福井県庁では、大学・短大・高卒・職務経験者など、多様な学歴・経歴に応じた試験区分・試験科目を設けて職員を採用しており、その中でも論文・作文試験は、人物評価に直結する極めて重要な試験です。本記事では、福井県庁の論文・作文試験の概要、出題傾向、過去問などを網羅的にまとめた上で、効率的な対策方法を詳しく解説します。
論文・作文試験の概要
以下は、福井県庁で実施されている各区分における論文・作文試験の実施条件です。
試験区分 | 形式 | 試験時間 | 文字数 |
---|
Ⅰ種試験(行政、アピール枠・行政) | 論文 | 70分 | 800字程度 |
Ⅰ種試験(移住・定住促進枠) | 論文 | 郵送提出 (2022年まで70分) | 不明 (2022年まで800字程度) |
Ⅱ種試験 | 作文 | 60分 | 550字以内 |
小・中学校事務職員 | 作文 | 60分 | 550字以内 |
就職氷河期世代 | 作文 | 60分 | 550字以内 |
障がい者採用 | 作文 | 60分 | 550字以内 |
論文・作文試験の過去問
以下に、福井県職員採用試験の論文・作文試験の過去問を年度・区分別に整理します。
Ⅰ 種
行政
- 問題形式:論文
- 試験時間:70分
- 文字数:800字程度
過去問を表示
2024(令和6)年度
「20年後の福井県の姿について」
わが国は、本格的な人口減少、超高齢社会に突入し、福井県においても、2040年には人口が64.7万人に減少すると推計され、高齢化率も約37%にまで上昇することが見込まれている。こうした中、福井県では、20年後の福井の姿を描く「福井県長期ビジョン」を2020年に策定し、北陸新幹線や中部縦費自動車道など、整備が進む高速交通ネットワークをはじめ、豊かな自然や歴史・文化、充実した子育て環境、教育水準の高さなど、福井特有の資源や特色を活かし、福井の未来を形作る様々な政策を推進している。
- 福井県の将来像、20年後の姿をよりよいものにしていく上で、どのような課題が生じていると考えるか。課題を一つ挙げ、その理由を述べなさい。
- (1)で述べた課題を踏まえ、あなたが考える「20年後の福井県の姿」を実現するために、どのような政策を進めるべきと考えるか、あなたの考えを具体的に述べなさい。
※(1)(2)全てについて、回答してください。(1)(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答してください。
2023(令和5)年度
「本県におけるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進について」
政府は、令和5年2月10日閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」において、国際公約に掲げた「2050年カーボンニュートラル実現」を目指し、GX推進により脱炭素とエネルギーの安定供給を両立するととともに、脱炭素分野における日本の産業競争力を強化し、経済成長を実現していく必要があると述べており、地方自治体にもその実現に向けて有効な施策を率先して実施することが求められている。本県においても、令和2年に策定した「福井県長期ビジョン」において、2050年に二酸化炭素排出を実質ゼロとする「ゼロカーボン」を掲げており、令和5年5月の組織改正では「エネルギー環境部」を新設するなど、再生可能エネルギーの導入や環境対策など、GX推進に注力している。
※ GX(グリーントランスフォーメーション)…産業革命以来続いてきた化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革させる取組みのこと。
- 本県のGX推進に当たり、あなたが考える課題を具体的に一つ挙げ、その理由を述べなさい。
- (1)で述べた課題を踏まえ、本県におけるGX推進に向けどのような施策を行うべきか、あなたの考えを具体的に述べなさい。
※(1)(2)全てについて、回答してください。(1)(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答してください。
2022(令和4)年度
「SDGsの達成に向けた取組みについて」
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットにおいて採択された2030年までの国際目標である。持続可能な世界を実現するための17のゴール(目標)から構成され、「誰一人取り残さない」という共通理念を掲げている。SDGsの達成に向けて、国や自治体、企業等が様々な取組みを進めている中、昨年5月、福井県は、「次世代に選ばれる『しあわせ先進モデルふくい』の実現」をテーマにした提案が認められ、内閣府の「SDGs未来都市」に選定された。
