本記事では、長野県職員採用試験の面接対策で必要な、長野県の特徴基礎データ行政課題重点政策面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

長野県庁の面接試験では、「なぜ長野県を志望したのか」「県職員として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を県政でどう活かしたいか」といった、自治体への理解を前提とする質問が想定されます。県の実情や政策を理解しておくことで、抽象的な回答を避け、長野県ならではの事情を踏まえた説得力のある説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と長野県政の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|自治体研究編

長野県の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは長野県の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 県庁所在地は長野市。本州の中央部に位置する内陸県で、東西約120km・南北約212kmと南北に長く広がっている。
  • 埼玉・群馬・新潟・富山・岐阜・愛知・静岡・山梨の8つの県と隣接し、隣接する都道府県の数は全国で最も多い。首都圏・中京圏・北陸のいずれからもアクセスできる位置にある。
  • 県土面積は13,561.56km²で、北海道・岩手県・福島県に次ぐ全国4位。県内は北信・東信・中信・南信の4地域に大きく分けられ、地域ごとに気候や産業、暮らしの姿が異なる。
  • 令和7年11月1日現在の人口は1,970,876人。2001年の2,220,208人をピークに減少が続き、2024年2月には200万人を下回った。「人口の数を追う時代」から「減少を前提に暮らしを支える時代」への転換点にある。
  • 北アルプス・八ヶ岳をはじめとする3,000m級の山々や、軽井沢・上高地・白馬などの高原、善光寺や諏訪湖といった歴史・観光資源に恵まれ、国内外から多くの観光客が訪れる。
  • 製造業を柱とする「ものづくり県」であると同時に、県土の約8割を森林が占める全国有数の森林県でもあり、農業・林業・観光が地域の暮らしを支えている。
  • 信州まつもと空港や北陸新幹線、中央自動車道などが通り、県中央部にはリニア中央新幹線の県内唯一の駅(長野県駅)が飯田市に設置される予定となっている。
  • 県財政は余裕のない状況が続いている。令和5年度決算に基づく財政力指数は0.50417で、少子高齢化に伴う社会保障関係経費や、老朽化した県有施設・インフラの更新費用の増加が見込まれ、限られた財源をどう配分するかが課題となっている。(参考:全都道府県の主要財政指標|令和5年度

長野県の基礎データ

面接に向けた自治体研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「長野県の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、人口規模、県土の広さ、人口構成、隣接県など、県政の特徴を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
総人口1,970,876人(令和7年11月1日現在)
年少人口(0-14歳)213,952人(11.1%、過去最低)
生産年齢人口(15-64歳)1,074,894人(55.6%、過去最低)
老年人口(65歳以上)643,630人(33.3%、過去最高)
総面積13,561.56km²(全国4位)
総世帯数856,656世帯(令和7年4月1日現在)
隣接する都道府県8県(全国最多)
人口のピーク2001年の2,220,208人(2024年2月に200万人を下回る)

総人口は長野県公式サイト「長野県のいち、大きさ」(令和7年11月1日現在)、年齢3区分別人口は企画振興部の年齢別人口プレスリリース(令和7年10月1日現在。割合は年齢不詳を除いて算出しているため、表頭の総人口とは母数が異なり、3区分の合計とも一致しません)、総世帯数は毎月人口異動調査(令和7年4月1日現在)によります。

数字から考えられる県政課題

長野県は今も約197万人が暮らす県ですが、人口が多いこと自体はもはや強みとは言い切れません。総人口は2001年をピークに減少が続き、65歳以上の割合は33.3%と過去最高、15歳未満の割合は11.1%と過去最低を更新しています。

人口の数だけでなく、高齢化の進行、単身世帯や高齢世帯の増加、医療・介護・行政の担い手不足をあわせて考える必要があります。(出典:年齢別人口|令和7年10月

たとえば面接では、長野県の現状について説明する際、次のように数字と課題を結び付けられます。

「長野県は今およそ197万人が暮らす県ですが、20年以上前をピークに人口が減り続けていて、数年前に200万人を割ったと聞きました。これからは人口の数を追うよりも、高齢化が進む中で一人ひとりが暮らしやすいと感じられる県にしていくことが大事なのではと感じています」

