さいたま市役所では、大学・短大・高卒・職務経験者など、多様な学歴・経歴に応じた試験区分・試験科目を設けて職員を採用しており、その中でも論文・作文試験は、人物評価に直結する極めて重要な試験です。本記事では、さいたま市役所の論文・作文試験の概要、出題傾向、過去問などを網羅的にまとめた上で、効率的な対策方法を詳しく解説します。
論文・作文試験の概要
受験区分ごとの試験形式・文字数・試験時間
以下は、さいたま市役所で実施されている各区分における論文・作文試験の実施条件です。
受験区分 | 試験名称 | 試験時間 | 文字数 |
---|
大学卒業程度 | 論文 | 60分 | 1000字程度 |
社会人経験者 | 論文 | 60分 | 1000字程度 |
高校卒業程度 | 作文 | 60分 | 800字程度 |
就職氷河期世代 | 作文 | 60分 | 800字程度 |
障害者選考 | 作文 | 60分 | 800字程度 |
論文・作文試験の過去問
以下に、さいたま市職員採用試験の論文・作文試験の過去問を年度・区分別に整理します。
大学卒業程度
- 問題形式:論文
- 試験時間:60分
- 文字数:1000字程度
行政事務A
過去問を表示
2024(令和6)年度
さいたま市の人口動態を簡単に論じたうえで、さいたま市特有の課題・問題点を述べなさい。また、さいたま市特有の課題・問題点について、あなたがさいたま市の職員となった際に、具体的にどのようなことをしようと考えているのか述べなさい。
2023(令和5)年度
自治体戦略2040構想研究会の報告書(総務省)において、自治体が住民サービスを継続的、かつ、安定的に提供していくためには、AIやロボティクスに任せられる事務作業はすべて任せ、職員は職員にしかできない業務に特化することが必要とされています。あなたの考える「AI等に任せられる事務作業」及び「職員にしかできない業務」とはどのようなものか述べたうえで、あなたが職員として貢献できることを述べなさい。
2022(令和4)年度
さいたま市は、昨年、市制施行20周年を迎えました。人間でいえば成人として歩み始めた本市は、ここからさらに個性や強みに磨きをかけ、持続可能な成長・発展を遂げていくための都市づくりが必要です。本市の特長を生かし、都市イメージの向上を図るため、どのような取組をすべきか、次の2つの視点に触れたうえで、あなたの考えを述べなさい。
- 訪れたくなるまち
- 住み続けたいまち
2021(令和3)年度
さいたま市では、ICTの導入及びこれと連動する制度改正や意識改革等の包括的な実施によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでいます。アフターコロナも見据えた戦略的なDXの推進に向け、さいたま市はどのような取組をすべきか、次のキーワードから一つ選びあなたの考えを述べなさい。
「窓口オンライン化」「テレワーク」「データ活用」「業務効率化」
2020(令和2)年度
さいたま市は、2021年に誕生20周年を迎えますが、「新たなさいたま市の創造」に向けて、さいたま市職員として、どのように取り組むべきか。本市が持つ次の4つの強みの中から1つ以上を選んで、あなたの考えを述べなさい。
「教育」「環境」「健康」「スポーツ」
2019(令和元)年度
日本全体では人口減少が続くなか、昨年、さいたま市は人口130万人を突破し、今後10年は人口が増加する見通しである。しかし、その後は人口が減少に転じる見通しとなっており、こうした状況を踏まえ、さいたま市が行政として果たす役割について、あなたの考えを述べなさい。
2018(平成30)年度
さいたま市職員は、「市民一人ひとりのしあわせコーディネーター」という意識を持って仕事に取り組んでいます。あなたがさいたま市職員になって、市民一人ひとりのしあわせを応援するとしたら、どのようなことができるかを述べなさい。
2017(平成29)年度
さいたま市は、職員のモチベーションの向上やワーク・ライフ・バランスの実現を図り、働きがいのある市役所づくりを進めています。あなたのイメージする働きがいのある職場とは、どのような職場ですか。また、そのイメージを実現するために、どのような取組が効果的か、あなたの考えを述べなさい。
2016(平成28)年度
職場内におけるコミュニケーション不足から発生する問題はどのようなものがあるか、また、その解決策について、あなたの考えを述べなさい。
