本記事では、平川市職員採用試験の面接対策で必要な、平川市の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

平川市役所の面接試験では、「なぜ平川市を志望したのか」「市職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を市政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。平川市は受験案内の冒頭に4つの「求める職員像」を掲げている市ですから、その言葉と自分の経験をどう重ねるかが、回答の説得力を左右します。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と平川市政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

平川市の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは平川市の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 青森県の津軽地域に位置する人口28,969人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)の市で、総面積は346.01km²。人口密度は83.7人/km²にとどまる。
  • 接しているのは青森市・弘前市・黒石市・十和田市・南津軽郡大鰐町・田舎館村と、秋田県の大館市・鹿角郡小坂町。2県8市町村と境を接し、津軽平野の側から秋田県境の山地側まで市域が広がっている。
  • 市役所は平川市柏木町藤山に置かれ、市の花はリンゴの花、市の木はクロマツと定められている。
  • 青森県のりんごの生産量は令和5年で全国第1位。平川市が属する津軽地域は、岩木川の流域に肥沃な津軽平野が広がる県内有数の農業地帯である。
  • 令和8年度(令和9年4月採用)の職員採用試験は、一般行政職「上級」7名程度のほか、一般行政職「心理」1名程度、建築技術職1名程度の募集。
  • 受験案内の冒頭に、<信頼される職員><協働する職員><挑戦する職員><創造する職員>という4つの求める職員像が掲げられている
  • 市は採用後に市内へ居住することを推奨しており、この方針に共感を持つ人の応募を歓迎すると明記している。
  • 第1次試験は全国のテストセンターで日時と会場を選んで受験する方式で、受験案内の表紙には「第1次試験は公務員試験対策が不要な試験」と明記されている。

平川市の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「平川市の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、市域の広さ、人口密度、接している自治体など、平川市の輪郭がつかめる項目を整理しました。市単独の経済統計は確認できていないため、比較の物差しとして青森県全体の数値もあわせて示します。

項目内容
総人口28,969人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)
総面積約346.01km²
人口密度83.7人/km²(上記の総人口と総面積から算出)
所在地域青森県津軽地域(県西部)
接している自治体青森市・弘前市・黒石市・十和田市・南津軽郡大鰐町・田舎館村/秋田県大館市・鹿角郡小坂町
市の花・市の木リンゴの花・クロマツ
市役所所在地平川市柏木町藤山25-6
(参考)青森県の総人口1,164,752人(令和6年10月1日現在)
(参考)青森県の人口密度122.8人/km²(2023年・全国第41位)
(参考)青森県の面積9,645km²(2023年・全国第8位)

平川市の面積・接している自治体・市の花木・市役所所在地は、自治体データベース(人口は住民基本台帳・令和8年1月1日現在)による数値です。青森県の総人口は青森県公表の推計人口(令和6年10月1日現在)、人口密度と面積は青森県の統計資料(2023年)による数値です。総人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(令和8年1月1日現在)の数値で、人口密度はこの総人口を総面積で割って算出しました。

数字から考えられる市政課題

平川市の人口密度83.7人/km²は、青森県全体の122.8人/km²(2023年)を下回ります。県の平均よりも人がまばらな市であり、346.01km²の市域に2万8千人余りが分かれて暮らしている姿が浮かびます。

除排雪、道路や上下水道の維持、公共交通、高齢の市民の見守りといった仕事は、人口ではなく距離と面積に比例して手間が増えます。市域の広さがそのまま仕事の重さになるという条件を、まず頭に入れておきましょう。

もう一つの前提が、人口の推移です。青森県の推計人口は令和6年10月1日現在で1,164,752人となり、前年に比べて19,806人(1.67%)減少しました。

県人口は昭和58年の1,529,269人をピークに、平成12年を除いて減少が続いています(出典:青森県の人口|令和6年

2万8千人規模の市にとって、人口減少はこれから来る話ではなく、すでに40年以上続いてきた前提条件です。面接では、たとえば次のように、規模の数字と自分の働き方を結び付けて話せます。

「平川市は人口が2万8千人ほどで、面積は350平方キロメートル近くあると知りました。青森県の平均よりも人口密度が低いので、市民の方のところへこちらから出向く場面も多いのではと感じています。車で市内を回る仕事も出てくると思いますので、まずはどの地区にどんな相談が多いのかを早く覚えたいです」

