,549万人)、歴史・文化(2,724万人)、都市型観光(1,830万人)の順に多く、姫路城・神戸の都市観光・城崎温泉・淡路島など、性格の異なる観光地を併せ持つのが特徴です。
一方で日帰り客が約9割を占めるため、宿泊や地域内の消費への波及、観光地の偏りへの対応が政策課題になります。(出典:観光客動態調査|令和5年度)
空の玄関口の広がりも見逃せません。神戸空港は2025年に第2ターミナルの供用と国際チャーター便の運航が始まり、2030年前後には国際定期便の就航も予定されています。
国内線も2025年に発着枠が広がっており、こうした基盤は今後のインバウンド誘客を後押しする材料になります。
面接では、観光を「にぎわい」だけでなく、宿泊や交通、地域の産業とどうつなげるかまで語れると、一歩踏み込んだ回答になります。
兵庫県の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、兵庫県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と県内の偏在
兵庫県の人口は2009年の約560万人をピークに減少に転じ、県の将来推計では2050年に約423万人(2015年比24%減)まで減り、4人に1人が75歳以上になると見込まれています。さらに現在も人口の約6割が県土の14%にあたる神戸・阪神地域に集住しており、今後はその神戸・阪神も含め、すべての地域で人口が減ると予測されています。(参考:現状と課題の整理|令和5年)
南海トラフ地震と大規模災害への備え
兵庫県は阪神・淡路大震災を経験し、その教訓を防災だけでなく医療・福祉や地域づくりにも活かしてきました。県の被害想定(平成26年)では、南海トラフ巨大地震で淡路地域の一部が最大震度7、神戸・阪神・播磨の広い範囲で震度6強に見舞われ、死者は最大で約29,100人、そのうち約96%を津波が占めると想定されています。
津波避難、住宅の耐震化、広域的な応援体制など、備えの幅は広いです。(出典:南海トラフ巨大地震・津波被害想定)
若者の県外流出と子育て支援
東京圏への一極集中を背景に、兵庫県では2011年以降、転出が転入を上回る状態が続いています。特に20歳代の若者が東京圏や大阪府へ流出する一方、0〜14歳や30歳代のファミリー層では転入超過が広がっています。
若い世代が学び、働き、子育てをしたいと思える環境づくりが、県政の大きなテーマです。
令和8年度予算でも「若者の可能性を拓く」ことが最初の柱に据えられ、高校教育環境の充実や教育費の負担軽減、妊娠・出産から子育てまでの切れ目ない支援などが並んでいます。
脱炭素と産業活動の両立
製造業の集積は兵庫の強みであると同時に、温室効果ガス削減の面では負荷にもなります。家庭・交通・建築物・工場など幅広い分野で脱炭素と資源循環を進めつつ、企業の技術開発や設備投資を支え、産業競争力と両立させる視点が求められます。
ひょうごビジョン2050も「カーボンニュートラルな暮らし」を将来像の一つに掲げています。
五国の多様性と地域の維持
兵庫県は「五国」と呼ばれる多様な地域からなり、都市部と中山間・離島とでは、人口構成も産業も交通事情も異なります。公共交通空白地域は可住地面積の23.4%に及び、淡路地域や播磨内陸部などに多く見られます。
県の総合計画は、地域ごとの特性に応じた取り組みを重視しています。
| 五国 | 主な市町 | 特徴と課題のキーワード |
|---|---|---|
| 神戸・阪神 | 神戸市、尼崎市、西宮市など | 県人口の約6割が集住。港湾・産業・都市機能の集積、国際性。過密と防災 |
| 播磨 | 姫路市、明石市、加古川市など | 世界遺産・姫路城、臨海部のものづくり。西播磨の中山間では高齢化 |
| 但馬 | 豊岡市など | 城崎温泉やコウノトリ。中山間地域の人口減少・高齢化、地域交通 |
| 丹波 | 丹波篠山市、丹波市 | 農業と里山の文化。担い手不足、地域の維持 |
| 淡路 | 洲本市、南あわじ市など | 御食国の農水産と観光。南海トラフ地震の津波リスク(最大震度7) |
「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を思い描いているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。
兵庫県の重点政策|ひょうごビジョン2050
兵庫県の最上位計画は「ひょうごビジョン2050」(2022年3月策定)です。私たちの子や孫が生きる30年先、2050年頃のめざす姿を描く「県政の羅針盤」として、全県のビジョンと9つの地域ビジョンで構成されています。(出典:ひょうごビジョン2050)
計画を貫く考え方
ビジョンは、人口減少・超高齢化やテクノロジーの進化、価値観と行動の変化といった社会の大きな変化を背景に描かれています。
そのうえで、兵庫の強みである「五国の個性」「進取の気風」「培ってきた地力」を土台に、多様な価値を認め変化に対応する「開放性」をキーワードとしています。
受験生としては、①多様な人が居場所を持てる ②新しい挑戦が生まれる ③誰も取り残さない ④地域の中で経済が循環する ⑤自然との共生を先導する、という方向で理解しておくとよいでしょう。難しい名称を覚えるより、「兵庫がどんな社会をめざしているか」を一言で言えるようにしておくと、志望動機に一本の芯が通ります。
五つのめざす社会と15の将来像
| めざす社会 | 扱う主な分野(将来像) |
|---|---|
| Ⅰ 自分らしく生きられる社会 | 多様な働き方、居場所づくり、世界へ広がる交流 |
| Ⅱ 新しいことに挑戦できる社会 | 学び続ける教育、挑戦・スタートアップ、文化の振興 |
| Ⅲ 誰も取り残されない社会 | 共生社会、子育て、医療・福祉と長寿 |
| Ⅳ 自立した経済が息づく社会 | 地域経済の循環、「御食国」の食、強靱な基盤 |
| Ⅴ 生命の持続を先導する社会 | カーボンニュートラル、分散した暮らし、社会課題解決型の産業 |