2015(平成27)年度
さいたま市の市民満足度(住みやすいと感じる市民の割合)を向上させるために、行政はどのようなことをすべきか、あなたの考えを述べなさい。
2014(平成26)年度
さいたま市は、人口減少時代に突入した日本の中で現在も人口増加中ではあるが、推計では平成37年をピークに減少に転じるとされている。人口増加の現状において「本市が現在行うべきこと」と、将来的な人口減少予測を受け「本市が将来のために行うべきこと」について、あなたの考えを述べなさい。
2013(平成25)年度
これからのさいたま市職員に求められる資質と、あなた自身どのような職員になりたいか、考えを述べなさい。
2012(平成24)年度
若者の雇用を取り巻く環境は依然厳しく、早急な回復が期待されている。こうした背景と今後、行政が行うべき実効性ある方策について論じなさい。
2011(平成23)年度
あなたが考えるさいたま市の将来像を、下記のキーワード中から二つ以上選び、それぞれを関連付けて述べなさい。
「子育て」「健康長寿」「スポーツ」「循環型社会」「さいたまブランド」「教育都市」
2010(平成22)年度
成人式のあり方について、成人年齢の引き下げの議論も含め、述べよ。
2009(平成21)年度
都市間の競争に勝つために、さいたま市が取り組むべき施策について述べなさい。
2008(平成20)年度
行財政改革に取り組むなか、市民満足度の高い行政サービスをさらに向上させるためにはどのような取り組みが必要か、あなたの考えを述べなさい。
2007(平成19)年度
災害時における危機管理について
行政事務B
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2024(令和6)年度
さいたま市が他の自治体と比べて優れていると思う点と改善すべきだと思う点をそれぞれ挙げなさい。また、改善すべきだと思う点について、あなたが職員となった際に、具体的にどのようにして改善していこうと考えているのか述べなさい。
2023(令和5)年度
住民基本台帳人口移動報告(総務省)において、さいたま市は、0歳から14歳までの子どもの転入超過数が、平成27年から令和4年まで8年連続で全国1位となるなど、子育て世代を中心に選ばれる都市として成長を続けています。このことを踏まえ次の2点について、あなたの考えを述べなさい。
- 子育て世代に選ばれる理由
- 子育て世代の満足度を高めるために今後実施していくべき取組み
2022(令和4)年度
さいたま市は、昨年、市制施行20周年を迎えました。人間でいえば成人として歩み始めた本市は、ここからさらに個性や強みに磨きをかけ、持続可能な成長・発展を遂げていくための都市づくりが必要です。本市の特長を生かし、都市イメージの向上を図るため、どのような取組をすべきか、次の2つの視点に触れたうえで、あなたの考えを述べなさい。
- 訪れたくなるまち
- 住み続けたいまち
※ 大学卒業程度(行政事務A)と同一問題
2021(令和3)年度
近年、少子高齢化の進行や人々の価値観・ライフスタイルの変化から、地域住民の交流の希薄化や地域社会の機能低下が懸念されています。地域のつながりや地域力を維持・向上させ、地域住民が安全で安心して暮らしていくために、さいたま市はどのような取組をすべきか、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
民間企業が実施した関東の「住みたい街」ランキングにおいて大宮駅が4位、浦和駅が10位になりました。さいたま市に住みたいという人を増やすために、さいたま市職員として、どのような取組をしていけばよいか、あなたが考える本市の課題を挙げた上で述べなさい。
2019(令和元)年度
日本全体では人口減少が続くなか、昨年、さいたま市は人口130万人を突破し、今後10年は人口が増加する見通しである。しかし、その後は人口が減少に転じる見通しとなっており、こうした状況を踏まえ、さいたま市が行政として果たす役割について、あなたの考えを述べなさい。
学校事務
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2024(令和6)年度
さいたま市の人口動態を簡単に論じたうえで、さいたま市特有の課題・問題点を述べなさい。また、さいたま市特有の課題・問題点について、あなたがさいたま市の職員となった際に、具体的にどのようなことをしようと考えているのか述べなさい。