平川市の経済・産業

平川市単独の市内総生産や事業所統計について、当研究会が確認できた公式資料は限られています。ここでは、市が置かれている条件を、津軽地域という立地と、青森県全体の産業の姿の2つから読み解きます。

津軽平野の農業地帯という立地

青森県の地勢は、中央の奥羽山脈を境として、東部の県南地域と西部の津軽地域に大別されます。津軽地域は広大な沖積低地と山地からなり、岩木川の流域には肥沃な津軽平野が形成されています。

平川市はこの津軽地域にあり、弘前市・黒石市・田舎館村といった平野部の自治体と、秋田県境の山地側の双方に接しています

青森県のりんごの生産量は令和5年で全国第1位、にんにくとごぼうの生産量も同じく令和5年で全国第1位です。耕地面積は14万7,300ha(令和6年)で全国第4位、その内訳は田が53%、普通畑が24%、樹園地が15%、牧草地が9%となっています(出典:青森県の農業|令和5年

水田とりんご園が並び立つ農業県の中核が津軽地域であり、平川市の産業もこの土地の使われ方と切り離せません。市の花がリンゴの花に定められていることも、その象徴といえます。

青森県の産業構造の中での位置づけ

  • 製造品出荷額等は1兆6,765億円(令和3年経済センサス活動調査。出荷額は令和2年実績で前年比2.9%減)。事業所数1,272事業所、従業者数55,763人(令和3年6月1日現在)。
  • 畜産の産出額は1,090億円(令和5年)で、豚・鶏卵・ブロイラー・肉用牛・生乳の5品目が県農業産出額の上位10品目に入る。
  • 令和6年の観光入込客数は延べ3,237万8千人(対前年比103.8%)、実人数1,386万3千人(同107.6%)、観光消費額は1,984億7千万円(同103.9%)。

つまり、農業と食に厚みがあり、製造業の規模は限られるという県の産業構造の中に平川市があります(出典:経済センサス活動調査(製造業)|令和3年

産業振興や雇用の話題では、大きな工場を誘致するという発想よりも、この土地で採れるものをどう売り、どう人を呼ぶかという視点のほうが、地域の実情に合っています

観光は県全体で令和6年に前年を上回る水準まで戻っており、津軽地域の農と食は、その受け皿になり得る資源です(出典:青森県観光入込客統計|令和6年

担い手の数が細っていく前提

令和6年10月1日現在の青森県の年齢3区分別割合は、年少人口(0〜14歳)9.9%、生産年齢人口(15〜64歳)54.2%、老年人口(65歳以上)35.9%です。年少人口の割合は大正9年以降で最も低く、老年人口の割合は最も高くなりました。

県基本計画は、2040年には県人口が100万人を下回り、老年人口比率が40%を超えると見込んでいます(出典:青森県基本計画「青森新時代」への架け橋|2024〜2028年度

産業や雇用を語るときも、この前提は外せません。新しい仕事をどう呼び込むかという発想に加えて、いまある農地と暮らしの機能をどう続けるかという発想が、2万8千人規模の市ではより重い意味を持ちます。

平川市の主な行政課題

ここまでの数字と地域の姿を踏まえると、平川市が向き合っている条件が見えてきます。面接で「市の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の4つを押さえておきましょう。

人口減少と高齢化が同時に進む中での市政運営

青森県の人口減少の中身を見ると、令和5年10月1日から令和6年9月30日までの1年間で、出生5,244人に対し死亡20,649人、自然増減は15,405人の減少(自然増減率マイナス1.30%)でした。県外への転出等による社会増減は4,401人の減少(同マイナス0.37%)です。

減少の大半は自然減であり、転入を増やすだけでは追いつかない構造になっています老年人口比率35.9%(令和6年10月1日現在)という県の年齢構成の中で、人口2万8千人台の市がどこまで暮らしの機能を保てるかが問われます

市域346km²に暮らしが分散していること

窓口の受付、税の賦課、福祉の相談、道路や上下水道の管理と、市が受け持つ仕事の種類は、人口の多い市とほとんど同じだけ並びます。一方で職員の人数はおのずと限られますから、一人が複数の分野をまたいで担当する前提で仕事が組み立てられます。