<SDGs17のゴール(目標)>
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な施策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
- 上記に掲げたSDGsの目標の中で、あなたが最も関心を持っている、または最も重要と考えているものを1つ挙げ、その理由について具体的に述べなさい。
- あなたが本県の職員になった場合、(1)で挙げた目標を達成するために解決すべき課題を挙げるとともに、県として取り組んでみたい施策について具体的に述べなさい。
※(1)(2)全てについて、回答してください。(1)(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答してください。
2021(令和3)年度
「福井県への移住定住促進策について」
国の地方財政審議会が、今年5月に取りまとめた「感染症を乗り越えて活力ある地域社会を実現するための地方税財政改革についての意見」では、地方創生の推進として、「地方自治体は、この機を捉まえ、活力ある地域社会の実現のため、地方への人の流れの創出・拡大等を通じて地方回帰を支援していくべきである。」と提案している。本県では昨年7月に、日本一の子育て応援社会の環境づくり、都市部における「攻め」の移住政策、地域産業を担う人材育成と魅力的な仕事づくりなど、今後さらに強化・拡充していく具体的な施策をとりまとめた「第2期ふくい創生・人口減少対策戦略」を策定した。
- 本県への移住・定住を増やすため、県としてどのような課題に重点的に取り組む必要があるのか、あなたの考えを述べなさい。
- (1)で挙げた課題に対し、あなたが効果的と考える施策をその理由を含めて述べなさい。
※ 上記(1)(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるように回答してください。
2020(令和2)年度
「福井県の将来像について」
福井県では、本県のさらなる発展に向けて行動していくため、今年7月に今から20年後となる2040年の福井県の将来像を描いた「福井県長期ビジョン」を策定した。
- あなたが県職員になった場合、2040年に向けて福井県をどのような県にしていきたいか、理由を添えて述べなさい。
- (1)で述べたような福井県を目指すにあたり、解決すべき課題とその解決策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。
2019(令和元)年度
「福井県が取り組むべき施策について」
日本総合研究所が2018年5月に発表した「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」において、本県は2014年、2016年に続き、3回連続で幸福度日本一と評価されている。
- 県民の幸福度をより高めていくために、本県は今後さらにどういった課題に取り組むべきか、理由とともに1つ挙げなさい。
- (1)で挙げた課題を解決するための具体的な施策について、あなたの考えを述べなさい。
2018(平成30)年度
「若者の定着促進について」
本県では、北陸新幹線や中部縦貫自動車道などの高速交通体系の整備により、本県の立地条件は一段と高まり、次の大きな飛躍の時期を迎えています。しかしながら平成29年において、県内の高校から県外の大学等に進学した人のうち、県内にUターン就職する人の割合は3割に満たない状況となっています。また、県内の高校から県内の大学等に進学した人においても、約2割が県外で就職しています。このように、県内外の大学等に進学した本県出身の若者が、卒業後本県で就職しない理由を挙げるとともに、本県出身新卒者の本県への定着を進めるために、県が取り組むべき施策についてあなたの考えを述べなさい。
2017(平成29)年度
「地方創生に向けた取組について」
「まち・ひと・しごと創生法」が平成26年11月に制定され、人口の減少に歯止めをかけ、東京一極集中を是正するとともに、活力ある日本社会を維持するため、「地方創生」に国や地方自治体をあげて取り組んでいます。「地方創生」を進め、活力あるふるさとづくりを実現するために、本県において特に取り組むべきと考える課題とその理由を挙げるとともに、具体的にどのような施策を実施すべきか、あなたの考えを述べなさい。
2016(平成28)年度
「今後福井県が優先的に取り組むべき施策について」
福井県は他都道府県と比べてどのような強み(長所)を持っているか、また、どのような弱み(短所)を持っているか、それぞれ記載しなさい。そして、あなたが記載した強み、弱みを踏まえ、今後、福井県が優先的に取り組むべき施策について、あなたの考えを述べなさい。