※ 大学卒業程度(行政事務A)と同一問題
2023(令和5)年度
住民基本台帳人口移動報告(総務省)において、さいたま市は、0歳から14歳までの子どもの転入超過数が、平成27年から令和4年まで8年連続で全国1位となるなど、子育て世代を中心に選ばれる都市として成長を続けています。このことを踏まえ次の2点について、あなたの考えを述べなさい。
- 子育て世代に選ばれる理由
- 子育て世代の満足度を高めるために今後実施していくべき取組み
※ 大学卒業程度(行政事務B)と同一問題
2022(令和4)年度
市の職員は住民の目線に立って仕事に取り組めることが魅力の一つです。さいたま市職員として、住民の感覚や意識を持ち続けるために必要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。
2021(令和3)年度
さいたま市では、ICTの導入及びこれと連動する制度改正や意識改革等の包括的な実施によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでいます。アフターコロナも見据えた戦略的なDXの推進に向け、さいたま市はどのような取組をすべきか、次のキーワードから一つ選びあなたの考えを述べなさい。
キーワード:「窓口オンライン化」「テレワーク」「データ活用」「業務効率化」
※ 大学卒業程度(行政事務A)と同一問題
2020(令和2)年度
さいたま市では、日本一の教育都市の実現に向けて、先見性をもち、大胆に、機動力を生かした様々な施策を展開しています。日本一の教育都市を実現するために、学校現場において、どのように取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。
2019(令和元)年度
さいたま市の目指す子ども像「ゆめをもち 未来を切り拓く さいたま市の子ども」を実現するために、学校事務職員として果たす役割について、あなたの考えを述べなさい。
2018(平成30)年度
子供が安心して生活するためには、どのようなことが必要かを述べなさい。
2017(平成29)年度
さいたま市は、職員のモチベーションの向上やワーク・ライフ・バランスの実現を図り、働きがいのある市役所づくりを進めています。あなたのイメージする働きがいのある職場とは、どのような職場ですか。また、そのイメージを実現するために、どのような取組が効果的か、あなたの考えを述べなさい。
高校卒業程度
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:800字程度
行政事務・学校事務
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2024(令和6)年度
あなたの強みを挙げ、その強みをさいたま市職員となった際にどのように活かしていきたいか述べなさい。
2023(令和5)年度
市職員のやりがいのひとつとして「地域社会への貢献」が挙げられます。あなたがさいたま市職員として地域社会への貢献のために取り組みたいことはなにか、考えを述べなさい。
2022(令和4)年度
公務員を目指すにあたって、あなた自身が普段から心がけていることを2つ挙げ、その理由をそれぞれ述べなさい。
2021(令和3)年度
さいたま市の魅力を挙げ、その魅力を生かして職員としてどのようなことに取り組みたいか、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
あなたが考える理想の公務員像とは何ですか。また、その理想に近づくためにさいたま市職員として努力していきたいことを述べなさい。
2019(令和元)年度
グループやチームなど集団で活動するなかで、あなたが特に印象に残っていることを述べたうえで、そこから何を学び、今後仕事をする際にどう活かしていきたいか述べなさい。
2018(平成30)年度
人から信頼を得るために必要なことはなにか、今までの経験をもとに考えを述べなさい。
2017(平成29)年度
「さいたま市役所」の職員になって取り組みたいことについて述べなさい。
社会人経験者
※ 2024年度に「民間企業等経験者」を「社会人経験者」に名称変更
- 問題形式:論文
- 試験時間:60分
- 文字数:1000字程度