しかも346.01km²の市域に暮らしが散らばっていれば、同じ一件の用務でも現場までの移動が積み上がります。面接で「市の課題」を語るなら、人が少ないことそのものよりも、限られた人数で広い市域を支える難しさに踏み込むほうが具体的です。

限られた財源での行政運営

平川市単独の財政指標は公表資料からは確認できませんが、県全体の状況は青森県の公表資料から把握できます。令和5年度決算の健全化判断比率は、実質公債費比率13.4%、将来負担比率64.6%で、実質赤字比率と連結実質赤字比率はいずれも該当なしでした。

同じ年度の標準財政規模は約3,784億円です(出典:青森県の健全化判断比率|令和5年度決算。財源に限りがあるという前提は、県も市も変わりません。

平川市でも、どの事業を今年に回し、どれを次の年度に送るかという判断が毎年積み重なります職員に必要なのは、その順番になった理由を市民へきちんと伝えられることです

大規模地震への備えと雪の季節の避難

令和3年度の青森県地震・津波被害想定調査は、国の日本海溝・千島海溝モデルに基づく太平洋側海溝型地震(Mw9クラス)を想定し、県の太平洋沿岸に震度6強、八戸市などでは20m以上の高さの津波を予測しています。冬の18時に発生した場合の県全体の被害は、死者数約5万3千人、全壊棟数約11万1千棟、1日後の避難者数は最大約31万人と見込まれています(出典:青森県地震・津波被害想定調査|令和3年度

平川市は津軽地域の内陸にあり、この想定が直撃する場所ではありません。ただし、県内のどこかで大規模な災害が起きれば、被害を免れた市町村が避難者の受け入れや応援職員の派遣を担うことになります。

自分のまちが無事であることは、仕事がないことを意味しないわけです県の想定が冬の18時という条件を置いていること自体が、雪と寒さを外して防災を語れないことを示しています

降雪期に停電や道路の寸断が重なれば、避難所へたどり着くこと自体が難しくなります。

重点政策|青森県の計画と平川市の行政運営

平川市が独自に定める総合計画の名称や重点施策について、当研究会が確認できた公式資料は限られています。ここでは、市の行政運営を取り巻く条件として、青森県の最上位計画と人口の見通しを整理し、そのうえで平川市の立ち位置を考えます。

青森県基本計画が示している方向

青森県の最上位計画は「青森新時代」への架け橋(計画期間2024年度〜2028年度)です。この計画は、人口減少の大きな要因を「若い世代の県外流出とそれに伴う少子化」と捉え、若い世代が「ここで暮らしたい」と思える魅力ある青森県にすることを、最も重要な課題に据えています。

市町村の仕事は、この方向づけを暮らしの現場で形にすることです。平川市が採用後の市内居住を推奨し、職員自らが地域活動の担い手として活動することを求めているのは、若い世代が住み続ける地域をつくるという県全体の課題に、職員の働き方の面から向き合う姿勢の表れと読めます(参考:平川市職員採用試験のご案内

2万8千人の市が置かれている見通し

先に見たとおり、青森県の人口はピークだった昭和58年から40年以上にわたって減り続けてきました。平川市が向き合っているのは、突然始まった問題ではなく、世代をまたいで続いてきた条件です。

その中で何を守り、何を組み替えるかを判断してきたのが県内の市町村であり、市職員の仕事もその判断の積み重ねです。面接では、この先も人口が減っていくという見通しを承知したうえで、それでも平川市を選ぶ理由まで言い切れるかどうかが見られます。

減っていく側の数字を知っているかどうかで、志望動機の具体性はかなり変わります

POINT|公表資料が少なくても自治体研究はできる

資料の多い自治体ほど研究しやすい、というわけではありません。①平川市の人口28,969人・面積346.01km²・人口密度83.7人/km²という基本の形を押さえる → ②受験案内が掲げる4つの求める職員像を読み、どんな働き方が期待されているかをつかむ → ③自分の経験のどれがその4つに対応するかを言葉にする。この順で進めれば、公表資料の量に関係なく、平川市について自分の言葉で語れるようになります。