長野県の経済・産業

経済・産業構造の概要

  • 製造品出荷額等は約7兆1,392億円(2023年)。事業所数6,148・従業者数約20万6千人を擁する製造業が、県経済を牽引する柱となっている。
  • 観光は令和6年の観光地利用者数が延べ8,515万人(前年比6.1%増)、消費額は3,327億円(同7.6%増)と好調で、製造業と並ぶ基幹産業。
  • 総合5か年計画は「労働生産性」「製造品出荷額等」「農業農村総生産額」「林業産出額」などを主要目標に掲げ、稼ぐ力の底上げをめざしている。
  • 内陸県ながら8県と隣接し、北陸新幹線や中央自動車道で首都圏・北陸・中京圏と結ばれる立地を、産業と観光の両面で生かしている。

つまり、「7兆円規模のものづくりと、年間8,500万人が訪れる観光という二つの柱」で成り立つ経済を押さえておくと、産業振興や雇用の話題に対応しやすくなります。(出典:経済構造実態調査|2023年

製造業(ものづくり)

長野県を語るうえで欠かせないのが製造業です。製造品出荷額等は約7兆1,392億円(2023年)で、県内には6,148の事業所と約20万6千人の従業者が働いています。

県は総合計画で労働生産性や製造品出荷額等を主要目標に掲げ、デジタル技術の活用や多様な人材の労働参加による生産性の向上を後押ししています。

志望動機で産業や雇用に触れるなら、「ものづくりの県」という強みが出発点になります

農業・林業

高原の気候や広い県土を生かした農業・林業も、長野の個性です。県土の約8割を森林が占め、農業では高原野菜や果樹などが各地で生産されています。

総合計画は「農業農村総生産額」や「林業産出額(うち木材生産)」を主要目標に位置づけ、担い手の確保や生産性の向上、県産農畜産物の輸出拡大に取り組む方針を示しています。

地元の食や自然に関心があるなら、担い手不足という課題まで一緒に語れると説得力が増します。

観光業

観光は長野県の大きな強みです。令和6年の観光地利用者数は延べ8,515万人(前年比6.1%増)、観光消費額は3,327億円(同7.6%増)でいずれも前年を上回りました。

利用者数の上位は軽井沢高原、善光寺、上諏訪温泉・諏訪湖の順で、性格の異なる観光地を併せ持つのが特徴です。

一方で延べ利用者のうち日帰り客が5,781万人と多く、宿泊や地域内の消費へどうつなげるかが政策課題になります。(出典:観光地利用者統計調査|令和6年

長野県の主な行政課題

ここまでの数字と産業の姿を踏まえると、長野県が今向き合っている課題が見えてきます。面接で「県の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

人口減少と少子高齢化

最大の課題は人口減少と少子高齢化です。総人口は2001年をピークに減り続け、2024年2月には200万人を下回りました。出生数は2023年に11,125人まで減少し、合計特殊出生率は全国を上回るものの4年連続で低下して1.34と過去最低を記録しています。

65歳以上の割合は33.3%と過去最高で、子育て支援だけでなく、教育、住宅、雇用、地域交通、医療・介護人材などを関連付けて考える必要があります。(出典:長野県の人口減少の現状と課題

若者・女性の県外流出

長野県では、18〜22歳の進学・就職期に男女ともに転出超過となっています。県の分析では、この年齢層の転出超過数は16,950人で、静岡県に次いで全国2番目に多く、特に20代前半の女性の転出が課題とされています。

人口の「自然減」だけでなく、若い世代が県外へ出ていく「社会減」をどう食い止め、県内で働き学び続けたいと思える環境をどうつくるかが問われています。

地元への思いを語るなら、この構図を踏まえられると厚みが出ます。

大規模災害への備え

長野県には6つの主要な活断層帯があり、なかでも糸魚川-静岡構造線断層帯(牛伏寺断層を含む区間)ではマグニチュード8程度の地震が想定され、長野・松本・上田・諏訪など多くの市町村で最大震度7が想定されています。