行政事務
過去問を表示
2024(令和6)年度
地域の持続可能な発展を目指すために、さいたま市がどのようなリーダーシップを発揮すべきかについて考察し、あなたの職務経験をどのように活かしていきたいか述べなさい。
2023(令和5)年度
民間企業における「顧客満足度」と「従業員満足度」は相関関係にあることが様々な調査で示されており、本市でも「市民満足度」の向上のために「職員満足度」の向上が重要と考えています。あなたがさいたま市職員になった場合、職員満足度の向上のために職場で取り組めることはなにか。あなたの考える職員満足度が高い職場とはどのような職場か定義した上で、考えを述べなさい。
2022(令和4)年度
さいたま市が持続可能な成長・発展を続けていくためには、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念のもとに、直面する課題に迅速かつ的確に対応していく必要があります。本市が直面する課題は何か述べた上で、誰一人取り残さない地域社会の実現のため、あなたの職務経験や知識・能力を生かして、どのような取組ができるか述べなさい。
2021(令和3)年度
多様化する市民ニーズに対応するために市民サービスや行政の生産性の向上を図っていく必要がある。あなたのこれまでの職務経験で、生産性を向上させた事例を挙げ、その経験から得たことをさいたま市職員としてどのように生かすことができるか、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
さいたま市では「自ら主体的に学ぶ姿勢」、「職員相互に育て合うこと」、「さいたま市への想い」を人材育成の基本としています。後輩職員等の人材育成を考えたとき、仕事を進めていく上で重要なことは何か、あなたの経験を交えて述べなさい。
2019(令和元)年度
働き方改革により、さいたま市も、新たなICT技術を利活用するなど業務の効率化を図り、職員が働きやすい職場環境づくりを進めていますが、さらに働き方改革を推進していくための有効な取り組みについて、あなたの民間企業等での経験を踏まえて述べなさい。
2018(平成30)年度
さいたま市では、市民サービスの向上やコスト削減等を図るため、公民連携の推進を図っているところですが、あなたの民間企業での経験から、今後どのような公民連携が考えられるか述べなさい。
2017(平成29)年度
これまでの職務経験を通して得た能力や知識について具体的に述べるとともに、その能力や知識等を、さいたま市職員としてどのように活かしていきたいかを述べなさい。
2016(平成28)年度
さいたま市長は、日頃から職員に対し「さいたま市役所は市民一人ひとりの幸せコーディネーターである」と伝えていますが、あなたがこのことを本市で実践するとしたら、どのような取組みができるか、あなたの民間企業等で得た勤務経験をもとに具体的に述べなさい。
2015(平成27)年度
あなたが民間企業等での勤務において、時流に先んじて取り組んだと考える事例について(支障のない範囲で)述べ、これから得られた経験をさいたま市政にどのように生かしていきたいと考えているか、述べなさい。
2014(平成26)年度
さいたま市長は、行財政改革の目指す方向性として、「高品質経営」市役所への転換を掲げているが、あなたが考える「高品質経営」とは何か。あなたの民間企業等での勤務経験を踏まえて述べなさい。
2013(平成25)年度
あなたのこれまでの職務経験から学んだ「仕事における危機管理対策』」について述べ、その経験をさいたま市職員としてどのように活かすことができるか述べなさい。
2012(平成24)年度
これまでの職務を通じて培った能力や経験をさいたま市職員として、どの分野の仕事で、どのように発揮していきたいか述べなさい。
2011(平成23)年度
職務経験の中で意欲的に取り組んだこととその成果、それによって身に付けた能力等について具体的に述べるとともに、それを活かして市政のどのような課題に取り組みたいか述べなさい。
2010(平成22)年度
厳しい社会経済情勢の下における企業経営と地方公共団体(さいたま市)の経営の違いと、これからのさいたま市はどうあるべきかを、これまでの民間企業等の勤務経験から具体的事例を挙げて述べよ。
2009(平成21)年度
