本記事では、滋賀県職員採用試験の面接対策で必要な、滋賀県の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
滋賀県の面接試験では、「なぜ滋賀県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。琵琶湖とともにある滋賀ならではの実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、県の事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と滋賀県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
滋賀県の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは滋賀県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 県庁所在地は大津市。日本のほぼ中央、近畿地方の北東部に位置し、北は福井県、東は岐阜県、南東は三重県、西は京都府と接する。
- 県土の面積は約4,017km²で、その中央には県面積の約6分の1を占める日本最大の湖・びわ湖がある。
- 総人口は約139万人(令和8年6月1日現在)。2013年の約142万人をピークに減少局面へ入り、高齢化と外国人県民の増加が同時に進んでいる。
- 京阪神と中京を結ぶ結節点にあたり、東海道新幹線や名神高速道路が県内を貫く。米原駅は東西の交通が交わる主要な結節点で、名古屋から約27分の距離にある。
- 京阪神に近い立地を生かして早くから工場が集まり、製造業が集積するものづくり県として発展してきた。
- 彦根城や安土城跡をはじめとする歴史遺産や、長浜の黒壁など、琵琶湖と城下町・宿場町の風景を各地に持つ。「三方よし」で知られる近江商人ゆかりの地でもある。
- 財政は必ずしも余裕のある状況ではない。財政力指数は0.526、経常収支比率は92.4%(いずれも令和5年度決算)で、義務的経費の増加により令和8年度当初予算案では162億円の財源不足が見込まれている。
滋賀県の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「滋賀県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、県土の広さ、経済規模、財政の状況など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 約139万人(1,393,179人、令和8年6月1日現在の推計人口) |
| 老年人口(65歳以上) | 約37.6万人(375,696人・高齢化率27.5%、令和7年7月1日現在) |
| 総面積 | 約4,017km² |
| うち琵琶湖の面積 | 669.26km²(県面積の約6分の1) |
| 総世帯数 | 約61万世帯(613,889世帯) |
| 外国人人口 | 42,158人 |
| 名目県内総生産 | 約7兆3,625億円(令和5年度・名目) |
| 一人当たり県民所得 | 346万1千円(令和5年度) |
人口・世帯数・外国人人口は令和8年6月1日現在の推計人口、高齢化率は令和7年7月1日現在の値です。県内総生産と一人当たり県民所得は令和5年度滋賀県民経済計算(平成27年基準)、財政指標は令和5年度決算によります。
数字から考えられる県政課題
滋賀県は令和になっても人口が140万人前後を保っていますが、人口が比較的維持されていること自体を強みと言い切るのは早計です。総人口は2013年ごろにピークを迎えたあと減少に転じ、自然減と社会減がともに続いています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢化率は将来的に35%近くまで高まると見込まれ、一方で外国人県民は増加を続けています。
人口の「規模」だけでなく、年齢構成の変化や担い手不足まで含めて考える必要があります。
たとえば面接では、滋賀県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。
滋賀県の経済・産業
経済・産業構造の概要
- 名目県内総生産は約7兆3,625億円(令和5年度・名目、前年度比4.4%増)。国の総生産に占める割合は約1.24%。
- 一人当たり県民所得は346万1千円(令和5年度・前年度比4.6%増)。
- 産業別の構成比は第三次産業52.4%・第二次産業46.7%・第一次産業0.4%。
- 製造業の構成比は41.6%で、製造業の特化係数は全国平均のおよそ2倍にあたる2.02。