悪い例「平川市のまちづくりに貢献したいです」

改善例「まずは窓口や事務の仕事を一つずつ覚えて、市民の方の質問にその場で答えられるようになりたいです。その上で、平川市は採用された職員が市内に住んで地域の活動にも関わることをすすめていると聞きましたので、休みの日にも地域の行事に顔を出して、名前で呼んでもらえる職員になっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 令和8年度平川市職員採用試験の受験案内(試験の段階・種目・受験資格・求める職員像が1つにまとまった、最も重要な資料です)
  • 平川市公式サイトの職員採用試験のページ(申込の手順と、採用後の市内居住を推奨する方針が掲載されています)
  • 平川市の広報紙と市公式サイトの各課のページ(市が今どんな事業に力を入れているかを知る手がかりになります)
  • 青森県基本計画「青森新時代」への架け橋(県全体の課題設定と、市町村に期待される役割を知る参考として)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、平川市役所専用の面接想定問答集をご用意しています。平川市の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

平川市役所の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

平川市役所の面接の概要

ここからは、平川市役所の採用試験の形と流れ、面接で問われやすい質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

平川市役所の試験の流れ

令和8年度平川市職員採用試験(令和9年4月採用)は、第1次試験(全国のテストセンター)、第2次試験(適性検査・Web)、第2次試験(平川市役所本庁舎)という3つのステップで実施されます。第2次試験が「Webでの適性検査」と「本庁舎での試験」に分かれているのが、この市の構成の特徴です(出典:令和8年度平川市職員採用試験受験案内

もう一つ押さえておきたいのが、最終合格者は第2次試験の結果に基づいて決定すると受験案内に明記されている点です。第1次試験の得点を最終順位に算入する旨の記載はありません。

その第1次試験はテストセンター方式で、案内の表紙には「第1次試験は公務員試験対策が不要な試験」とも書かれています。筆記で差をつける試験ではなく、作文と面接で決まる試験だと捉えて、準備の重心を置く場所を決めましょう。

項目内容(令和8年度・令和9年4月採用)
採用職種・予定人数一般行政職「上級」7名程度、一般行政職「心理」1名程度、建築技術職1名程度。職種の併願はできません
受験資格(上級)大学卒業以上の学歴を有する方(令和9年3月までに卒業する見込みの方を含む)で、平成9年4月2日以降に生まれた方。上級の受験資格がある方は初級を受験できません
試験の段階第1次試験(全国のテストセンター)→ 第2次試験(適性検査・Web)→ 第2次試験(平川市役所本庁舎)の3ステップ
第1次試験の種目基礎能力(文章読解力、数学的基礎知識、論理的思考力、一般教養知識や社会常識、基礎的英語/60分)、事務能力(職務遂行に必要な事務能力を診断/50分)
第2次試験(適性検査)性格適性検査(20分・Web)。この期間中に「面接カード」を作成します
第2次試験(本庁舎)作文試験(職務の遂行に必要な識見、判断力、思考力等/1時間程度)、面接試験(総合的な人格、識見、人間性等)
合格者の決定第2次試験の結果に基づいて最終合格者を決定
配点・面接の形式公表資料では確認できません。最新の受験案内でご確認ください
試験結果の開示不合格者に対してのみ、専用サイトのマイページで開示(第1次は総合得点と順位、第2次は最終順位)

上記は、令和8年度平川市職員採用試験(令和9年4月採用)の受験案内にもとづく内容です。試験の構成・種目・日程・提出書類等は、年度や職種によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身が志望する職種の最新の受験案内をご確認ください。

申込はインターネットで行います。事前登録でメールアドレスを登録してログインIDを受け取り、マイページから住所や学歴等の設問に回答して、受験票用の顔写真データをアップロードすると申込完了です。

学歴は最終学歴から順に中学校まで入力し(受験予備校は除きます)、在学中のアルバイトを職歴欄に書く必要はありません。なお全職種に共通する受験資格として、「活字による出題に対応できること」「口述による面接試験に対応できること」が定められています。

採用後の条件も一度は目を通しておきましょう。基本給月額は令和8年4月1日現在で一般行政職上級が237,600円(大学新卒者の場合)、勤務時間は原則として1日7時間45分、週38時間45分です。

