本記事では、香川県警察・警察官採用試験の面接対策で必要な、香川県警察の特徴基礎データ県内の治安情勢令和8年の運営指針と重点目標面接の流れ想定される質問評価の観点についてまとめています。

香川県警察の面接試験では、「なぜ香川県警察を志望したのか」「警察官として何に取り組みたいのか」「自分の強みや経験を警察の仕事でどう活かしたいか」といった、組織への理解を前提とする質問が想定されます。香川県の治安の現状と県警察の方針を知っておくことで、抽象的な回答を避け、この県の実情に即した説明がしやすくなります。

本記事の掲載内容を参考に、自分の強みや関心と香川県警察の仕事の接点を考え、面接での回答作りに役立ててください。

第1部|組織研究編

香川県警察の特徴

本格的な面接対策をはじめる前に、まずは香川県警察という組織の全体像を把握しておきましょう。(時間のない方はここだけでもチェック)

  • 香川県全域を管轄し、管轄人口は約90万8千人(令和7年9月1日現在の推計人口908,642人)。(出典:香川県推計人口|令和7年9月1日現在
  • 県土は1,876.83平方キロメートルしかなく、47都道府県のなかで面積が最も小さい県です。(出典:香川県プロフィール|地勢
  • 県土は半月型で、南部に讃岐山脈、北部に讃岐平野が広がり、平地と山地がおよそ相半ばしています。約737キロメートルの海岸線を持ち、沖合の瀬戸内海には大小の島が数多く浮かんでいます。
  • 県警本部は高松市番町四丁目1番10号に置かれ、内部部局は警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部の5部と警察学校で構成されています。
  • 北は瀬戸内海をはさんで瀬戸大橋で岡山県と結ばれ、東と南は徳島県、西は愛媛県に接しています。本州と四国を行き来する人と車が県内を通過するため、県外からの流入を前提にした警察活動が求められます。
  • 令和7年(2025年)の刑法犯認知件数は6,334件で、前年から8.1%増えました。検挙率は45.4%です。
  • 気候は四季を通じて温暖少雨で、災害の少ない土地という印象を持たれがちですが、県の被害想定は南海トラフ地震で最大震度6弱から7を見込んでいます。
  • 面積が小さいということは、拠点から現場までの距離が短いということでもあります。一方で、島しょ部や山間部を含めて県内のどこにも同じ水準の警察力を届ける必要があり、規模が小さいことは仕事が軽いことを意味しません。

香川県警察の基礎データ

面接に向けた組織研究では、厳密な統計値等を大量に暗記する必要はありませんが、「香川県警察の大体のスケール感」を知っておくことは重要です。

ここでは、管轄する県土と人口、本部の組織、犯罪情勢など、組織の置かれた環境を説明できる項目を優先的に整理しました。

項目内容
管轄区域香川県全域
管轄人口約90万8千人(令和7年9月1日現在の推計人口908,642人)
管轄面積1,876.83平方キロメートル(都道府県で最小)
県警本部の所在地高松市番町四丁目1番10号
本部の組織警務部・生活安全部・刑事部・交通部・警備部の5部と警察学校
刑法犯認知件数6,334件(令和7年・前年比8.1%増)
刑法犯検挙率45.4%(令和7年)
県内の高齢化率32.9%(令和6年・住民基本台帳ベース)

管轄人口は香川県の推計人口(令和7年9月1日現在)、面積は県が公表するプロフィール(地勢)、刑法犯認知件数(警察が発生を把握した犯罪の件数)と検挙率は令和7年の犯罪統計(確定値)、高齢化率は香川県人口移動調査(令和6年)にもとづく数値です。警察署・交番・駐在所の設置数や職員定数はこの記事では扱っていないため、必要な方は香川県警察の公表資料をご確認ください。

数字から考えられる治安課題

香川県は、刑法犯の件数だけを見れば全国でも少ない部類に入ります。

ただし、少ないことと落ち着いていることは同じではありません。令和7年の認知件数6,334件は前年から8.1%増えており、狭い県土のなかで、犯罪の件数は増える側に振れています