つまり、「サービス業と第二次産業がほぼ半分ずつを占め、なかでも製造業に強く支えられている」という経済の構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:滋賀県民経済計算|令和5年度)
製造業(ものづくり)
滋賀県は、京阪神と中京という二つの大都市圏に挟まれた地の利を生かし、早くから工場の立地が進んだ「ものづくり県」です。県内総生産に占める製造業の比率は約4割で、特化係数は全国平均のおよそ2倍に達します(令和5年度)。
輸送用機械や電子部品、化学など、幅広い分野の工場や研究開発拠点が集まっています。県は令和8年度に向けて、次世代産業の創出や産学官の共創によるイノベーション、スタートアップの育成、産業用地の整備などに力を入れる方針を示しています。
面接で産業や雇用を語るなら、この「製造業に支えられた足腰の強さ」と「次の産業をどう育てるか」の両面に触れられると説得力が増します。
農林水産業
琵琶湖を抱える滋賀では、湖と共生する農林水産業が営まれてきました。県は近江米の新品種「きらみずき」の作付け拡大や、高温に強い品種の導入、スマート農業による生産コストの低減などを進めています。
近江牛やビワマス、酒米づくりも盛んで、琵琶湖と流域の田んぼ、森が一体となって受け継いできた農林水産業は世界農業遺産「琵琶湖システム」として認定されています。
面接では、こうした地域資源を「守る」だけでなく「活かす」視点まで語れると、環境と経済を両立させる滋賀らしさが伝わります。
観光業
延べ観光入込客数は令和5年に5,032万8千人(前年比10.7%増)で、新型コロナ前の令和元年の約9割まで回復しました。長浜市の黒壁ガラス館や彦根城など、琵琶湖と城下町・宿場町の歴史を組み合わせた観光地を各地に持つのが特徴です。
一方で延べ宿泊客は約379万人と全体の1割弱にとどまり、日帰り中心の構造が続いています。
県は健康や幸福感を軸にした「シガリズム」を掲げ、宿泊や周遊による地域への波及を広げようとしています。面接で観光を語るなら、日帰り客の多さという課題まで踏まえると具体的になります。(出典:観光入込客統計調査|令和5年)
滋賀県の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、滋賀県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と少子高齢化
総人口は2013年の約142万人をピークに減少局面へ転じました。出生数を死亡数が上回る自然減は2016年以降、転出が転入を上回る社会減(日本人)は2013年以降続いているとされ、高齢化率は27.5%(令和7年7月1日現在)まで上昇しています。
県は合計特殊出生率を2060年までに1.8程度へ高めることなどを掲げ、子育て支援や若者の定着に力を入れています。
琵琶湖の保全再生と自然の恵みの活用
県土の約6分の1を占めるびわ湖は、県のシンボルであると同時に、下流域を含む広い地域の暮らしを支える存在です。近年は在来魚介類の減少やアユの不漁、外来水生植物などが課題となっており、県は研究機関と連携して気候変動の影響を調べ、マザーレイクゴールズ(MLGs)などの取り組みを進めています。
「守る」と「活かす」の両立が、滋賀の環境政策の一貫したテーマです。
地域間の状況の違いと県北部地域の振興
県内でも、大津・湖南の都市地域と、長浜市・高島市・米原市などの県北部とでは、人口動向や産業、交通事情が異なります。県は令和5年度から「北の近江振興プロジェクト」を進め、県北部で先行的に魅力ある地域づくりや人材育成に取り組み、その成果を県全域へ広げようとしています。
令和8年度予算でも「県北部地域の振興」に集中的に取り組むことが掲げられています。
大規模災害への備え
滋賀県は、琵琶湖西岸断層帯(M7.8)や花折断層帯(M7.4)などの内陸活断層に加え、南海トラフ巨大地震も想定対象としています。琵琶湖西岸断層帯を震源とする地震(冬の夕方の想定)では、建物全壊38,504棟、死者1,992人、避難者は約25万人と見込まれています(平成26年の被害想定)。
また県は、独自の「地先の安全度マップ」で浸水リスクを県内ほぼ全域について公表するなど、水害への備えにも力を入れています。(参考:滋賀県地震被害想定(概要版)|平成26年)
ものづくり産業の変化と脱炭素の両立
製造業に支えられた滋賀の経済は、生成AIなどの技術革新や国際競争の激化、脱炭素への要請という大きな変化に直面しています。県は全庁を挙げて「CO2ネットゼロ社会づくり」を掲げ、2040年度の新たな温室効果ガス削減目標の設定や、中小企業の脱炭素化支援などを進める方針です。
産業の競争力を保ちながら環境負荷を減らすという、両立の視点が求められます。
滋賀県の重点政策|滋賀県基本構想「変わる滋賀 続く幸せ」
滋賀県の最上位計画は、長期ビジョンである滋賀県基本構想「変わる滋賀 続く幸せ」(平成31年3月策定、2019年度〜2030年度)と、それを具体化する滋賀県基本構想実施計画(第2期)〈2023年度〜2026年度〉です。