土砂災害の危険箇所も多く、地すべり危険箇所数は全国最多です。令和元年東日本台風(台風19号)では千曲川の堤防が長野市穂保付近で決壊し、広範囲が浸水しました。

広い県土の地域ごとに異なる災害リスクへの備えが求められています。(参考:土砂災害危険箇所調査

脱炭素(ゼロカーボン)と産業・エネルギー

森林県である長野は、温室効果ガスの削減と、産業やエネルギーのあり方の見直しの両立を迫られています。県は総合計画で「ゼロカーボン加速化」を掲げ、再生可能エネルギーの普及や省エネルギー化、気候変動への適応を進める方針です。

脱炭素を制約ではなく新しい産業や暮らしをつくる機会として捉える視点が、これからの県政に求められています。

広い県土と地域公共交通・中山間地域の維持

全国4位の広い県土に集落が点在する長野県では、公共交通と中山間地域の維持も重い課題です。県は「県内移動の利便性向上」を掲げ、行政がこれまで以上に関わる形で地域公共交通を維持し、公共ライドシェアなども活用して移動の利便性を高めようとしています。

人口が集まる都市部と、人口減少が進む農山村とで行政需要が異なる点も、政策を考えるうえで押さえておきたい視点です。

長野県の重点政策|しあわせ信州創造プラン3.0

長野県の総合計画は「しあわせ信州創造プラン3.0」(令和5年3月策定)です。正式名称は「しあわせ信州創造プラン3.0 ~大変革への挑戦 『ゆたかな社会』を実現するために~」で、2023年度から2027年度までを計画期間とする総合5か年計画です。

人口減少・少子化・気候変動といった危機を大変革によって乗り越えることを基本に据えています。(出典:しあわせ信州創造プラン3.0

計画を貫く考え方

計画が掲げる目指す姿(将来像)は「確かな暮らしを守り、信州からゆたかな社会を創る」です。受験生としては、①人口が減っても県民の確かな暮らしを守る、②「数」や「量」だけでなく一人ひとりの幸せ(しあわせ)を重視する、③大変革をおそれず新しい社会をつくる、という方向で理解しておくとよいでしょう。

5つの政策の柱と8つの新時代創造プロジェクト

計画は、めざす姿の実現に向けて5つの政策の柱を立て、その下に全40の主要目標を位置づけています。さらに、分野を横断して重点的に取り組む8つの新時代創造プロジェクト(女性・若者から選ばれる県づくり、ゼロカーボン加速化、デジタル・最先端技術活用推進、個別最適な学びへの転換、人口減少下における人材確保、世界で稼ぎ地域が潤う経済循環実現、県内移動の利便性向上、輝く農山村地域創造)を掲げています。

政策の柱扱う主な分野
1 持続可能で安定した暮らしを守る再生可能エネルギー、防災・インフラ、公共交通、健康・医療、交通安全、自殺対策
2 創造的で強靱な産業の発展を支援する労働生産性、製造・農業・林業、雇用・就業、県産品の輸出、Uターン就職
3 快適でゆとりのある社会生活を創造するオンライン行政手続、移住・社会増、観光・外国人宿泊、文化・スポーツ、まつもと空港
4 誰にでも居場所と出番がある社会をつくる出生・婚姻、こども支援、障がい者雇用、働き方、女性の活躍
5 誰もが主体的に学ぶことができる環境をつくる教育、信州やまほいく、山村留学、留学、県内就職

面接では、自分の取り組みたい仕事がどの柱やプロジェクトに位置づくのかを一言添えられるだけで、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります。

令和8年度の県政運営のポイント

令和8年度の当初予算案は「未来を創る改革継続予算 社会の基本設計をアップデートする」と名づけられ、一般会計総額は1兆658億5,189万8千円(前年度比+5.3%)となりました。

人口減少という時代の大転換期を踏まえ、県民起点・現場重視で「しあわせ信州創造プラン3.0」を推進する内容で、産業競争力の強化、賃上げや福祉的支援による家計可処分所得の向上、持続可能な農業、宿泊税を活用した観光立県、教育・子育ての充実、医療提供体制の構築、公共交通と移動利便性の向上、新たなゼロカーボン戦略の具体化などが重点に挙げられています。(出典:令和8年度当初予算案の概要

