本記事では、三重県職員採用試験の面接対策で必要な、三重県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

三重県の面接試験では、「なぜ三重県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。三重ならではの実情や計画を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、地に足のついた説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と三重県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

三重県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは三重県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は津市。日本列島のほぼ中央、太平洋側に位置し、東西約80km、南北約170kmの南北に細長い県土を持つ。愛知県、岐阜県、滋賀県、京都府、奈良県、和歌山県の6つの府県と接し、東海と近畿の結節点にある。
  • 総面積は5,774.49km²(全国25位)。県土の約64%を森林が占め、海岸線の長さは1,105kmで全国8位と、海と山の両方に恵まれる。
  • 人口は約170万人。平成19(2007)年の約187万人をピークに減少局面に入り、令和2(2020)年国勢調査では約177万人となった。
  • 北勢地域を中心に臨海コンビナートと先端産業が集積する、全国有数のものづくり県。電子部品・デバイスの出荷額は全国1位で、自動車関連や石油化学も盛んである。
  • 伊勢神宮を核に、伊勢志摩国立公園、世界遺産の熊野古道、ナガシマリゾートなど、性格の異なる観光資源を併せ持つ。令和6年の観光入込客数は延べ約3,508万人にのぼる。
  • 新名神高速道路や国際拠点港湾の四日市港を擁する交通の要衝であり、リニア中央新幹線の県内駅は亀山市が候補地となっている。
  • 財政力指数は0.558(令和5年度)で全国15位と都道府県平均(0.491)を上回るが、人口減少と高齢化のもとで、社会保障費の増加や税収基盤の縮小への備えが今後の課題となる。

三重県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「三重県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、財政の状況、少子高齢化の見通しなど、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約170万人(1,696,683人、令和7年8月1日現在の推計人口)
総世帯数759,612世帯(令和7年8月1日現在の推計)
高齢化率29.9%(令和2年)。令和22(2040)年には36.9%まで上昇する見込み
生産年齢人口約103万人(令和2年)→ 令和22(2040)年に約79万人へ減少する見込み
合計特殊出生率1.43(令和3年、全国値1.30を上回る)
総面積5,774.49km²(全国25位)
海岸線の長さ1,105km(全国8位)
財政力指数0.558(令和5年度、全国15位。都道府県平均は0.491)

人口と世帯数は三重県の推計人口(令和7年8月1日現在)、高齢化率・生産年齢人口・合計特殊出生率・総人口の推移は三重県人口減少対策方針、財政力指数と総面積・海岸線は県の統計資料・県勢要覧等による数値です。

数字から考えられる県政課題

三重県は今も全国有数の産業集積を持ちますが、人口規模の大きさだけを強みと捉えるのは不十分です。人口はすでに減少局面に入り、とりわけ進学や就職の時期に若い世代が県外へ流出していること、生産年齢人口が今後20年で約4分の3に縮むと見込まれていることなど、将来の担い手不足を見据えた視点が欠かせません。

たとえば面接では、三重県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「三重県は約170万人が暮らす県ですが、ピーク時からすでに人口が減り始めています。とくに進学や就職を機に、若い人が県外へ出てしまう傾向があると聞きました。だからこそ、若い世代が三重で働き、暮らし続けたいと思える環境づくりが大切なのではと感じています」

三重県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 製造品出荷額等は約10兆円(令和2年)で全国9位。全国シェアは約3.5%を占める。
  • 電子部品・デバイス・電子回路製造業の出荷額は約1.7兆円で全国1位(全国シェア11.7%)。
  • 輸送用機械器具製造業は約2.6兆円で全国6位、化学工業は約1.2兆円で全国9位(いずれも令和2年)。
  • 四日市の石油化学コンビナートを中心とする臨海部と、内陸の電子・自動車関連が、県のものづくりを支える。

つまり、「電子部品で全国1位、自動車関連や化学も全国上位に立つ、ものづくり県」という産業構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:三重県の製造業に関する統計(みえDataBox)|令和2年

ものづくり(製造業)

「ものづくり県・三重」を象徴するのが北勢地域の産業集積です。四日市市周辺には石油化学コンビナートが立地し、内陸には自動車関連や半導体をはじめとする電子部品の工場が広がります。