面接では、自分の取り組みたい仕事がどのめざす社会に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。
令和8年度の県政運営のポイント
令和8年度の予算編成は、「躍動する兵庫 希望をつなぐ、未来をつくる」を重点に掲げ、Youth(若者の可能性を拓く)・Safety(安全安心な暮らしを守る)・Vitality(地域活力を底上げする)・Harmony(自然との共生を深化する)・Governance(県政基盤を強化する)の五つの柱で施策を整理しています。
若者支援や南海トラフ地震への備え、新観光戦略の推進、脱炭素、AI活用による行政DXなどが並びます。地域活力の分野では、2025年の大阪・関西万博で高まった関心を一過性で終わらせない「万博レガシーの展開」も盛り込まれています(出典:令和8年度当初予算の概要)。
なお県財政に余裕はなく、令和7年度当初予算は一般会計で2兆3,582億円(前年度比+192億円)でした(出典:令和7年度当初予算案|知事記者会見資料)。
歳出の硬直化を示す経常収支比率も97.3%(令和5年度)と高く(出典:地方公共団体の主要財政指標一覧|令和5年度)、限られた財源をどこに重点配分するかが問われ続けています。
POINT|施策名をすべて暗記しなくてよい
事業名を覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態をめざすか → ③今ある取り組み → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験・強みをどう生かすか」の順で調べましょう。
悪い例「兵庫県の防災の仕事に携わりたいです」
改善例「30年前の大きな震災の教訓を、南海トラフ地震への備えにどう受け継ぐかを考えて、津波からの避難の仕組みづくりに携わりたいです」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 兵庫県職員採用試験の受験案内/採用パンフレット
- ひょうごビジョン2050(概要)
- 最新年度の当初予算・主要施策/関心分野の個別計画
- 県民経済計算・県勢統計など分野別の統計資料
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、兵庫県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。兵庫県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」、「質問の意図」、「回答のコツ」、「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
兵庫県の面接の概要
ここからは、兵庫県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
兵庫県の面接の流れ
兵庫県の事務系職種(大卒程度・通常枠)は、最終合格者を第2次試験の個別面接だけで決定する人物重視の試験です。第1次試験の得点は最終合格には反映されないため、面接の準備がそのまま合否に直結します。
| 項目 | 内容(令和8年度・事務系職種〈大卒程度・通常枠〉) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(教養試験・専門試験・論文試験)→ 第2次試験(個別面接・適性検査) |
| 面接の種類 | 個別面接(集団面接・集団討論の記載はありません) |
| 第1次試験の配点 | 教養試験50点+専門試験50点+論文試験50点(計150点) |
| 人物試験(個別面接)の配点 | 400点。最終合格は個別面接の結果のみで決定し、第1次試験の結果は反映されません |
| 適性検査 | 第2次試験で実施し、合否の判定要素として使用されます |
| 面接の参考資料 | 「受験申込整理票」の職歴欄が個別面接の参考資料として使われます |
注目してほしいのは配点の置き方です。最終合格を左右する個別面接だけで400点が置かれ、第1次試験の得点は持ち越されません。
用意した答えを言えるかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だと言えます。
上記の試験構成は、兵庫県人事委員会の令和8年度受験案内にもとづく事務系職種(大卒程度・通常枠)のものです。大卒程度・事務系には別ルートの早期SPI枠もあり、面接の形式や段階構成が異なる場合があります。試験の構成・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性があるため、受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
兵庫県が大切にしている視点
兵庫県は、受験案内などで特定の「求める人物像」を一覧の形では公表していません(詳細は採用ポータルに集約されています)。そのぶん、県が何を大切にしているかは、総合計画や予算の重点から読み取ることになります。
ひょうごビジョン2050が掲げる「開放性」と「進取の気風」や、令和8年度予算が最初の柱に置く「若者の可能性を拓く」姿勢は、面接で見られる観点を考えるうえでの手がかりになります。(参考:兵庫県職員採用試験の案内)
自己PRでは、「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲や相手にどんな変化をもたらしたのかまで説明しましょう。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。兵庫県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日は会場まで、どのように来られましたか? | 緊張をほぐす何気ないやり取りに、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ本県で働きたいと考えたのですか? | 「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか |
