本記事では、青森市職員採用試験の面接対策で必要な、青森市の特徴・基礎データ・行政課題・重点政策・面接の流れ・想定される質問・評価の観点についてまとめています。
青森市役所の面接試験では、「なぜ青森市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。令和8年度の大学卒業程度は第一次試験・第二次試験の二段階で、第一次の種目は総合適性検査(SCOA)だけです。
従来型の教養試験は課されず、事務職には専門試験もありません。筆記を積み上げて差をつけにくい分、第二次で何を語れるかが結果を左右します。
本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と青森市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。
第1部|自治体研究編
青森市の特徴
本格的な面接対策をはじめる前に、まずは青森市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)
- 青森県の県庁所在地であり、人口259,352人・面積824.61km²の市。
- 人口密度は315人/km²。青森県全体の122.8人/km²(2023年)と比べると約2.5倍で、県内では人が集まっている側の地域にあたる。
- 市域は広く、黒石市・五所川原市・十和田市・平川市など9つの市町村と接している。
- 東北新幹線の八戸・新青森間の終着側にあたり、八戸市を起点とする区間が七戸町を経て青森市に至る。
- 市の花ははまなす、市の木はあおもりとどまつ。
- 市役所本庁舎は青森市中央一丁目にあり、職員採用試験は総務部人事課が実施している。
- 市は「青森市人材確保・育成基本方針」を定め、人材確保・人材育成・職場環境の整備を総合的に図るとしている(令和8年4月改正)。
- 令和8年度から、第一次試験が総合適性検査(SCOA)のテストセンター方式に変わった。最終合格の発表も、これまでより約2か月早まっている。
青森市の基礎データ
面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「青森市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。
ここでは、人口規模、市域の広さ、隣接する市町村など、青森市の基礎的なプロフィールを整理しました。市単独の年齢別人口や市内総生産は公表資料から確認できていないため、比較の物差しとして青森県全体の数値をあわせて示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総人口 | 259,352人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在) |
| 総面積 | 824.61km²(青森県の総面積9,645km²の約9%) |
| 人口密度 | 315人/km²(上記の総人口と総面積から算出) |
| 市役所所在地 | 青森市中央一丁目22番5号(職員採用試験の実施は総務部人事課) |
| 隣接自治体 | 黒石市・五所川原市・十和田市・平川市・平内町・蓬田村・藤崎町・板柳町・七戸町の9市町村 |
| 市の花・市の木 | はまなす/あおもりとどまつ |
| (参考)青森県の総人口 | 1,164,752人(令和6年10月1日現在。前年比19,806人・1.67%の減少) |
| (参考)青森県の人口密度 | 122.8人/km²(2023年・全国第41位) |
| (参考)青森県の年齢3区分別割合 | 年少人口9.9%/生産年齢人口54.2%/老年人口35.9%(令和6年10月1日現在) |
青森市の面積・市役所所在地・隣接自治体・市の花木は自治体の公表値による数値で、市の公式統計での再確認は行っていません。市の公表値とは時点や集計方法が異なる場合がありますので、面接で口にするときは「25万人ほどの規模」とおおまかに述べておけば十分です。青森県の総人口・年齢3区分別割合は「青森県の人口」(令和6年10月1日現在)、県の面積・人口密度は青森県の統計資料による数値です。青森市単独の年齢別人口・市内総生産は、当研究会では公式資料で確認できていません。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。
数字から考えられる市政課題
青森市には約25万人が暮らしています。青森県の総人口1,164,752人(令和6年10月1日現在)と並べると、県民のおよそ2割が青森市に集まっている計算です。
一方で面積824.61km²は県土9,645km²の約9%にとどまり、人口密度315人/km²は県全体の約2.5倍。県内では人口が集中している市でありながら、市域そのものは広いという二面性があります。
県全体に目を向けると、人口は令和6年10月1日現在で1,164,752人、前年から19,806人(1.67%)減りました。内訳は自然増減が15,405人の減少、社会増減が4,401人の減少です(いずれも令和5年10月1日から令和6年9月30日までの1年間)。