2015(平成27)年度
福井県の総人口は平成11年(1999年)の83万1千人をピークに減少に転じ、平成26年(2014年)の推計人口は79万人となっている。そして、平成52年(2040年)には、63万3千人に減少すると推計されている。(国立社会保障・人口問題研究所「都道府県別将来推計人口」平成25年3月公表)また、福井県は、以前から社会増加数がマイナスとなることが多かったが、平成16年からは自然増加数もマイナスに転じ、平成26年は自然増加数が2626人のマイナス、社会増加数が2233人のマイナスとなっている。自然増加数、社会増加数がマイナスとなっている原因と考えられるものについて、それぞれ記載した上で、福井県の人口の減少を食い止めるために必要な施策について、あなたの考えを述べなさい。
移住・定住促進枠
- 問題形式:論文
- 試験時間:郵送により提出(2022年度以前は70分)
- 文字数:不明(2022年度以前は800字程度)
過去問を表示
2024(令和6)年度
問1 「組織に貢献した経験について」
- これまでの職務経験の中で、あなたの持つ強み(専門性、経験、スキル、資格等)を発揮し、組織に貢献したと考える経験について、具体的に述べなさい。
- (1)で述べた強みを活かし、県職員として、福井県庁という組織にどのように貢献できると考えるか、具体的に述べなさい。
問2「『ふくい新時代』を切り拓く県政運営について」
- 令和6年3月に北陸新幹線福井・敦賀開業が実現し、本県は100年に一度のチャンスを迎えている。この好機を活かし、県外からの観光客はもちろん、県民にとっても魅力ある福井県をつくり、「ふくい新時代」を切り拓いていくために、県としてどのような政策を講じるべきと考えるか、理由を添えて述べなさい。
- (1)で述べた政策を実現するために、あなたのこれまでの知識や経験をどのように活かすことができると考えるか、具体的に述べなさい。
※ 問1・問2ともに600字程度で記述してください。全体で1200字程度(答案用紙4枚程度)。(1)(2) についておおむね半分ずつになるようにしてください。
2023(令和5)年度
※ 過去問情報なし
2022(令和4)年度
「福井県が取り組むべき移住・定住策について」
新型コロナウイルス感染症を機に、働き方や暮らし方が見直されてきており、都市部から地方への移住指向が高まっている。
- 本県への移住・定住を増やすため、県としてどのような課題に重点的に取り組むべきと考えるのか、理由を添えて述べなさい。
- (1)で述べた課題に対し、県職員として働く中で、あなたの職務経験をどのように活かして取り組んでいきたいか、具体的に述べなさい。
※(1)、(2)について、おおむね半分ずつになるようにしてください。
2021(令和3)年度
「福井県政の課題とその解決について」
- 今後の福井県政を進めるに当たり、あなたが考える最も重要な課題を1つ挙げるとともに、その理由を述べなさい。
- (1)で挙げた課題を解決するために、あなたがこれまでの職務経験で培った発想力やノウハウをどのように活かしていきたいか、具体的に述べなさい。
※(1)、(2)について、おおむね半分ずつになるようにしてください。
2020(令和2)年度
- 県外在住のあなたから見て、本県の強みは何かについて具体的に述べた上で、その強みを活かして本県が今後特に取り組むべきと考える施策について具体的に一つ挙げるとともに、その理由を述べなさい。
- (1)で述べた施策を実現するために、あなたは、これまでの職務経験を活かしてどのように取り組んでいきたいか述べなさい。
※(1)、(2)について、おおむね半分ずつになるようにしてください。
2019(令和元)年度
- あなたのこれまでの職務経験の中で、成果を挙げた事例と、その成果を挙げるために努力した取組や自身が果たした役割を具体的に述べてください。
- (1)で述べた成果を挙げる過程で培った能力、知識等を、本県の行政のどの分野でどのように活かしていきたいか、あなたの考えを述べなさい。
※(1)、(2)すべてについて回答してください。
2018(平成30)年度
- 本県が、今後特に取り組むべき施策について具体的に一つ挙げるとともに、その理由を述べなさい 。
- (1)で述べた施策を実現するために、 あなたがこれまでの職務経験を活かしてどのように取り組んでいきたいか述べなさい 。
※(1)、(2)すべてについて回答してください。
2017(平成29)年度
- あなたがこれまでの職務経験を通じて培ってきた能力、知識等について、具体的に述べてください。