あわせて見ておきたいのが、県の人口そのものが縮んでいることです。令和6年中の人口増減は8,504人の減で、減少は25年連続となりました。

地域を見守る住民の層が薄くなる一方で、犯罪の件数は増えています。この組み合わせが、いまの香川県警察が置かれている状況です。(出典:香川県人口移動調査|令和6年

たとえば面接で県内の治安について聞かれたときは、次のように件数と県土の広さをつないで説明できます。

「香川県は日本で一番面積の小さい県で、その中に約90万人が暮らしていると知りました。去年の刑法犯は6千件あまりで、前の年より8パーセントほど増えていますし、そのうち住まいなどに入る侵入盗が300件近くを占めています。県土が狭いぶん、日ごろの見回りや声かけを県内のすみずみまで届けやすいはずですので、そういう地道な活動を重ねることが、そのまま数字に返ってくるのではと感じています」

香川県の治安情勢

刑法犯認知件数と検挙の状況

令和7年の県内の刑法犯認知件数は6,334件で、前年比8.1%の増加でした。

件数の水準そのものは全国でも少ない部類ですが、増加率で見れば小さくない動きです。あわせて刑法犯全体の検挙率は45.4%で、認知された事件のうち4割半ばで犯人にたどり着いている計算になります。

面接で治安を語るときは、この二つの数字を並べて話すと組み立てやすくなります。

検挙率が4割を超えているということは、届出を受けてから犯人を割り出すまでの捜査が、限られた人員のなかで機能しているということです。

その水準を保ちながら、増加へ転じた件数そのものをどう抑えるか。ここが、これからの香川県警察の勝負どころになります。

主な罪種の内訳

6,334件は、面積が全国で最も小さい県で起きた一年分の犯罪の合計です。その中身を、5つの罪種に分解しました。

主な罪種(令和7年・認知件数)件数
殺人1件
強盗8件
侵入盗292件
自動車盗21件
ひったくり0件

命に関わる重要犯罪はごく限られ、路上でのひったくりに至っては令和7年の認知が1件もありません。一方で存在感を持つのが侵入盗の292件です。

県警察の運営重点も、刑法犯認知件数の多くを占めるものとして自転車盗や万引きなどの窃盗を挙げ、対策の対象に据えています。

街頭で人を襲う犯罪よりも、住まいや事業所に入り込む盗みと、日常の足を狙う盗みをどう防ぐかが、香川の防犯の中心にあるということです。

鍵かけの呼びかけ、留守宅や駐輪場の見回り、住民との日常的な情報のやり取りといった地道な活動の積み重ねが、認知件数の増減に直接効いてくる領域だといえます。

人口減少と高齢化が進む地域社会

治安の土台になるのは、地域に人がいることです。その前提が香川県では変わりつつあります。

先に触れた25年連続の人口減少に加えて、高齢化率も令和6年に32.9%まで上がり、これまでで最も高い水準に達しました(前年は32.7%)。

全国平均との差も小さくありません。令和2年国勢調査ベースでは県が31.8%、全国が28.6%で、開きは3.2ポイントあります。

この一つの数字が、県警察の仕事の複数の場面に効いてきます。高齢者を狙う特殊詐欺の被害防止、高齢の歩行者や運転者を巻き込む交通事故の抑止、そして防犯ボランティアや自主防災組織といった地域活動の担い手の確保です。

人口構造の話を、犯罪の話と切り離さずに理解しておくと、面接での説明に厚みが出ます。

県の総合計画「『人生100年時代のフロンティア県・香川』実現計画」も、人口減少や少子高齢化の深刻化に対応するため令和5年10月に見直されました。県全体の課題認識と県警察の重点が同じところを向いている点は、覚えておく価値があります。