面接の終わりに「何か質問はありますか」と促されたとき、受験案内に書かれていることをそのまま尋ねてしまうと、資料を読んでいない印象になります。

資料を探すときの注意

青森県内には、平川市(ひらかわし)のほかに東津軽郡平内町(ひらないまち)があります。読みも表記も似ていますが別の自治体で、採用試験も別に行われています。平川市の公式サイトのドメインは city.hirakawa.lg.jp です。また、市の採用試験ページには過年度の案内が残っていることがあります。検索結果の見出しやページのアドレスではなく、開いた受験案内の冒頭にある年度表記を見て、志望する年度のものかどうかを確かめてください。

平川市役所が求める職員像

平川市は、受験案内の冒頭に「平川市が求める職員像」として<信頼される職員><協働する職員><挑戦する職員><創造する職員>の4つを掲げ、それぞれに定義文を添えています(出典:令和8年度平川市職員採用試験受験案内。定義文の内容を要約すると、次のようになります。

  • 信頼される職員
    自らも地域の一員だという自覚を持って地域全体を把握し、情報を市民と共有しながら連携する。高い倫理観と使命感を持ち、市民に公正・平等・誠実に対応する職員。
  • 協働する職員
    まちづくりの主役は市民であるという認識を常に意識し、市民と協働してまちづくりを進めていく職員。
  • 挑戦する職員
    市民満足度の高い公共サービスを提供するため、意欲と能力を最大限に発揮し、積極果敢に挑戦する職員。
  • 創造する職員
    これまでの行政の概念にとらわれず、幅広い視点で発想できる創造的思考を持ち、自分たちの道を自分たちの力で切り拓く情熱を持った職員。

4つを並べると、市が期待している職員像の重心が見えてきます。前半の2つは市民との距離の近さを、後半の2つは前例のない課題への向き合い方を指しています。

とくに「自らも地域の一員であること」という表現は、採用後の市内居住を推奨する方針と地続きです。自己PRでは「協調性があります」と述べるだけでなく、その姿勢がどんな行動として表れ、周囲に何が起きたのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。平川市の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク今日はどうやって会場まで来ましたか硬さの取れ具合。用意していない問いにも、一言添えて返せるか
② 動機・志望民間企業ではなく市役所を選んだ理由は何ですか職業の選び方が、自分のこれまでの経験と地続きになっているか
③ 自己理解周りの人からはどんな人だと言われますか自己像と他者からの評価のずれを自覚しているか。取り繕っていないか
④ 経験・行動力を入れて取り組んだことと、その中で一番苦労した場面を教えてください苦労の大きさではなく、その場面で何を考え、どう動いたかという中身
⑤ 学業・経歴学んできたことを、市の仕事にどう生かせそうですか学びを仕事の言葉に置き換えられるか。無理につなげていないか
⑥ 適性・将来希望と違う部署に配属されたらどうしますか組織の中で働く前提を持てているか。落胆したところで話が止まらないか
⑦ 公共性・社会性最近気になった地域の話題はありますか暮らしている地域への関心の向け方と、意見を一言で言い切れる力

ただし、この7カテゴリーは平川市に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「平川市ならでは」の質問です。

合否を分けるのは「平川市役所ならでは」の質問

「なぜ青森県庁ではなく、平川市役所なのですか」
「平川市の魅力と課題を、それぞれ挙げてください」

本庁舎で行う第2次試験は、作文試験と面接試験の2種目で構成されています。書いて答える場面と、話して答える場面の両方で、同じ受験者の考えが見比べられるということです。