これまでの民間企業等における職務での失敗事例をあげ、それにどう対応したか具体的に述べなさい。また、それらの職務経験から学んだことを、さいたま市職員としてどう生かせると考えるか述べなさい。
2008(平成20)年度
これまでの職務経験を通して身につけた能力や知識等について、具体的な事例を挙げて述べなさい。また、その能力や知識等をさいたま市職員として、どのように発揮したいか述べなさい。
就職氷河期世代
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:800字程度
行政事務
過去問を表示
2024(令和6)年度
さいたま市の職員としてどのようなキャリアを積み重ね、将来どのような職務に取り組んでいきたいか述べなさい。
2023(令和5)年度
本市は、「もっと身近に、もっとしあわせに」をキャッチフレーズに、市民満足度90%以上を目指す「さいたま市CS90+運動」を展開しています。このキャッチフレーズの「もっと身近に」には、さいたま市役所をより「身近」に感じてほしいという願いが込められていますが、これを実現させていくために職員としてどのようなことに取り組みたいか述べなさい。
2022(令和4)年度
様々な社会的変化が起こる現代において、公務員として働くために必要なことは何か。あなたの考えを述べなさい。
2021(令和3)年度
市民の安全・安心を守るためには、今なお猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症によって生じた様々な課題や変化を乗り越えていく必要がある。こうした困難を乗り越えるために必要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
あなたが考えるさいたま市の10年後の課題を挙げてください。また、その課題に取り組むために、あなたがさいたま市職員としてできそうなこととその理由を述べなさい。
障害者選考
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:800字程度
行政事務・学校事務
過去問を表示
2024(令和6)年度
あなたが思う「住みやすい」「住み続けたい」まちについて述べたうえで、さいたま市職員としてあなたが貢献できることは何か、考えを述べなさい。
2023(令和5)年度
あなたがこれまでに責任を持って成し遂げたことについて述べなさい。
2022(令和4)年度
仕事に取り組む意欲を高めるために必要なことはなにか。あなたの考えを述べなさい。
2021(令和3)年度
さいたま市職員として働くうえで、大切にしたいことは何か。またその理由について、あなたの考えを述べなさい。
2020(令和2)年度
あなたのこれまでの経験を踏まえ、あなたの強みを3つ挙げたうえで、さいたま市職員として、どのように仕事に生かしていきたいか述べなさい。
2019(令和元)年度
グループやチームなど集団で課題に取り組む際に必要なことは何か、あなたの考えを述べなさい。
2018(平成30)年度
あなたが人と接するうえで、大切にしていることについて述べなさい。
2017(平成29)年度
あなたが誰にも負けないと思う自信のあることについて述べなさい。
出題傾向と頻出テーマの分析
以下に、さいたま市役所の論文・作文試験の出題傾向と頻出テーマを分析・整理します。
大学卒業程度
出題傾向
設問形式
- 政策提案型(例:人口動態・都市課題の分析と具体策)
- 行政課題の解決型(例:ICT活用、少子高齢化対応)
- 自治体職員の役割や資質を問う設問
主な着眼点
- 市の現状理解(例:人口増減や地域課題)
- 解決策の実現可能性と具体性
- 公務員としての視点・使命感の有無
- 時事性・政策との関連性
答案のポイント
- さいたま市の特性を踏まえた考察
- 課題解決に向けた明確かつ論理的な提案
- 職員としての貢献姿勢を明確にする
- 結論を先に述べ、段落構成を明快に
出題傾向の分析
大学卒業程度の論文では、受験者が「市の現状を把握し、未来志向の提案ができるか」が問われる傾向にあります。特に近年は、人口動態やICT、子育て施策など、実務に直結したテーマが中心となっており、行政職としての視座・構想力が求められます。また、「さいたま市ならでは」の視点を盛り込むことが重要です。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 人口動態:人口減少、少子高齢化、転入超過、地域差