県外から人が集まる県という側面

人口は減っていても、県内を行き交う人が減っているわけではありません。

令和6年の県外観光客入込数は926.2万人で、前年比3.5%の増加でした。主要観光地では琴平が211.1万人、小豆島が97.9万人、栗林公園が74.6万人、屋島が62.8万人と続きます。(出典:香川県観光客動態調査|令和6年

さらに、瀬戸内の島々を舞台に3年に1度開かれる瀬戸内国際芸術祭には、会期中に国内外から約100万人が訪れます。

人が集まる場所の安全確保や、港と航路を含めた交通の誘導は、開催地の警察にとって大きな仕事です。県外から来た運転者が慣れない道を走る場面も増えるため、交通警察の相手は住民だけではありません(参考:瀬戸内国際芸術祭|香川県

香川県の主な治安課題

ここまでの数字を踏まえると、香川県警察がいま向き合っている課題が見えてきます。面接で「香川県の治安上の課題」を聞かれたときの引き出しとして、次の5つを押さえておきましょう。

増加に転じた刑法犯と身近な窃盗の抑止

令和7年の刑法犯認知件数が前年比8.1%増となったことは、統計上の変化にとどまりません。年に6,000件台という水準は、住民一人ひとりから見れば「めったに起きないこと」の側にあります。

だからこそ、身近な場所で一件でも事件が起きれば、その情報は狭い地域社会のなかを速く伝わり、体感治安を大きく揺らします。

県警察の運営重点が、防犯環境の整備や工夫を凝らした広報啓発とあわせて、効果的なパトロールと積極的な職務質問による街頭活動の強化を掲げているのは、この体感の部分に届かせるためでもあります。

特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺

県警察は令和8年の重点目標の筆頭に、被害が急増しているものとして特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺を挙げています。

指示役がSNSの向こう側に隠れ、実行役だけが短期間で入れ替わる構造は、都市部だけの問題ではありません。電話も送金も距離を選ばないため、人口90万人規模の県にも被害は同じように届きます

県警察は組織犯罪対策の重点目標のなかでも、これらの詐欺に暴力団や匿名・流動型犯罪グループが深く関与している実態を認めたうえで、首謀者の検挙と犯罪収益対策を徹底するとしています。大学卒業程度の論文試験でも令和7年度にこのテーマが出題されており、受験者に理解を求めている分野だと読み取れます。

サイバー空間の脅威と専門人材の確保

詐欺の入口がSNSに移っていることが示すとおり、いまの犯罪の多くはインターネットを経由します。

運営重点も、高度な専門的知識と技術を要するサイバー事案に対処できる人材の確保・育成と、全職員の対処能力の強化を明記しました。あわせて、産学官の情報や知見を活用した官民連携による被害防止対策にも触れています。

人材の確保・育成と官民連携が並んでいるのは、組織の内側で対処力を高めながら、外の知見も取り込もうとしているからだと読めます。情報系の学習経験がある人にとっては、志望動機と結びつけやすいテーマです。

高齢者に届く交通安全対策

交通分野は、香川県では県全体の取組と結びついています。

県は令和4年1月から「交通死亡事故ゼロを目指す! 2026」を掲げ、マンスリーレポートなどで進捗を発信してきました。県警察の運営重点も、緻密な交通事故分析にもとづく指導取締りの強化と、高齢者をはじめとする県民一人ひとりに届く交通安全教育の推進を並べています。(参考:交通死亡事故ゼロを目指す! 2026|香川県

県警察のまとめによると、令和7年上半期の県内の交通事故死者は10人で、そのうち6人が高齢者でした。

県民の3割超が65歳以上という人口構成と重ねると、交通安全教育の届け方が結果を左右することがわかります。

取締りだけでは動かない領域だからこそ、地域や関係団体と組んで働きかける工夫が問われています。

南海トラフ地震への備えと大規模行事の警備

県の地震・津波被害想定(第四次公表)によると、南海トラフで最大クラスの地震が起きた場合、市町別の最大震度は6弱から7に達し、死者約6,200人・負傷者約19,000人・建物の全壊焼失約35,000棟が想定されています(いずれも冬の夕方や深夜を前提とした最大の想定)。

