本記事では、黒石市職員採用試験の面接対策で必要な、黒石市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

黒石市役所の面接試験では、「なぜ黒石市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。黒石市の上級区分は第一次試験がSPI3検査で、第二次試験と第三次試験がどちらも個別面接という構成のため、合否を分ける場面が面接に寄っています。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と黒石市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

黒石市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは黒石市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 青森県の津軽地域に位置する市で、人口は29,863人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。市役所は大字市ノ町に置かれている。
  • 隣接するのは青森市・平川市・藤崎町・田舎館村の4市町村で、県庁所在地である青森市と直接接している。
  • 総面積は217.05km²、人口密度は138人/km²で、青森県全体の人口密度(122.8人/km²・2023年)をわずかに上回る。
  • 青森県内には10市があり、同一時点で並べると人口規模は8番目にあたる。
  • 市の花はりんご、市の木はもみじ。
  • 上級区分の職員採用候補者試験は、第一次試験がSPI3検査で、受験案内に「公務員試験は行いません。」と明記されている
  • 人物試験は第二次試験・第三次試験の個別面接が2回。採用予定人員は一般行政職(上級)2人、土木職(上級)1人。

黒石市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「黒石市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

黒石市の面接で使いやすいのは、市内総生産のような単独の経済統計より、規模と立地が一目で分かる基礎プロフィールです。ここでは市の輪郭がつかめる項目を整理し、比較の物差しとして青森県全体の数値をあわせて示します。

項目内容
総人口29,863人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積217.05km²
人口密度138人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
市役所所在地青森県黒石市大字市ノ町11番地1号
隣接自治体青森市・平川市・藤崎町・田舎館村
市の花・市の木りんご・もみじ
(参考)青森県の総人口1,164,752人(令和6年10月1日現在の推計人口・全国31位)
(参考)青森県の年齢3区分別割合年少9.9%/生産年齢54.2%/老年35.9%(令和6年10月1日現在)
(参考)青森県の総面積9,645km²(全国8位)

黒石市の面積・所在地・隣接自治体・市の花木は、自治体の公表値をもとに整理した数値です。市の公式公表値とは時点や集計方法が異なる可能性があるため、面接では「およそ2万9千人規模」といった概数で押さえておくのが安全です。青森県の数値は、県「令和6年 青森県の人口」(令和6年10月1日現在の推計)および県の統計資料によります。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

黒石市の輪郭は、市単独の数字より青森県全体の動きと重ねるとはっきりします。県の推計人口は令和6年10月1日現在で1,164,752人、前年から19,806人の減少(1.67%減)でした。

内訳は、令和5年10月からの1年間で死亡が出生を上回る自然減が15,405人、転出が転入を上回る社会減が4,401人です。(出典:令和6年 青森県の人口

県が1年間で減らした19,806人は、黒石市の人口29,863人のおよそ7割にあたる数です。この規模の減少が続けば、通学や通院の足、商店や医療機関の維持といった、市民が毎日使う仕組みから順に影響が出ます

一方で、黒石市の人口密度は県全体の値をわずかに上回ります。県内では人の暮らしが比較的まとまっているほうの市だという点は、公共交通や公共施設の配置、冬の除排雪を考えるときの前提になります。

規模の小ささと、暮らしのまとまり方。この二つを一続きにすると、面接ではこう話せます。

「黒石市の人口はおよそ2万9千人で、県内では小さいほうの市だと聞きました。ただ、面積あたりで見ると人の暮らしが比較的まとまっているほうなので、そこは強みにできるのではと感じています。私は、暮らしが近い距離にあることを生かして、市民の方に直接届く仕事をしたいです」

黒石市の経済・産業

経済・産業構造の概要

黒石市の産業を面接で語る土台になるのは、市が属する青森県全体の産業構造です。まずは県の姿から、この地域の経済の輪郭をつかんでおきましょう。

  • 県の耕地面積は14万7,300haで全国第4位(令和6年)。内訳は田53%、普通畑24%、樹園地15%、牧草地9%。
  • りんごの生産量は令和5年で全国第1位、にんにく・ごぼうの生産量も同じく全国第1位。畜産の産出額は1,090億円。
  • 製造業は、製造品出荷額等1兆6,765億円、事業所数1,272、従業者数55,763人(令和3年経済センサス活動調査)。
  • 令和6年の県の観光入込客数は延べ3,237万8千人(対前年比103.8%)、観光消費額は1,984億7千万円(同103.9%)。