とりわけ電子部品・デバイスは出荷額で全国1位、輸送用機械は全国6位(いずれも令和2年)と、全国の生産を支える分野を複数抱えています

面接で産業を語るなら、「三重はものづくりの県」という一言に、自分の関心(雇用、脱炭素、人材育成など)を重ねられると説得力が出ます。

観光業

三重県は観光資源の層が厚い県でもあります。令和6年の観光レクリエーション入込客数は延べ約3,508万人、観光消費額は5,236億円(前年比7.3%増)でした。

地域別では北勢と伊勢志摩が二大集客地で、伊勢神宮には年間約754万人が訪れます。

世界遺産の熊野古道や国立公園の伊勢志摩など、歴史・自然・レジャーの異なる魅力が並ぶのが特徴で、これらをどう周遊や宿泊、地域経済へつなげるかが政策課題です。(出典:三重県観光レクリエーション入込客数|令和6年

交通の要衝とリニアを見据えた基盤

三重県は、名古屋圏と関西圏を結ぶ交通の要衝です。新名神高速道路と東名阪自動車道が二重の道路網を形成し、四日市港は国際拠点港湾としてコンテナ輸送を担います。

さらに、リニア中央新幹線の名古屋から大阪までの区間では亀山市が県内駅の候補地とされ、県は「三重県リニア基本戦略」(令和6年3月策定)に基づき開業効果の最大化に取り組んでいます。

開業すれば東京から大阪が最短約67分で結ばれる見通しで、企業立地や人の流れを大きく変える可能性があります。また、空の玄関口となる中部国際空港(セントレア)は24時間運用の国際空港で、三重県と国内外を結んでいます。

面接では、こうした基盤整備を「三重の将来の伸びしろ」として自分の言葉で語れると強みになります。(参考:三重県リニア基本戦略|令和6年3月

農林水産業と豊かな自然

海と山に恵まれた三重県では、農林水産業も地域の基盤です。県土の約64%を森林が占め、海岸線は1,105kmと全国8位の長さを持ちます。

伊勢湾や熊野灘での漁業、県内各地の農業が営まれ、県は気候変動や人口減少のもとでも持続できるよう、農業や水産業のビジョン策定や、節水型の新しい栽培技術の実証などに取り組んでいます。

森林由来のJクレジット創出といった、自然を生かした新しい取り組みも始まっています。

面接で一次産業に触れるなら、「担い手の確保」や「自然を生かした付加価値づくり」という視点を持っておくとよいでしょう。

三重県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、三重県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「三重県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と若者・女性の県外流出

三重県は平成19(2007)年をピークに人口が減り続けています。県の人口減少対策方針によれば、転出超過数の約8割を15〜29歳の若者が占め、進学や就職を機に県外へ出る流れが大きな要因です。

県内の高校から大学へ進む人のうち県内の大学に進むのは約2割にとどまり、県内高等教育機関の卒業生の県内就職率も約5割と、若い世代の受け皿づくりが課題となっています。(出典:三重県人口減少対策方針|令和5年

南海トラフ地震をはじめとする大規模災害への備え

南北に長く海に面した三重県にとって、防災は最重要課題の一つです。県が令和8年に取りまとめた南海トラフ地震被害想定では、理論上最大クラスの地震で県全体の死者が約5万人と推計され、そのうち約8割にあたる約4万1千人を津波による死者が占めるとされています。

県は令和8年度に、南海トラフ地震対策に特化した条例の制定や行動計画の策定に着手する方針です。(出典:三重県南海トラフ地震被害想定|令和8年

生産年齢人口の減少と地域産業の担い手確保

少子高齢化に伴い、県を支える働き手も減っていきます。生産年齢人口は令和2年の約103万人から、令和22(2040)年には約79万人へと約4分の3に縮む見込みです。

ものづくりや観光、農林水産業といった県の基幹産業を維持するには、女性や若者、外国人材も含めた多様な担い手の確保と、一人ひとりの生産性を高める仕組みづくりが欠かせません。

人手不足を前提とした産業と暮らしの設計が問われています。

多文化共生の推進

産業集積を背景に、三重県では外国人住民が地域の暮らしと産業を支えています。県は令和8年度に「人材確保・外国人政策調整課」を新設し、地域における日本語教育の支援センター整備など、外国人政策の総合調整と共生社会づくりを一段と進める方針です。

言葉や制度の壁を減らし、外国人住民が働き学び暮らしやすい地域をどうつくるかが問われます。

地域による状況の違い

南北に細長い三重県は、地域ごとに産業や人口動向、交通事情が大きく異なります。県は観光の入込客数などでも地域をいくつかに分けて捉えており、それぞれの強みと課題を押さえておくと、「どの地域のどんな課題に取り組みたいか」を具体的に語れます。