年齢3区分別割合は年少人口9.9%・生産年齢人口54.2%・老年人口35.9%で、年少人口の割合は大正9年以降で最も低く、老年人口の割合は最も高い水準です(出典:青森県の人口|令和6年)。これらは県の数値であって青森市の数値ではありませんが、県都が置かれた地域の背景としては押さえておきたいところです。
たとえば面接では、次のように数字と課題を結び付けて話せます。
青森市の経済・産業
県内経済のなかで青森市が置かれた位置
青森市だけを切り出した市内総生産や事業所統計は、公表資料からは見つけられませんでした。ここでは、市が属する青森県全体の産業構造から、地域経済の土台を整理します。
県人口の約2割が集まる県庁所在地である以上、県の産業の姿は、そのまま市の窓口に持ち込まれる相談の背景でもあります。
- 青森県のりんご生産量は令和5年で全国第1位。にんにく・ごぼうの生産量も、同じく令和5年で全国第1位。
- 耕地面積は14万7,300ha(令和6年)で全国第4位。田が53%、普通畑が24%、樹園地が15%、牧草地が9%を占める。
- 畜産の産出額は令和5年で1,090億円。豚・鶏卵・ブロイラー・肉用牛・生乳の5品目が、県の農業産出額の上位10品目に入っている。
- 製造品出荷額等は1兆6,765億円、事業所数1,272、従業者数55,763人(令和3年経済センサス活動調査。出荷額は令和2年実績)。
つまり、「農業が全国上位の力を持つ一方、製造業の規模は相対的に小さい」という産業構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります(出典:青森県の農業|令和5年/経済センサス活動調査(製造業)|令和3年)。青森市が9つの市町村と接しているという事実も、この農業を土台とする地域と市が隣り合っていることを示しています。
新幹線が運ぶ人の流れ
東北新幹線の八戸・新青森間は工事延長81.2km(路線延長81.8km)で、八戸市を起点として七戸町を経て青森市に至ります。区間内には全長26,455mの八甲田トンネルがあります(出典:東北新幹線八戸・新青森間の概要)。
県外と直結する高速鉄道の区間が市域まで届いているという条件は、観光・移住定住・企業誘致のどの話題を語るときにも土台になります。県外から人が入ってくる入口が市にあるという前提を、市の仕事にどうつなげるかまで考えておきましょう。
観光と、訪れた人をどう受け止めるか
令和6年の青森県の観光入込客数は、延べ人数32,378千人(対前年比103.8%)、実人数13,863千人(同107.6%)。観光消費額は1,984億7,000万円(同103.9%)で、いずれも前年を上回りました(出典:青森県観光入込客統計|令和6年)。
実人数の2倍を超える延べ人数は、一度の旅行で県内をいくつも巡る旅のかたちを示しています。県庁所在地は、そうした周遊の起点にも終点にもなり得る場所です。
観光を語るなら、名所を挙げて終わりにせず、訪れた人の消費をどう地域に残すかまで踏み込みましょう。
担い手が細るという共通の制約
県の年齢3区分別割合は、年少人口9.9%・生産年齢人口54.2%・老年人口35.9%(令和6年10月1日現在)で、75歳以上は224,032人です。青森県基本計画は、2040年には県人口が100万人を下回り、老年人口比率が40%を超えると見込んでいます。
人手が細っていくという制約は、農業にも商業にも医療福祉にも、そして市役所という職場そのものにも同時にかかってきます。青森市が人材の確保を正面から方針に掲げているのも、この流れのなかにあります。
青森市の主な行政課題
ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、県庁所在地として青森市が向き合っている課題が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。
人口減少と、若い世代の県外流出
青森県の人口は、昭和58年10月1日現在の1,529,269人をピークに減少に転じ、平成12年を除いてそれ以降は減少が続いています。
県基本計画「青森新時代」への架け橋(計画期間2024年度から2028年度)は、人口減少の大きな要因を「若い世代の県外流出とそれに伴う少子化」と捉え、若い世代が『ここで暮らしたい』と思える魅力ある青森県にすることが最も重要だとしています(出典:青森県基本計画「青森新時代」への架け橋)。
進学や就職で若い世代が動くとき、県庁所在地である青森市は、県内に残る選択肢の受け皿にも、県外へ出ていく通過点にもなり得ます。志望動機に最も接続しやすい論点です。
高齢化の進行と、広い市域での暮らしの支え
県の老年人口割合は35.9%、75歳以上は224,032人(令和6年10月1日現在)。青森市は県内では人が集まっている側の市ですが、面積824.61km²という市域は決して小さくありません。
人口密度315人/km²という数字も、市のすみずみまで同じ密度で人が住んでいることを意味するわけではないでしょう。通院・買い物・各種手続きといった日常の移動が難しくなる方が増えたとき、庁舎まで来られない人にどう届くかを考えるのは、市民に最も近い基礎自治体の役割です。