POINT|8つのプロジェクトをすべて暗記しなくてよい

名称をすべて覚えることが自治体研究の目的ではありません。関心のある分野を1〜2つ選び、「①何が課題か → ②県はどんな姿を目指すか → ③今の取組 → ④県だからこそ担える役割 → ⑤自分の経験や強みをどう生かすか」の順で調べましょう。

悪い例「長野県の人口減少対策に関わりたいです」

改善例「まずは県の職員として、若い人が働きたいと思える職場や産業について現場で学びたいです。その上で、進学や就職で県外に出た若い世代、特に女性の転出が多いと聞きましたので、県内で働き続けたいと思える仕事や暮らしの魅力を伝える取組に関わっていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

  • 長野県職員採用試験の受験案内/職員採用案内
  • しあわせ信州創造プラン3.0(概要版)
  • 最新年度の当初予算・予算編成方針/関心分野の個別計画
  • 県勢要覧や統計資料(人口・産業・観光などの統計)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、長野県庁専用の面接想定問答集をご用意しています。長野県の採用面接で問われる可能性がある質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

長野県庁の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

長野県の面接の概要

ここからは、長野県の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

長野県の面接の流れ

長野県の大学卒業程度(行政A・一般方式)の試験は、第1次試験で教養試験と専門試験を、第2次試験で口述試験と論文試験を課す段階構成です。とりわけ第2次試験の口述試験で個別面接を2回重ねる、人物を丁寧に見る構成になっています。

項目内容(大学卒業程度・行政A〈一般方式〉)
試験の段階第1次試験(教養試験・専門試験)→ 第2次試験(口述試験・論文試験・適性検査)
口述試験の形式個別面接を2回実施
論文試験第2次試験で実施
適性検査第2次試験で実施
集団討論・グループワーク直近の採用試験のプレス発表では実施の記載が確認できません。最新の受験案内でご確認ください
人物試験の配点・面接カード公表資料では確認できませんでした。最新の受験案内でご確認ください

数値の配点は公表資料からは確認できませんが、第2次試験で個別面接を2回行うという構成そのものが、人物を多面的に見極めようとする長野県の姿勢を表しています。用意した答えを言えるかどうかよりも、掘り下げられても自分の言葉で答え続けられるかが問われる試験だと考えて準備しましょう。

上記の試験構成は、長野県人事委員会が公表した直近の職員採用試験のプレス発表(大学卒業程度・行政A〈一般方式〉)にもとづくものです。配点や提出書類、集団形式の実施有無などは公表資料からは確認できませんでした。試験の構成・日程・配点等は、年度や受験区分によって異なる可能性があります。受験の際は、必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

長野県が求める人物像

長野県は、明確な「求める人物像」の項目こそ大きく掲げていませんが、人事委員会は職員募集のメッセージとして「長野県をより元気に、さらに発展させていく熱意のある皆さんをお待ちしています」と述べています。また総合計画は「対話と共創」「県民起点・現場重視」を県政運営の基本姿勢に据えています。

自己PRでは、「熱意があります」と述べるだけでなく、その思いをもとに何に取り組み、周囲や状況をどう動かしたのかまで説明しましょう。(参考:職員採用案内(人事委員会)

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。長野県の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望なぜ本県を志望するのですか?「県で働く」という選択の理由を、自分の言葉で筋道立てて話せるか
③ 自己理解あなたの短所(弱み)は何ですか?自分を客観視できているか。弱みへの向き合い方に人柄が出ます
④ 経験・行動これまでで最も困難だった経験と、どう乗り越えたかを教えてください過去の行動パターンから、入庁後にも再現できる強みを確かめています
⑤ 学業・経歴(大学等の)専攻分野を選んだ理由を教えてください自分の選択を説明できるか。学んだことと仕事の接点を作れているか
⑥ 適性・将来10年後、どんな職員になっていたいですか?働く姿をどこまで具体的に描けているか。組織の中で成長する見通し
⑦ 公共性・社会性最近、気になっている社会問題はありますか?社会への関心の深さと、それを行政の仕事として捉え直す視点