地域主な性格と課題のキーワード令和6年の観光入込客数
北勢(四日市、桑名、鈴鹿、亀山など)臨海コンビナートと電子・自動車関連が集積する県内最大の産業地域。新名神やリニア亀山駅候補を抱える約1,426万人
伊勢志摩(伊勢、鳥羽、志摩など)伊勢神宮を核とする国内有数の観光地。国立公園、真珠や水産などの資源が豊か約1,087万人
中南勢(津、松阪など)県都・津市を含む、行政と暮らしの中心約584万人
伊賀(伊賀、名張など)城下町や忍者文化。関西圏との結びつきが強い内陸部約239万人
東紀州(尾鷲、熊野など)世界遺産の熊野古道を擁する一方、過疎・高齢化と津波リスクが重い約172万人

どの地域も、三重県という一つの県の中にありながら異なる顔を持っています。「取り組みたい仕事」を考えるときも、対象とする地域まで思い描けると、回答に説得力が出ます。

三重県の重点政策|みえ元気プラン

三重県の総合計画は、おおむね10年先を見据えた長期構想の「強じんな美(うま)し国ビジョンみえ」と中期戦略計画「みえ元気プラン」です(ともに令和4年10月策定)。ビジョンが県政運営の方向を示し、プランは令和4(2022)年度から令和8(2026)年度までの5年間に取り組む内容を、4つの柱・16の政策・56の施策として体系的に整理しています。(出典:強じんな美し国ビジョンみえ/みえ元気プラン

計画が掲げるめざす姿

この計画が掲げるめざす姿は「強じんで多様な魅力あふれる『美し国』の実現」です。大規模自然災害や人口減少といったリスクに的確に対応しつつ、カーボンニュートラルやデジタル化をチャンスと捉え、「選ばれる三重」をめざすという考え方です。

受験生としては、①県民の命と暮らしを守る ②三重の強みや良さを生かす ③市町や企業、団体など多様な主体と連携する、という3つの方向で理解しておくとよいでしょう。

また県は、特に加速すべき課題として「7つの挑戦」を掲げています。防災・減災と県土の強靱化、感染症等への対応、観光振興、脱炭素をチャンスとした産業振興、デジタル社会の推進、子ども・若者への支援と教育の充実、そして人口減少への総合的な対応の7つで、いずれも三重が全国に先んじて力を入れている分野です。

4つの柱と16の政策

扱う主な分野
Ⅰ 安全・安心の確保防災・減災と県土の強靱化、医療・介護・健康、暮らしの安全、環境
Ⅱ 活力ある産業・地域づくり観光・魅力発信、農林水産業、産業振興、人材の育成・確保、地域づくり、デジタル社会の推進、交通・暮らしの基盤
Ⅲ 共生社会の実現人権・ダイバーシティ、福祉
Ⅳ 未来を拓くひとづくり教育、子ども、文化・スポーツ

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの柱や政策に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度はみえ元気プランの最終年度にあたり、県はこれまでの政策の成果を確実に実らせる一年と位置づけています。一般会計の当初予算額は8,928億5,913万2千円(前年度比6.7%増)と過去最大で、南海トラフ地震対策の強化に620億円、実効性のある人口減少対策に150億円、子どもの成長を支える環境づくりに97億円などを計上しました。

あわせて、令和8年度当初にはプラン自体の改定にも着手します。(出典:知事提案説明|令和8年2月

POINT|16の政策をすべて暗記しなくてよい

政策名をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態をめざすか → ③今どんな取り組みがあるか → ④県だからこそ担える役割は何か → ⑤自分の経験や強みをどう生かせるか」の順で掘り下げましょう。

悪い例「三重県の観光振興に携わりたいです」

改善例「伊勢志摩や熊野古道といった観光地の魅力を、県外の若い世代にも届けて、県内を広く周遊してもらう仕組みづくりに携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 三重県職員採用試験の受験案内(試験・選考一覧)/採用ポータルの職種紹介
  • 強じんな美し国ビジョンみえ/みえ元気プラン(概要版)
  • 最新年度の当初予算・知事提案説明/関心分野の個別計画
  • 三重県人口減少対策方針、南海トラフ地震被害想定などの分野別資料

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、三重県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。三重県の採用面接で問われることが想定される質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

三重県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

三重県の面接の概要

ここからは、三重県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

三重県の採用試験と面接の流れ

三重県の職員採用試験は、一般行政分野などを対象とするA試験と、警察事務や市町立小中学校職員(学校事務)などを対象とするB試験といった区分で実施されています。いずれの区分でも、論文(作文)試験と、面接を中心とする人物試験が課され、最終的な評価では、用意した答えを言えるかよりも、掘り下げに自分の言葉で答え続けられるかが重視されます