人材の確保と、選ばれる職場づくり
青森市は「青森市人材確保・育成基本方針」で、行政課題が多様化・複雑化するなかでの人材獲得競争への対応を正面から掲げています。令和8年度の採用予定人員は、事務20人程度、建築3人程度、消防4人程度で、そのほかの職種は若干名。
決して大きくない枠で、幅広い一般行政事務を担う職員を確保しなければなりません。同じ令和8年度から第一次試験の方式を入れ替え、県内の大学・大学院を対象とした学校推薦を新設したのも、この課題への具体的な手当てです。
次章で詳しく取り上げます。
災害への備えを、どう自分の言葉にするか
青森県の令和3年度地震・津波被害想定調査では、太平洋側海溝型地震(国の日本海溝・千島海溝モデルに基づくMw9クラス)で県太平洋沿岸に震度6強が予測され、八戸市などでは20m以上の高さの津波が予測されています。県全体の死者数は約53,000人、全壊棟数は約111,000棟、避難者数は1日後で最大約31万人と想定されています(出典:青森県地震・津波被害想定調査|令和3年度)。
ただしこれは県の太平洋側を主眼に置いた想定であり、青森市に同じ被害の姿がそのままあてはまるわけではありません。市の被害想定を確かめないまま語るのではなく、避難所の運営や高齢の方の安否確認など、どの地域にも共通する備えに引きつけて話すのが安全です。
県庁所在地として、県や近隣市町村とどう向き合うか
青森市には県庁が置かれ、市は黒石市・五所川原市・十和田市・平川市をはじめ9つの市町村と接しています。県の計画が描く大きな方向と、市が現場で担う暮らしの仕事は、同じ地域の上で重なり合っています。
面接の定番質問「なぜ県庁ではなく市役所なのか」に答えるとき、県と市の役割の違いを制度の言葉で説明するだけでは足りません。同じ市内で働く二つの役所のうち、なぜ市の側なのか。
そこを自分の言葉にしておく必要があります。
重点政策|青森市人材確保・育成基本方針
青森市の総合計画にあたる計画の名称を、当研究会では公式資料で確認できていません。そこで本記事では、市が定める「青森市人材確保・育成基本方針」(令和5年12月策定、令和7年2月更新、令和8年4月改正)を軸に、市が職員に何を求めているかを読み解きます。
面接の評価軸に最も近い公表文書であり、受験生にとっては実用的な資料です(出典:青森市人材確保・育成基本方針|令和8年4月改正)。
方針が掲げる3つの柱
方針は、行政課題が多様化・複雑化するなかで、人材獲得競争への対応のための「人材確保」、能力の向上とデジタル社会への対応のための「人材育成」、働き手の意識の変化に対応した「職場環境の整備」を総合的に図ることを目的としています。
ここから読み取れるのは、市が職員を「採ってから育てる」だけの対象と見ていないことです。入口を広げ、育てる中身を更新し、働き続けられる環境を整えるという3つを同時に動かそうとしています。
面接で「入庁後にどう成長したいか」を語るときは、育ててもらう側の言葉だけで終わらせず、自分から学びに行く姿勢まで含めて話すと、方針の向きと噛み合います。
令和8年度の採用試験に表れた方針の実装
この方針が最もはっきり形になったのが、令和8年度の採用試験の見直しです。市は第一次試験の試験科目を、「公務員志望の方をはじめ、民間企業等への就職を考えている方など多くの方が受験しやすいよう」総合適性検査(SCOA)のテストセンター方式に変更しました。
受験者は全国47都道府県の約300か所の会場から日時と会場を選べます。最終合格の発表も、これまでより約2か月早まりました(出典:令和8年度青森市職員採用試験受験案内(大学卒業程度))。
| 令和8年度の見直し | 受験生にとっての意味 |
|---|---|
| 第一次試験を総合適性検査(SCOA)に一本化 | 教養試験の対策に充てていた時間を、第二次の作文試験・面接試験の準備に回せます |
| テストセンター方式(全国47都道府県の約300か所) | 日時と会場を自分で選べます。移動の負担は減る一方、受検の計画は自己管理になります |
| 最終合格の発表を約2か月前倒し | 民間企業の選考と並行しやすくなる一方、準備に使える期間は従来より短くなります |
| 県内の大学・大学院を対象とした学校推薦を新設 | 推薦を受けた場合の第一次は書類選考及び性格適性検査で行われ、第二次の試験種目は一般と同じです |
一連の変更に共通するのは、民間企業を志望する層にも門戸を広げるという方向です。裏を返せば、面接の場には公務員試験一本に絞ってこなかった受験者も並びます。
「公務員試験の勉強を積んできた」ことが差になりにくい試験だと理解して、準備の重心を移しておきましょう。
県の基本計画と、市の仕事の距離
青森県基本計画「青森新時代」への架け橋が最重要と位置づけるのは、若い世代が「ここで暮らしたい」と思える県をつくることです。県の計画は進む方向を示しますが、若い世代が実際に暮らしを組み立てる場面は、住まい・保育・学校・窓口といった市の仕事の側にあります。
