本記事では、岐阜県職員採用試験の面接対策で必要な、岐阜県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

岐阜県の面接試験(岐阜県では個別面接を「口述試験」と呼びます)では、「なぜ岐阜県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。岐阜県の実情や施策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、岐阜県ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と岐阜県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

岐阜県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは岐阜県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は岐阜市。日本のほぼ中央に位置し、愛知・長野・富山・石川・福井・滋賀・三重の7県に囲まれた、数少ない内陸県のひとつ。
  • 面積は約1万621km²で全国第7位の広さ。海抜0mの濃尾平野から標高3,000mを超える山岳まで、県内の高低差が非常に大きい。
  • 北部の飛騨地域には御嶽山・乗鞍岳・奥穂高岳など標高3,000m級の山々が連なり、南部の美濃地域には濃尾平野が広がって木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が流れる。
  • 人口は約188万人(令和8年4月1日現在の推計)。近年は人口減少局面に入り、とくに若い世代の県外への流出が続いている。
  • 就業者に占める製造業の割合が全国6位という「ものづくり県」で、航空宇宙・環境エネルギー・繊維などが県の重点産業。第2次産業の比率が高い産業構造をもつ。
  • 世界遺産の白川郷合掌造り集落や飛騨高山の古い町並み、清流長良川の鵜飼など、飛騨・美濃の豊かな観光資源を抱え、国内外から多くの観光客が訪れる。
  • リニア中央新幹線の岐阜県駅が中津川市に設置される予定で、東海環状自動車道などの高速道路網の整備も進む、交通の要衝でもある。
  • 県財政は引き続き厳しい状況にある。財政力指数は0.54(令和5年度)で自主財源に余裕がなく、実質公債費比率8.3%・将来負担比率223.7%(同年度)と後年度の負担も重い。限られた財源で必要な行政サービスを維持しながら、将来世代の負担にも配慮する財政運営が課題となっている。

岐阜県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「岐阜県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、財政の状況、市町村構成など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口約188万人(1,879,539人)
老年人口(65歳以上)約59万人(高齢化率31.1%・令和6年)。直近の高齢化率は約32%(2025年推計)
総面積約1万621km²(全国第7位)
総世帯数約79万世帯(793,615世帯、1世帯当たり2.37人)
市町村数42市町村(21市19町2村)
隣接県7県(愛知・長野・富山・石川・福井・滋賀・三重)
財政力指数0.54(令和5年度・単年度)
一般会計当初予算9,569億円(令和8年度・過去最大)

総人口・総世帯数は令和8年4月1日現在の推計(令和7年国勢調査結果の速報値を基準とした推計値)、65歳以上人口と高齢化率31.1%は県公表の「長寿社会ぎふDATA」(令和6年時点)、財政力指数は総務省の令和5年度都道府県財政指数表、当初予算額は岐阜県の令和8年度当初予算資料による数値です。

数字から考えられる県政課題

岐阜県には現在も約188万人が暮らしていますが、人口が多いことだけを強みと捉えるのは不十分です。人口は2015年から2020年までの5年間で約5万人減り、このまま推移すれば2050年には137万人(2020年比で約31%減)になるとの推計もあります。

若い世代の転出超過や高齢化の進行をあわせて考える必要があります。

同時に、高齢化率は約32%(2025年推計)まで上がり、外国人県民も約6.9万人(2023年末)が暮らしています。人口規模だけでなく、社会減対策と自然減対策の両面に加えて、多様な住民がともに活躍できる地域づくりが求められています。

たとえば面接では、岐阜県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「岐阜県は約190万人が暮らす県ですが、今は人口が減る局面に入っていると聞きました。とくに若い世代が仕事を理由に県外へ出てしまう傾向があるので、働く場所の魅力を高めて、県内に残ってもらう取り組みが大事になると考えています」

岐阜県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 就業者に占める第2次産業の割合は32.6%(令和2年国勢調査)で全国平均より高く、なかでも製造業の就業者割合は25.0%で全国6位(全国16.0%)。
  • 県は航空宇宙・環境エネルギー産業の育成や繊維産業の高度化を、産業政策の柱に据えている。
  • 1人当たりの県民所得は303.5万円(2019年度)。県の総合戦略は、これを2027年度に330万円へ引き上げる目標を掲げている。
  • 名古屋圏に近接する内陸県であり、産業も雇用も、隣接する愛知県との結び付きが強い。

つまり、「ものづくり(製造業)を土台に、観光と農林畜水産が地域を支える」という構造を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:岐阜県の概要

ものづくり産業

「ものづくり県」岐阜の代表格は、各地に広がる製造業です。就業者に占める製造業の割合は全国6位で、県は航空宇宙・環境エネルギー・繊維などを重点分野に位置づけています。