- 都市政策:DX推進、都市ブランド、住みたいまちづくり
- 教育・子育て:教育施策、子育て支援、若年層定着
- 働き方改革:テレワーク、ワーク・ライフ・バランス
- 市民満足度:CS向上施策、しあわせコーディネーター
- SDGs:誰一人取り残さない地域社会
頻出分野・キーワードの分析
さいたま市では、将来の人口構成を見据えた長期的なまちづくりが重要課題となっており、それに伴う政策的提案が多く出題されています。また、「子育て世代に選ばれる都市」としてのブランディングが進んでおり、育児支援・教育分野も頻出領域です。市の中長期計画や近年の行政施策を調べ、背景知識と自分の視点をうまく融合させることが重要です。
高校卒業程度
出題傾向
設問形式
- 自己PR型(強み・公務員志望理由・職員としての貢献)
- 体験重視型(経験談や学びをもとに構成)
- 地域貢献志向型(職員としての地域への思いを問う)
主な着眼点
- 自己理解の深さと表現力
- 課題への主体的な姿勢
- チームワークや責任感
- 地域貢献への意欲や市職員としての適性
答案のポイント
- 自らの経験や学びを具体的に述べる
- その経験をどう仕事に活かすかを明記する
- 地元や地域社会への愛着を含めると効果的
- 論理性よりも、誠実さ・人柄が伝わる表現を意識
出題傾向の分析
高校卒業程度の試験では、「どのような人柄か」「職員としての資質があるか」を見極める内容が中心です。地域貢献や自己成長といったテーマが頻出で、具体的な経験から何を学んだか、今後どう活かすかを述べる構成が好まれます。専門的な知識よりも、日常や学校生活の中での姿勢を自己分析する力が求められます。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 自己理解:強み、失敗経験と克服、やりがい
- 公務員としての姿勢:理想の職員像、責任感、誠実さ
- 地域社会:貢献意識、地元の魅力、地域活動の経験
- 経験からの学び:部活動、ボランティア、アルバイト
頻出分野・キーワードの分析
高校卒業程度の試験では、自分自身の経験を通して得た「価値観」や「学び」を公務員としての職務にどう活かすかが重要ポイントとなります。「チームでの活動」「信頼される行動」「課題に向き合った経験」などは、作文で表現しやすく、評価されやすいテーマです。また、「地域社会への思い」「将来の貢献の意志」も作文に盛り込むことで、適性をアピールできます。
社会人経験者
出題傾向
設問形式
- 経験応用型(職務経験や具体的事例を問う)
- 課題解決・提案型(民間経験を活かした施策提案)
- 公務員適性型(公と民の違いをふまえた適応力の確認)
主な着眼点
- 民間で培ったスキル・視点を行政にどう活かすか
- 公務員としての視座への転換(市民視点・公益性)
- 組織貢献やマネジメント、リーダーシップの有無
- 実務経験に基づく提案力・課題発見力
答案のポイント
- 具体的な業務経験を挙げたうえで、公務に活かせる部分を論理的に整理する
- 自身の強みや成功体験、失敗から得た教訓などを交えて、課題解決力や組織適応力を明確に伝える
- 公私混同を避け、公共の立場に立った視点で論じる姿勢が評価される
出題傾向の分析
社会人経験者区分の論文では、「公務員としての即戦力性」と「民間で得た経験の応用力」が重視されます。職務経験を通じた成功・失敗の具体例が求められ、単なる体験談ではなく、それを通じて得た考察や公務への応用がポイントです。また、自治体経営の視点や市民満足度向上、リーダーシップ、チームビルディングなど、”管理職的な資質”も問われやすい傾向があります。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 公務と民間の違い:顧客満足・市民満足、公益性、リーダーシップ
- 働き方改革:業務改善、DX、公民連携、チーム運営
- 組織・人材育成:OJT、リーダーシップ、後輩育成、モチベーション管理
- 危機管理:BCP(業務継続計画)、業務改善、失敗対応
- 行政施策と市民対応:市民満足度向上、サービス改善、社会的課題の理解
頻出分野・キーワードの分析