県の計画の言葉を、市の日常業務に翻訳できるか。県庁と市役所を併願する受験者との差は、多くの場合ここで生まれます。
POINT|3つの柱は順番に言えなくてよい
人材確保・人材育成・職場環境の整備を順番どおりに唱えられることに意味はありません。①3つのうち自分の経験や関心に最も近い柱を1つ選ぶ→②その柱に重なる自分の行動を思い出す→③青森市の仕事のどの場面でそれを発揮したいかを考える、という順で準備しましょう。
悪い例「青森市の力になりたいので、どんな仕事でも一生懸命に頑張ります」
改善例「配属先がどこになるかはわかりませんけれども、まずは目の前の事務を正確にこなせるようになりたいです。そのうえで、青森市が職員に求めているものの一つに、デジタル社会への対応があると知りました。私も大学のゼミで手作業の集計を表計算で自動化して、かかる時間をかなり減らせた経験がありますので、窓口や事務の進め方を見直す提案ができる職員になりたいと考えています」
あわせて確認したい公式資料
すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。
- 青森市職員採用試験の受験案内(最新年度・受験する区分のもの)と、市の職員採用ページ
- 青森市人材確保・育成基本方針(令和8年4月改正)
- 青森市公式サイトの市政情報・広報紙・分野別の計画
- 青森県基本計画「青森新時代」への架け橋(県内の背景を知る参考として)
なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。
当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、青森市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。青森市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。
第2部|面接対策編
青森市役所の面接の概要
ここからは、青森市役所の採用試験の構成と面接の位置づけ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。
青森市役所の面接の流れ
令和8年度の大学卒業程度は、第一次試験・第二次試験の二段階です。第一次の試験種目は総合適性検査(SCOA)のみ。
基礎的な知的能力及び学力を測る択一式(60分)と、性格適性検査(35分)で構成され、択一式の出題分野は文章読解能力、数的能力、論理的思考能力、人文・社会・自然に関する一般知識、基礎英語とされています。そして人物を見る種目は、すべて第二次試験に集まっています。
事務職の第二次は、事務適性検査・作文試験・面接試験の3種目です。
| 項目 | 内容(令和8年度・大学卒業程度・事務) |
|---|---|
| 試験の段階 | 第一次試験・第二次試験の二段階(令和9年4月1日付け採用予定) |
| 第一次試験 | 総合適性検査(SCOA)のみ。基礎能力(択一式・60分・大学卒相当)と性格適性検査(35分)。テストセンター方式で、全国47都道府県の約300か所の会場から日時・会場を選択します |
| 第二次試験 | 事務職は事務適性検査・作文試験・面接試験。専門試験があるのは電気・機械・土木・建築・化学・農林の職種で、事務職には課されません。会場は青森市内、所要日数は1日又は2日 |
| 面接の種類 | 受験案内には「面接試験」と記されるのみで、個別面接・集団面接の別や実施回数の記載はありません |
| 集団形式 | 受験案内の試験種目に、集団討論・グループワークに該当する記載はありません |
| 作文試験 | 「文章による表現力、思考力等の能力について評価します」。パソコンでの入力による試験が予定されています |
| 事務適性検査 | 「公務員としての適応性について、正確さ、迅速さ等」を見る検査。全職種に実施されます |
| 配点 | 各試験の配点・満点は受験案内に記載がありません |
| 提出書類 | 「面接カード」に相当する様式は受験案内に記載がありません。申込サイトのプロフィールの「自己PR」欄も入力不要と明記されています |
| 採用予定人員 | 事務20人程度、建築3人程度、消防4人程度。電気・機械・土木・化学・農林・事務(社会福祉士)はいずれも若干名 |
| 試験結果の開示 | 合格発表の日から1か月間、本人が受験番号と本人確認書類を持参し、総務部人事課の窓口で口頭により開示を請求します |
上記は青森市の令和8年度職員採用試験受験案内(大学卒業程度)にもとづくものです。試験の構成・配点等は、年度や受験区分によって変わる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の受験案内でご確認ください。
この構成から読み取れることは2つあります。1つは、第一次の性格適性検査に「面接試験の参考資料として使用するものです」という注記が付いていることです。
第一次の合否そのものより、第二次の面接で使われる資料という位置づけになっています。もう1つは、第二次の3種目がそれぞれ違う力を見ているということです。