項目内容
主な試験区分A試験(一般行政分野〈行政Ⅰ・Ⅱ〉ほか)、B試験(警察事務、市町立小中学校職員〈学校事務〉ほか)
論文(作文)試験試験時間90分、1200字程度(一般行政分野の過去の例)
提出書類「面接カード」(PDF・Word形式)。技術系職種は「専門性確認シート」も提出
求める人物像採用ポータルは「地域や県民の皆さんとの結びつきを深めながら、新しい三重を創り上げる」職員像を示唆(具体の公表文言は各受験案内で確認)

上記は三重県職員採用ポータル(試験・選考一覧)および公表されている過去の論文課題にもとづく整理です。試験の段階・面接の回数・形式・配点等は年度や受験区分によって異なるため、必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。(参考:三重県職員採用試験の受験案内

三重県が求める人物像

三重県は、総合計画の中で県政運営の基本姿勢として「県民の信頼により進める県政」「さまざまな主体との連携により進める県政」「県民のニーズに応える県政」の3つを掲げています。

採用ポータルでも「地域や県民の皆さんとの結びつきを深めながら、新しい三重を創り上げる」職員像が示唆されており、これらは面接で見られる資質とも重なります。

なお、受験する区分ごとに公表される「求める人物像」の文言は、必ず最新の受験案内で確認してください。

自己PRでは、「県民に寄り添えます」「協調性があります」と述べるだけでなく、その姿勢を実際にどんな場面で発揮し、周囲や相手にどんな変化をもたらしたのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。三重県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ三重県を志望するのですか?「三重県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も力を入れて取り組んだことは何ですか過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れた学びは何ですか自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近関心を持っている社会の動きはありますか社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7つのカテゴリーは三重県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の多くが対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのが実情です。

差がつくのは、次の「三重県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「三重県ならでは」の質問

「市や町ではなく、三重県という広域自治体で働きたいのはなぜですか」
「三重県のこれからにとって、いちばん大きな課題は何だと思いますか」

どちらも、三重県の現状と県の計画を知らなければ、その場で答えるのは難しい質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

ここでは、こうした質問に答えるための「三重県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい三重県の事実答え方のヒント
若者の県外流出転出超過数の約8割を15〜29歳が占め、県内高校生の県内大学への進学は約2割(人口減少対策方針・令和5年)「若い世代が三重に残り、戻ってくる流れ」を、自分の進路の実感や地元への思いと重ねて語ると説得力が出ます
南海トラフ地震理論上最大クラスの被害想定で県全体の死者は約5万人、うち約8割が津波によるもの(令和8年)数字の暗記ではなく、「事前の備えと避難」をどう県民一人ひとりの行動につなげるかまで踏み込むのがポイントです
総合計画みえ元気プランは令和8年度が最終年度で、次期計画に向けた改定に着手やりたい仕事を4つの柱のどれかに位置づけて話すと、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
ものづくり県電子部品・デバイスの出荷額が全国1位、製造品出荷額等は約10兆円で全国9位(令和2年)「産業の強みをどう次世代や脱炭素につなげるか」という視点を添えると、単なる知識自慢になりません
観光とリニア令和6年の観光入込客数は約3,508万人、リニア中央新幹線の県内駅は亀山市が候補誘客や交通の変化を「一部地域だけでなく県全体へどう波及させるか」に引きつけて語れると強いです

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
県民の信頼につながる誠実さ相手の立場で考え、正直に向き合った経験があるか相手が本当に困っていることを聞き取り、そのうえで動いた場面を具体的に言葉にする
多様な主体と連携する力立場の異なる人と協力し、物事を前に進めた経験があるか意見が食い違ったときに、どう折り合いをつけて周囲を巻き込んだかを話せるようにする
ニーズを捉え形にする力課題の原因を整理し、解決に向けて動いた経験があるか学業や活動で「気づき → 原因の分析 → 具体的な工夫」を筋道立てて説明する

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、試験日程や面接カードの記入項目を確認する
  2. 高校や大学での経験を棚卸しする。学業、部活動やサークル、アルバイトなどから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7つのカテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半を読み返し、志望分野に近い三重県の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、三重県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

三重県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

三重県庁の想定問答集を見る

さいごに

三重県は、南北に長い県土に多彩な産業と自然を抱え、人口減少や大規模災害という全国共通の課題に、全国へ先んじて手を打とうとしている県です。

面接で問われるのは、そうした三重の事情をどれだけ暗記したかではなく、あなた自身の経験や関心を三重の仕事にどう結びつけられるかです。

この記事で押さえた事実を手がかりに、「なぜ三重県か」「三重で何をしたいか」を自分の言葉で語れるよう、経験の整理と、声に出す練習を少しずつ重ねていきましょう。