どちらの問いも市の現状を知らなければその場では答えようがありませんが、逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。こうした質問に答えるための「平川市の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい平川市の事実答え方のヒント
市の規模と形人口28,969人(住民基本台帳・令和8年1月1日現在)、面積346.01km²、人口密度83.7人/km²。青森県全体の人口密度122.8人/km²(2023年)を下回る面積のわりに人が薄いという形まで押さえると、除排雪や見守りのように、距離が仕事量を決める分野の話につなげられます
なぜ県庁ではなく市役所か県が広域の政策を担うのに対し、市は住民に最も近い窓口を担う。平川市の上級は採用予定7名程度で、職種の併願はできない7名程度という採用規模から、一人が受け持つ範囲の広さを見積もったうえで、その働き方をあえて選ぶ理由を述べます。「幅広く関わりたい」で止めると印象が薄くなります
求める職員像との接続受験案内が掲げる4つの職員像(信頼される/協働する/挑戦する/創造する)。定義文には「自らも地域の一員であることの自覚」という表現がある4つのうち自分に最も近いものを1つ選び、その言葉どおりに動いた場面を語ります。4つ全部に自分を当てはめようとすると、どれも薄くなります
市内居住を推奨する方針市は、職員自らが地域活動の担い手として活動するため、採用後に市内へ居住することを推奨し、この方針に共感を持つ方の応募を歓迎すると明記している住む場所の話としてではなく、勤務時間の外でも地域と関わる覚悟を確かめる項目として受け止めます。学生時代に生活の場で担った役割を、一つ用意しておきます
地域の産業と魅力青森県のりんごの生産量は令和5年で全国第1位。平川市は津軽平野を含む津軽地域にあり、市の花はリンゴの花に定められている名産品の紹介で終わらせず、その産業を続けるために市が何をできるかまで踏み込みます。県の観光入込客数が令和6年に前年比103.8%だった点も、材料の一つになります

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 市職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める職員像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
信頼される職員情報を抱え込まずに共有した経験。公正さが試された場面での判断平川市は職員が地域の一員として動くことを想定しています。同じ相手と何度も顔を合わせる関係の中で信頼を積んだ経験を、そのときの判断ごと用意しておきます
協働する職員主役が自分ではない場面で、周囲との関わりをどう作ったか「まちづくりの主役は市民」という定義に沿って、自分が前に出るのではなく、相手が動けるように支えた経験を選びます
挑戦する職員うまくいく保証のない場面で、何を根拠に踏み出したか上級7名程度という採用規模の市では、前例のない仕事も回ってきます。踏み出す前に何を確かめ、途中で何を変えたのかまで話せるようにします
創造する職員決まったやり方を疑い、別の方法を試した経験人口が2万8千人台で減少局面にある市では、これまでどおりが続けられない場面が出てきます。手順を変えて周囲に受け入れてもらった経験があれば、その説得の過程まで語ります

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。平川市は面接の形式も回数も配点も公表していないため、どんな聞かれ方をしても揺らがないよう、自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内をまず通読する。試験の3ステップ、第1次の種目と時間、第2次の作文と面接、そして冒頭の4つの求める職員像まで、この1冊にまとまっている
  2. 高校・大学・アルバイトの経験を棚卸しする。学業・課外活動・仕事から、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る。第1次はテストセンター方式で基礎能力60分・事務能力50分なので、時間を計った演習も並行して進める
  4. 自治体研究のインプットをする。人口28,969人・面積346.01km²・人口密度83.7人/km²という平川市の基本と、青森県の人口と財政の見通しを、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 4つの求める職員像と、ステップ2で棚卸しした経験を線で結び、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む。面接カードは第2次試験(適性検査)の期間中に作成するので、この作業はそれまでに済ませておく
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。本庁舎での第2次試験では作文も課されるため、考えを書いてまとめる練習も並行する

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を市の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で市の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、平川市役所専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

平川市の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

平川市役所の想定問答集を見る

さいごに

平川市の採用試験は、第1次試験が全国のテストセンターで行われ、最終合格者は第2次試験の結果に基づいて決まります。本庁舎で受ける作文試験と面接試験が、合否の中心にあるということです。

配点も面接の形式も公表されていませんから、試験の形を先読みして対策を組み立てるより、どう聞かれても自分の経験から答えを出せる状態にしておくほうが、この市では確実な備えになります。

人口28,969人、面積346.01km²のまちで上級7名程度の枠に加わるというのは、市民の暮らしのかなりの部分に、近い距離で関わることを意味します。受験案内は、その職員に「自らも地域の一員であることの自覚」を求め、採用後は市内に住んで地域の活動にも関わってほしいと書いています。

この求めに対して、自分はどんな一員になれるのか。りんごの産地である津軽の一角で、人口が減り続ける条件のもとに暮らしを支える仕事を選ぶ理由を、借り物ではない言葉で用意して本番に臨んでください