社会人経験者区分では、これまでの業務で培った視点を「行政」という新しいフィールドにどう展開できるかが最大の関心事です。そのため、民間で通用したスキルをそのまま転用するのではなく、地域社会や市民サービスの文脈で再構築する視点が不可欠です。業務効率化やチーム運営、カスタマー対応の経験が、住民対応や施策立案にどう生きるかを明確に整理しておきましょう。
就職氷河期世代対象選考
出題傾向
設問形式
- 自己PR型・体験重視型(人生経験・職業経験をもとに自己分析)
- 公務員としての志望動機やキャリア形成を問う構成
- 地方行政の理解と主体的な貢献意欲を重視した設問
主な着眼点
- 社会人としての経験・考えをどのように行政に活かすか
- 長期的なキャリアビジョンと地域貢献意識
- 市民目線での提案力・共感力
- 状況の変化に対応する柔軟性と責任感
答案のポイント
- 自身の経歴に誇りを持ち、失敗や挫折から学んだ経験を肯定的に伝えること
- 公務員として「地域に貢献する姿勢」「継続的な成長意欲」を明示的に示す
- 長期的な視点から「さいたま市でどのような職員になりたいか」を描くことが重要
出題傾向の分析
就職氷河期世代対象選考では、社会人としての経験や価値観が多様であることを前提としつつ、「自分自身の強みをどのように地域行政に活かしたいか」が問われる傾向にあります。公務員像の理想だけでなく、キャリアプランを具体的に描くことや、住民の身近な課題に主体的に関わろうとする姿勢が重視されています。単なる自己PRに終わらず、「市民目線の仕事」ができる人物かを見られています。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- キャリアビジョン・自己分析:これまでの経験、強み・弱み、将来の目標
- 市民サービス・地域貢献:住みよいまちづくり、市民満足度、地域課題
- 自治体の重点施策:「さいたま市CS90+運動」「住み続けたいまち」「市民にとって身近な行政」
- 公務員像:責任感、継続性、協調性、共感力
- 時事的課題:コロナ禍以後の行政対応、少子高齢化、地域活性化
頻出分野・キーワードの分析
就職氷河期世代では「さいたま市でどのように生き、働き、貢献していくか」が主軸となるため、自己理解と地域理解を結びつける力が求められます。特に「さいたま市CS90+運動」や「市民との距離感」など、市民と行政のつながりを重視したキーワードが頻出です。自分が経験してきた仕事や人生を、どのように公共サービスに転換できるかを意識して対策を進める必要があります。
障害者選考
出題傾向
設問形式
- 自己PR型・体験重視型が中心
- 日常の経験や考えをもとに、自身の特性・強みをどう活かすかを問う構成
- 公務員としての意欲や姿勢を、実生活・経験から語る設問
主な着眼点
- 自己理解・自立性(自身の特性をどのように認識し、行動しているか)
- 他者との関わり(協調性・思いやり・信頼関係の築き方)
- 公務員としての使命感(貢献意欲、責任感)
- 働くことへの姿勢(継続性・主体性・挑戦意識)
答案のポイント
- 自分自身の特性や経験を素直に言語化し、「どう活かすか」に焦点を当てる
- 支援を受ける立場での経験も、職員としての視点に変換して論述する姿勢が重要
- 日常の具体的な行動・考え方を紹介し、再現性・継続性をもってアピールすること
出題傾向の分析
障害者選考では、能力や経歴の高さよりも「人となり」や「姿勢」に焦点が置かれます。これまでの生活や働く意欲を通じて、「安心して仕事を任せられる人材であるか」を見られています。仕事に前向きに取り組もうとする意志や、周囲との円滑な協力関係を築く姿勢が伝わる内容が評価される傾向です。市職員として何ができるかを、身近な視点で考え、表現できることがカギです。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 自己理解と成長:強み・長所・責任を持って成し遂げた経験
- 働く意欲と姿勢:仕事に取り組む意欲、社会参加への意識
- 協調・信頼・対人関係:集団での活動、チームワーク、コミュニケーション
- 地域社会への関心:「住みやすいまち」「住み続けたいまち」への貢献
- 自分らしさ:誠実さ、思いやり、困難を乗り越えた経験
頻出分野・キーワードの分析
障害者選考では、抽象的な理念ではなく、具体的な日常経験に基づく表現が重視されます。例えば「責任を持って成し遂げたこと」「信頼を得るために心がけていること」など、自分自身の行動や考え方を問うテーマが多く見られます。また、最近では「住みやすいまちづくり」や「地域社会への貢献」に関するテーマも出題されており、自分の強みを職務にどう活かせるかを説明できるように準備しておく必要があります。