正確さと迅速さ(事務適性検査)、表現力と思考力(作文試験)、職務遂行に必要な性格的条件(面接試験)。1日又は2日という短い日程のなかで、この3方向から確かめられます。
加えて、令和8年度からは県内の大学・大学院からの推薦による採用試験も始まりました。学校推薦を受けた場合の第一次は書類選考及び性格適性検査で行われますが、第二次の試験種目は一般と同じです。
入口は複数、出口は共通という設計であり、どの経路で来ても第二次で見られるものは変わりません。
青森市役所が求める人物像
青森市が「求める人物像」としてまとめた公表文言を、公表資料からは確認できません(当研究会調べ)。そこで、受験案内が各種目に与えている定義と、人材確保・育成基本方針の目的から、面接で評価されやすい資質を読み解きます。
受験案内は、面接試験を「職務遂行に必要な性格的条件を有しているかどうか」を評価するものと定義し、事務適性検査には正確さ・迅速さ、作文試験には表現力・思考力という言葉を置いています。方針の側は、能力の向上とデジタル社会への対応を人材育成の目的に据えています。
面接対策の言葉に翻訳すると、「正確に、そして速く事務を進める力」「自分の考えを筋の通った文章と言葉にする力」「新しいやり方に合わせて自分を更新する力」の3つが評価の中心になると考えられます。事務職の職務概要が「幅広い分野において様々な一般行政事務に従事します」とされている点も、あわせて押さえておきましょう。
自己PRでは「几帳面です」と述べるだけでなく、その性格が誰の何を助けたのかまで説明したいところです。
想定される質問
面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる
当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。青森市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。
| カテゴリー | 代表質問 | ここで見られていること |
|---|---|---|
| ① 導入・アイスブレイク | 今日はどちらから来られましたか | 構えていない場面での声の調子と表情。会話が自然に続くかどうか |
| ② 動機・志望 | なぜ公務員という働き方を選んだのですか | 民間企業でも叶う動機で止まっていないか。選択の理由が自分の経験と地続きか |
| ③ 自己理解 | 自分で直したいと思っている点はありますか | 自分を外から見られているか。弱点とどう折り合いをつけてきたか |
| ④ 経験・行動 | これまでで一番粘り強く続けたことを教えてください | 続けられた理由と、やめたくなった場面で何を変えたか |
| ⑤ 学業・経歴 | 学んできた内容を、初めて聞く人に説明してください | 相手に合わせて言葉を選ぶ力。学びを仕事に接続する視点 |
| ⑥ 適性・将来 | 希望と違う部署に配属されたらどうしますか | 市の仕事への理解の解像度と、配属を受け止める柔軟さ |
| ⑦ 公共性・社会性 | 最近、気になった出来事はありますか | 世の中への関心と、自分の考えを短く述べられるか |
ただし、この7カテゴリーは青森市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。
では、どこで差がつくのか。それが次の「青森市ならでは」の質問です。
合否を分けるのは「青森市役所ならでは」の質問
青森市には県庁も置かれており、県と市を併願する受験者は少なくありません。だからこそ1問目は、この市では特に重みのある質問です。
どちらも市の現状を知らなければその場では答えようがない質問ですが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。面接で使いやすい市の事実を、答え方とセットで整理しました。
| 質問テーマ | 知っておきたい青森市の事実 | 答え方のヒント |
|---|---|---|
| 市のスケール感 | 人口259,352人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積824.61km²、人口密度315人/km²。県全体の人口密度122.8人/km²(2023年)のおよそ2.5倍で、県人口の約2割が暮らす | 「人が集まっている市」と「824km²という広さ」を並べて話し、庁舎から遠い地区へのサービスの届け方まで触れると、規模の暗記で終わりません |
| なぜ県庁ではなく市役所か | 青森市は県庁所在地。県は基本計画で若い世代の県外流出への対応という広域の方向を示し、市は窓口や現場で暮らしに直接届くサービスを担う | 同じ市内に県庁があるからこそ、役割の違いを整理したうえで、青森市の仕事のどの場面に自分が関わりたいのかを一つ挙げます |
| 令和8年度からの試験の変化 | 第一次試験を総合適性検査(SCOA)のテストセンター方式へ変更。全国47都道府県の約300か所で受検でき、最終合格の発表も約2か月前倒しに。県内大学・大学院からの学校推薦も新設 | 「受けやすくなった」で終わらせず、市が人材獲得競争にどう向き合っているかという読みまで添えると、方針を理解している受験者だと伝わります |