第2次産業の比率が高い産業構造は、景気や為替の影響を受けやすい一方、技術力のある中小企業の集積という強みでもあります。

面接では「岐阜のものづくりをどう次の世代につなぐか」という視点を持っておくと、産業や雇用の質問に厚みが出ます。

観光業

令和6年の観光消費額は総額4,012億円で過去最高(前年比31.8%増)。観光入込客数は延べ6,655万7千人にのぼります。

世界遺産の白川郷合掌造り集落や飛騨高山の古い町並みなど飛騨地域が牽引し、外国人の延べ宿泊者数は192.9万人。令和6年は白川郷合掌造り集落(白川村)が前年比22.1%増、高山市街地エリアが同11.6%増と、飛騨地域の観光地点で伸びが目立ちました。

清流長良川の鵜飼や下呂温泉なども加わり、「日本の原風景」を体感できる観光県です。

好調な半面、来訪が飛騨地域に偏りがちなため、県内各地へ周遊を広げることが課題になります。(出典:岐阜県観光入込客統計調査|令和6年

農林畜水産業

清流を生かした農林畜水産業も、岐阜の個性です。清流長良川の天然鮎は全国に知られ、県はブランド鮎の開発や広域集出荷の仕組みづくりを進めています。

県産の農産物は、隣接する名古屋圏という大消費地をターゲットに、販売力の強化が図られています。飛騨地域の畜産や中山間地の林業も含め、担い手の育成・確保が共通の課題です。

面接で農林業を語るなら、清流という資源と担い手不足を結び付けると、話が具体的になります。

岐阜県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、岐阜県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と若い世代の県外流出

岐阜県では、若い世代、とりわけ若年女性の県外流出が最大の課題とされています。県の人口問題研究会がまとめた中間報告(令和6年12月)は、15〜34歳の転出超過が大きく、その理由は「職業上」が最も多いこと、転出先は愛知県が最大であることを指摘しています。

社会減対策では自治体間で人口の奪い合いが起き、自然減対策は財政の制約もあって個々の自治体だけでは限界がある、とも述べられています。(出典:岐阜県人口問題研究会中間報告

大規模災害への備え

内陸県の岐阜も、地震や風水害のリスクを抱えています。県の被害想定調査では、南海トラフ巨大地震で県内の死者は最大470人、県西部の養老・桑名・四日市断層帯を震源とする直下型地震では死者最大3,100人・建物全壊約6万8千棟と、県内で最も大きな被害が想定されています。

近年は豪雨の頻発化・激甚化も進んでおり、木曽三川の治水や土砂災害への備えも欠かせません。(出典:岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査

脱炭素と産業活動の両立

県は「脱炭素社会ぎふ」を表明し、「岐阜県地球温暖化防止・気候変動適応計画」を策定しています。温室効果ガスの総排出量を2013年度の1,878万t-CO2から2030年度に980万t-CO2へ減らす目標を掲げる一方、製造業を基盤とする県として、企業の技術開発やエネルギー転換を後押しし、産業競争力と両立させる視点も求められます。

県はこの取組を「脱炭素社会ぎふ」の実現として総合戦略にも位置づけており、環境と経済を対立させずに進める姿勢が問われます。

交通インフラの整備と地域活性化

リニア中央新幹線の岐阜県駅が中津川市に設置される予定で、開業すれば東京・大阪間が約1時間で結ばれます。東海環状自動車道は愛知・岐阜・三重の3県にまたがる総延長約153kmで、県内区間は約99km。

その西回り区間の建設が段階的に進み、すでに全線開通した東海北陸自動車道(県内延長143km、飛騨トンネルを含む)とあわせて、県を南北・東西に結ぶ骨格が形づくられつつあります。

県は「交通の要衝」という強みを地域活性化にどう生かすかが問われています。大都市に人や投資を吸い上げられるいわゆるストロー現象を避け、県内に人と仕事を呼び込む戦略が課題です。(参考:リニア中央新幹線について

地域による状況の違い(飛騨と美濃)

岐阜県は、標高3,000m級の山岳が連なる北部の飛騨地域と、濃尾平野が広がる南部の美濃地域とで、人口・産業・交通事情が大きく異なります。飛騨は観光資源の活用と中山間地域の維持が、美濃は都市部の産業集積と名古屋圏との関係が、それぞれ主要なテーマになります。