黒石市が市の花にりんごを掲げていることからも分かるとおり、この地域の暮らしは農業と地続きです。田が耕地の半分を占め、りんごが全国第1位という農業県の、津軽平野側にある市という構造を押さえておくと、産業や雇用の話でも、県の順位を並べるだけの答えから一歩踏み出せます。(出典:青森県の農業|令和5年経済センサス活動調査(製造業)|令和3年

津軽地域という土台

青森県の地勢は、中央を走る奥羽山脈を境に、東部の県南地域と西部の津軽地域に大別されます。県の資料は西部を「広大な沖積低地と山地」と説明し、岩木川流域に肥沃な津軽平野が形成されているとしています。

黒石市はこの津軽地域に位置する市の一つです。産業を語るときは「青森=りんご」で止めず、田畑と山の両方を含む地域の姿まで話せると、地元をきちんと見てきた印象になります(出典:青森県の農林水産業の概要|令和7年版

交流人口と観光の位置づけ

令和6年の県の観光入込客数は、延べ人数だけでなく実人数でも1,386万3千人(対前年比107.6%)と伸びました。人口が減っていく地域にとって、外から訪れる人をどう地域の売上や雇用につなげるかは行政の重要なテーマです

市町村の側でも、農産物の直売、地域の行事、温泉や食といった資源を、消費と交流に結び付ける工夫が求められます。面接で観光や地域振興に触れるなら、名所の紹介ではなく、訪れた人の消費が市内の生産者や商店にどう回っていくかという道筋まで描いておきましょう。(出典:青森県観光入込客統計|令和6年

黒石市の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、黒石市が県内の小規模な市として向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少と若い世代の県外流出

青森県の人口は昭和58年の1,529,269人をピークに減少に転じ、以後ほぼ一貫して減り続けています。県の基本計画は、人口減少の大きな要因を若い世代の県外流出とそれに伴う少子化と捉え、2040年には県人口が100万人を下回り、老年人口比率が40%を超えると見込んでいます。

人口29,863人の黒石市にとって、この見通しは遠い将来の話ではありません。しかも黒石市は県庁所在地の青森市と隣接しています。

近くに大きな都市があることは進学や就職の選択肢を広げる一方で、住み続ける理由をまちの側が示せているかを問われる条件でもあります

高齢化のもとで暮らしを支える

県の年齢3区分別割合は、令和6年10月1日現在で老年人口が35.9%と大正9年以降で最も高く、75歳以上は224,032人にのぼります。生産年齢人口は54.2%まで下がりました。

この構図は、市役所の窓口では「手続きに来る方の年齢が上がる」「一人では来庁できない方が増える」という形で現れます。介護や医療の制度は複雑で、説明の分かりやすさそのものが行政サービスの質になります

事務職を志望する人も、福祉の担当と連携して一件を最後まで見届ける場面を、具体的に思い描いておきましょう。

限られた人員と財源で市政を回す

青森県の令和6年度一般会計当初予算は7,022億円で、前年度から362億円(4.9%)減りました。令和5年度決算の健全化判断比率は実質公債費比率13.4%、将来負担比率64.6%、実質赤字比率と連結実質赤字比率はいずれも該当なしです。

県は健全性を保ちながら予算規模を絞る局面にあり、この前提は県内の市町村にも通じます。黒石市自身の財政指標は市の公表資料で確かめられますが、面接でより効くのは体制の理解です。

上級区分の採用予定が一般行政職2人・土木職1人という規模なら、職員一人が受け持つ業務の幅は自然と広くなります分野をまたいで仕事を覚える構えがあるかどうかは、面接でも見られる部分です(出典:健全化判断比率|令和5年度決算

雪と災害への備えをどう語るか

黒石市の受験案内は、給与の説明の中で11月から3月まで寒冷地手当が支給されることを明記しています。これは待遇の情報であると同時に、市役所の仕事が半年近く冬と向き合う地域にあることを示しています。

除排雪の調整、通学路や高齢者世帯の安全確保、施設の維持管理は、市民生活に直結し、苦情も要望も集まりやすい分野になります。ここに、地震や津波への備えが重なります。

青森県が令和3年度に公表した地震・津波被害想定調査で規模が示されているのは、太平洋側の海溝型地震(Mw9クラス)を対象とした想定です。冬の18時に発生した場合、県全体の死者数は約53,000人、避難者は1日後で最大約31万人と見込まれています。