津波の浸水面積は6,983ヘクタール、発災直後の断水人口は約763,000人、停電は約587,000軒と見込まれています。(出典:香川県地震・津波被害想定(第四次公表)|概要

想定されているのは南海トラフだけではありません。中央構造線による地震では全壊焼失約30,000棟・死者約1,400人、長尾断層では全壊焼失約2,000棟・死者約40人が見込まれています。

温暖少雨で災害が少ないという県の印象と、この想定の規模には大きな開きがあります。関係機関との連携や創意工夫した実戦的訓練による災害対処力の強化が運営重点に書き込まれている背景には、この落差があります。

あわせて、瀬戸内国際芸術祭のように人が集まる行事の警備も、開催地の警察の仕事として押さえておきたいところです。

重点方針|令和8年香川県警察運営重点

香川県警察は、毎年の警察活動の方向を示すものとして運営重点を策定しています。

令和8年の運営指針は「県民の期待と信頼に応える力強い警察」で、「社会の変化を的確に捉え香川の安全を守るために」という副題が添えられました。

重点目標は8つの柱として示されています。(出典:令和8年香川県警察運営重点|令和8年

指針を貫く考え方

この指針で目を引くのは、「期待」と「信頼」が並べて置かれていることです。

期待は、これから何をしてくれるかへの見通しであり、信頼は、これまでの積み重ねに対する評価です。その両方に応えると書いた以上、目の前の事案を解決するだけでは足りず、日々の振る舞いを通じて次の期待を受け止められる状態を保つ、という意味になります。

副題の「社会の変化を的確に捉え」は、詐欺の手口やサイバー空間の脅威のように、現場のやり方を数年で組み替えなければ追いつかない変化を指しています。この二つを分けて読んでおくと、指針の一文が、丸ごと覚える標語ではなく自分の考えを乗せる土台に変わります。

8つの重点目標

重点目標は次の8項目です。あわせて、それぞれの柱が指している内容を受験生向けに当研究会の言葉でかみ砕きました。

重点目標(公式の項目名)受験生向けの解説
① 犯罪防止に向けた取組の推進事件が起きる前に手を打つ柱。急増する特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺に加え、認知件数の多くを占める自転車盗や万引きなどの窃盗を防ぐため、関係機関との連携、防犯環境の整備、広報啓発、少年の規範意識の向上、パトロールと職務質問による街頭活動までを含む
② 人身の安全を確保するための対策の徹底ストーカー、DV、児童虐待、行方不明、性犯罪など、命や身体に危害が及ぶおそれのある事案に、関係機関と緊密に連携して組織で迅速に対処する
③ 重要犯罪等の徹底検挙捜査力を高め、殺人などの重要犯罪と侵入盗などの重要窃盗犯を早期に検挙する。政治・行政・経済をめぐる構造的な不正の追及も柱に含まれる
④ 暴力団等による組織犯罪への対策の徹底暴力団、匿名・流動型犯罪グループ、薬物や来日外国人による犯罪組織の実態を解明し、壊滅に向けて戦略的に取り締まる。詐欺に関与する首謀者の検挙と犯罪収益対策を特に重視する
⑤ 交通死亡事故の抑止緻密な交通事故分析にもとづく指導取締り、高齢者をはじめ県民一人ひとりに届く交通安全教育、事故の起きにくい交通環境の整備を組み合わせて進める
⑥ テロ・大規模災害への対処及び対日有害活動対策の強化警衛・警護態勢の強化とテロの未然防止に加え、南海トラフ地震などに備えた実戦的訓練による災害対処力の強化、経済安全保障に関する取組を掲げる
⑦ サイバー空間の脅威への的確な対処専門的な知識と技術を持つ人材の確保・育成、全職員の対処能力の強化、解析用資機材の活用による適正な捜査。産学官と連携した被害防止対策も含む
⑧ 警察活動を支える基盤整備の強化と柔軟・能率的な組織運営の推進組織そのものを支える柱。人材の確保・育成、働きやすい職場環境づくり、業務の合理化、装備資機材の充実、先端技術の活用と、部門を越えた連携による組織の見直しが並ぶ