「取り組みたい仕事」を考えるときも、どの地域のどんな課題を想定しているのかまで具体化しておくと、回答に説得力が出ます。

岐阜県の重点政策|「清流の国ぎふ」創生総合戦略

岐阜県の最上位の総合計画は「清流の国ぎふ」創生総合戦略です。地方創生の「地方版総合戦略」も兼ねる計画で、県政の基本姿勢として「清流の国ぎふ憲章」の3つのキーワード「知・創・伝」を掲げています。(出典:「清流の国ぎふ」創生総合戦略

計画を貫く考え方

この戦略が掲げるテーマは「幸せと確かな暮らしのあるふるさと岐阜県をともに目指して」です。憲章の「知・創・伝」は、清流がもたらした自然や歴史、文化を知り学び(知)、ふるさとの宝を磨いて新たな創造と発信に努め(創)、清流の恵みを次の世代へ守り伝える(伝)という姿勢を表しています。

受験生としては、①人づくり ②地域づくり ③魅力と活力づくり の3つの方向で県が動いている、と整理しておくとよいでしょう。

三つの政策の柱

政策の柱扱う主な分野
Ⅰ 『清流の国ぎふ』を支える人づくりふるさと教育、産業・グローバル人材の育成、性別・障がい・国籍・年齢を超えて誰もが活躍できる共創社会
Ⅱ 健やかで安らかな地域づくり医療・介護・子育て、防災と危機管理、地域公共交通、行政のデジタル化
Ⅲ 地域にあふれる魅力と活力づくり清流文化と脱炭素、観光・ものづくり・農林畜水産業の振興、広域ネットワークの整備

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの柱に位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の一般会計当初予算は9,569億円と過去最大です。

江崎禎英知事は予算編成の基本的な考え方として「安心とワクワクにあふれ、人やモノが集まる岐阜県づくり」を掲げ、①県民の「安心」の確保(物価高騰への対策、小学校段階の給食費の負担軽減や高校授業料の無償化、防災力の向上など)と、②未来に夢と誇りを持てる「ワクワク」の創出(若者・女性に選ばれる企業づくり、スペースビジネスへの参入支援、関ケ原古戦場を核とした観光、「クリスタル国スポ岐阜2027」など)の2つを重点に据えています。(出典:令和8年度当初予算

POINT|施策名をすべて暗記しなくてよい

個々の事業名を覚えることが、自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな状態を目指すか → ③現在の取組 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験や強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「岐阜県の人口減少対策に携わりたいです」

改善例「若い世代の県外流出が続いているので、岐阜で働く魅力を伝えて、県内の企業に就職して定着してもらう後押しに携わりたいです」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 岐阜県職員採用試験の受験案内/採用情報ページ(試験区分・日程・提出書類)
  • 「清流の国ぎふ」創生総合戦略(概要版)
  • 令和8年度当初予算の概要/関心分野の個別計画
  • 「岐阜県の概要」や各種統計(人口・産業・観光などを分野別に収録)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、岐阜県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。岐阜県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

岐阜県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

岐阜県の面接の概要

ここからは、岐阜県の面接(岐阜県では個別面接を「口述試験」と呼びます)の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

岐阜県の面接(口述試験)の流れ

岐阜県の大学卒程度・行政Ⅱ(SPI方式)は、最終合格を第2次試験の得点だけで決める人物重視の試験です。第1次のSPI(基礎能力検査)は100点ですが最終合格の得点には持ち越されず、第2次の口述試験・集団討論試験・論文試験の出来が、そのまま合否を分けます。

項目内容(令和8年度・大学卒程度〈行政Ⅱ・SPI方式〉)
試験の段階第1次試験(SPI3〈基礎能力検査・性格検査〉)→ 第2次試験(論文試験・口述試験・集団討論試験・適性検査)
面接の種類口述試験(個別面接)。人物および専門的知識について問い、プレゼンテーションを含む
集団形式集団討論試験。社会性・協調性・指導力・説得力などについて評価される
人物試験の配点口述試験500点(第2次試験700点満点のうち最大配点。ほかに論文試験100点・集団討論試験100点)
面接カード行政Ⅰ・警察行政などの区分では、第2次試験の提出書類として「面接カード」が必要
配点のない検査性格検査(第1次)と適性検査(第2次)は配点なし(人物試験の参考資料)

注目してほしいのは配点の偏りです。第2次試験700点のうち口述試験だけで500点と、およそ7割が個別面接に集中しています。しかも各試験種目には基準点があり、一つでも基準に達しないと、合計点にかかわらず不合格になります。

用意した答えを言えるかではなく、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる構造だと言えます。

上記の試験構成は、岐阜県人事委員会発出の令和8年度受験案内にもとづく大学卒程度・行政Ⅱ(SPI方式)のものです。行政Ⅰ(夏・従来方式)などは、口述試験や集団討論試験を実施する点は同様ですが、各試験種目の配点は別建ての可能性があります。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。(参考:岐阜県職員採用試験情報