ただし、この7カテゴリーは長野県に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

では、どこで差がつくのか。それが次の「長野県ならではの事情を踏まえた質問」です。

合否を分けるのは「長野県ならでは」の質問

「なぜ市役所ではなく、県庁を志望するのですか?」
「長野県の課題は何だと思いますか。県職員としてどう取り組みたいですか?」

どちらも、長野県の現状と県の計画を知らなければ、その場では答えようがない質問です。逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「長野県の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい長野県の事実答え方のヒント
人口減少・若者の流出総人口は2001年の約222万人をピークに減少し、2024年2月に200万人を割った。18〜22歳の転出超過数は16,950人で全国2番目、特に20代前半女性の転出が課題「人口が減るだけでなく、若い世代が県外に出ていく」という長野特有の構図を押さえると、定住や働く場の話に厚みが出ます
県の総合計画「しあわせ信州創造プラン3.0」(令和5年3月策定、計画期間2023〜2027年度)。目指す姿は「確かな暮らしを守り、信州からゆたかな社会を創る」で、5つの政策の柱と8つの新時代創造プロジェクトで構成やりたい仕事を8つのプロジェクトのどれかに位置づけて話せると、県の方向性を踏まえた志望だと伝わります
防災・県土強靱化糸魚川-静岡構造線断層帯(牛伏寺断層)でマグニチュード8程度の地震が想定され、長野・松本・諏訪など多くの市で最大震度7を想定。地すべり危険箇所は全国最多。令和元年東日本台風で千曲川が決壊し長野市で広域浸水身近な災害を正面から見据えた県の想定に触れ、日ごろの備えや地域防災の話へつなげます
産業・ものづくり製造品出荷額等は約7兆1,392億円(2023年)で、製造業が県経済の柱。総合計画は労働生産性や製造品出荷額等を主要目標に掲げる「ものづくりの県」という強みを、人材確保や生産性向上という視点まで話せると印象に残ります
観光令和6年の観光地利用者数は延べ8,515万人(前年比6.1%増)、消費額3,327億円。軽井沢・善光寺・上諏訪温泉などが上位だが、日帰り客が延べ5,781万人と多い日帰り中心という構造を踏まえ、宿泊や周遊で地域にお金が落ちる仕組みという視点で語れると長野らしさが出ます

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、「事実 → 自分の問題意識 → 県職員としてやりたいこと」という一続きの話に編んでおくことです。

想定される評価の観点

面接は、前述の「求める人物像」に照らして「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

長野県が募集メッセージで掲げる「熱意」や、計画に掲げる「対話と共創」「現場重視」の姿勢を、次の3つの観点に置き換えて準備しておきましょう。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
熱意・当事者意識長野をより良くしたいという思いを、具体的な経験に裏づけて話せるか記事前半の事実から関心テーマを1つ選び、「なぜ気になるのか」を自分の経験と結び付けて言葉にしておく
対話し協働する力立場や考えの違う人と対話し、力を合わせて物事を前に進めた経験があるか部活動やアルバイトで、意見の違う人の間に立って調整した場面を、事実の流れで話せるようにする
現場から考え学び続ける姿勢課題の原因を自分で確かめ、工夫しながら学び続けられるか学業や活動で「つまずき→原因を調べる→やり方を変える」という一連を筋道立てて説明できるようにする

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。しかも長野県では個別面接を2回重ねるため、細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新年度の受験案内を読み、試験の段階と提出書類・記入項目を確認する
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。学業・課外活動・アルバイトから、話せる具体例を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 自治体研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、「事実 → 自分の問題意識 → やりたいこと」の一続きの話に編む
  6. 声に出して練習し、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく

優先順位に注意

ステップ4〜5の自治体研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を県の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で県の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、長野県庁専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

長野県の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。特に試験本番までに時間がない方は、必要に応じてご活用ください。

長野県庁の想定問答集を見る

さいごに

長野県の採用試験は、第2次試験で個別面接を2回重ね、論文もあわせて課される、人物を丁寧に見る試験です。

だからこそ、人口が減り、若い世代の県外への流出が続く信州で、あなたがこれから何をしたいのかを、事実に照らして自分の言葉で語れるようにしておくことが力になります。

経験の棚卸しと長野県研究を早めに始め、面接官の一つひとつの問いに落ち着いて答えられる状態をつくっていきましょう。