面接では、自分の取り組みたい仕事がこの8つのどれに位置づくのかを一言添えられるだけで、組織の方向性を踏まえた志望だと伝わります。各柱の本文は県警察の公式ページからPDFで確認できます。

POINT|8つの柱は「広く浅く」より「狭く深く」

項目名を全部そらんじることが組織研究の目的ではありません。関心のある柱を一つか二つに絞り、その柱について、県内で実際に何が起きているのかを数字で確かめ、県警察がそれにどう向き合おうとしているのかを運営重点の本文で読み、最後に自分ならどの現場で何をしたいのかまで言葉にしておきましょう。

悪い例「県民の役に立てる警察官になりたいです」

改善例「まずは交番の勤務で地域の実情を覚えて、地道に頑張りたいです。その上で、香川は65歳以上の方の割合が3割を超えていて、去年の上半期に交通事故で亡くなった10人のうち6人が高齢の方だったと聞きました。ですので、お年寄りに届く交通安全の呼びかけや、詐欺の被害を防ぐ声かけに力を入れていきたいと考えています」

あわせて確認したい公式資料

すべてを読む必要はありません。志望動機に関係する資料を選び、重要な部分を自分の口で語れる状態に仕上げておきましょう。

  • 警察官採用試験の受験案内(受験区分・試験種目・配点・受験資格・申込方法)
  • 採用案内のページ(仕事内容と職員の声。提出書類の扱いもここで確認する)
  • 令和8年香川県警察運営重点(運営指針と8つの重点目標の本文)
  • 犯罪統計・交通事故統計のページ(数字は毎年更新されるため最新値を確認)

なお、情報を知っていることと、面接でその情報を使って答えられることは、まったく別の能力です。数字を覚えただけの状態では、深掘りの一言で止まってしまいます。

当研究会では「答えられる形」まで仕上げるためのテキストとして、香川県警察専用の面接想定問答集をご用意しています。香川県警察の採用面接で問われる可能性がある約60問の質問について、「元公務員監修の回答例」「質問の意図」「回答のコツ」「想定される深掘り」などを収録しています。

香川県警察の想定問答集を見る

第2部|面接対策編

香川県警察の面接の概要

ここからは、香川県警察の面接の形式と流れ、質問の全体像、合否を分ける質問への備え方を、公式資料と当研究会の分析に基づいて整理していきます。

香川県警察の面接の流れ

香川県警察・警察官採用試験は第1次試験と第2次試験の2段階です。公表されている令和7年度の高校卒業程度の種目と配点は、次の表のとおりです。

項目内容(令和7年度・高校卒業程度)
試験の段階第1次試験 → 第2次試験の2段階
第1次試験の種目教養試験(択一式50問・2時間)300点、作文試験(1時間)100点、体力検査100点、集団面接300点。別に資格等加点が上限80点
第1次試験の面接集団面接。コミュニケーション能力等について行い、体力検査の得点が25点以上の者のみを対象とする
第2次試験の種目適性検査、第2次身体検査、自己PR面接及び個別面接(自己PR面接と個別面接は同日に行う予定)
第2次試験の評価自己PR面接・個別面接で「積極性、使命感、社会性、表現力等」を評価し、適性検査と第2次身体検査の結果を踏まえて総合的に評価する
面接の回数と方式第1次の集団面接と第2次の自己PR面接・個別面接の2段階。集団討論方式ではなく集団面接方式
共同実施香川県・大阪府・兵庫県の共同実施(大阪府および兵庫県の警察官B採用試験と同一の受験案内。男性は第1次試験を共同実施)。上記の配点は香川県のもの