- (1)で述べたあなたの能力、知識等を、福井県の行政のどの分野でどのように活かしていきたいか、具体的に考えを記述してください。
※(1)、(2)すべてについて回答してください。
Ⅱ 種
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:550字以内
行政
過去問を表示
2024(令和6)年度
「『もっとおもしろい』ふくいの実現に向けて」
- 福井県では、県民の新しい発想やチャレンジを応援し、ワクワクドキドキの「もっとおもしろい」ふくいをつくることを目指しているが、あなたにとっての「もっとおもしろい」ふくいとはどのようなものか、理由を添えて述べなさい。
- (1)で述べた「もっとおもしろい」ふくいを実現するために、あなたはどのようなことに挑戦してみたいと考えるか、具体的に述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
2023(令和5)年度
「県民から信頼される公務員になるために」
- あなたが公務員として県民からの信頼を得るために、大切だと考えることについて具体的に述べなさい。
- (1)で述べた内容をもとに、あなたが福井県職員、小・中学校事務職員として働く中で、県民から信頼を得るためにどのようなことを日々心掛けていきたいと考えるか、あなたのこれまでの経験を踏まえて述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
2022(令和4)年度
「人と協力して成果を得た経験について」
- 職場や学校で、あなたが同僚や友人と協力し、成果を得た経験を具体的に一つ述べなさい。
- また、その経験を福井県職員、小・中学校事務職員として働く中で、どのように活かしていきたいか述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
2021(令和3)年度
「あなたが目指す職員像について」
- あなたが福井県職員、小・中学校事務職員として採用された場合、どのような職員になりたいか述べなさい。
- また、そのためにどのような心構えで仕事に取り組んでいきたいか、これまでの経験を踏まえてあなたの考えを述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
就職氷河期世代
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:550字以内
行政・警察行政
過去問を表示
2023(令和5)年度
「組織の一員として働く上で重要視すること」
- あなたが福井県職員・警察行政職員として働く上で、自身と組織のパフォーマンスを向上させるために最も重要だと考えることについて、理由を添えて述べなさい。
- (1)で述べた内容とあなたのこれまでの経験を踏まえ、実際にどのようにして組織に貢献していきたいと考えるか、あなたの考えを述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
2022(令和4)年度
「あなたの経験を活かす施策について」
- 少子高齢化や人口減少が進む中、本県における地域の活性化と豊かな暮らしを実現するために、行政としてどのような施策を行うべきか具体的に述べなさい。
- あなたが福井県職員、警察行政職員として(1)の施策を進めるに当たり、あなたがこれまでに培った経験をどのように活かしていきたいか述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
2021(令和3)年度
「あなたの経験について」
- あなたがこれまでに困難を乗り越えた経験を一つ挙げた上で、どのように乗り越えたのか具体的に述べなさい。
- (1)で述べた経験から学んだことを福井県職員、警察行政職員として働く中でどのように活かしていきたいか、あなたの考えを述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
障がい者採用
- 問題形式:作文
- 試験時間:60分
- 文字数:550字以内
行政・警察行政・小中学校事務
過去問を表示
2023(令和5)年度
「だれもが暮らしやすい『まちづくり』について」
- 「だれもが暮らしやすいまち」とはどのようなものか、あなたの考えを理由を添えて述べなさい。
- 福井県を(1)で挙げた「だれもが暮らしやすいまち」とするために、県として取り組むべきことについて、あなたの考えを述べなさい。
2022(令和4)年度
「あなたが挑戦してきたこと」
あなたがこれまでに挑戦してきたことについて具体的に述べなさい。また、その経験から何を学び、公務員として働く中で、どのように活かしていきたいか述べなさい。