| ③ 自己理解 | あなたの長所と短所を教えてください | 自分を客観的に見られているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も力を入れて取り組んだことは何ですか? | 過去の行動の仕方から、入庁後にも再現できる強みを確かめています |
| ⑤ 学業・経歴 | 学生時代に力を入れて学んだことを教えてください | 自分の選択を説明できるか。学びと仕事の接点を作れているか |
| ⑥ 適性・将来 | 採用されたら、どんな仕事に取り組みたいですか? | 働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、関心を持っている社会の出来事はありますか? | 社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点 |
ただし、この7カテゴリーは兵庫県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の誰もが対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。
差がつくのは、次の「兵庫県ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「兵庫県ならでは」の質問
どちらも、兵庫県の現状や計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「兵庫県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい兵庫県の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 人口減少・偏在 | 2009年の約560万人をピークに減少。将来推計では2050年に約423万人(2015年比24%減)。人口の約6割が県土の14%の神戸・阪神に集住 | 「人口が多い県でも減少と偏りが進む」という転換点を押さえると、課題認識の一言に厚みが出ます |
| 五国の多様性 | 神戸・阪神、播磨、但馬、丹波、淡路で産業も交通も異なる。公共交通空白地域は可住地面積の23.4% | 志望のきっかけになった地域を一つ選び、その地域の課題と結び付けて語ると具体性が増します |
| 防災・危機管理 | 阪神・淡路大震災の教訓。県の被害想定では南海トラフ地震で死者最大約29,100人、うち約96%が津波 | 過去の震災の教訓を、今の南海トラフ地震への備えへどうつなぐかまで語れると強い |
| 総合計画 | 「ひょうごビジョン2050」(2022年3月策定)。五つのめざす社会と15の将来像で構成 | やりたい仕事を将来像のどれかに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります |
| 観光・地域活力 | 観光入込客数は令和5年度で1億2,232万人だが、日帰り客が約9割 | 宿泊や周遊につなげ、観光の効果を地域に広げる視点を、自分の関心と結びます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、県が大切にしている視点に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 県民目線・多様性の尊重 | 立場の違う相手に合わせて考え、動いた経験があるか | 相手に合わせて工夫した場面を、具体的な言葉で説明できるようにする |
| 進取の気風(自ら動く姿勢) | 自分から課題に飛び込み、失敗しても続けた経験 | 五国それぞれに事情が異なる兵庫だからこそ、自分から一歩を踏み出したきっかけと、そこで何を変えようとしたかを筋道立てて話せるようにする |
| やり抜く力と学ぶ姿勢 | つまずきの原因を整理し、乗り越えようとした過程 | 学業や資格の勉強でつまずいた原因を自分で突き止め、やり方を変えて乗り越えた過程を、兵庫県の面接でも深掘りに耐えられるよう具体的に話す |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和8年度の受験案内を読み、試験の段階と「受験申込整理票」に記入する項目を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を一つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、五国の多様さや人口・防災など志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分の経験を語れないまま県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、兵庫県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。
兵庫県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
兵庫県の事務系職種の試験は、第1次試験の得点を最終合格に持ち越さず、個別面接の結果だけで合否を決めます。筆記で思うように得点できなかったと感じている人にも、面接から巻き返せる余地が大きく残された試験です。
神戸・阪神から但馬・淡路まで、五国それぞれの姿を自分なりに受け止め、「兵庫のどこで、誰のために、何をしたいのか」。この問いに自分の言葉で答えられるようにしておくことが、いちばんの準備になります。
一つずつ、自分の経験と兵庫の課題を結び直していってください。