この構成から読み取れることが二つあります。一つ目は配点です。

第1次試験の合計800点のうち300点が集団面接に置かれ、教養試験と同じ重みを持っています。

人物評価を第2次試験だけの話だと考えていると、そもそも第1次で足を止められます。

二つ目は、体力検査が面接の入場券になっている点です。

集団面接は体力検査で25点以上を取った人だけが受けられ、25点に届かなければ作文は採点されないまま第1次試験が不合格になります。

筆記の勉強と体づくりを別々の予定として並べるのではなく、体力が一定の水準に届いていることが他の種目を採点してもらう前提になっている、と理解しておいてください。(出典:警察官(高校卒業程度)採用試験受験案内|令和7年度

上記の試験構成と配点は、香川県が公表する令和7年度の警察官(高校卒業程度)採用試験の受験案内にもとづくもので、受験案内に「香川県の場合」と明記された香川県の配点です。大学卒業程度の種目別配点および面接の配点は、当研究会では今回確認できていません。高校卒業程度の配点をそのまま大学卒業程度に当てはめないでください。試験の構成・配点・提出書類・日程等は年度や受験区分によって異なる可能性がありますので、受験の際は必ずご自身の区分の最新の試験情報をご確認ください。

香川県警察が求める人材

香川県警察は、「求める人物像」として定式化した文言を、今回確認した受験案内と人事委員会のページには掲げていません。そのため、公表された言葉から人物像を読み解く必要があります。

最も具体的な手がかりが、第2次試験の面接で評価するとされた「積極性、使命感、社会性、表現力等」という4つの言葉です。

求める人物像として書かれたものではありませんが、実際に何を見るかを示した公表文言である以上、準備の物差しとしてはこれ以上に確かなものはありません

もう一つの手がかりが、作文・論文の出題テーマです。

香川県警察では過去に「県民から信頼される警察官となるために必要とされる心構えや能力は何か」(令和6年度・高校卒業程度)、「県民がより安全で、安心して暮らしていくために、警察官として、あなたはどのように取り組んでいきたいか」(令和7年度・高校卒業程度)といった問いが出されています。

運営指針の「県民の期待と信頼に応える」という言葉と、書かせている内容が重なっているわけです。記述式の準備は、面接の準備と切り離さずに進めてください。

想定される質問

面接で聞かれることは7つのカテゴリーに分かれる

当研究会では、全国の自治体・官公庁の面接想定問答を分析し、聞かれる質問を7つのカテゴリーに体系化しています。香川県警察の面接も、この見取り図の上で準備すれば、基本的な抜け漏れは防げます。

カテゴリー代表質問ここで見られていること
① 導入・アイスブレイク試験会場までは、どうやって来ましたか?緊張をほぐす何気ない雑談に、素の受け答えと会話の自然さが表れます
② 動機・志望民間企業ではなく、なぜ警察官なのですか?他の進路と比べたうえでの職業理解の深さと、選択の理由の一貫性
③ 自己理解あなたの強み(自己PR)を教えてください自分の強みを、警察の仕事の場面と結びつけて説明できているか
④ 経験・行動学生時代に最も力を入れたことは何ですか?実績の大きさではなく、実際にとった行動の事実と、そこから学ぶ姿勢
⑤ 学業・経歴専攻分野(学科・コース)を選んだ理由を教えてください自分の選択を順序立てて話せるか。意思決定の一貫性
⑥ 適性・将来体力に自信はありますか?交替制勤務や訓練に耐える体力の裏づけと、日頃の健康管理の習慣
⑦ 公共性・社会性警察官に最も必要な資質は何だと思いますか?職業観の成熟度と、県民を守る仕事への当事者意識

ただし、この7カテゴリーは香川県警察に限らず全国の官公庁でほぼ共通です。受験者全員が対策してくる領域なので、ここでは大きな差がつきにくいのです。

なお、警察官の面接では、規律ある集団生活への適応や、危険を伴う職務への覚悟を確かめる質問がされることがあります。そうした質問が存在することをあらかじめ知っておくだけでも、当日の落ち着きが変わります。