対策と勉強法のポイント
論点整理・文章構成のコツ
大学卒業程度・社会人経験者
さいたま市役所の論文試験で高評価を得るためには、与えられた課題に対し、「現状の課題整理 → さいたま市の現状との関連付け → 解決に向けた具体的提案 → 自身の役割・姿勢」という構成を意識することが大切です。特に、さいたま市の論文試験では「実践的な提案力」や「市の施策との接続」が問われる傾向が強いため、政策理解と論理的思考の訓練が重要です。
また、文字数条件が1000字と比較的長文であるため、事前に構成メモを作成する習慣をつけておくと、本番でも論点がぶれず、時間を効率的に使うことができます。
高校卒業程度・就職氷河期世代・障害者選考
高校卒業程度・就職氷河期世代・障害者選考などの区分では、「自己理解」「公務員としての姿勢」「社会人基礎力」といった視点が重視される傾向にあります。そのため、「経験の紹介 → そこから学んだこと → 今後の活かし方 → 公務員としての自分像」という流れを意識すると効果的です。
また、800字と比較的短い字数で構成するためには、1つのエピソードに絞り、要点を簡潔に伝える力が求められます。余白や脱線を避けるためにも、最初に「結論(主張)」を提示したうえで、必要な情報だけを厳選して書く練習が有効です。
情報収集と自治体研究のポイント
さいたま市役所の論文・作文試験で高得点を目指すには、さいたま市が現在推進している施策や直近の課題を正確に理解することが不可欠です。まず、さいたま市役所の公式ホームページや「第2次さいたま市総合振興計画」などを参照し、子育て支援、都市ブランド戦略、デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進、防災・減災、地域共生社会づくりといった重点分野の現状や施策内容を把握しておきましょう。
また、時事的な話題にもアンテナを張り、埼玉新聞や市の広報誌、NHK地方ニュースなどから具体的なデータやエピソードを収集することも重要です。自分なりにまとめた要点をノートやカードに整理し、答案作成時には“数字”や“具体例”を交えて論述することが説得力を高めるポイントとなります。さらに、市民視点での行政への要望や改善点、新たな施策の提案など、自分が興味を持ったトピックを独自の視点で深掘りする姿勢も大切です。
なお、社会人経験者区分では、単なる業務経験の羅列ではなく、「成果をどう市政に応用できるか」という視点が求められます。したがって、”職務経験のエピソードを市民サービスの向上や組織の活性化にどう結び付けるか”を意識して情報収集を進めましょう。
本番までの対策フロー
さいたま市役所の論文・作文試験で高得点を目指すためには、以下の流れで段階的に対策を進めていくことが効果的です。
大学卒業程度・社会人経験者
- 過去問の出題形式・傾向の把握
- 毎年の設問構造や問われている視点(地域施策、政策提案、ICT、人口動態など)を分析。
- 市の重点施策や計画を調査
- 総合振興計画・重点プロジェクトを読み込み、主要施策の理解を深める。
- 論文構成の練習と添削
- 自己採点や指導を通じて、構成・論理の精度を高める。
- 実戦形式で時間を意識した演習
- 本番と同様の制限時間で、過去問を複数回解いて慣れておく。
高校卒業程度・就職氷河期世代・障害者選考
- 自分の経験・強みを整理
- 印象深い体験や信念を、簡潔に言語化する練習。
- 過去問テーマで作文練習
-「貢献」「働きがい」「地域愛」など、自分の想いを表現する。
- 第三者による添削・アドバイス
- 客観的な視点で、自分の伝えたいことが正確に届いているか確認。
- 時間配分を意識した模擬試験
- 書き出しのテンプレート化や構成の訓練で、当日も落ち着いて対応。
以上のプロセスを繰り返すことで、さいたま市役所の試験で求められる論理的な文章力と実践的な知識を効率的に身につけることができます。
論文・作文試験を通じて問われるのは、知識だけでなく、社会を見つめる目と自らの考えを整理する力です。さいたま市の未来を支える公務員としての第一歩に向けて、日々の努力がきっと実を結ぶことを願っています。焦らず、自分のペースで、丁寧に準備を進めていってください。
(過去問引用:さいたま市HP)