この数字は県全体、それも太平洋沿岸を主な対象としたもので、内陸の黒石市に置き換えられる値ではありません。県全体の規模感を背景として押さえたうえで、市の地域防災計画やハザードマップで自分が働くまちの想定を確かめておきましょう。(出典:青森県地震・津波被害想定調査|令和3年度

重点政策|青森県の基本計画と黒石市の位置づけ

市の行政運営は、県全体の人口の見通しと計画の方向という条件の上に成り立っています。ここでは黒石市が属する青森県の最上位計画を県内の背景として押さえ、市政を理解する土台にします。

県の基本計画は「青森新時代」への架け橋(計画期間2024年度〜2028年度)です。(出典:青森県基本計画「青森新時代」への架け橋

計画が名指ししている課題

この計画が人口減少の要因として挙げているのは、若い世代の県外流出とそれに伴う少子化です。そのうえで、若い世代が「ここで暮らしたい」と思える魅力ある青森県にすることが最も重要だとしています。

県庁所在地の隣にある黒石市にとって、この「ここで暮らしたい」は、県外への流出だけでなく県内での移動も含んだ問いになります。受験生としては、①黒石市に住み続ける理由として何が挙げられるか ②足りていないものは何か ③その一つを市の仕事のどこで埋められるか、という順で考えを組み立てておくとよいでしょう。

県の計画を市の窓口の仕事に置き換える

県の計画は県全体の方向を示すものです。黒石市を受験する人に求められるのは、その方向を市の現場でどう形にするかという、一段解像度を上げた話になります。

市役所の仕事は、転入や出生の届出、子育てと介護の相談、農地や道路の手続き、冬の除排雪の調整といった場面の積み重ねでできています。計画の大きな言葉を、そのどの場面に自分が立ちたいのかまで言い換えられると、志望動機は借り物でなくなります。

上級区分の採用枠が合わせて3人しかない市では、事務職であっても土木や農政の担当と近い距離で仕事を進める場面は珍しくないと考えておきましょう

POINT|計画名を知らなくても対策はできる

市の総合計画の名称を言えること自体が評価されるわけではありません。①黒石市の規模と立地を数字で押さえる → ②県全体の人口減少と高齢化が、その規模の市にどう届くかを考える → ③自分が関わりたい仕事を市の業務から一つ選ぶ → ④そこに自分の経験をどう接続するかを言葉にする。この順で用意すれば、計画名を知らなくても答えは作れます。

悪い例「黒石市の発展に貢献したいです」

改善例「まずは市民の方の手続きを間違いなく進められる職員になりたいです。その上で、黒石市は雪の多い地域だと聞いていますので、市役所には除排雪の相談も集まるのではと思います。雪の時期に困っている方の声を受け止める仕事にも、いずれ関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 黒石市職員採用候補者試験の受験案内(志望する区分・実施回のもの)
  • 黒石市の職員採用サイトに掲載される最新の募集情報
  • 黒石市公式サイトの市政情報のページと広報紙
  • 黒石市の地域防災計画・ハザードマップ
  • 青森県基本計画「青森新時代」への架け橋(県内の背景を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、黒石市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。黒石市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

黒石市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

黒石市役所の面接の概要

ここからは、黒石市役所の試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

黒石市役所の面接の流れ

黒石市の職員採用候補者試験(A日程・一般行政職(上級)/土木職(上級))は、第一次試験から第三次試験までの3段階です。第一次試験はSPI3検査で、受験案内には「1次試験はSPI3!」「公務員試験対策が不要です!」と明記されています。

そして、第二次試験・第三次試験はいずれも個別面接試験です。(出典:黒石市職員採用候補者試験受験案内|令和7年度A日程

項目内容(令和7年度A日程・一般行政職(上級))
試験の段階第一次試験 → 第二次試験 → 第三次試験の3段階
第一次試験SPI3検査(能力検査・性格検査)。マークシート方式で、検査Ⅰ 基礎能力検査(言語)30分、検査Ⅱ 基礎能力検査(非言語)40分、検査Ⅲ〜Ⅴ 性格検査 約40分。土木職(上級)のみ専門試験(120分)が加わります
面接の種類個別面接。第二次試験・第三次試験のいずれも「個別面接試験」と記載されています
集団形式集団討論・集団面接の実施は、受験案内に記載がありません
作文・論文作文(論文)試験の実施は、受験案内に記載がありません
配点各試験種目の配点や人物試験の比重は公表されていません。最新の受験案内でご確認ください
提出書類OpenES(エントリーシート)の登録のみ。郵送や持参による受験申込書の提出はありません
採用予定人員・受験資格一般行政職(上級)2人、土木職(上級)1人。一般行政職(上級)は「平成12年4月2日以降に生まれ、学校教育法による大学卒業以上の学歴を有する人、又は今年度末までに卒業見込みの人」
給与(参考)初任給は一般行政職・土木職とも225,600円(令和8年4月採用の大学新卒者の場合)。期末・勤勉手当は年4.55月分、11月から3月まで寒冷地手当が支給されます