岐阜県が求める人物像

岐阜県は、受験案内などで明文の「求める人物像」を公表していません(当研究会調べ)。ただし、集団討論試験で社会性・協調性・指導力・説得力を評価すると明示しており、口述試験でプレゼンテーションを課すことからも、県が重視する資質は読み取れます。

さらに令和8年度当初予算の施政方針が掲げる「安心」と「ワクワク」を踏まえると、県民に寄り添う姿勢と、自ら課題に踏み込む前向きさの両方が求められていると考えられます。

自己PRでは「積極性があります」と述べるだけでなく、その力を使って何を行い、周囲や相手にどのような変化をもたらしたのかまで説明しましょう。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。岐阜県の口述試験も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの長所と短所を教えてください自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴学生時代に力を入れて学んだことは何ですか?自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来岐阜県で、どんな仕事に挑戦したいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、関心のある社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは岐阜県に限らず、全国の官公庁でほぼ共通です。受験者の多くが対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「岐阜県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「岐阜県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、県庁を志望するのですか?」
「岐阜県の課題は何だと思いますか。あなたならどう取り組みますか?」

どちらも、岐阜県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「岐阜県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい岐阜県の事実答え方のヒント
若者の県内定着人口問題研究会の中間報告(令和6年12月)は、15〜34歳の転出超過と、その理由に「職業上」が最多であること、転出先は愛知県が最大であることを指摘。若年女性の流出が最大の課題「岐阜で働く魅力をどう高めるか」を、自分が知る地元企業や産業の具体例に引きつけて話すと、机上論になりません
県の総合戦略「清流の国ぎふ」創生総合戦略。憲章の「知・創・伝」と、人づくり・地域づくり・魅力と活力づくりの3つの柱で構成されるやりたい仕事を3つの柱のどれかに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
防災・危機管理南海トラフ巨大地震で県内の死者は最大470人、県西部の養老・桑名・四日市断層帯の直下型地震では死者最大3,100人と県内最大の被害想定。木曽三川の治水も課題内陸県でも大地震と水害の両方に備える必要がある、という岐阜の事情を押さえてから、事前の備えの話へつなげます
観光振興令和6年の観光消費額は4,012億円で過去最高。白川郷や飛騨高山など飛騨地域が牽引し、外国人の延べ宿泊者数は192.9万人好調な観光を「飛騨だけでなく県内各地へ」広げる視点を添えると、現状追認で終わらない提案になります
リニア・交通リニア中央新幹線の岐阜県駅が中津川市に設置される予定。東海環状自動車道の西回り区間も建設中開業を「東京・大阪に近づく好機」と捉えつつ、人や投資を県内にとどめる工夫まで語れると、一歩踏み込めます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、これまでに実際どう行動してきたかを確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

岐阜県の場合は、集団討論試験と口述試験のプレゼンテーションという二つの場面があるため、次の観点を意識しておくとよいでしょう。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
協調性・社会性集団討論で、異なる意見を持つ相手と議論しながら結論に向かえるかサークルやアルバイトで、意見が割れた場面をどう調整したかを、自分の役割まで具体的に話せるようにする
指導力・説得力集団討論や口述試験で、根拠を示して自分の考えを相手に伝えられるか「なぜそう考えるのか」を一段深く言語化し、反対意見にも一度受け止めてから返す練習をしておく
主体性・発信力口述試験のプレゼンテーションで、自分の経験や考えを組み立てて話せるか話したい柱を3つほどに絞り、結論から先に述べる型で、決められた時間内に収める練習を繰り返す

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを、事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 令和8年度の受験案内を読み、試験日程と、行政Ⅰなどで必要になる面接カードの記入項目を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い岐阜県の事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、集団討論も想定しながら、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学で、しかも短い期間で仕上げたいなら、岐阜県庁に的をしぼった面接想定問答集という選択肢もあります。

岐阜県の口述試験で問われそうな質問を1問ずつ取り上げ、回答例・質問の意図・NG回答までを平易に解説しているので、本番での受け答えを具体的にイメージできるようになります。とくに試験本番までに時間の限られた方は、必要に応じてご活用ください。

岐阜県庁の想定問答集を見る

さいごに

岐阜県の口述試験は、第2次試験の得点だけで最終合格が決まり、しかもその大半を個別面接が占めます

裏を返せば、筆記で満点を狙えなくても、自分の経験と岐阜県への思いを自分の言葉で語れる人に、大きく開かれた試験だということです。

清流の国で働く自分の姿を思い描きながら、一つひとつの問いに、あなた自身の経験を重ねて答えられるよう、準備を進めてください。あなたの挑戦を応援しています。