実施計画は「みんなで描き、ともに創る『健康しが』」を掲げ、令和6年(2024年)7月の改訂で県の最上位計画・総合戦略に位置づけられました。(出典:滋賀県基本構想「変わる滋賀 続く幸せ」)
計画を貫く考え方
基本構想は「人」「経済」「社会」「環境」の4つの視点で2030年の姿を描き、経済・社会・環境のバランスがとれた持続可能な滋賀を目指しています。実施計画が掲げる「健康しが」は、「ひとの健康」「社会・経済の健康」「自然の健康」の3つがそろって実現する状態を指します。
受験生としては、①一人ひとりが心身ともに健やかであること ②地域や経済が元気であること ③琵琶湖をはじめとする自然が健やかであること、という3つの健康が互いに支え合うイメージで理解しておくとよいでしょう。
「健康しが」を実現する13の政策の柱
実施計画は、「健康しが」の実現に向けて13の政策の柱を掲げています。あわせて、「ひとづくり」と「子ども・子ども・子ども」を大切な視点に据え、全庁で「CO2ネットゼロ社会づくり」と「DX推進」、人口減少に対応する「活力ある地域づくり」を進めるとしています。
| 政策の柱 | 主に扱う分野 |
|---|---|
| 1 からだとこころの健康づくり | 健康づくり、医療、予防 |
| 2 子どもを真ん中においた社会づくり | 子育て、子どもの権利 |
| 3 生きる力・確かな学力の向上と笑顔あふれる学校づくり | 学校教育、学び |
| 4 「自分らしさ」が大切にされ、誰もが活躍できる共生社会づくり | 多文化共生、ジェンダー平等、障害福祉 |
| 5 暮らしを支え豊かにする基盤づくり | 住まい、上下水道などの生活基盤 |
| 6 人々の幸せと地域の健康を支える交通まちづくり | 地域交通、公園、まちづくり |
| 7 安全・安心な地域づくり | 防災・減災、治安、消防 |
| 8 経営基盤の強化と次世代の産業の創出 | 中小企業支援、次世代産業、雇用 |
| 9 「シガリズム」の推進と地域の活力づくり | 観光、地域活性化 |
| 10 持続可能な農林水産業の確立と農山漁村の多面的価値の発揮 | 農林水産業、農山漁村 |
| 11 琵琶湖をとりまく環境の保全再生と自然の恵みの活用 | 琵琶湖の保全、生物多様性 |
| 12 気候変動への対応と環境負荷の低減 | 脱炭素、CO2ネットゼロ |
| 13 持続可能な社会を支える学びと暮らしの定着、国際的な協調と協力 | 環境学習、国際協力 |
面接では、自分の取り組みたい仕事が13の柱のどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。
令和8年度の県政運営のポイント
令和8年度の一般会計当初予算は6,823億4千万円と過去最大で、前年度当初に比べて361億4千万円(5.6%)増えました。
新年度の県政運営方針として、2050年を見据えて暮らしや社会のあり方を見直す「リ・デザイン」、長引く物価高への対応、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会や大阪・関西万博で生まれたつながりの継承の3点が示されています。
施策は6本の柱(子ども・子ども・子ども/ひとづくり/暮らしと健康づくり/安全・安心な社会づくり/産業・経済の基盤づくり/豊かな自然を育む環境づくり)を中心に展開し、あわせて「県北部地域の振興」に集中的に取り組むとしています。組織面でも観光文化スポーツ部を新設し、土木交通部を県土整備部と交通まちづくり部に再編します。
一方で財源不足は162億円に拡大しており、限られた財源をどう配分するかが引き続きの課題です。(出典:知事提案説明|令和8年2月定例会議)
POINT|13の柱をすべて暗記しなくてよい
柱の名前をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③いま行われている事業 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験や強みをどう生かすか」の順で調べてみましょう。
悪い例「滋賀県の観光振興に携わりたいです」
改善例「まずは県職員として、地域の人や事業者の声を聞くところから始めたいです。そのうえで、観光が長浜や彦根など一部に集まりがちなので、県北部にも足をのばしてもらえるような周遊のしくみづくりに関わっていきたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 滋賀県職員採用試験の受験案内/職員採用ポータルサイト
- 滋賀県基本構想「変わる滋賀 続く幸せ」・基本構想実施計画(第2期)
- 最新年度の当初予算の概要/関心分野の個別計画