2021(令和3)年度
「あなたの強みについて」
- あなたの強みは何か具体的に述べなさい。
- また、福井県職員、小・中学校事務職員として働く中で、その強みをどのように活かしていきたいか述べなさい。
※ 上記(1)、(2)について、おおむね半分ずつの文章量となるようにしてください。
出題傾向と頻出テーマの分析
以下に、福井県庁の論文・作文試験の出題傾向と頻出テーマを分析・整理します。
Ⅰ種試験(行政、アピール枠)
出題傾向
設問形式
- 課題解決型(県の将来像や行政課題、政策提案、社会課題に対する施策提案など)
- 時事政策型(GX、SDGs、人口減少、地方創生など)
主な着眼点
- 県の現状分析と課題の抽出力
- 課題の理由や背景を論理的に説明する力
- 具体的な政策提案力と実現性・独自性
答案のポイント
- 問題提起→課題分析→政策提案→まとめ という流れを意識する
- 福井県独自の地域特性・データ・現行施策を引用すると説得力が増す
- 時事テーマや国の政策方針への理解を反映する
出題傾向の分析
近年は、「20年後の福井県の姿」「GXの推進」「SDGs」「移住・定住促進」など、人口減少・地方創生・カーボンニュートラルなどの全国共通課題と、福井県独自の地域振興策や長期ビジョンに絡めた出題が多く見られます。社会全体の動向や福井県の重点政策を踏まえ、総合的な課題把握力と政策立案力、課題解決に向けた論理的思考力が問われています。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 人口減少・少子高齢化
- 地方創生・移住定住
- SDGs・カーボンニュートラル・GX
- 子育て支援・教育・福祉
- 産業振興・地域活性化
- 北陸新幹線・交通ネットワーク
- 防災・危機管理
頻出分野・キーワードの分析
福井県では、全国的な課題(人口減少、SDGs、GX推進)と、県独自の強み(教育水準の高さ、子育て支援、交通インフラ整備など)を組み合わせたテーマが頻出です。各テーマの最新動向や、県が進める「長期ビジョン」「創生戦略」などを公式資料で確認し、根拠となるデータ・施策内容を具体的に押さえておくことが有効です。人口減少や産業振興など幅広いテーマについて、自分なりの分析や提案をまとめておきましょう。
Ⅰ種試験(移住・定住促進枠)
出題傾向
設問形式
- 体験・自己PR型(組織貢献の経験、強みの活用、県政への貢献など)
- 政策提案型(「ふくい新時代」を切り拓くための施策、移住・定住策など)
主な着眼点
- 職務経験や専門性をどのように行政に活かすかという視点
- 地域活性化・移住定住に関する現場目線の提案力
- チャレンジ精神や主体性の表現
答案のポイント
- 具体的な経験エピソードや実績を明確に記述する
- 県の行政や職場で活かせるスキル・姿勢を論理的に説明する
- 移住・定住促進や観光振興に対する独自の視点・意見を盛り込む
出題傾向の分析
移住・定住促進枠では、これまでの職務経験や専門性をどのように福井県行政で活かすかを問う設問が中心です。加えて、観光政策や新幹線開業の追い風を踏まえた地域活性化策も重視されます。主体的な経験・実績の棚卸しと、県政の重点課題への具体的な貢献案を整理しておきましょう。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 移住・定住促進
- 組織への貢献経験・専門性・スキル
- ふくい新時代(観光、地域活性化)
- U・Iターン、テレワーク・多様な働き方
- 生活環境・子育て支援・交通利便性
頻出分野・キーワードの分析
県外からの人材誘致や多様な働き方、移住・定住の魅力発信がキーワードとなります。自身のキャリア・経験が福井県でどのように生きるかを具体的に述べることが重要です。県の重点プロジェクトや移住支援策の内容を把握しておくと、説得力のある答案につながります。
Ⅱ種試験・小中学校事務職員・就職氷河期世代・障がい者採用
出題傾向
設問形式
- 自己PR・経験型(協力して成果を得た経験、挑戦したこと、困難の克服など)
- 職員像・心構え型(理想の職員像、信頼されるために大切なこと など)
- 組織貢献・地域貢献型(地域の活性化、まちづくり など)
主な着眼点
- 協調性や主体性、チャレンジ精神、責任感
- 公務員としての心構えや地域社会への貢献意欲
- 実体験を基にした自己分析・自己成長
答案のポイント
- 実際の経験や具体的なエピソードを交えて表現する
- 県職員や事務職員として活かせる力を明確にする
- 「住民・県民目線」を大切にする
出題傾向の分析
Ⅱ種・事務職員・氷河期・障がい者枠は、自己理解と協調性、地域貢献意欲を重視したテーマが中心です。自身の成長過程や協力体験、困難の克服など、ストーリー性を持って整理することが重要です。