この構成から、準備に直結することが3つ読み取れます。1つ目は、第一次試験で公務員試験の科目を課さない分、差がつく場所が人物試験に寄っていることです。

2つ目は、提出物がOpenESだけだということ。エントリーシートに書いた一行が、そのまま2回の面接の質問材料になります。

3つ目は、第二次試験・第三次試験の詳細が、それぞれ前段階の合格者にだけ個別に通知される点です。事前に形式が分からない前提で、どんな聞かれ方でも答えられる状態にしておきましょう。

もう一つ押さえておきたいのが、応募の入口です。令和7年度A日程はリクナビ2026のWEBエントリーシステムを経由する方式でしたが、令和8年度の職員採用候補者試験は「応募等は黒石市職員採用サイトから」とされ、市が使う外部の採用専用サイトに情報が集約されています。

募集の入口が年度によって変わるため、志望するなら市の採用情報ページを定期的に見に行く習慣をつけておきましょう。(出典:黒石市職員採用試験のご案内|令和8年度

上記の試験構成は、黒石市の令和7年度職員採用候補者試験(A日程・一般行政職(上級)/土木職(上級))の受験案内にもとづくものです。黒石市は年度内に社会人区分など複数の区分を実施しており、区分によって試験内容は異なります。試験の構成・日程・配点等は年度や受験区分によって変わる可能性があるため、受験の際は必ずご自身の区分の最新の受験案内をご確認ください。

黒石市役所が求める人物像

黒石市の職員採用ページや受験案内に、定型の「求める人物像」にあたるまとまった記載は、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。県が示す評価の観点をそのまま市の人物像として持ち込むのも避けたいところです。

手がかりになるのは、試験そのものの設計です。

第一次試験をSPI3にして公務員試験を課さない一方、人物試験には個別面接を2回置き、提出物はOpenESに一本化する。筆記で絞り込むのではなく、経歴と人物を二度確かめて選ぶ設計だと読めます。

ここから見えてくる評価の軸は、これまでの経験と志望が一本の線でつながっていること、掘り下げられても崩れない具体性があること、そして学びを続けてきた姿勢の3つです。

とくに3つ目には根拠があります。OpenESの「職歴」「保有資格・スキル」欄では、各種資格の取得状況(取得見込を含む)に加えて、実用英語検定やTOEIC・TOEFLといった語学資格の記載まで求められます。

スコアの高さを競う欄ではありません。自己PRでは「粘り強さがあります」と述べて終わらせず、その力を使って何をして、周りがどう変わったのかまで話せるようにしておきましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。黒石市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって会場まで来ましたか身構える前の一言に、素の話し方と表情が出ます
② 動機・志望数ある自治体の中で、なぜ黒石市を選んだのですか志望先を選んだ理由が、自分の経験から出てきているか
③ 自己理解自分の短所を、どうやって補ってきましたか弱点を認めたうえで、その付き合い方まで語れるか
④ 経験・行動人と意見が食い違ったとき、どう折り合いをつけましたか対立の場面で何を考え、どちらへ動いたか
⑤ 学業・経歴大学で力を入れて学んだことを教えてください専門外の相手に伝わる言葉へ置き換える力
⑥ 適性・将来配属先の希望が通らなかったら、どうしますか市の仕事への理解の広さと、配属に対する構え
⑦ 公共性・社会性最近気になった行政の話題はありますか身の回りの出来事を行政の視点で見ているか

ただし、この7カテゴリーは黒石市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「黒石市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「黒石市ならでは」の質問

「なぜ青森県庁ではなく、黒石市役所なのですか」
「黒石市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、下調べの差がそのまま答えの差になる質問でもあります。黒石市の場合は個別面接が2回あるため、同じテーマを別の面接官から角度を変えて問われる可能性も高くなります。