- 滋賀県の統計(人口・産業・観光などの分野別データ)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、滋賀県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。滋賀県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
滋賀県の面接の概要
ここからは、滋賀県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
滋賀県の面接の流れ
滋賀県の大学卒業程度・夏試験(専門試験型・行政)は、第1次試験と第2次試験の2段階で行われます。特徴は人物評価の比重の大きさで、総合配点700点のうち、2回の個別面接と集団討論を合わせた人物試験が計400点を占めます。
筆記で差がつきにくいぶん、面接と討論の準備がそのまま合否に直結します。
| 項目 | 内容(令和8年度・大学卒業程度/夏試験 専門試験型〈行政〉) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第1次試験(教養試験・専門試験・個別面接)→ 第2次試験(論文試験・個別面接・集団討論・適性検査) |
| 面接の種類 | 人物についての個別面接を2回(第1次で1回・第2次で1回) |
| 集団形式 | 人物についての集団討論による試験(第2次試験で実施) |
| 人物試験の配点 | 第1次の個別面接100点+第2次の個別面接200点+集団討論100点(人物系で計400点) |
| 筆記・論文の配点 | 教養試験100点・専門試験100点・論文試験100点(計300点) |
| 面接カード | 提出書類「私の紹介」を第1次試験の筆記当日に提出 |
注目したいのは、第2次試験の個別面接だけで200点と、人物試験の中でも配点が突出している点です。用意した答えを言えるかどうかよりも、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だといえます。
上記の試験構成は、滋賀県人事委員会の令和8年度受験案内にもとづく大学卒業程度・夏試験(専門試験型・行政)のものです。令和7年度からの制度変更により、行政区分には春試験(SPI試験型)などの複数のルートがあり、種目や配点が異なります。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。
滋賀県が求める人物像
滋賀県は令和8年度の受験案内で、求める人材を「琵琶湖とともにある滋賀を愛し、滋賀の豊かな未来を切り拓いていきたいと考える、熱意のある方」と示しています。あわせて県は、職員の志(パーパス)として「琵琶湖とくらしを守る。三方よしで笑顔を広げる。豊かな未来をともにつくる。」を掲げています。自己PRでは「熱意があります」と述べるだけでなく、その思いを行動でどう示し、周りにどんな変化をもたらしたのかまで語れるようにしましょう。(参考:職員採用試験の受験案内|令和8年度)
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。滋賀県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 試験会場までは、どうやって来ましたか? | 緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます |
| ② 動機・志望 | なぜ本県を志望するのですか? | 「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか |
| ③ 自己理解 | あなたの短所(弱み)は何ですか? | 自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます |
| ④ 経験・行動 | これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください | 過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています |
| ⑤ 学業・経歴 | 専攻分野を選んだ理由を教えてください | 自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか |
| ⑥ 適性・将来 | 10年後、どんな職員になっていたいですか? | 働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、気になっている社会問題はありますか? | 社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点 |