| 市が定める人材の方針 | 「青森市人材確保・育成基本方針」(令和8年4月改正)は、人材確保・人材育成・職場環境の整備を総合的に図ることを目的とする | 3つの柱のうち自分の経験に最も近い1つを選び、その言葉に自分の行動を重ねて説明します。デジタル社会への対応は人材育成の柱に含まれています |
| 人口減少と高齢化の背景 | 青森県の人口は令和6年10月1日現在1,164,752人で、1年間に19,806人(1.67%)減少。老年人口割合35.9%に対し年少人口割合は9.9%で、2040年には県人口の100万人割れと老年人口比率40%超が見込まれている | 県の数値を青森市の数値のように語らないことが前提です。そのうえで、県都に人が集まっても県全体は縮んでいくという構図に触れ、市の仕事に引き寄せます |
使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。
想定される評価の観点
面接は、受験案内がいう「職務遂行に必要な性格的条件」を、これまでの行動から確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。
| 評価の観点 | 面接でどう確かめられるか | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 正確さと迅速さ | 手順の決まった作業を、抜けなく期限内に仕上げてきたか | 青森市は第二次で全職種に事務適性検査を課しています。ミスを防ぐために自分で作った確認の手順や、期限から逆算して段取りを組んだ場面を、日数や件数まで添えて用意しておきましょう |
| 表現力と思考力 | 自分の考えを、順序立てて相手に届く形にできるか | 作文試験はパソコンでの入力による実施が予定されています。手書きの練習だけで終わらせず、画面上で構成を組み立てて書き切る練習を一度は挟んでおきましょう |
| 変化に合わせて自分を更新する力 | 新しいやり方を求められたとき、指示を待たずに動けたか | 市は令和8年度に試験の方式そのものを入れ替えました。デジタル社会への対応は方針が掲げる人材育成の柱でもあります。新しい道具や手順を自分から覚えた経験を、覚え方まで含めて話せるようにしておきましょう |
なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。青森市の受験案内は面接の形式を明示していませんが、どの形式であっても、細部を尋ねられたときに答えられるかどうかは変わりません。
自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。
本番までの準備6ステップ
ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。
- 最新年度の受験案内を読み、第一次の総合適性検査(SCOA)の受検方式と、第二次で課される種目を確認する
- 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
- 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
- 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
- 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
- 声に出して練習する。作文はパソコン入力での実施が予定されているため、画面に向かって書く練習も一度は行っておく
優先順位に注意
ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません。
第一次の総合適性検査を通過したあとの短い期間で、作文と面接の準備を独学で仕上げたいという方には、青森市役所専用の面接想定問答集という選択肢もあります。
青森市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。
さいごに
青森市の令和8年度の試験は、第一次が総合適性検査だけになり、最終合格の発表も約2か月早まりました。筆記を積み上げる期間が短くなった分、第二次の事務適性検査・作文試験・面接試験に、準備の重みがはっきりと移っています。
人口259,352人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積824.61km²の県庁所在地で、人材の確保と育成、そして職場環境の整備を同時に進めようとしている市は、これから一緒に働く人に何を期待しているのか。受験案内が各種目に置いた「正確さ、迅速さ」「表現力、思考力」「職務遂行に必要な性格的条件」という言葉と、自分がこれまでやってきたことを並べて置いてみてください。
そこで見つかった重なりが、あなたにしか語れない志望動機になります。