差がつくのは、香川県の事情を知らないと答えられない質問

「大阪府警察や兵庫県警察も同じ受験案内で申し込めますが、なぜ香川県警察を選んだのですか?」
「香川県の治安上の課題は何だと思いますか?」

どちらも、香川県の現状と県警察の方針を知らなければ、その場では答えようがない質問です。

逆に言えば、材料さえ持っていれば、他の受験者との違いをはっきり示せる質問でもあります。

こうした質問に答えるための「香川県警察の事実」を、面接で使いやすいものに絞り、答え方とセットで整理しました。

質問テーマ知っておきたい香川県警察の事実答え方のヒント
治安の現状令和7年の刑法犯認知件数は6,334件で前年比8.1%増。検挙率は45.4%。罪種では侵入盗が292件を占め、ひったくりは0件件数が全国的に少ないことを認めたうえで、増加へ振れた点に話を進める。ひったくり0件と侵入盗292件という対比まで添えると、香川の犯罪像を自分で読み解いた跡が残る
志望動機・やりたい仕事令和8年の運営指針は「県民の期待と信頼に応える力強い警察」。重点目標は犯罪防止、人身安全、重要犯罪検挙、組織犯罪、交通死亡事故、テロと大規模災害、サイバー、活動基盤の8項目やりたい仕事が8つのどれに当たるかを一言添える。指針の「力強い」をそのまま借りず、自分がどの現場で力を出したいのかに言い換えると借り物にならない
なぜ香川県警察なのか高校卒業程度の採用試験は香川県・大阪府・兵庫県の共同実施で、大阪府・兵庫県の警察官B採用試験と同一の受験案内。男性は第1次試験を共同実施する三つの府県を同じ案内で受けられる構造だからこそ、選んだ理由は必ず確かめられる。地元だからで止めず、全国で最も小さい県土で約90万人の暮らしを支える働き方のどこに惹かれたのかまで言葉にする
高齢化と交通・詐欺高齢化率は令和6年に32.9%でこれまでで最も高い。令和2年国勢調査ベースでも県31.8%と全国28.6%の間に3.2ポイントの開き。県警察のまとめでは令和7年上半期の交通事故死者10人のうち6人が高齢者高齢化率という一つの数字が、交通安全教育と詐欺の被害防止という二つの重点目標につながっている。どちらの現場に自分が関わりたいのかまで踏み込むと、志望動機と噛み合う
災害への備え県の地震・津波被害想定(第四次公表)は、南海トラフの最大クラスで死者約6,200人・全壊焼失約35,000棟・津波浸水面積6,983ヘクタールを想定。中央構造線や長尾断層による地震も想定されている温暖少雨で災害が少ないという県の印象と、想定されている被害の規模の落差を押さえる。運営重点が「実戦的訓練」と書いている点に触れると、資料を読んだ具体性が出る

使い方のコツは、5つ全部を覚えることではありません。自分の志望分野に近いテーマを1〜2つ選び、県内の数字から入って、自分がそれをどう受け止めたかを述べ、警察官としてどの現場に立ちたいかで締めるという一続きの話に組み立てておくことです。

想定される評価の観点

面接は、公表された評価の言葉に照らして、「これまでに実際どう行動してきたか」を確かめる場です。いわゆるコンピテンシー評価が基本にあり、答えの美しさではなく、経験の中身と行動の再現性が見られています。

評価の観点面接でどう確かめられるか準備のポイント
積極性指示を待たずに自分から動いた場面があるか。集団のなかで役割を取りにいけるか第1次試験の集団面接に教養試験と同じ300点が置かれている以上、初対面の複数人のなかで最初に口を開いた経験を一つ用意しておく
使命感途中で投げ出さずに続けたか。何のためにやっているかを自分の言葉で言えるか令和7年度の作文でも「県民がより安全で、安心して暮らしていくために」と問われている。同じ問いに自分の答えを書き出し、その答えを裏づける行動を一つ添える
社会性年齢や立場の違う相手と、関係を保ちながら物事を進められるか令和7年の侵入盗292件という香川の犯罪像が示すとおり、県内の防犯は住民との日常のやり取りが土台になる。世代の違う人と続けて関わった場面を選んでおく
表現力限られた時間で、要点から順に話せるか。数字を使って説明できるか集団面接では一人あたりの持ち時間が限られる。令和7年の刑法犯6,334件や南海トラフの被害想定のような材料を、一息で言い切れる長さに削っておく