一度きりの受け答えではなく、掘られても続く材料として持っておきましょう。こうした質問に答えるための「黒石市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい黒石市の事実答え方のヒント
市の規模と立地人口29,863人、面積217.05km²、人口密度138人/km²(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)。県全体の人口密度122.8人/km²をわずかに上回り、県内10市では人口が8番目規模の小ささを言い訳にせず、県庁所在地の青森市と隣接するという立地条件まで含めて話します。通える距離に大きな都市がある中で黒石市を選ぶ理由を、自分の言葉で示せるかどうかが分かれ目です
なぜ県庁ではなく市役所か県庁所在地の青森市と隣り合う黒石市にとって、県の基本計画「青森新時代」への架け橋が示す県全体の人口減少は、県内での人の移動という形でも表れる。市は届出や相談、農地や道路の手続き、冬の除排雪など、暮らしに直結する場面を担う制度の説明で終わらせないことが肝心です。県と市の担当範囲を一言で整理したうえで、黒石市の窓口に来る誰の、どんな困りごとに応えたいのかを具体的に語ると、志望先を選んだ理由として通ります
試験の受け方そのもの第一次試験はSPI3検査で「公務員試験は行いません。」と明記。提出物はOpenESの登録のみで、第二次・第三次はいずれも個別面接筆記対策の話ではなく、OpenESに書いた経歴や資格を2回の面接で掘られる前提に立ちます。記載した一行ごとに「なぜ選び、何を得たか」を用意しておくと、どちらの面接でも答えが揃います
高齢化と暮らしの支え手青森県の65歳以上の割合は35.9%、75歳以上は224,032人(令和6年10月1日現在)。黒石市の上級区分の採用予定は一般行政職2人・土木職1人数字を挙げるだけで終わらせず、少人数の職場で職員一人が受け持つ範囲の広さに触れます。複数の分野に関わる働き方を前向きに語れると、規模を理解している受験者だと伝わります
黒石市の魅力と課題市の花はりんご、市の木はもみじ。肥沃な津軽平野が広がる県西部に位置し、県のりんご生産量は令和5年で全国第1位県の農業の順位を、そのまま市の魅力にすり替えないことが大切です。市の花や木、実際に足を運んで見た景色や店の様子を一つ挟むと、借り物でない語りになります。課題は人口減少に触れ、自分が担いたい役割で締めます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、試験の設計から読み取れる評価の軸に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
経歴と志望の一貫性OpenESに書いた学歴・職歴・資格と、面接で語る志望理由が同じ線の上にあるか提出物がOpenESだけという黒石市の方式では、書いた一行がそのまま質問表になります。記載事項を一覧にして、それぞれ「なぜ選び、何を得たか」を一言で言えるようにしておきます
掘り下げに耐える具体性第二次試験と第三次試験の2回の個別面接で、同じ経験を別の角度から確かめられます1回目で話した内容を、2回目にもう一段細かく話せるところまで準備します。場面と自分の判断、相手の反応の3点を思い出せる経験を選んでおくと、2回目で崩れません
学びを続ける姿勢OpenESの「保有資格・スキル」欄では、資格の取得状況に加えて語学資格の記載も求められます取得済みの資格を並べる欄ではなく、取得見込みも書ける欄です。何のために学び始め、どう続けたのかを、まだ届いていない目標も含めて説明できるようにしておきます

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。黒石市は個別面接が2回ある分、同じ経験に別の面接官から光が当たります。

自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 志望する区分の受験案内と、黒石市の職員採用サイトの募集情報を確認する(応募の入口が年度によって変わるため、市の採用情報ページは定期的に見に行く)
  2. これまでの経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. OpenESの下書きを作り、書いた学歴・職歴・資格の一行ごとに「なぜ選び、何を得たか」を添える(面接での発言と食い違わないように)
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習する。個別面接が2回ある前提で、同じ経験を1回目より一段細かく話す版も作っておく

優先順位に注意

ステップ5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、ステップ4のOpenESの整理を優先してください。黒石市の選考では、提出したエントリーシートが2回の面接の土台になります。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、黒石市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

黒石市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

黒石市役所の想定問答集を見る

さいごに

黒石市の上級区分は、第一次試験がSPI3検査で公務員試験を課さず、第二次試験と第三次試験はどちらも個別面接です。筆記で積み上げた点差に頼れない分、提出したOpenESの一行と、面接で話す言葉がどれだけ重なるかが結果を左右します

人口29,863人のまちで、一般行政職の採用予定は2人。枠が少ないからこそ、りんごと津軽平野が広がるこのまちで自分は何をしたいのかを、具体的な場面まで下ろして語れる受験者が残ります

市の採用情報ページを開くところから、逆算して準備を進めていきましょう。