ただし、この7カテゴリーは滋賀県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の多くが対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。
差がつくのは、次の「滋賀県ならではの事情を踏まえた質問」です。
合否を分けるのは「滋賀県ならでは」の質問
どちらも、滋賀県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。
こうした質問に答えるための「滋賀県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい滋賀県の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 琵琶湖との関わり | 県土の約6分の1を占めるびわ湖は、県のシンボルであり広い地域の暮らしを支える。県は「守る」と「活かす」を両立させ、世界農業遺産「琵琶湖システム」やマザーレイクゴールズを推進 | 「守る」だけに寄らず、観光や産業に「活かす」視点まで一言添えると、環境と暮らしを結んで考えている姿勢が伝わります |
| 人口減少 | 総人口は2013年の約142万人をピークに減少へ。高齢化率は27.5%(令和7年7月1日現在)で、将来は35%近くまで高まる見込み | 「人口が保たれてきた県でも減少が始まった」という転換点を押さえると、課題認識が具体的になります |
| 県北部地域の振興 | 長浜市・高島市・米原市を対象に、令和5年度から「北の近江振興プロジェクト」を推進。令和8年度も集中的に取り組む | 都市部と県北部で事情が違うことを踏まえ、地域ごとの課題に目を向けている点を示せます |
| ものづくり県 | 県内総生産に占める製造業の比率は約4割、特化係数は全国平均のおよそ2倍(令和5年度)。県は次世代産業の創出を掲げる | 「強い製造業がある」で終えず、担い手の確保や脱炭素という次の課題まで触れると厚みが出ます |
| 総合計画「健康しが」 | 実施計画は「ひとの健康」「社会・経済の健康」「自然の健康」の3つを柱に、13の政策を展開 | やりたい仕事を13の柱のどれかに位置づけて話すと、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、前述の「求める人材」に照らして「これまで実際にどう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。滋賀県では集団討論も課されるため、一人で語る力に加えて、話し合いの中での関わり方も評価の対象になります。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 滋賀への愛着と理解 | なぜ他県ではなく滋賀なのか、県の実情をどれだけ踏まえているか | 琵琶湖や地域の課題など、自分が心を動かされた滋賀の一面を、体験とセットで話せるようにする |
| 未来を切り拓く熱意と主体性 | 自分から動いた経験、うまくいかなくても工夫して続けた経験があるか | 自分の判断で動き出し、途中でうまくいかなくても立て直したエピソードを一つ用意し、滋賀県がめざす「未来を切り拓く」人材像に沿って語れるようにする |
| 協働する力(三方よしの姿勢) | 集団討論などで、立場の違う相手とどう合意をつくろうとするか | 相手の意見を引き出しながら結論に近づけた経験を用意し、役割を押しつけない進め方を意識する |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 令和8年度の受験案内を読み、受験するルート(夏試験・専門試験型など)と試験の全体像、提出書類「私の紹介」の記入項目を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。滋賀県は集団討論もあるため、一人で答える練習に加えて、意見の違う相手に考えを伝える練習も取り入れる
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
なお、独学で、しかも短い時間で面接対策を仕上げたい場合は、滋賀県庁に特化した面接想定問答集を使うという選択肢もあります。
滋賀県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
滋賀県の採用試験は、2回の個別面接と集団討論を合わせた人物評価が、総合配点700点のうち400点を占めます。筆記で多少出遅れても、面接と討論で挽回できる余地が大きい試験だといえます。
この記事で押さえた「滋賀の事実」は、覚えるための知識ではなく、あなた自身の経験や問題意識と結びついたときにはじめて力になります。
琵琶湖とともにある滋賀で自分が何をしたいのかを自分の言葉で語れるよう、経験の棚卸しと声に出す練習を重ねて本番にのぞんでください。