評価の観点の4項目は、令和7年度の受験案内が第2次試験の自己PR面接・個別面接の評価内容として掲げた「積極性、使命感、社会性、表現力等」を、当研究会が面接対策用に整理したものです。香川県警察が「求める人物像」として公表している文言ではありません。

なお、公務員の個人面接では、ひとつの話題に対して「そのとき、あなたは具体的に何をしたのですか」と2回、3回と深掘りされることが多いです。自分の言葉で細部まで語れる実体験に根ざした答えを事前に用意しておきましょう。

本番までの準備6ステップ

ここまでの内容を、準備の手順に落とし込みます。

  1. 最新の受験案内を読み、自分が出願する区分の試験種目・配点・提出書類・申込方法を確認する。高校卒業程度は大阪府・兵庫県との共同実施であるため、案内のどの記載が香川県のものかを自分の目で確かめる
  2. 高校・大学生活の経験を棚卸しする。部活動・アルバイト・学校行事から、行動の事実を話せる出来事を1つずつ用意する
  3. 7カテゴリーの代表質問に、それぞれ一言メモで答えを作る
  4. 組織研究のインプットをする。この記事の前半部分を読み返し、志望分野に近い事実を2〜3個、自前の言葉に置き換えておく
  5. 固有質問の材料を対応表から集め、数字・自分の受け止め・やりたい仕事が一本につながった話に組み立てる。作文で繰り返し問われてきた「県民の安全と安心」「信頼される警察官」は面接の質問とも重なるため、記述の準備がそのまま面接の材料になる
  6. 実際に口に出してリハーサルし、答えるたびに「ここを掘られたら何と返すか」を書き足していく。あわせて、体力検査で25点以上を取らなければ集団面接を受けられない構造を踏まえ、運動と生活リズムづくりを筆記の勉強と同じ時期から並行して進める

優先順位に注意

ステップ4〜5の組織研究は、あくまで他の受験生と差をつけるための工程です。時間がない場合は、ステップ2の経験の棚卸しと、その経験を警察の仕事へどうつなぐかという自己分析を優先してください。自分のことを語れない状態で組織の知識だけを増やしても、面接の評価にはつながりません

なお、面接対策を独学かつ最短ルートで仕上げたい場合は、香川県警察専用の面接想定問答集を使う選択肢もあります。

香川県警察の採用面接で出題が想定される質問について、1問ごとに回答例・質問の意図・NG回答までをわかりやすく解説しているので、面接での受け答えをより具体的にイメージできるようになります。本番までの残り日数が少ない場合は、こうした教材で仕上げを前倒しするのも一つの方法です。

香川県警察の想定問答集を見る

さいごに

香川県警察の採用試験は、高校卒業程度で見ると第1次試験の段階から集団面接に300点が置かれ、教養試験と同じ重みを持っています。しかも体力検査で25点に届かなければ、書いた作文は採点されないまま結果が出ます。

筆記の点を積む努力と、人前で自分を言葉にする練習と、体をつくる時間を、同じ時期に並べて進めることになる試験だということです。

約90万8千人が暮らす全国で最も小さい県土には、讃岐平野の市街地から山あい、そして瀬戸内の島々までが収まっています。そのどこにいる人にも同じ警察力を届けるのが、この県で警察官として働くということです。

「県民の期待と信頼に応える力強い警察」の一員として自分は何をしたいのか、身近な経験に根ざした言葉で説明できる状態をつくって、当日を迎えましょう。