頻出分野・キーワード
頻出分野・キーワード
- 協力・チームワーク
- 公務員倫理・信頼
- 住民サービス・地域貢献
- 障がい者支援・多様性
- 挑戦・困難克服・自己成長
頻出分野・キーワードの分析
社会人基礎力やコミュニケーション力、課題発見・解決力が問われます。特に自分の経験がどのように県の仕事・市民サービスに活かせるかを、わかりやすく伝える準備が必要です。
対策と勉強法のポイント
論点整理・文章構成のコツ
Ⅰ種試験(行政、アピール枠・移住定住促進枠)
福井県庁の論文試験で高評価を得るためには、与えられた課題に対し、「課題の抽出 → 理由や背景の説明 → 解決策(政策提案)→ まとめ」という構成を意識することが大切です。特に、福井県庁の出題では「地域課題の分析」や「独自視点の政策提案」が問われる傾向が強いため、県の実情やビジョンに即した論述が重要となります。また、文字数条件が800字と比較的長文であるため、事前に構成メモを作成する習慣をつけておくと、本番でも論旨を整理しやすくなります。
Ⅱ種・小中学校事務職員・氷河期・障がい者採用
これらの区分では、「経験・体験 → 得られた学び → 仕事への活かし方 → まとめ」という構成を意識しましょう。自己PR型設問では、エピソードの明確化と、そこで得た気づきを公務員業務と結びつけることが大切です。550字以内と短めなので、簡潔な文章・表現を心掛け、要点を端的にまとめる力を養いましょう。
情報収集と自治体研究のポイント
福井県庁の論文・作文試験で高得点を目指すには、福井県が現在推進している施策や直近の課題を正確に理解することが不可欠です。まず、福井県庁の公式ホームページや「福井県長期ビジョン」「ふくい創生・人口減少対策戦略」などを参照し、人口減少対策、産業振興、移住・定住促進、観光振興、防災、子育て支援といった重点分野の現状や施策内容を把握しておきましょう。
また、地域新聞や県広報誌「NEWふくい」、ニュースなどから具体的なデータや地域事例も集め、答案作成時に活用できるよう自分なりに整理しておくことが重要です。さらに、市民や住民の視点で行政の課題・ニーズを考え、自分なりの提案や改善策をまとめておきましょう。
本番までの対策フロー
福井県庁の論文・作文試験で高得点を目指すためには、以下の流れで段階的に対策を進めていくことが効果的です。
Ⅰ種試験(行政・アピール枠・移住定住促進枠)
- 出題傾向・過去問の詳細な把握
直近の出題テーマや設問構造、採点の観点を整理し、問われやすい課題設定や政策提案型の構成に慣れる。
- 福井県の現状・重点施策を深掘り
「福井県長期ビジョン」や「ふくい創生・人口減少対策戦略」などを中心に、人口減少・地域活性化・GX・子育て・移住促進など県独自の課題や取組を整理し、具体例・数値をメモしておく。
- 政策提案型論述の練習・パターン化
「課題抽出→理由や背景→政策提案→まとめ」という流れで、複数パターンの答案骨子を事前に準備・練習し、時間内に800字を書き上げる力を養う。
- 模擬答案作成と第三者チェック
自作答案を講師や仲間に添削してもらい、論理性・独自性・説得力をブラッシュアップする。
- 最新の県政ニュース・施策事例の収集
本番直前は直近の県政トピックや新規施策を再確認し、答案に時事的な視点を盛り込めるように準備する。
Ⅱ種試験・小中学校事務職員・就職氷河期世代・障がい者採用
- 設問形式と過去問傾向の把握
自己PR型、協調性や挑戦経験型など、頻出パターンを分析し、自分の実体験をテーマごとに整理する。
- エピソードの棚卸しと要約練習
学生時代・職場での協力経験、失敗や克服経験、成長エピソードなどを複数ストックし、550字以内で簡潔にまとめる練習を行う。
- 「得た学び」と「仕事への活かし方」を結びつける
エピソードだけでなく、「どのような資質を公務員として活かせるか」を常に意識して整理し、明確に答案に盛り込む。
- 模擬答案の作成・推敲
実際の設問形式で制限時間を意識しながら書く練習を重ねるとともに、わかりやすい表現や論理展開を意識する。
- 公務員像・県民視点の確認
自分の経験を福井県の行政・住民サービスにどのように活かせるか、面接対策も意識して具体化する。
以上のプロセスを繰り返すことで、福井県庁の試験で求められる論理的な文章力と実践的な知識を効率的に身につけることができます。
論文・作文試験を通じて問われるのは、知識だけでなく、社会を見つめる目と自らの考えを整理する力です。福井県庁の未来を支える公務員としての第一歩に向けて、日々の努力がきっと実を結ぶことを願っています。焦らず、自分のペースで、丁寧に準備を進めていってください。
(過去問引用:福井県HP)